仲の良い兄弟でも共有名義での不動産相続は避けるべき
仲のいい兄弟であっても、共有名義で不動産を相続することはお勧めしません。
共有者同士になることで、不動産の活用や売却をめぐり意見が合わず、トラブルになり、関係が壊れてしまうことがあるためです。
そのため、実家を兄弟で相続する際は必ず共有名義を回避しましょう。
兄弟共有名義になる2つのケース
共有名義を避けるためには、前提知識として、なぜ共有名義になってしまうのかを知らなくてはなりません。
兄弟で共有名義になるケースとは以下の2つです。
それぞれ解説します。
遺産分割協議の結果として共有
相続人(遺産を受け継ぐ人)全員で「遺産分割協議」を行った結果、相続不動産を相続人全員の共有名義にすることもあります。
相続人全員で遺産の分け方を話し合うこと。
たとえば、遺産分割協議をしたものの、意見がまとまらず、やむを得ず、各相続人が納得のいく配分で共有名義で相続した場合などです。
今まさに、遺産分割協議の最中で、意見が合わずに相続人同士で揉めているという方は、共有名義で相続することになる前に、「遺産分割協議」をご確認ください。
共有名義を避ける相続方法について、具体的に解説しています。
そもそも遺産分割協議をしていない
遺産分割協議を行わないと、不動産は自動的に法定相続分で法定相続人に相続されることになります。
- 法定相続人
- 亡くなった方の配偶者と血族(民法上において遺産を受け継ぐ権利を有する人)。
- 法定相続分
- 民法上の基準として定められている、各法定相続人が遺産を受け継ぐ取り分。
法定相続分で相続すると、兄弟2人の場合、共有持分1/2ずつで共有状態になります。
ただ、遺産分割協議が行われていないのであれば、いつでも協議を行って相続不動産を単独名義にすることが可能です。
次章でお伝えする共有名義のトラブルを回避するためにもなるべく早めに協議を行うことをお勧めします。
兄弟共有名義におけるトラブル事例4選
兄弟で共有名義として不動産を相続してしまうと起こり得るトラブルは以下の4つです。
いずれも兄弟間の仲を崩壊させてしまうようなトラブルですので、しっかり確認してください。
なお、「すでに兄弟間でトラブルになっている」「これから相続の予定だが、トラブルを回避する方法が知りたい」という方は「相続発生前に将来の共有名義を回避する生前対策」以降をご確認ください。
状況別にトラブル回避法を紹介しています。
兄弟間で不動産の売却や利用で揉める
不動産を兄弟の共有名義で相続すると、いずれ兄弟間で不動産の売却や利用を巡って揉め事が起こる恐れがあります。
共有名義になっている不動産は、民法上、売却するのも賃貸に出すのもリフォームを施すのにも、いちいち他の共有者の合意が必要になるからです。
参照元:e-Gov法令検索「民法251条」
参照元:e-Gov法令検索「民法252条」
もしも兄弟同士で意見が対立すれば、売却も活用もできないまま、固定資産税などのランニングコストを払い続けるだけの「負動産」になってしまいます。
もし、すでに共有不動産が売却も活用もできず「負動産」化してしまっていて困っている場合は、あなた自身の共有持分のみを専門の買取業者に売却することで、他の兄弟との共有関係から抜け出すことができます。
共有持分は、一般の不動産屋では扱えないことが多いですが、弊社Albalinkは、訳アリ物件専門の不動産買取業者ですので、共有持分のみであっても問題なく買い取れます。
共有持分を買取、再販・運用する独自のノウハウを持っているためです。
「兄弟で売却についての意見が合わず困っている」「自分の持分だけでも売却して共有名義から抜け出したい」という方は、一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
査定依頼をしても、他の共有者に知られることはないので、ご安心ください。
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なお、共有不動産に対して共有者が単独で行える行為、制限される行為に関しては以下の記事で詳しくまとめておりますので、あわせてご確認ください。
兄弟のどちらかが物件を占拠してしまう
兄弟で共有名義で相続したものの、実際に不動産に住んでいるのは1人の場合、その兄弟に実質、不動産を占拠されてしまうことがあります。
そうなると、もし他の兄弟が不動産を売却や賃貸に出したくても、その兄弟(占拠者)を物件から追い出すのは困難です。
なぜなら、全ての共有者には「共有不動産の全体を使用する権利(使用収益権)」が認められており、仮に物件の明け渡しを裁判で求めても、よほどのことが無い限り違法性は認められないからです。
もちろん、物件を占拠している以外の兄弟にも使用収益権がありますので、他の兄弟は占拠者に対して持分割合に応じた金額を対価として不当利得返還請求をすることが可能です。
賃料請求できる金額の具体例
- 一ヶ月の家賃相場が「10万円」の不動産(周辺情報などから算出)
- 兄と弟の2人が「2分の1ずつ」で共有している
- 兄が1年間物件を占拠している
この場合、弟は兄に対して「家賃相場の2分の1」を目安に1年分の賃料請求が可能です。
よって、請求可能な賃料は「10万円×1/2×12ヶ月=60万円」となる。
しかし占拠者が素直に賃料の請求に応じるとは限らず、もし応じなければ兄弟間のトラブルは避けられません。
兄弟間での話し合いで決着がつかない場合、訴訟(不当利得返還請求訴訟)を起こし、勝訴すれば、占拠者に対する「強制執行」も可能です。
支払いなどの債務を債務者の財産から強制的に回収すること(例:預金口座の差し押さえ)。
また、仮に強制執行により賃料などを勝ち取れたとしても、訴訟まで起こしてしまったら、兄弟仲は決定的に裂かれてしまうでしょう。
なお、不当利得返還請求訴訟を起こす手続きなどについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
管理費や固定資産税の負担で揉める
不動産を兄弟の共有名義として相続するといずれ、「固定資産税や維持管理費などのランニングコストを誰が負担するのか」 について意見が割れ、共有者トラブルになる恐れがあります。
前提として、共有不動産にかかる「固定資産税」や「維持管理費」は法律上、共有者全員が持分割合に応じて負担することになっています。
参照元:e-Gov法令検索「地方税法第10条2項」
参照元:e-Gov法令検索「民法253条」
そのため、共有不動産にかかる費用を兄弟のうちの1人が代表で支払っている場合、代表者は他の共有者(兄弟)に支払いを請求できます。
もし支払いを拒否する共有者がいれば、裁判によって強制執行に踏み切ることも可能です。
ただ、前項の「不当利得返還請求訴訟」同様、裁判には高額な費用がかかる上に、兄弟仲が決定的に壊れてしまうリスクがあります。
もし、兄弟に不動産を占拠されていたり、税金を負担してもらえないなどのトラブルを抱えていて、訴訟も起こせずに悩んでいる場合は、自身の持分のみ専門の買取業者に売却することをお勧めします。
自身の共有持分は自由に売買できますし、持分を売却してしまえば、他の兄弟と顔を合わさずに共有関係から抜け出せます。
さらに、売却金としてまとまった金額も手に出来ます。
弊社Albalinkも、訳アリ物件専門の不動産買取業者として共有持分の買取に力を入れております。
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自分の配偶者や子供までもがトラブルに巻き込まれる
不動産を兄弟と共有名義のままにしておくと、将来的に、自分の配偶者や子供まで共有関係のトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
たとえば、兄弟の2人で不動産を共有しており、兄が亡くなった場合、兄の持分は兄の配偶者と子供へ相続されます。
仮に、兄に妻と3人の子供がいた場合、法定相続分通りに相続してしまうと、「兄の妻」「兄の子供3人」の4人が新たに共有関係に加わります。
兄弟が仲が良かったとしても、弟と、兄の家族がうまく共有関係を維持できる保証はありません。
たとえば、兄の弟との共有関係を避けたい兄の妻が、突然共有不動産の売却を主張しだすかもしれません。そこで意見が合わなければ兄の弟と、兄の妻の間で争いが発生してしまいます。
自分亡き後に残される家族を共有関係によるトラブルに巻き込みたくなければ、不動産を共有名義として相続してはなりません。
そこで次章では、共有名義での相続を回避する方法を状況別に解説していきます。
なお、不動産を共有名義で相続するデメリットについては以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
相続発生前に将来の共有名義を回避する生前対策4選
不動産が共有名義として相続されることを避けるには、推定被相続人(死後に財産を遺す予定の人)が生きているうちに生前対策を行うのがベストです。
共有名義での相続を避けるための、生前対策は以下の4つです。
- 相続発生前に不動産を売却してしまう
- 他の共有者に持分を買い取ってもらう(すでに共有状態の場合)
- 推定被相続人の共有持分を専門の買取業者に売却する(すでに共有状態の場合)
- 不動産を遺す場合は遺言書を作成しておく
なお、すでに推定被相続人が亡くなっており、遺産分割協議中であるという方は「遺産分割協議中の兄弟共有名義を回避する相続方法」をご確認ください。
また、すでに兄弟で共有名義で相続してしまったという方は「相続登記完了の兄弟共有名義を解消する方法」をご確認ください。
相続発生前に不動産を売却してしまう
推定被相続人(死後に財産を遺す予定の人)が所有している不動産を売却してしまえば、共有名義での相続を避けられます。
不動産を現金化してしまえば、相続人は現金を公平に分け合うだけでいいからです(換価分割)。
実際、弊社がおこなったアンケート調査では、相続に際して「家族や親族と揉めないかが不安」と回答した方の割合がもっとも多い結果となりました。
引用元:訳あり物件買取プロ|【相続に関する不安ランキング】男女500人アンケート調査
とくに相続財産のなかに不動産が含まれている場合は、相続トラブルが起こりやすいといえます。
不動産は物理的に分割することができないからです。
しかし不動産を売却して現金化してしまえば相続人同士で公平に分割できるようになるので、トラブルを未然に防げます。
ただし、以下のように立地や状態が良い不動産でないと、仲介業者に依頼して売りに出しても買手がつかない可能性があります。
- 駅やスーパーや病院などがある町の中心地まで徒歩で行ける(地方であれば車で10分以内で行ける)立地であること
- リフォームせずに、現状のままですぐに住める状態であること
もし、推定被相続人が相続人と共有名義で不動産を所有している場合(親と子が共有で実家を所有しているなど)、売却するには、双方の同意が必要です。
また、推定被相続人や相続人が実家に住んでいる場合(親と子が実家で暮らしている場合など)、実家を売却してしまうと、住処を失ってしまいます。
そのため、新たにマイホームを購入するのか、賃貸物件を借りるのかなど、売却後の住処について、事前に話し合って決めておきましょう。
以上のことから、不動産の売却による生前対策は以下の場合におすすめです。
- 不動産(実家など)の立地や状態が良く、売却できる見込みが高い
- 推定被相続人が単独名義で不動産を所有している
- 共有名義になっているが共有者全員で売却に向けて足並みを揃えられる
もし、現在あなたが親と共有名義で実家を所有しており、実家を売却する合意形成ができない場合は、次項でお伝えする、持分の買取を検討してみましょう。
他の共有者に持分を買い取ってもらう(すでに共有状態の場合)
推定被相続人(親)と相続人(子供など)がすでに共有名義で不動産(実家など)を所有している場合、相続人が推定被相続人の持分を買い取ることで、相続人の単独名義にすることができます。
推定被相続人にとっては、自身の持分を買い取ってもらうことで、自身が亡くなった後の相続トラブルを回避できるため、心が軽くなるでしょう。
身内のお金ではありますが、売却金を得ることもできます。
相続人にとっても、持分を買い取り、単独名義にできれば、不動産を自由に売却や活用できるようになります。
ただし、共有者間の持分の売買は売却価格で揉める恐れがあります。
たとえば、「身内の売買だし、なるべく安く買い取りたい」相続人と、「身内だからといって、あまり安く買い叩かれるのは避けたい」推定被相続人の間で意見が食い違うといった具合です。
そもそもこの方法は、買主となる相続人に、持分を買い取れるだけの資金力がなければ成立しません。
そのため、共有者間での持分売買による生前対策は以下の場合におすすめです。
- 持分の売却価格に売主、買主共に納得できている
- 買手である共有者に持分を買い取るだけの資金力がある
なお、共有名義を単独名義にするための手続きや費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
推定被相続人の共有持分を専門の買取業者に売却する(すでに共有状態の場合)
推定被相続人の共有持分を専門の買取業者に売却することで、推定被相続人の持分をめぐる相続争いを回避できます。
たとえば、親と子で実家を共有しているけれど、親だけが実家に住んでおり、子どもは遠方に住んでいるケースもあるでしょう。
こうしたケースでは、親の持分を専門の買取業者に売却してもよいでしょう。
共有持分は一般の不動産屋ではまず扱ってもらえません。
共有持分のみを購入したいと思う一般の個人はいないためです。
ただ、専門の不動産買取業者であれば、共有持分のみであっても、問題なく買い取れます。
専門の買取業者は、共有持分を買取り、利益を生み出すためのノウハウがあるためです。
たとえば、弊社Albalinkが親と子供の共有不動産の、親の持分を買い取った場合、子供とも話し合い、子どもの持分も買い取り、建物全体にリフォームを施したあと、提携している不動産投資家に再販します。
共有者の子供に、今後、実家に住む予定などがないのであれば、話し合いにより、スムーズに子供の持分も買い取れる可能性があります。
仮に話し合いが長引いたとしても、弊社は弁護士と提携しておりますので、法律にのっとって、平和的に話し合いを進めさせていただきます。
推定被相続人の共有持分を専門の買取業者に売却する生前対策は以下の場合におすすめです。
- 共有不動産の立地や状態が悪く、一般の不動産で建物全体を売却するのが難しい
- 推定被相続人と共有者が物理的に離れて暮らしているなど、相続についての話し合いができる状態にない
- 共有者が、共有不動産に対する執着(推定被相続人が亡くなったら住みたいなど)がない
弊社Albalinkでも共有持分の買取を積極的に行っております。
相談だけでも構いませんので、持分の売却を検討している方は、下記無料買取査定フォームからお問い合わせください。
共有持分の買取に慣れたスタッフが親身に対応させていただきます。
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不動産を遺す場合は遺言書を作成しておく
ここまで述べた対策がどれも取れずに、不動産の相続が発生してしまいそうな場合、推定被相続人は遺言書で不動産の相続人を指定しておきましょう。
【遺言書の見本】
遺言書がある場合、原則として相続は遺言書の内容に従って行われます。
そのため、遺言書で不動産の相続人を1人指名しておけば、共有名義での相続を避けられます。
ただし「兄に遺産を全て受け継がせる」などと遺言書の内容があまりに不公平な場合、推定被相続人の死後、相続人同士で「遺留分」を巡る争いがおきかねません。
民法上定められている、法定相続人に最低限保証される遺産の取り分
そのため、遺言書の内容は「不動産は兄に受け継がせ、預貯金は弟に受け継がせる」等、相続人間で遺産配分がなるべく公平になるようにしましょう。
どうしても遺産配分が公平にならない場合は、遺産分割協議を開き、多く遺産を配分された相続人が、他の相続人に差分を現金で配分するといった調整の仕方があります(「公平にならない分を代償金で清算する(代償分割)」参照)。
なお、遺言書は決められた書式に従って作成しないと、法的効力を発揮しない場合があります。
以下の記事で、正しい遺言書の作成方法を解説していますので、あわせてご確認ください。
遺産分割協議中の兄弟共有名義を回避する相続の流れ
相続が発生したら、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、不動産の相続人を1人に決め、共有名義による相続を避けましょう。
前述したように、共有名義での相続には様々なリスクがあるためです。
なお、遺産分割協議をして、不動産の相続人を決めたら、そこで安心せず、相続登記まで完了させましょう。
遺産分割協議に基づいて相続登記をしなければ、結局共有名義とみなされてしまうためです。
共有名義を避ける不動産相続の流れは以下の通りです。
順番に解説していきます。
とくに②の遺産分割協議に関しては、共有名義での相続を避ける方法を3つ紹介しています。
自身の状況と照らし合わせながら、どの方法が最適かご確認ください。
相続財産と法定相続人を確定する
遺産分割協議に入る前に、「遺産の種類や価値」と「相続人の人数」を確定しましょう。
法定相続人は、相続人自身が戸籍で確認することもできます。
戸籍を見ても自分で判断できない場合は、弁護士や司法書士に確認を依頼することもできます。
相続財産について、把握するのが難しいのが「不動産」「預貯金」「有価証券」の3つです。
それぞれ、以下の方法でしっかり確認しましょう。
- 不動産
-
- 自宅にある権利証を探す
- 市区町村の資産税課で名寄帳を取る
- 全部事項証明書(登記簿謄本)の共同担保目録欄を確認する(下図※1)
- 預貯金
- 通帳やカードを探す、心あたりのある銀行に相続発生日時点での残高証明書を請求する
- 有価証券
- 証券会社からの郵便物で被相続人が口座を持っていた証券会社を特定し、残高証明書を請求する
【共同担保目録】
上記で、不動産などの遺産の確認方法を紹介しましたが、相続財産調査も自身で行うより、弁護士や司法書士に依頼することをお勧めします。
もし、遺産の調査に漏れがあり、遺産分割協議の成立後に新たな遺産が出てくると、協議が振り出しに戻ってしまうためです。
相続人同士で遺産分割協議を行う
相続人と遺産が確定したら、相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産を含めた遺産の分け方を決めましょう。
遺産の分け方は以下の3通りです。
それぞれ解説していきます。
価値が公平になるように複数の遺産を分ける(現物分割)
特定の相続人が単独で不動産を相続し、他の相続人が預貯金や自動車などの他の遺産を同価値になるように相続することで不動産が共有名義になることを回避できます。
この相続方法を「現物分割」といいます。それぞれの相続人に分割できるほど、資産となる遺産が潤沢にある場合に適しています。
現物分割による相続の具体例を紹介します。
現物分割による相続の例
- 遺産は「3,000万円の不動産」「1,000万円の自動車」「4,000万円の預貯金」
- 兄弟2人で遺産を「2分の1ずつ」相続する(法定相続分通り)
上記の例で現物分割を行うとこのようになります。
- 兄:「3,000万円の不動産」と「1,000万円の預貯金」を相続=「合計の価値は4,000万円」
- 弟:「1,000万円の自動車」と「3,000万円の預貯金」を相続=「合計の価値は4,000万円」
現物分割では上記例のように、価値が公平になるよう各相続人に遺産を分けます。
なお、もちろん相続人同士で納得ができているのであれば、上記例のように価値を均等にしなくても構いません。
例えば、管理の手間や費用がかかる不動産は兄に任せる代わりに、金額の少ない預貯金は弟が受け取るといった場合もあります。
ただし、現物分割の場合、厳密に1円単位まで公平に分割できないこともあります。
そのため、公平感を気にする相続人がいる場合は行えません。
相続不動産が土地のみの場合は分筆登記を行う
相続不動産が土地のみの場合は「分筆登記」を行い、土地を複数に切り分けてから現物分割を行うこともあります。
1筆(登記上1つとして数える単位)の土地を複数の土地に切り分ける登記手続き
分筆することで、大きな一つの土地を共有していた状態から、切り分けた小さな土地を共有者それぞれが単独で所有することになります。
たとえば、面積が「300㎡」の土地Aを兄弟2人で「2分の1ずつ」共有している場合、分筆登記で「150㎡の土地」2つに切り分け、それぞれを兄弟2人で単独所有します。
ただし、分筆して1つ1つの土地が狭くなることで、元の大きな1つの土地より価値が下がってしまう恐れもあります。
分筆登記に適した土地かどうかは、専門家である土地家屋調査士や司法書士に相談しましょう。
土地の分筆登記については以下の記事で解説しております。
公平にならない分を代償金で清算する(代償分割)
資産となる遺産が少ない場合や、自動車や不動産などの物理的に分割できない固定資産しかない場合、金額的に平等に分割するのは難しいでしょう。
その場合は、遺産を多く受け取った相続人が手持ち金で不足分を他の相続人に支払う方法が有効です。
この相続方法を「代償分割」といいます。
代償分割による相続の具体例を紹介します。
代償分割による相続の例
- 遺産は「3,000万円の不動産」「1,000万円の自動車」
- 兄弟2人で遺産を「2分の1ずつ」相続する(法定相続分通り)
上記の例では、遺産の形をそのままに(現金化などせず)価値を均等に分けることができません。もし、兄が不動産を取得するのであれば、兄の手出し金で弟へ「代償金1,000万円」を支払うことで代償分割が成立します。
- 兄:「3,000万円の不動産」-「1,000万円の支払い」=「合計の価値は2,000万円」
- 弟:「1,000万円の自動車」+「1,000万円の受取り」=「合計の価値は2,000万円」
不足分を代償金で清算することで、兄弟2人とも「2,000万円の価値」を相続できるわけです。
ただし、代償分割は、遺産を多く受け取る相続人に代償金を支払う資金力がなければ成立しません。
不動産を売却して現金を分ける(換価分割)
上記2つの方法であれば、特定の相続人が不動産を単独名義で相続できます。
しかし、「誰も不動産を相続したがらない」場合や、逆に「相続人全員が不動産の相続を希望する」といった場合もあるでしょう。
いずれの場合も、遺産分割協議がまとまらなければ、法定相続分で相続することになり、共有名義になってしまいます。
そのため、不動産の相続人を1人に決められない場合は、思い切って相続不動産を売却し、売却金を分配するのも1つの手です。
不動産を現金に換えて分割するため、1円単位で分け合うことができ、相続人間の公平感を保てます。
この相続方法を「換価分割」といいます。
誰も不動産を相続したがらない場合は、現金で分割する方が喜ばれるでしょう。
一方、不動産を相続したい相続人が複数いる場合は、その相続人達に売却を同意してもらう必要があります。
説得する際は、この記事で解説した、共有名義で相続するリスクを伝えましょう。
以下は換価分割での相続の具体例です。
換価分割による相続の例
- 相続人は兄弟2人
- 遺産は「3,000万円の不動産」のみ
仮に、不動産が市場価値通りに3,000万円で売れれば、兄弟2人で「1,500万円」ずつ分け合うことで換価分割が成立します。
ただし、上記のようにすんなり不動産が市場価格で売却できる保証はありません。
つまり、換価分割ができる不動産は、市場価格で売却できるくらい、立地や状態が良い不動産に限られます。
相続登記を行う
遺産分割協議がまとまったら「遺産分割協議証明書」(下図参照)に合意内容を記載し相続登記を行います。
【遺産分割協議書】
不動産を相続登記する際に、遺産分割協議書は登記原因証明情報として必要となります。
登記の原因となった事実や法律行為と、それらに基づき、権利の変動が生じたことを証明する情報
相続方法が現物分割のように単純であれば、個人での登記手続きも不可能ではないですが、代償分割や換価分割のように複雑な相続方法の場合は司法書士など専門家に登記手続きを任せた方が良いでしょう。
司法書士への報酬も「5万円~10万円」と、安くはありませんが、非常に高額というほどではありません。
もし、報酬を節約したいがために、自分で相続登記の申請を行おうとすると、必要書類の収集など時間と労力がかかります。
しかも、もし登記内容を間違えると、最悪本来払う必要のない相続税を課されるおそれもあります。
それでも、自分で相続登記にチャレンジしたいという方もいるでしょう。
以下の記事で相続登記の方法について解説していますので、ご確認ください。
相続税の申告と納付を行う
相続登記が完了したら、相続税の申告と納付を忘れずに行いましょう。
相続した土地、建物の固定資産評価額×0.4%-(3,000万円+600万円×相続人の数)
相続税の申告・納付期限は、「被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。
仮に被相続人の死亡を2月1日に知ったとするなら、同年の12月1日が申告・納付期限となります。
相続税の申告は基本的には自分で計算して行いますが、不安であれば税理士などの専門家に依頼しましょう。
なお、相続税の詳しい計算方法については下記の記事で解説していますので、ご確認ください。
不動産相続時に適用可能な税金特例
不動産相続時に適用できる可能性のある税金特例は以下の通りです。
- 配偶者の軽減税率
- 遺産を相続したのが配偶者であり、相続分が配偶者の法定相続分の範囲内であれば、相続税を非課税(一円もかからない)とする特例
- 小規模宅地の特例
- 被相続人の事業用あるいは居住用として使用していた土地を相続した場合、相続税の課税対象となる「相続税評価額」を80%軽減する特例
各税金特例の要件は上記添付の国税庁HPを参照ください。
参照元:配偶者の税額の軽減|国税庁
参照元:小規模宅地等の特例|国税庁
なお、小規模宅地の特例については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてくださいご確認ください。
相続完了後の兄弟共有名義を解消する4つの方法
遺産分割協議の結果、兄弟で共有名義で登記してしまった場合の共有名義の解消法は大きく分けて以下の4つです。
- 遺産分割協議をやり直し、再度相続登記を行う
- 兄弟で話し合って共有関係を解消する
- 共有物分割請求を起こす(話し合いがまとまらなかった場合)
- 専門の買取業者へ持分を売却する(話し合いがまとまらなかった場合)
それぞれの方法について、どのような場合にお勧めかも解説しますので、ご自身の状況と照らし合わせながらご確認ください。
なお、以下の記事でも共有名義の解消方法を解説しているので、併せて参考にしてください。
遺産分割協議をやり直し、再度相続登記を行う
遺産分割協議を行い、共有名義で相続登記をしたあとでも、遺産分割協議をやり直し、再度単独名義で登記することは可能です。
ただし、一度合意した遺産分割協議の内容を白紙に戻し、協議を再度行う(遺産分割協議の合意解除)には相続人全員の合意が必要です。
参照元:最高裁判所判例集(平成2年9月27日最高裁判所第一小法廷判決)
遺産分割協議の合意解除をして、改めて遺産分割協議を行い、不動産の相続人を決めたら、現在の登記内容を抹消(抹消登記)する申請を行います。
抹消登記の申請は単独では行えません。相続人全員による共同申請となります。
抹消登記に必要な書類は以下の通りです。
- 登記識別情報通知(下図参照)
- 印鑑証明書(現在登記している相続人)
- 戸籍謄本(相続人を確認できるもの)
- 合意解除したことを証する書面
【登記識別情報通知】
相続登記が抹消されると、不動産の名義が被相続人に戻ります。
ここで改めて単独名義で相続登記を行うことで、共有名義を解消できます。
なお、再度登記する際も登録免許税がかかります。
固定資産税評価額が1000万の場合、登録免許税は4万円ということになります。
つまり、登記をやり直すと、登録免許税を8万円(4万円×2回)払わなくてはいけないということです。
このように、相続登記のやり直しには時間と費用がかかります。
そのため、以下の場合にお勧めです。
- 現在の不動産を売却などせず、維持したいと相続人全員が思っている
- 相続人同士で誰に不動産を相続させるかの合意がある程度できている
- 時間と費用をかけても、相続登記をやり直したいと相続人全員が思っている
実際に共有名義になってみて、「やはり単独名義にした方が良い」と、相続人全員が思っている状態であれば、再度遺産分割協議を行い、登記をやり直してもいいでしょう。
ただし、実際にはこのように相続人全員の意見や気持ちが揃わないこともあるでしょう。
その場合は、次項以降で説明する方法で共有名義を解消できます。
兄弟で話し合って共有関係を解消する
兄弟の間で、遺産分割協議やり直しの合意形成ができない場合でも、以下の話し合いをすることにより、共有状態を解消できます。
それぞれ解説していきます。
不動産全体を売却する
不動産を相続人の誰か1人の単独名義にすることについては、意見がまとまらなくても、売却することで合意できる場合もあるかもしれません。
不動産を兄弟で協力して売却できれば、共有状態を解消でき、売却金を分け合うことができます。
共有名義の不動産でも、不動産全体を売却すれば、通常の不動産と変わらないため、市場価格で売却できる可能性もあります。
以下で、共有不動産全体を売却することで共有状態を解消する例を紹介します。
不動産全体売却による共有状態の解消の例
- 市場価格5,000万円の不動産
- 兄弟2人で「2分の1」ずつ不動産を共有
仮に市場価格通り5,000万円で不動産が売却できとすると、兄弟で「2,500万円」ずつ分け合うことで共有状態を解消できます(ここでは仲介手数料などの売却費用は考慮しない)。
ただし、共有者である兄弟全員が売却に合意しなければ売却は行えません。
また、不動産の立地や状態が悪ければ、売りに出しても買い手がつかない恐れがあります。
そうなれば結局共有状態を解消できません。
もし、不動産全体を売却することについての合意形成ができない場合は、次項でお伝えする兄弟間での持分の売買を試してみるか、専門の買取業者へ持分を売却することをお勧めします。
なお、共有不動産全体を売却する方法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
兄弟間で持分の売買をする
兄弟間で共有持分を売買し、1人に共有者全員の持分をまとめてしまえば、共有状態を解消することができます。
共有持分をすべて買い取り、単独名義にすれば不動産を自由に活用できるため、買主となる共有者にもメリットがあります。
たとえば、実家を兄弟2人で共有名義で所有しており、兄だけが実家に住んでおり、弟は別の場所に住んでいる場合、兄が弟の持分を買い取り、単独名義にするといったケースがあります。
兄にとっては住んでいる実家を自由に活用できるようになるメリットがあります。
逆に弟にとっても、共有状態から解消され、住んでもいない実家の固定資産税の負担などから解放されるメリットがあります。
ただしこの方法は、兄弟の中に他の兄弟の持分を買い取れるだけの資金力があり、買い取ってまで不動産を所有したいと思う者がいなければ実現できません。
そのため、共有者間の持分売買による共有名義の解消は、以下の場合にお勧めです。
- 共有者である兄弟の中に資金力があり、不動産を単独所有したいと希望する者がいる
- 上記の共有者以外に、不動産を所有したい者や、持分を維持したい者がいない
上記の条件に合わず、共有状態から抜け出せずに困っている方は、自身の持分を専門の買取業者へ売却することをお勧めします。
専門の買取業者に持分を売却すれば、他の共有者と顔を合わせることなく、共有状態から抜け出せます。
弊社Albalinkも共有持分の買取に強い専門の買取業者です。
兄弟とこれ以上話し合いなどをせず、速やかに共有関係から抜け出したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
査定依頼をしても、共有者に知られることはありませんので、ご安心ください。
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兄弟間で持分の贈与を行う
兄弟間で持分の贈与を行えば共有状態を解消できます。
たとえば、前項の例えのように、兄弟のうち兄だけが共有不動産に住んでいる場合、弟の持分を兄へ贈与してしまえば、兄の単独名義にすることができます。
ただし、贈与を行うと、共有持分を受け取った兄に贈与税が課せられる場合があります。
贈与税の計算方法などについては、下記の記事をご確認ください。
土地のみの場合は分筆を行う
共有名義の不動産が土地のみの場合は、「分筆登記」をすることで、土地の共有状態を解消できます。
共有している土地が、駅や町の中心地に近かったり、観光地の周辺であるなど、資産価値が高い場合は、分筆登記が有効です。
分筆することで、共有者それぞれが土地を単独で所有し、自由に活用できるようになるためです。
ただし、分筆の仕方によっては、それぞれの土地の資産価値に差が生じ、不公平感が生じてしまう恐れがあります。
たとえば、分筆したことにより、大きな道路に面している土地と、面していない土地に分かれてしまった場合、資産価値に差が生じます。
そのため、分筆登記による共有状態の解消は、以下の場合にお勧めです。
- 共有名義の土地に資産価値があり、自由に活用したいという希望が共有者全員にある
- 土地の資産価値に差が出ないように分筆できる
話し合い以外で共有関係を解消する
共有状態解消について、兄弟間での話し合いがまとまらなかった場合でも、以下の方法で共有状態を解消できます。
1つめの共有物分割請求については、訴訟ですので、共有状態を解消できたとしても、兄弟の仲が決定的に壊れてしまう恐れがあります。
一方、2つめの専門の買取業者へ自身の持分を売却する方法は、兄弟間での争いを避けながら、共有状態から抜け出せるクレバーな方法といえます。
以下でどちらも解説していきますので、ご確認ください。
共有物分割請求を起こす
裁判(共有物分割請求訴訟)を起こすことにより、不動産を単独名義で所有できる可能性があります。
他の共有者に対して共有状態の解消を求める訴え
この方法は、不動産を単独名義で所有したいという希望があり、他の共有者から持分の買取を断られた場合などに有効です。
共有物分割請求訴訟を起こせば、裁判所の判決に基づき強制的に他の共有者の持分を買い取れる可能性があります。
ただし、共有状態の解消方法は裁判所の判断に委ねられるため、必ずしもあなたが望む結果になるとは限りません。
判決内容によっては、不動産全体が競売にかけられることになり、相場より安価で落札されてしまい、共有者全員が損する恐れもあります。
その上、共有物分割請求訴訟を起こすには、50万円~100万円ほど弁護士費用がかかります。
何より、訴訟を起こせば兄弟の仲は決定的に崩れてしまうでしょう。
ですから、共有物分割請求は以下のような場合の、最終手段と考えて下さい
- どうしても不動産を単独名義で取得したく、そのためなら時間と費用がかかっても構わない
- 時間と費用をかけた結果、望み通りの結果にならなくても構わない
- 訴訟によって兄弟仲が修復不可能なレベルで険悪になっても構わない
上記のようなハイリスクを背負って訴訟を起こすより、次項で解説する、専門の買取業者へ持分を売却する方がリスクもなく、確実かつ共有状態から抜け出せます。
なお、共有物分割請求については、以下の記事もご確認ください。
自身の共有持分を専門の買取業者へ売却する
共有不動産の所有や売却に興味がなく、単に共有状態から抜け出したいだけであれば、自身の共有持分を専門の買取業者へ売却してしまうことをお勧めします。
自身の共有持分は、他の共有者から合意を得ずに自由に売却できます。
ただ共有持分は、通常の不動産に依頼し、一般の個人に売却しようとしてもまず売れません。
共有持分だけでは不動産全体を自由に活用できない上に、見知らぬ第三者と共有関係になるリスクもあるためです。
一方、専門の買取業者であれば、共有持分のみであっても問題なく買い取れます。
専門の買取業者は、共有名義のこじれた権利関係を修復し、再販・運用できるからです。
ただし、共有持分の買取価格は市場価格より安価になってしまいます。
専門の買取業者は、共有持分を買取後、長い期間をかけて共有者と話し合い、再販・運用するために権利関係を整理します。
そのための経費が差し引かれため、市場価格よりは安価になってしまうわけです。
しかし、他の共有者と一切関わらず、訴訟などを起こす手間もなく、スピーディーに共有状態から抜け出すことができるのは大きなメリットといえるでしょう
共有持分買取業者への持分売却は下記のような人におすすめです。
- 他の共有者と一切関わらず共有関係から抜け出したい
- 他の共有者と話し合いの余地がない
- 他の共有者と音信不通
弊社Albalinkも共有持分の買取に強い専門の買取業者であり、これまでも沢山の共有持分を買い取ってきた実績があります。
弊社がお客様から支持されるのは、慣れない不動産売却に不安を抱えるお客様の気持ちに、担当者が徹底的に寄り沿う対応をしているためです。
弊社が行ったアンケートでも、9割以上の方が「不動産会社を利用する際に営業担当者の対応を重視する」と回答しています(下図参照)。
弊社は、お客様の気持ちに寄り添った対応をすることで、買取を行わせていただいたお客様から、担当者の対応について感謝の言葉や、高い評価をいただいております(下記Google口コミ参照)。
信頼できる担当者に安心して共有持分を売却し、スムーズに共有状態から抜け出したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
査定依頼をしても、共有者に知られることはありませんのでご安心ください。
また、弊社は弁護士と連携しておりますので、買取後の共有者との話し合いも、お任せください。
法律に基づき、平和的に話し合いをさせていただきますので、依頼者様にご迷惑をおかけすることはありません。
>>【共有持分のみで高額売却・トラブル解消】無料で買取査定を依頼
なお、以下の記事では共有持分を高額買取してもらうコツについて解説しています。
併せて参考にしてください。
不動産や共有持分を売却し、譲渡所得を得たら確定申告を行う
不動産の売買によって共有状態を解消した場合、確定申告が必要です。
不動産売却時の譲渡所得税
不動産全体や共有持分を売却して売却益(譲渡所得)を得た場合は、確定申告を行い譲渡所得税を納めなければなりません。
譲渡所得税の申告期限は、不動産を売却した年の翌年2月16日~3月15日の間です。
譲渡所得と譲渡所得税の計算式は以下の通りです。
上記の不動産の「不動産の取得費」とは売却する不動産の購入費のことです。
また、「不動産を売却するのに要した諸経費」にはリフォーム費用などが含まれます。
譲渡所得税の税率は不動産を5年より長く所有していたかどうかで変動しますが、おおよそ、20%~40%程度です。
また、売却した不動産に居住していた場合、「3000万円の特別控除の特例」を受けられる可能性があります。特例が適用されれば、譲渡所得が3000万円以下の場合、譲渡所得税の支払いはなくなります。
譲渡所得税の求め方や、「3000万円の特別控除の特例」については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
譲渡所得税の詳しい求め方などは、以下の記事をご確認ください。
持分購入時の不動産取得税
他の共有者から共有持分を購入したり、贈与されたりした場合、持分を取得した側に不動産取得税がかかります。
不動産取得税の申請期限は、不動産を取得した日から30日以内です。
なお、要件を満たせば「中古住宅取得時の軽減特例」を適用できる可能性があります。
「中古住宅取得時の軽減特例」とは、取得した住宅の新築年月日に応じて不動産取得税が最大1200万円まで控除される特例です。
共有持分の不動産取得税については、下記の記事でも解説していますので、ご確認ください。
まとめ
この記事では、兄弟共有名義での不動産相続によるリスクとその回避方法について解説してきました。
お伝えした通り、不動産を兄弟で共有名義として相続すると、後々、自由に売却できなくなるなど、トラブルに発展するなど様々なトラブルに発展するおそれがあります。
そのため、相続登記がこれからという人は遺産分割協議を行い共有名義を回避して下さい。
すでに不動産が共有名義になっているという人は、兄弟間で話し合いを行い、なるべく早期に共有状態を解消することをお勧めします。
ただ、兄弟同士で共有状態解消に向けて協力し合えない場合は、あなた自身の共有持分を専門の買取業者へ売却してしまうのが得策です。
専門の買取業者に持分を売却してしまえば、兄弟と顔を合わせることなくに共有状態から抜け出せます。
弊社Albalinkも共有持分の買取に強い専門の買取業者です。
弊社には買い取った共有持分を活用できる独自のノウハウがあるので、一般の不動産業者では取り扱えない共有持分でも問題なく買い取ることが可能です。
過去には、フジテレビの「newsイット!」にも訳アリ物件専門の買取業者として紹介されました。
兄弟間の共有関係からスピーディーに抜け出したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしても、共有者に知られることはありませんのでご安心ください)。