土砂災害警戒区域とは?
土砂災害警戒区域とは土砂災害の恐れがある区域のことで、通称「イエローゾーン」とも呼ばれています。
具体的には、土砂災害が発生した場合に、住民の生命または身体に危害が生ずる恐れがある区域のことです。
参照元:東京都建設局「土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)」
そのため、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律では、土砂災害警戒区域では警戒避難体制の整備が図られるように定められています。
参照元:e-Gov法令検索「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」
また、土砂災害警戒区域は毎年増加傾向にあり、2025年3月末時点では約70万2千区域が指定されています。
土砂災害の種類
土砂災害の種類は、以下の3つに分類されます。
土砂災害の種類 | 内容 |
---|---|
崖くずれ (急傾斜地の崩壊) |
斜面上の土砂や岩塊が安定性を失って崩落する現象のこと |
土石流 | 土石が河川の水と混合して川を流下する現象のこと |
地すべり | 斜面が地下水などの影響によって徐々に斜面下方に移動する現象のこと |
また、土砂災害警戒区域では、土砂災害の種類の種類ごとに明確な基準があります。
土砂災害の種類 | 基準 |
---|---|
崖くずれ (急傾斜地の崩壊) |
・急傾斜地の上端から10m ・急傾斜地の下端から高さの2倍以内 |
土石流 | 土地の勾配2度以上 |
地すべり | 地滑りの長さの2倍以内 |
参照元:国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」
詳細な基準まで理解する必要はありませんが、所有する土地の地形や地質のイメージだけでもつかんでおきましょう。
土砂災害特別警戒区域との違い
土砂災害特別警戒区域とは土砂災害警戒区域の中でも、土砂災害が発生するリスクが高い区域のことで、レッドゾーンとも呼ばれます。
土砂災害防止法では、「住民の生命または身体に著しい危害が生じる恐れがある区域」と定められています。
参照元:e-Gov 法令検索「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」
土砂災害特別警戒区域では建築物の構造が規制され、特定の開発行為に対しては許可が必要です。
ハザードマップで確認できる
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、国土交通省が管理している「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。
上記は茨城県石岡市大増付近の画像ですが、土砂災害警戒区域は黄色、土砂災害特別警戒区域は赤と区域を色分けされているため、一目でわかります。
土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域は明確に分かれているため、重なることはありません。
ただし、自分の所有する土地が土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域との境目にある場合は確認が必要です。
土砂災害警戒区域の土地価格相場
土砂災害警戒区域の土地価格相場は、通常の土地と比べて500~1,000万円程安くなります。
土砂災害警戒区域では災害対策が必要なため、かかる費用を売却価格から差し引く必要があるからです。
たとえば、がけに隣接する土地で建築する際は、地盤が崩壊しないように擁壁を作る必要があります。
そのため、災害対策に必要な費用を見込んだうえで売却価格を設定しないと売れないでしょう。
なお、がけ条例にかかる土地の価値については、以下の記事で詳しく解説しています。

指定区域になると需要が少なくなる
土砂災害警戒区域は通常の土地と比べて災害時のリスクが高く、ネガティブなイメージをもたれやすいため、指定区域になると需要が少なくなります。
需要が少ないと価格を下げなければ売れにくいため、売却相場は下落する傾向にあります。
ただし、土砂災害警戒区域だからといってすべての土地で価値が下がるわけではないため、需要があるエリアならば高値で売却できるケースもあるでしょう。
指定される前から価格が下落していたケースもある
土砂災害警戒区域は都市部よりも地方のほうが指定されていることが多いため、指定される前から価格が下落していたケースもあります。
公益社団法人砂防学会が公表している「区域指定前後の3年間における標準価格の変動率の関係」では、指定される前から下落しているエリアは90%を超えています。
そのため、土砂災害警戒区域に指定された後に価格が下落していても、指定されたことが要因とは限りません。
土砂災害特別警戒区域はさらに相場が下がる
土砂災害警戒区域よりも危険なエリアである土砂災害特別警戒区域は、さらに相場が下がります。
災害時のリスクが増加するだけでなく、土砂災害特別警戒区域では建築物の構造が規制され、特定の開発行為に対しては許可が必要になるからです。
一般的に土砂災害特別警戒区域で家を建てることは難しくなるため、一般の買い手で購入する人はほとんどいないといえるでしょう。
そのため、土砂災害特別警戒区域の土地相場は、通常の土地の50%以下になることも少なくありません。
土砂災害特別警戒区は相続税評価額も下がる
土砂災害特別警戒区は土地の相場だけでなく、相続税評価額も下がります。
建築物の敷地として利用できないことによって固定資産税評価額が下がるからです。
具体的には土砂災害特別警戒区域内にある場合は0.7〜0.9の補正率がかけられるため、相続課税評価額が約10〜30%低くなります。
土砂災害警戒区域の土地を高く売却する4つのコツ
土砂災害警戒区域の土地を高く売却するコツは、以下の4つです。
上記のコツを把握しておけば、高く売却できる可能性が高くなるでしょう。
なお、土砂災害警戒区域で損をしないための業者選びについては、以下の記事で詳しく解説しています。

過去の災害履歴を調べる
土砂災害警戒区域の土地を高く売却するコツとして、過去の災害履歴を調べておくことが挙げられます。
インターネットで「災害履歴+所有している土地がある市町村名」で検索すれば、調べることが可能です。
仮に過去に一度も災害が起きていない土地であれば、土砂災害警戒区域内であってもある程度買主の不安要素を取り除けるでしょう。
一方で、災害履歴があった場合は、被害内容を詳細に説明する必要があります。
建物の仕様など災害にどの程度備えるべきか事前にわかれば、購入希望者から納得してもらえる可能性が高まります。
レッドゾーンまでの距離を調べておく
土砂災害警戒区域の土地を売却する場合は、レッドゾーンまでの距離を調べておくことも重要です。
土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域は明確に分けられていますが、レッドゾーンに近いイエローゾーンは災害リスクがより高いエリアと捉えられる傾向にあります。
反対にレッドゾーンから離れている場合で、イエローゾーンに微妙にかかっている土地では、あまり気にされないケースもあるでしょう。
レッドゾーンまでの距離は売却の成否に大きく影響するため、事前に調べておくことをおすすめします。
建築する際に制限がないことをしっかり伝える
土砂災害警戒区域の土地を売却する場合は、建築する際に制限がないことをしっかり伝えることも大切です。
土砂災害警戒区域は災害リスクが高いため、建築する際に制限があると勘違いされるケースもあります。
しかし、土砂災害特別警戒区域と違って土砂災害警戒区域は建築する際に制限がありません。
つまり、建物を建てるという意味では通常の土地と変わらないのです。
建築する際に制限がないとわかると不安が解消されるケースもあるため、しっかり伝えることをおすすめします。
土砂災害警戒区域の売却に強い不動産会社に依頼する
土砂災害警戒区域の土地を売却する場合は、土砂災害警戒区域の売却に強い不動産会社に依頼しましょう。
通常の土地と違って、土砂災害警戒区域の土地は特殊な不動産であるため、売却するためには専門的な知識や経験が不可欠です。
そのため、土砂災害警戒区域の土地を売却したことがない不動産会社に依頼した場合は失敗するケースも少なくありません。
また、仮に売れた場合であっても売却価格が大きく変わる可能性があるため、土砂災害警戒区域の売却に強い不動産会社に依頼することをおすすめします。
土砂災害警戒区域の土地が売れない場合はアルバリンクへ売却!
土砂災害警戒区域の土地が売れない場合は、一度アルバリンクにご相談ください。
弊社アルバリンクは売却が困難な土砂災害警戒区域の土地でも買い取れるノウハウがあるため、短期間で現金化できます。
「独自の再販経路を確保」や「集客の自動化による広告費削減」など企業努力していることによって、他社より高く買い取れます。
実際に、弊社アルバリンクは土砂災害警戒区域の土地などの訳あり不動産専門の買取業者として、他社では断られるような物件なども多数買い取ってきました。
以下は、弊社が実際に「買取を行った売れない土地」の事例です。
【買取した共有持分の概要】
物件の所在地 | 東京都江東区 |
---|---|
物件種別 | 土地 |
売却が困難な理由 | 再建築不可物件 |
買取時期 | 2020年6月 |
参照元:アルバリンク「買取事例」
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土砂災害警戒区域の土地を売却する際の3つの注意点
土砂災害警戒区域の土地を売却する際の注意点は、以下の3つです。
注意点を把握すれば、売却をスムーズに行える可能性が高くなるでしょう。
告知が必要になる
土砂災害警戒区域の土地を売却する際の注意点として、告知が必要になることが挙げられます。
土砂災害警戒区域の土地を売却する際は、ハザードマップによって区域指定されている旨を契約前に説明する必要があるのです。
土砂災害特別警戒区域と違って土砂災害警戒区域は建築する際に制限がありませんが、契約前に告知する義務があります。
ハザードマップによって区域指定されていることを説明していないと契約前にキャンセルされることもあるため、早い段階で告知しておくことをおすすめします。
なお、告知事項ありの不動産を高く売却する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

現地確認を行ってもらう必要がある
土砂災害警戒区域の土地を売却する際は、現地確認を行ってもらうことも重要なポイントです。
近年、購入希望者が遠方に住んでいる場合などオンラインで説明を行い、郵送で書類をやり取りして契約を締結する機会が増えてきました。
しかし、契約後に現地を確認して解約されないために、事前に現地確認を行ってもらう必要があります。
解約になると再度売りに出す必要があるため、手間がかかります。
そのため、契約前に早い段階で現地確認を行ってもらうように依頼しましょう。
土砂災害特別警戒区域の土地は大きな制限が付加される
土砂災害特別警戒区域の土地を売却する際は、大きな制限が付加されます。
土砂災害警戒区域と違って、土砂災害特別警戒区域の土地は建築物の構造が規制され、特定の開発行為に対しては許可が必要になります。
たとえば、購入希望者が希望する建物が建てられなかったり、許可が下りるまでに時間がかかったりすることもあるのです。
また、開発行為に対しては許可が下りない可能性もあります。
そのため、土砂災害特別警戒区域の土地を売却する際は、購入希望者にリスクを理解してもらう必要があるでしょう。
まとめ
今回は、土砂災害警戒区域の土地価格相場について詳しく解説しました。
土砂災害警戒区域の土地価格相場は、災害対策に必要な費用を負担する必要があるため、通常の土地と比べて500〜1,000万円安くなります。
また、土砂災害警戒区域というだけで災害リスクが高いなどのネガティブなイメージがあるため、エリアによっては売れない可能性があります。
土砂災害警戒区域の土地が売れない場合は、専門の買取業者に売却することをおすすめします。
なお、弊社アルバリンクも売れない共有持分などの訳あり不動産を全国から積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」をはじめとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
売れない不動産を所有していて悩んでいる場合はアルバリンクに売却して、早く負担から解放されましょう。