空き家売却についての知りたい情報を一覧で表示
この記事では空き家売却におけるあらゆる不安や悩みに対応するために、網羅的に情報を載せています。
そこで、あなたが知りたい内容をすぐ確認できるように、この記事の内容を一覧にしました。
どこから読んでも理解できるようになっておりますので、ぜひご活用ください。
知りたいこと | 見るべき見出し |
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すぐに空き家を売却したい | 現状そのままで買取業者に買取ってもらう |
費用をかけずに空き家を売却したい | 空き家を残したまま仲介で売却 |
なるべく高値で空き家を売却したい | 仲介のメリット(高額売却できる可能性がある) |
空き家の売却方法を知りたい | 空き家を売却する4つの方法 |
空き家の売却相場を知りたい | 空き家の売却相場を知る2つの方法 |
売却の流れを知りたい | 空き家を仲介で売却する流れ6ステップ |
不動産会社の探し方を知りたい | 空き家を高く売却できる不動産会社の探し方4選 |
空き家売却にかかる費用や税金が知りたい | 空き家を売却する際にかかる費用・税金 |
空き家を所有しつづけるリスクを知りたい | 空き家を所有し続ける4つのデメリット |
空き家売却の注意点を知りたい | 空き家を売却する際の5つの注意点 |
なお、今すぐ空き家を売却したいという方には、空き家専門の不動産買取業者に依頼することをお勧めします。
専門の買取業者であれば、どのような空き家であってもスピーディー買い取ってくれます。
以下は弊社が過去の買取実績などから厳選した、空き家買取に強い専門の買取業者ですので、お急ぎの方は、まずは以下の業者に買取査定を出してみてください。
※訳あり物件買取プロ:2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
買取業者 | 株式会社AlbaLink/ 訳あり物件買取プロ |
イエチカドットコム | KTERAS株式会社/ 空き家買取バンク |
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おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
対応エリア | 全国 | 全国 | 関東近県 |
買取実績・相談実績 | 買取実績年間600件超 相談件数年間5000件(※) |
広島県戸建 青森県戸建 香川県戸建など |
相談件数相談1500件超 千葉県八街市戸建 埼玉県所沢市戸建など |
問い合わせ先 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
空き家を売却する4つの方法【特徴別】
空き家の売却方法は、主に以下の4つです。
上記の通り、空き家の売却は、大きく分けると「仲介」と「買取」の2つの選択肢があります。
- 「仲介」での売却
- 売主と買主を仲介業者が結びつける売却方法。 仲介業者は売買を成立させた報酬として仲介手数料を得ている。 仲介は買手を探す必要があるため、売却期間は平均3ヶ月~半年ほどかかるが、需要と供給がマッチすれば希望価格で売却できる可能性がある。
- 「買取」での売却
- 買取業者自ら買主となり、売主から物件を買い取る方法。 買取業者は買い取った物件を運用・再販することで利益を得ている。 買取は買手を探す必要がないため売却期間は平均1ヶ月程度だが、買取価格は仲介での売却価格より安くなる。
どちらかが優れているというわけではなく、空き家の状況や周辺エリアの不動産市場、空き家の利用予定などによって最適な選択肢が異なるため、それらの状況や意向を確かめたうえで決定する必要があります。
仲介と買取の違いについては「仲介と買取の違いをサクッと理解しよう!【どちらが最適か教えます】」の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
それぞれの売却方法の特徴と、どういった方に向いているかをお伝えしますので、ご自身に適した売却方法をご確認ください。
空き家を残したまま仲介で売却
立地や状態の良い空き家は空き家を残したまま仲介で売却することをお勧めします。
具体的には以下のような空き家となります。
立地 | 都心の場合は最寄り駅や市街地まで徒歩10分以内 地方の場合は最寄りのICや市街地まで車で10分以内 |
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状態 | 築20年以内でリフォームせずに住める状態 |
仲介で売却するには、市街地に出やすいなど、生活するのに便利な立地であることが求められます。
また、仲介で売却する場合、築年数は20年以内が目安となります。
マイホーム購入で最もお得な控除制度である住宅ローン減税の対象要件のなかに、木造は20年以内という規定があるためです。
また、築20年以上になると、とキッチン・浴室・洗面所の水回り設備の老朽化が進み、リフォームせずに済み続けるのは難しくなります。
実際、弊社が行ったアンケートでも8割以上の方が不動産を購入するなら築20年以内の物件が良いと答えています。
所有している空き家が築20年以内で、立地や状態が良い場合は仲介での売却を目指してみましょう。
ただ、仲介での売却期間の目安である3ヶ月を過ぎても売却できない場合は、買取での売却を検討しましょう。
空き家を解体して更地として仲介で売却
空き家を解体して仲介で売却する方法もあります。
建物は老朽化してしまっているけれど立地は良い、という場合に有効です。
空き家を解体して土地として売却すれば、マイホームを建てる土地を探している一般の買手に売却できる可能性があります。
空き家の解体費用を助成している自治体もたくさんあります。
たとえば千葉県柏市では上限50万円まで空き家の解体費用を助成しています。
ただし、一般的な大きさ(30坪)の空き家を解体するには約120〜150万かかるため、助成金が支給されても100万円近い出費となります。
もし売れなければ、この出費が全て赤字となってしまいます。
さらに空き家を解体してしまうと「住宅用地の特例」が解除されるため、土地の固定資産税が最大6倍まで増額してしまいます。
住宅用地の特例とは、居住用の建物が建つ土地の固定資産税を減税する特例です。
また、解体する前に再建築不可物件(新たに建物を建てることができない土地)ではないことを確認してください。
再建築不可物件であった場合、空き家を解体してしまうと新たに建物が建てられなくなり、どれだけ立地が良くても、マイホームを建てる土地を探している一般の買手には売却できなくなります。
自身の空き家が建つ土地が再建築不可物件かどうかは、管轄の役所に問い合わせれば教えてもらえます。
以上のように、空き家の解体はリスクが大きいため、老朽化が進んだ空き家を売却するのであれば、専門の買取業者に売却することをお勧めします。
専門の買取業者で独自のノウハウがあるため、老朽化が進んだ空き家でも問題なく買い取れるためです(詳しくは次項で解説します)。
なお、再建築不可物件の調べ方は「再建築不可物件の調べ方は簡単!必要書類や物件の活用術まで解説!」の記事で解説していますので参考にしてください。
空き家バンクを利用して売却する
空き家を売却する方法として自治体が運営する「空き家バンク」を利用する方法もあります。
空き家バンクはサイト上で「空き家の売手と買手をつなげるマッチングサービス」です。売主は空き家の情報を無料でサイトに登録することができ、手軽に売り出せるのがメリットです。
ただし、空き家バンクを利用しての売却はお勧めできません。
その理由は以下の2つです。
- 空き家バンクに登録しても買手が見つかる可能性が低い
- 売買をめぐり、トラブルになることが多い
1に関しては、国土交通省の調査によると、空き家バンクを利用した空き家売買の成約率は2割程度にととどまっています。
つまり、空き家バンクに登録したものの、大半の方が売却できていないということです。
2に関しては、空き家バンクで個人売買をすると売買契約書など書類に不備があり、所有権が移らないなど売手と買手の間でトラブルになる恐れがあります。
しかもたいていの場合、自治体はそうしたトラブルに対応してくれません。
自治体はあくまでサイトを運営して、売手と買手のマッチングの場を提供しているだけ、というスタンスだからです。
このようなデメリットがあるため、空き家をスピーディーに売却したい方には、空き家バンクの利用はお勧めできません。
空き家バンクを利用するより、専門の買取業者に依頼する方が早く、確実に売却できるでしょう。
なお、空き家バンクについてより詳しく知りたい方は「空き家バンクで失敗しない!実態と知らなきゃ損する有効活用のコツ3選も大公開」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
現状のままで買取業者に買取ってもらう
立地や状態が良くない空き家は専門の買取業者に売却しましょう。
専門の買取業者であれば、前述したような立地・状態が悪い空き家であっても問題なく買い取れるからです。
専門の買取業者への売却が適している空き家の具体例は以下のとおりです。
立地 | 都心の場合は最寄り駅や市街地まで徒歩10分以上 地方の場合は最寄りのICや市街地まで車で10分以上 |
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状態 | 築20年以上で済むにはリフォームが必要な状態 |
専門の買取業者は上記のような空き家であっても運用・再販して利益を生み出すノウハウを持っているため、問題なく買い取れます。
たとえば弊社Albalinkの場合は、買い取った空き家に必要最低限のリフォームを施し、提携している不動産投資家に再販するといった販路があります。
買取で売却すれば仲介で売却する際に生じる以下のような問題で悩むことはありません。
- リフォームや解体したのに売れずに赤字となってしまう
- 売り出したものの売れずに固定資産税や管理の手間がかかり続ける
- 仲介で売却したものの、売却後に契約不適合責任を問われてしまう
また、もし売れなければ、空き家の老朽化が進み、火災や倒壊で周囲に迷惑をかけ、行政処分を受ける恐れもあります(この記事の「火災や倒壊で近隣に迷惑がかかる」参照)。
弊社Albalinkも空き家の買取に強い専門の買取業者です。
上記のようなリスクを避けて確実・スピーディーに空き家を売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
弊社Albalinkによる空き家の買取事例
老朽化した空き家でも買い取れるとお伝えしても、買取という売却方法自体に馴染みがないこともあり、「本当かな?」と思われる方もいることでしょう。
そこで、実際、弊社Albalinkの空き家の買取事例を紹介します。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取っています。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
空き家を高く売却できる不動産会社の探し方4選
空き家の売却を成功させるには、良い仲介業者を選ばなくてはなりません。
優良な不動産会社の探し方のポイントは、主に以下の4つです。
- 査定は面倒でも複数社へ依頼する
- 大手だから必ずしも安心とは言えない
- 査定額が高額でも販売力があるとは言えない
- 最後は担当者の力量や相性で選ぶ
上記について、詳しく解説していきます。
査定は面倒でも複数社へ依頼する
空き家の査定を行う際は、必ず複数社へ依頼してください。
複数社へ査定を依頼することで、査定額や不動産業者を比較でき、より優秀な業者を選択できるようになるからです。
基本的には、ネットで査定は完結しますが、中には仲介業者ごとの内見に立ち会ってそれぞれの査定書の説明を聞かなければならないケースもあります。
若干面倒ではありますが、仲介業者ごとに異なる空き家の評価や価格設定の根拠が聞けるのは大変貴重な時間です。
仲介業者からのいろいろな提案や説明の中に、今後の販売戦略のヒントがあるかも知れません。
売却査定を依頼するとあとで断りづらいからと遠慮せずに、ドライに割り切って情報収集に専念することをおすすめします。
なお、弊社アルバリンクはネットや電話のみで空き家の査定が完結します。
「空き家を売りたいけど、いったいいくらで売れるのか?」と少しでも疑問に思っているなら、査定は無料ですので気軽にお試しください。
>>【老朽化した空き家でも高額売却】無料で買取査定を依頼する
大手だから必ずしも安心とは言えない
査定を依頼する不動産会社が「大手」だからと言って、安心はできません。
大手仲介業者は経営基盤が強固で、広範囲の販売ネットワークがあり、コンプライアンスを最優先で遵守しますので、長期のお付き合いをするのにはとても安心です。
一方で、大手だから安心という理由から販売依頼が集まり、売主側の専任業者になっていることが多いのですが、ひとりの担当者が多くの販売依頼を抱えていると充分な販売活動ができず、最悪の場合は放置されかねません。
また、成績を上げるために自分だけで物件情報を独り占めして隠し、他社からの問い合わせにはすでに申込みが入ったとか販売が中止になったとか、嘘をついて他社の顧客を排除する行為が稀に起こります。
これは「囲い込み」といって、不動産の健全な売却活動を阻害して売主の売却機会を損なう卑劣な行為として、業界でも大きな問題になっています。
もちろん、囲い込みは大手仲介業者に限った問題ではありませんが、大手は売却依頼が集まりやすいからこそ、囲い込みが起きやすい環境であるともいえるのです。
もしも心配であれば「囲い込みだけは絶対にしないでほしい」と担当者へとひと言伝えるだけでも効果がありますので、正直に言ってみましょう。
査定額が高額でも販売力があるとは言えない
査定額が高額だったからといって、それを鵜呑みにしてはいけません。
不動産会社の中には、わざと査定額を吊り上げて、顧客を獲得しようとする悪徳業者も混じっているからです。
通常、売却査定は、媒介期間の3ヶ月内には概ね売れるだろう金額という視点で設定します。
売主は、自分の物件が高額査定されると嬉しくなり、また高額でも売るだけの販売力があるものと錯覚して、その仲介業者に売却を任せたくなります。
そのような売主の心理を逆手にとって、査定金額をわざと高額にすることで売主の気を引いて、売却依頼を受けたあとで徐々に価格を下げていく手法をとる仲介業者がいます。
売却査定でもっとも大切なのは、高額な査定をしてくれる業者を探すのではなく、なぜその査定金額にしたのかという確かな根拠と販売戦略を知ることなのです。
仲介での売却は「査定額 = 売却価格」ではないため、初回に提示してくれた査定額の算出方法が、周辺相場・成約事例など、数字で推し量れるものかどうか確認が必要です。
反対に、根拠となる数字を提示できるのであれば、その不動産会社は自社の販売力を加味したリアルな査定額を伝えていると言えます。
最後は担当者の力量や相性で選ぶ
どの不動産会社に空き家の売却を依頼するかは、最終的には以下のような「担当者の力量と相性」で選びます。
- 自分の利益や保身に走らず、フェアなやり方で買主の利益を追求できる誠実さ
- 既存不適格(当時は良かったが今の法令では違反している)を洗い出す調査能力
- こういうものと決めつけず状況次第で臨機応変に販売戦略を変えるしたたかさ
- 不動産売買以外の建築や税制や相続への影響を明確な根拠を示して説明する力
それらの簡単な見分け方のひとつに、こちらの疑問に対して明確な査定根拠に自分の意見も織り交ぜながら即答してくれるかどうかを見る、という方法があります。
売却査定は、過去の取引事例のような明確な根拠を示し、それらの分析結果をもとに仮説を立てるなど、総合的に価値を判断しています。
下の表は、近隣の類似物件に対してどちらがどの程度の優劣があるのかを比較した例です。
比較対象地 | 査定地 | 補正率 | |
土地の面積 | 80坪(人気の広さ) | 100坪(少し広い) | ▲5% |
接する道路の幅 | 4m | 5m | + 5% |
土地の主要な向き | 東向き | 南向き | + 5% |
駅からの距離 | 20分 | 25分 | ▲2% |
生活施設の利便性 | スーパー、市役所 | 小児科、公園 | + 3% |
土地の利用履歴 | 田畑 | 池沼 | ▲7% |
嫌悪施設の有無 | 50m圏内、資材置場 | 100m圏内、集合墓地 | ▲2% |
売出中の競合物件 | 同時期に3件売出し | 同時期に0件売出し | + 5% |
主要道路付け | 幹線道路へ出やすい | インターチェンジが近い | ▲3% |
平均地価下落率 | – | – | ▲1% |
差し引き補正率 | – | – | ▲2% |
土地の坪単価 | 取引事例7万円 | 相対評価により 6.86万円 | – |
このようにして、比較対象地と査定地とでは、買主目線でどちらがどれだけ魅力があるかという比較をしています。
査定地の坪単価は相対評価で 6.86万円と導き出され、土地面積は100坪なので、
古家付き土地として販売するなら、交渉幅10%を見込んだ755万円から売出します。
一方で、もしも投資家に収益物件として売るなら、想定家賃7万円、表面利回り13%と想定して646万円、交渉幅15%ほどを見込んで、同額の755万円から売出します。
というように、確かな根拠や合理的な仮説をもとに金額を提示してくれるなら、その担当者は売主や物件に対して誠実に取り組んでいると判断できそうです。
また、売主のさまざまな質問に即答できる担当者は、日頃から情報収集と仮説検証と問題解決がセットでできていると見て良いでしょう。
あとは、印象や話しやすさなどの相性も、心を開いて相談できるかどうかに関わるため大切な要素です。
空き家の売却相場を知る2つの方法
空き家を売りに出す前に、自身の空き家の売却相場を把握しておきましょう。
そうすれば、不動産業者の査定額が適切かどうかを判断できます。
仲介と買取の売却相場の調べ方はそれぞれ以下の通りです。
- 仲介の売却相場は不動産ポータルサイトを確認する
- 買取相場は複数の買取業者に査定依頼を出して把握する
それぞれ解説します。
仲介の売却相場は不動産ポータルサイトを確認する
仲介での空き家の売却相場は不動産ポータルサイトを確認しましょう。
まずは仲介で売却する前提条件として、その空き家が築20年以内でかつそのエリアでは戸建てが安定的に流通していると仮定します。
築20年以内と指定する理由は、不動産の売却価格および需要は築年数が経過するほど下落するからです。
国土交通省の資料でも、築30年を迎える頃にはほぼ価値がゼロになっており、市場で売れやすいラインの上限は築20年以内と言えます。
戸建てが安定的に流通するエリアなら、「SUUMO」「アットホーム」など、不動産ポータルサイトに類似の物件がある程度載っているはずです。
仲介の成約価格は、掲載している販売価格から買主の値段交渉に応じて減額するだろうと考えて、10%ほど値引いた価格を市場価格として参考にします。
たとえば、駅までの距離・地域・築年数・面積で絞った類似物件の価格が1,000万円だった場合、900万円が市場価格の参考値、といった具合です。
買取相場は複数の買取業者に査定依頼を出して把握する
一方で、空き家が築20年を超えて戸建ての流通量が少ないエリアなら、まずは買取を検討します。
ときどき「買取価格は市場価格の70%前後」と書かれた情報サイトを見かけますが、市場価格自体が個別の状況によって変動するため、いつでも一定の割合ではありません。
また、買取業者ごとの査定方法・事業規模によっても買取価格は変動するので、正確な買取金額を知るには業者の査定を受けるのがもっとも正確で簡単です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)では、経験豊富な査定員による無料査定を365日受付中です。
空き家買取の豊富なデータベースを駆使して、市場での買取金額に近いリアルな査定価格をお伝えできます。
強引な営業は一切ありませんので、お気軽にお問い合わせください。
なお、弊社以外にも無料査定を数社に依頼して比較し、もしも強引な営業をかけてきた買取業者に遭遇した場合は、はっきりと断って距離をとりましょう。
なお、空き家の買取相場については「不動産プロが教える!空き家の買取相場と高額買取を勝ち取るコツ」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
空き家を仲介で売却する流れ6ステップ
空き家を仲介で売却する際の主要な流れは以下の通りです。
- 仲介業者へ査定を依頼する
- 仲介業者と媒介契約を締結する
- 売却活動と現地内見の立ち合いをする
- 不動産売買契約書を締結する
- 空き家の引き渡しと名義変更をおこなう
- 空き家売却後に確定申告をおこなう
仲介で空き家を売却する場合、買手を探す必要があるため、買取で売却する場合より時間がかかり、手続きも多くなります。
以下で、詳しく解説します。
仲介業者へ査定を依頼する
まずは数社の仲介業者へ売却査定を依頼し、現地を見てもらって後日報告書とともに査定内容を聞きます。
査定金額は仲介業者によって様々ですが、その金額には必ず根拠があるはずですので、その根拠や分析が納得できるものなのかを見ましょう。
仲介業者のなかには、高い査定金額をつけて売主の信頼を得ようとする者もいますので、知名度のある業者で査定金額が高いからと言って無条件に信じることのないよう気をつけてください。
仲介業者と媒介契約を締結する
1社専任で売却を任せるのか、2社以上に任せるのか等によって仲介業者と売主との関係性や業務の進め方が以下の表のように異なります。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
依頼する仲介業者 | 1社のみ | 2社以上 | |
自分で買主を発見 | 必ず仲介される | 仲介を挟まず買主と直接取引できる | |
売主への報告頻度 | 7日に1回以上 | 14日に1回以上 | 決まっていない |
業者サイトへ掲載 | 媒介後5日以内 | 媒介後7日以内 | 決まっていない |
1社のみ専任で依頼すると、空き家が仲介で売れればその1社は売主から必ず仲介手数料がもらえるので、多額の広告費を使ってでもその空き家を優先的に売ろうとします。
反対に、人気エリアの物件なら複数社を競争させて早くに買主を見つけることもできます。
このように、どの媒介契約が優れているということはありませんので、お好きなものを選ばれても問題ありません。
ちなみに、媒介契約の期間は3か月以内が目安ですが自動更新はありませんし、両者の合意があれば違約金等なしで媒介契約の解除ができますので、合わない仲介業者と無理に付き合う必要はありません。
売却活動と現地内見の立ち会いをする
売却活動と現地内見は基本的に仲介業者が代行してくれますが、売り主も立ち会いするのがベターです。
空き家所有者のほうが物件の住み心地や周辺環境などの魅力を理解しているケースが多いからです。
売り出し時は、査定金額より高くても希望価格からスタートすることが多いですが、数日経って反響がないなら売れる見込みのある妥当な価格に変更する判断が必要と言えます。
物件に興味を持った方が現地を内見するときは、すでに空き家なら売主が立ち会わなくても仲介業者に案内を任せてしまっても良いでしょう。
不動産売買契約書を締結する
買主が物件を内見して価格の折り合いがついたら、売買契約の締結へと進みます。
売買契約の当日は不動産会社・売主・買主の3者立ち会いの元、以下のような不動産売買契約書に署名・捺印をします。
不動産売買契約書には契約内容に関する重要な内容が記載されているため、不明点があれば担当者に確認しておきましょう。
買主が、物件に関する重要事項の説明を受けたあとに契約手付金を売主へ渡して売主とともに契約書へ署名捺印し、売買金額に応じた収入印紙を貼り付けて終了です。
収入印紙代は、軽減税率を適用した場合で物件価格が1,000万円を超えて5,000万円以下なら1万円、5,000万円を超えて1億円以下なら3万円です。
この契約の時に仲介手数料の半分を渡して、残金の決済時に残りの半分を渡します。
空き家の引き渡しと名義変更をおこなう
空き家の引き渡しを行う当日は、不動産会社のオフィスで司法書士も立ち会い書類の確認等を行います。
売主が買主へ売買代金の残金を支払い、固定資産税の精算が終わると、売主は空き家のカギや関係書類を買主へ渡します。
仲介手数料の残り半分を、売主・買主から不動産会社に渡して、空き家の引き渡し・売買取引は完了です。
司法書士は売主から買主へ名義を変えるために、法務局へ不動産登記申請の書類を提出して名義を書き換える手続きをします。
空き家売却後に確定申告をおこなう
空き家売却後、売主は不動産譲渡所得税を計算し、確定申告を行います。
譲渡所得税とは、不動産を売却した売却益の部分に課税される税金です。
しかし、売却利益から3,000万円を控除してくれる制度が適用できれば、不動産譲渡所得税が課税される場合はほとんどありません。
なお、譲渡所得税については、「不動産売却に関する税金完全ガイド!お得な特例も紹介!」で詳しく解説しています。
解体して仲介で売却する場合の流れ
解体して土地のみ仲介で売却する際の流れは以下の通りです。
- 解体業者に見積もりを依頼する
- 解体業者により現地調査が行われる
- 解体業者により各種工事の申請が行われる
- 解体工事が行われる
- 不動産仲介業者に査定依頼を出す(以下前項までで説明したのと同様)
簡単に言えば、空き家を残したまま売り出す流れの前に、解体業者による解体作業の手順が加わる形です。
解体工事自体は30坪程度の空き家の場合、一ケ月程度で終わりますが、工事前の現地調査や申請などを含めると、一連の流れが全て終わるのには2ケ月近くかかると思っておいた方が良いでしょう。
また、解体費用は前述したように100万円以上かかることがほとんどです。
空き家を解体しての売却には解体費用が赤字になるなどのリスクがありますので、解体して売却できる見込みや、売却金で解体費用を回収できるかなどを事前に充分考慮しましょう。
弊社Albalinkでも相談にのりますので、ぜひ下記無料買取フォームからお気軽にお問い合わせください(弊社に売却する前提の問い合わせでなくても構いません)。
空き家を買取で売却する流れ3ステップ
空き家を専門の買取業者に依頼して売却する場合の流れは以下の通りです。
- 買取査定を依頼する
- 買取業者が査定額を比較検討する
- 不動産売買契約書を締結する
前章の仲介の流れでは6ステップありましたが、買取では3ステップしかありません。
このことからも、買取での売却の方が手続きも少なく、早く売却できることがわかっていただけると思います。
買取査定を依頼する
まずは複数(最低3社)の買取業者に査定依頼を出しましょう。
1社だと、その業者の査定額が適正価格かどうかの判断がつかないためです。
査定依頼を出す業者は以下の項目を参考に選ぶと良いでしょう。
- これまでの空き家の買取実績
- 口コミによる評価
買取業者の中には、空き家以外の物件(通常の中古物件・マンションなど)の買取をメインにしている御者もいますので、空き家の買取実績が豊富かどうかは必ず確認しましょう。
また、その業者の客観的な評価が見られるgoogleの口コミなども確認します。
口コミで好意的なコメントが多い業者は信頼できると考えていいでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)はお客様より寄せられた直筆のメッセージを公式サイトのお客様の声で公開しておりますので、ぜひお読みください。
買取業者が査定額を比較検討する
査定依頼を出した買取業者が提示した査定額を比較検討し、買取を依頼する業者を1社に絞り込みましょう。
基本的には査定額が高い業者を選ぶことになりますが、かといって、査定額だけで業者を選ぶのも危険です。
買取業者の中には、最初だけ高い査定額を提示し、買取直前になって何かと理由をつけて価格を下げてくる悪徳業者も存在するからです。
そうした悪徳業者を選ばないためには買取業者の以下の点をチェックしましょう。
- 査定額の根拠を明示してくれるか
- 質問にレスポンス良く応えてくれるか
- こちらの要望を叶えるための努力を惜しまずしてくれるか
査定額の根拠をしっかり説明してくれる業者は信頼できます。
最初に根拠を説明してくれるということは、後から理由をつけて価格を下げるようなことがないからです。
また、こちらの質問や要望に誠実に対応してくれる業者を選ぶことも大切です。
空き家の売却など、初めての方がほとんどでしょうから、わからないことだらけなはずです。
そうした時に、気兼ねなく質問でき、また、それに誠実に答えてくれる業者であれば、安心して売却できます。
弊社Albalinkも買取事例の章でお伝えしたように、お客様の不安な気持ちに寄り添い、丁寧かつスピーディーな買い取りを行っています。
安心して買取を任せたい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
なお、買取業者の選び方や、お勧めの買取業者については「空き家買取業者30選!特徴別に希望に合う買取業者を全国から紹介!」の記事で紹介していますので、参考にしてください。
不動産売買契約書を締結する
信頼でき、買取価格に納得できる業者が見つかったら、不動産売買契約を結び、決済と物件の引き渡しを行います。
これで不動産取引は完了し、期間にすると査定依頼から売買契約の締結まで平均1ヶ月程度です。
仲介での売却が平均3ケ月~半年かかることを考えれば、買取での売却の早さがわかっていただけると思います。
弊社Albalinkも平均1ヶ月ほどであなたの空き家を適正価格で買い取らせて頂きます。
なるべく早く、できるだけ高く売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
空き家を売却する際の5つの注意点
空き家の売却には事前に押さえておくべき注意点があります。
注意点を押さえて売却しないと、売りに出してから「こんなはずではなかった」と後悔することになります。
空き家を売却する際の注意点は以下の5つです。
- 空き家が自分の名義になっているか確認する
- 仲介で売却する場合は値下げ交渉を見越した価格設定にする
- 仲介で売却する場合は片付けや解体費用がかかる
- 相続財産なら3年以内に売却を目指す
- 共有不動産の売却は原則として全員の同意が要る
それぞれ解説しますので、ご確認して下さい。
空き家が自分の名義になっているか確認する
空き家を売りに出す前に空き家の名義が自分になっているかを確認しましょう。
空き家を相続した場合など、相続登記(亡くなった方から相続人へ名義変更する手続き)をおこなっていないと、亡くなった方の名義のままになっている可能性があります。
相続登記は令和6年4月1日より義務化されているので、必ず行うようにしましょう。
空き家の名義が売主でないと、仲介で売り出した場合、買手が見つかったとしても売却できません。
名義変更を済ませれば売却できますが、その間に買手が心変わりをして、売却できずに終わってしまう恐れもあります。
空き家の場合、ただでさえ買手が見つかりにくいので、名義変更をしていなかったために、売却の機会を逃すようなことがないようにしましょう。
自身の空き家の名義は法務局で登記簿謄本(下図参照)を確認すれば調べられます。
【登記簿謄本】
名義変更する場合司法書士などに依頼するのが一般的であり、費用は5万円~10万円ほどです。
なお、専門の買取業者に依頼すれば、名義変更をせずに売却可能です。
専門の買取業者は名義変更の費用や手間もふまえて買取をおこなうためです。
弊社Albalinkも名義変更不要で空き家を買い取ることができます。
名義が自分になっているかわからず、名義変更の手間や費用を掛けたくない方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
そのままの状態であなたの空き家を買い取らせていただきます。
仲介で売却する場合は値下げ交渉を見越した価格設定にする
仲介で空き家を売りに出すと、往々にして買手から値下げ交渉をされます。
空き家は老朽化が進んでいることがあるため、買手からしたら購入後にリフォーム費用がかかるなど、通常の物件よりリスクがあるためです。
そのため空き家を仲介で売却する際は、買手から値下げ交渉されることを前提に、売却希望価格より少し高めの金額で売り出しましょう。
あらかじめ高めの売却価格をつけておけば値下げ交渉に応じることができ、買手に「値下げしてもらった」という満足感を与えられ、購入に繋がりやすくなります。
しかも、高めの売却価格にしておけば、値下げしてもあなたは当初の売却希望価格で売れる可能性があります。
ただし、あまりに高い金額にするとそもそも買手が現れない可能性があるため、どれだけ値段を高くするかは担当の不動産業者とよく相談して決めましょう。
そして、希望売却価格以下にしても買手が現れない場合は、専門の買取業者への売却も検討しましょう。
仲介で売却する場合は片付けや解体費用がかかる
空き家は築年数が古かったり、通常の人が住んでいる物件より老朽化が進んでいることが多いため、解体が必要になるケースもあります。
空き家を残したまま仲介で売却する場合は、売却前にリフォーム費用がかかる場合があります。
また、実家を相続した場合などは、室内の遺品や家財を片付ける必要もあります。
仲介の買手はマイホームを探している一般の買手が多いため、老朽化が進んだ物件や、売主の荷物が残った物件は敬遠されてしまうためです。
リフォームは担当の不動産業者と相談し、必要な個所に絞っておこなえば良いと思いますが、たとえば風呂・台所・洗面所のような水回りだけをリフォームするにしても50万円~100万円ほどかかります。
不用品回収も業者に頼むと不用品の量にもよりますが、平均2万円程かかります。
普段から管理を徹底し、片付けも済んでおり、こまめに修繕なども行っている空き家の場合は、リフォームをせずに売りに出してもいいでしょう。
しかし、3ヶ月以上経っても売れない場合は、リフォームの必要性を検討してみるべきかもしれません。
なお、専門の買取業者であれば、片付けやリフォームをせずにそのままの状態で空き家を売却できます。
弊社Albalinkもあなたの空き家を現状のままで買い取れますので、空き家を売却したいけれど、費用はかけたくない、かけられない、という方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
相続財産なら3年以内に売却を目指す
相続から3年以内の売却なら「取得費加算の特例」や「相続空き家の3,000万円特別控除」「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用できる可能性があります。
適用要件に合致していれば、ほとんどの方が譲渡所得税を納めなくて良くなるかも知れません。
こうした特例は期限などの要件を外すと例外なく適用されませんので、期日が迫ってきたなら最優先で検討するようにしましょう。
なお、上記の特例などについては「【世界一わかる】不動産売却に関する税金完全ガイド!お得な特例も紹介!」の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
共有不動産の売却は原則として全員の同意が要る
もしも空き家が共有状態なら、問題はもっと深刻かもしれません。
共有不動産は、すべての共有者の同意がないと全部を一括で売却できないので、空き家を使う予定がなく早く現金化したくても、自分だけでは思いどおりになりません。
一括の売却に反対する人がこちらの共有持分を買取ってくれればよいのですが、その人に買い取るだけの資金力がなければそれも叶いません。
そうなると、共有持分だけを買取ってくれる業者へお願いするしかありませんが、共有状態の不動産をそのまま放置するのはデメリットが多すぎますので、できる時にできる方法で解消しておくべきでしょう。
なお、共有不動産の売却方法については「共有持分を譲渡する3つの方法と注意点を易しく解説」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
空き家を売却する際にかかる費用・税金
空き家売却にかかる費用は大きく分けて下記の3つです。
それぞれ解説していきます。
仲介手数料
文字どおり仲介の手数料ですが、これは成功報酬であり一般的には売買契約締結時に半金と残金決済時に残りの半金を支払います。
ですから、売却前の相談や査定および契約になるまでの売却活動に対しての費用は原則かかりません。
売却価格に応じた仲介手数料の計算式は下の表をご覧ください。
200万円以下の部分 | 売却価格 × 5% + 消費税 |
200万円超〜400万円以下の部分 | 売却価格 × 4% + 消費税 |
400万円超の部分 | 売却価格 × 3% + 消費税 |
ちなみに、400万円超の物件はすべてこの即速算式「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」で計算できます。
たとえば売却価格が1,000万円なら 39.6万円(1,000万円 × 3% + 6万円) + 消費税10%)になります。
司法書士費用
司法書士費用とは、登記申請時に法務局へ納める登録免許税と司法書士への報酬が含まれます。
この章では、空き家の売却時に司法書士が行う以下3つの登記について解説します。
- 所有権移転登記(相続)
- 所有権登記名義人表示変更登記
- 所有権移転登記(売買)
所有権移転登記(相続)
相続登記手続きとは、まず被相続人(亡くなった方)の幼少期くらいまで戸籍を遡って集め、誰が被相続人の子供なのか戸籍で証明して相続人を確定します。
さらに、遺言書や遺産分割協議によって確定した相続割合に応じて、不動産の所有権を書き換えていく手続きのことです。
戸籍の取得や相続関係の解明で難航したり、登記する不動産が複数の法務局管轄に散らばっていたりと、司法書士の手間に応じて報酬は変動しますが、おおむね6〜10万円が目安です。
くわえて、法務局へ納める登録免許税は固定資産税評価額の0.4%なので、評価額が1,000万円の空き家なら登録免許税額は4万円です。
なお、空き家の名義変更については「空き家の名義変更の方法や費用【令和6年4月から相続登記が義務化されます!】」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
所有権登記名義人表示変更登記
売主から買主への所有権移転登記は、現所有者として登記された売主の住所が現住所と異なる場合には受理されないため、まず売主は正しい現住所へ登記情報を書き換えます。
たとえば、マイホームを購入した際の所有権移転登記は引越し前に住んでいる住所で買主を登記しますので、
その後にマイホームを売却する際には現住所へ書き換えた上で新しい買主へと所有権移転登記をします。
ただし、所有権登記名義人表示変更登記だけを単体ですることは稀で、ほとんどが所有権移転とセットで行うため、司法書士報酬も所有権移転に含まれています。
法務局へ納める登録免許税は、不動産1件につき1,000円です。
所有権移転登記(売買)
新しい買主へ所有権を移転する登記で、空き家の場合には土地と建物の登録免許税率が異なるため、別々に計算してから足します。
空き家売却時の司法書士報酬は、おおむね 3〜5万円が目安です。
ちなみに築20年を遥かに超える古い建物でも固定資産税評価額は新築時の20%を下限に残存するため、評価額が0円になることはありません。
以下、例をあげて登録免許税額を算出してみます。
固定資産税評価額 土地:900万円、建物:100万円
登録免許税率 土地:1.5%、建物:2.0%(居住用ではない)とすると、
登録免許税額(土地 + 建物)
= (900万円 × 1.5%) + (100万円 × 2.0%) = 13.5万円 + 2万円 = 15.5万円
不動産譲渡所得税
不動産譲渡所得税とは、空き家の売却益にかかる税金です。
空き家を売却する流れの章で説明したように、売却した翌年に確定申告を行い、納税します。
譲渡所得税と税率は以下の計算式で算出します。
上記の不動産の「不動産の取得費」とは売却する不動産の購入費のことです。
また、「不動産を売却するのに要した諸経費」にはリフォーム費用などが含まれます。
具体的にどのような項目が該当するかは国税庁ホームページの「取得費となるもの」「譲渡費用となるもの」で確認可能です。
譲渡所得税の税率は空き家の所有期間に応じて変わりますので、以下で詳しく解説します。
売却益に対する2つの譲渡所得税率
譲渡所得税は不動産の所有期間に応じて以下の2つに分かれます。
譲渡所得の区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得税(5年以内) | 30.63% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得税( 5年以上) | 15.315% | 5% | 0.315% | 20.315% |
長期譲渡所得税の方が税率が半分程度低く設定されており、あなたの空き家がどちらに分類されるかは、空き家の所有期間によって変わります。
短期譲渡所得税
空き家を売却した年の1月1日時点で、その空き家の所有期間が5年以内なら短期譲渡所得と分類され、所得税率は約40%です。
期間の判定の終期は実際の売却時点ではなく売却した年の1月1日時点なので注意が必要です。
たとえば、購入が2005年5月5日で、売却が2010年10月10日の場合、購入日から売却日までは5年を超えて所有していますが、売却した年の2010年1月1日時点では5年経っていません。
そのため、短期譲渡所得と判定されます。
短期譲渡所得税は、長期譲渡税より税率が20%ほど高いため、購入年と売却年だけで安易に「5年経っている」と判断しないようにしましょう。
長期譲渡所得税
空き家を売却した年の1月1日時点で、その空き家の所有期間が5年超なら長期譲渡所得と分類され、所得税率は約20%です。
空き家を相続した場合、ほとんどが長期譲渡所得税となり税率約20%で計算されます。
なぜなら所有期間は被相続人の所有期間も引き継ぐためです。
ですから、親が何年も所有していた空き家を相続し、相続後5年以内で売却したような場合でも、長期譲渡所得の税率約20%が適用されます。
譲渡所得税を軽減できる3つの特別控除
ここまで読んで、「空き家を売却できても税金がかかるのか」と思われた方もいるかもしれませんが、安心してください。
譲渡所得税を軽減する特別控除がいくつかあります。
譲渡所得税を軽減する特別控除控除は以下の3つです。
- 空き家の3000万円特別控除
- 続財産を譲渡した場合の取得費の特例
- 低未利用土地等の100万円特別控除
それぞれ解説しますので、適用できる特例がないか確認してください。
空き家の3000万円特別控除
被相続人が独りで住んでいた土地と建物を相続した場合、空き家の3000万円特別控除(被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)が適用される可能性があります。
空き家の3000万円特別控除が適用されると、譲渡所得を最高で3,000万円を差し引けます。
昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた家を、令和9年(2027年)12月31日までに売却することなどが要件です。
なお、空き家の3000万円特別控除については「空き家を相続した方必見!3000万円特別控除について解説します」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続した空き家を、相続開始の翌日から3年10か月の間に売却していれば、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例が適用される可能性があります。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例が適用されると、すでに納めた相続税額を譲渡所得から差し引くことができ、その分、譲渡所得税が軽減されます。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例は上記の空き家の3000万円特別控除と併用できますので、どちらも適用される場合、3,000万円からさらに相続税分が控除されることになります。
なお、取得費の特例については「相続した空き家の取得費加算の特例がスルッとわかる!さらなる得情報も大公開」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
低未利用土地等の100万円特別控除
上記2つより適用条件のハードルが低いのが低未利用土地等の100万円特別控除です。
低未利用土地等の100万円特別控除は譲渡所得から100万円控除できる特例であり、適用要件は以下の通りです。
- 売却額が500万円以内であること
- 譲渡の年の1月1日において、所有期間が5年を超える物件であること
- 譲渡した物件が都市計画区域内にあること
上記の条件であれば、当てはまる方も多いのではないでしょうか。
なお、自身の物件が都市計画区域にあるかどうかは、ネットで「空き家が所在する市町村名 用途地域」で検索すると調べることができます。
空き家を所有し続ける4つのデメリット
この記事を読んでいる方の多くは、空き家の売却を検討している方や、何とかしなくてはと思っている方でしょう。
その一方で、空き家の売却など初めての方がほとんどでしょうから、不安や面倒といった気持ちからつい先延ばしにしていしまっている方も多いはずです。
しかし、活用しない空き家を所有していると以下4つのデメリットがあります。
- 活用していなくても固定資産税を払い続けなくてはいけない
- 管理する手間や費用がかかり続ける
- 所有し続けるほど資産価値が下がる
- 火災や倒壊のリスクが高く行政処分を受ける恐れがある
以下でそれぞれ解説しますが、「空き家を所有し続けても良いことなどないのは分かっている。
でもわからないことだらけで初めの一歩が踏み出せない」という方はぜひ一度弊社Albalinkの無料買取査定をご利用ください。
わからないことや不安なことは弊社スタッフにお聞きいただければ、全てお答えさせていただきます。
弊社にご依頼いただけば、売却のための手間や費用がかからないのはもちろん、精神的にも安心して売却を行えます。
なお、空き家を放置するデメリットについては「空き家を放置する5つのデメリット!空き家問題の解消は売却一択!」の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
活用していなくても固定資産税を払い続けなくてはいけない
空き家がどんなに劣化しようとも、固定資産税の課税が土地も建物も0円になることはなく、そこにある限り未来永劫払い続けなければなりません。
田舎の古い不動産だから、固定資産税額は都会に比べてもたかが知れていると考える方もいらっしゃるかも知れませんが、長年積もり積もれば相当な金額になります。
使ってもいない空き家の余計な税金の支払いは、空き家を売却して手放さない限りこの先もずっと細く長く延々と続いていくのです。
今は都会での生活があるけれど、子供が独立し自分たちがリタイアした後に、実家に戻って田舎暮らしをする時には必要だから、その時のためにこのまま持っておきたいと思うかも知れません。
老後のプランとしてあり得るかも知れませんが、実際にその時にその場所がベストの選択になるかは分かりません。
むしろ、田舎よりも買い物が便利で病院が近く孫にもすぐに会いに行ける場所が良い場合もあります。
使用する予定がないなら、固定資産税や維持費を払いながら無理に持っておく意味はないのかも知れません。
空き家の維持費については、「空き家の年間維持費は26万円!来年からゼロにする早ワザ売却術!」で詳しく解説しています。
管理する手間や費用がかかり続ける
人が住まなくなった空き家は換気がされないため、空気が淀んで木部が腐食しやすくかび臭くなり、埃が積もっていきます。
また、家の外に草が茂ると家に当たる空気の流れが遮断されて湿気が抜けにくくなり、繁茂した草で死角が増えて昆虫や動物が集まりやすくなります。
そして、下水管のトラップに溜まっていた封水が枯れて、いやな臭いが立ち込め下水から虫が家の中に入ってきます。
空き家が近くにあれば、定期的に換気や草刈りや清掃ができて良いのですが、空き家が遠いところにあるなら、少し換気して掃除するためだけに時間と手間と費用をかけなければならず大変です。
空き家管理の手間や費用については「空き家の適切な管理方法と自分で空き家管理をするデメリットまとめ」の記事で詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
所有し続けるほど資産価値が下がる
空き家は所有すればするほど、資産価値が下がり、売却しにくくなります。
所有するということはそれだけ築年数が古くなるということだからです。
特に築20年を迎えた木造戸建住宅は、国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」のデータ上、建物価格が20%程度まで下落します。
下記のような空き家はもともと一般の個人からの需要が少ないため、築年数が古くなればさらに売却しにくくなってしまいます。
- 再建築不可物件(建て替えできない土地)に建っている
- 浄化槽式の下水処理方式は定期清掃が必要
- 都市ガスが引かれておらず、プロパンガスでガス料金が割高
- 古い耐震基準で構造が弱いため大きな災害に耐えられない
- 断熱材の使用箇所が少なく気密性が低く、空調が効きにくい
- 水回りが古くて使いにくい
- 給水管の口径が小さいため水圧や水栓の数が現行基準を満たしていない
自身の空き家が上記の条件に1つでも当てはまるのであれば、少しでも価値が残っているうちに早めに売却のために動き出しましょう。
火災や倒壊のリスクが高く行政処分を受ける恐れがある
放置された空き家は荒廃して倒壊の危険がありますし、古い電気設備が発火しないとも限りません。
もし自治体がから危険度合いが高い建物だと判断されると、「特定空き家」に指定され、行政代執行により解体される恐れがあります。
行政代執行とは、危険があると認められる建物へ行政が行う保全処置や解体工事のことで、その時にかかった費用は所有者へ請求されます。
過去の執行例を見ると、請求額が割高な上に税金債務と同様の扱いのため、滞納すると給与等も含む財産を職権で差し押さえられてしまいます。
なお、通常の不動産は火災に備えて火災保険に入ることができますが、空き家が加入できる火災保険は多くありません。
また、加入できたとしても空き家は通常の不動産とは保険区分が異なる場合が多く、通常の不動産より保険料が高くなる傾向にあります。
実家を相続した方の中には、親が住んでいた時に入ってた火災保険にそのまま加入している方もいるかもしれません。
しかし、前述したように空き家と通常の不動産は保険区分が異なるため、通常の不動産の火災保険に加入していても、火災に遭った際、保険金が下りない恐れがあります。
空き家の老朽化が進んでいる方は、万が一の事態が起きる前に、周囲へ迷惑をかけないような対策や空き家自体の処分を検討しましょう。
なお、空き家でも入れる火災保険については「【見逃せば損する】空き家でも入れる火災保険選びの極意!保険会社5選もご紹介」の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
また、特定空き家については「後悔しないための空き家対策10選|空家対策特措法改正についても解説」の記事で詳しく解説しています。
まとめ
空き家を売る方法には仲介と買取がありますが、立地や状態が悪い空き家は仲介ではなく、買取で、専門の買取業者に買い取ってもらうのがおすすです。
また、空き家の売却相場の調査は自分でもできますが、より正確な買取価格や売却費用を知るには仲介業者や買取業者に聞けばすぐに丁寧に教えてくれますので、遠慮せずに気軽に聞いてみましょう。
詳しいことが分からないと具体的な方針が決まらず現状維持になりますが、現状や将来起こるべきリスクが把握できれば、専門家のアドバイスを参考にしながら自分で期日を設けて問題解決へ動き出せるものです。
弊社Albalinkは、仲介でも買取でもお客様の疑問に丁寧にお答えできる、不動産のプロ集団です。
今すぐに売却しなくても事前に疑問を解消したいとお考えでしたら、この機会に当社へぜひご相談ください。