箱根の別荘は売れないのか?
別荘を売る際、多くの人はその別荘地の需要はどのくらいなのか気になるでしょう。
ほかの別荘地と比べて、箱根の別荘はどれくらい人気なのでしょうか。
以下は、国土交通省の統計に基づいて作成した2023年の別荘地ごとの土地取引件数の表です。
地域 | 土地取引件数 |
---|---|
箱根 | 482件 |
軽井沢 | 1,654件 |
熱海 | 868件 |
那須塩原 | 2,642件 |
逗子 | 590件 |
九十九里 | 368件 |
河口湖 | 495件 |
参照元:不動産情報ライブラリ|国土交通省
箱根における土地取引件数は482件で、軽井沢(1654件)や熱海(868件)那須塩原(2,642件)など人気の別荘地と比べると取引件数は劣ります。
しかし、同じく関東近郊で人気のある別荘地の逗子(590件)、九十九里(386件)、河口湖(495件)と同じくらいの取引件数で、人気がまったくないわけではありません。
したがって、箱根の別荘の売却は難しいとはいえないでしょう。
ほかにも以下の最近の動向から、別荘地が人気になる可能性があります。
地方移住への関心の高まり
コロナ禍以降、地方移住への関心が高まっているため、別荘地も同様に人気が出る可能性があります。
内閣府の調査によると、東京圏在住者の地方移住への関心は年々高まっており、2023年3月時点では全体の35.1%の人が「関心がある」と回答しました。
とくに、20代は関心が高く、2023年3月時点では全体の44.8%の人が「関心がある」と回答しております。
また、地方移住への関心を抱く主な理由として、「自然豊かな環境に魅力を感じた」「テレワークで地方でも働けると感じた」「地方での生活重視に変えたい」が多いようです。
閑静な環境下での生活に憧れて、箱根をはじめとした別荘地への移住を検討する人も増えると考えられるでしょう。
ワーケーションへの関心の高まり
内閣府の調査によると、2023年3月時点での東京都23区において、テレワークを中心で働いている人は全体の22.4%でした。
上記のデータから分かるとおり、コロナ禍以降もテレワークを継続している人は一定数いることが分かります。
また、国土交通省の調査によると、テレワークをきっかけに実施したい活動として回答者の約3割がワーケーションを挙げていました。
リモートワークを実施している会社員や自営業者が、ワーケーションをするため、別荘を購入する可能性があります。
箱根の別荘が売れない5つの理由
前述したとおり、箱根の別荘は一定の需要があるため、買い手は見つかりやすいでしょう。
しかし、物件の状態をはじめ状況次第では、買い手が見つからないおそれがあります。
別荘が売れない理由として、以下の5つが考えられます。
- 老朽化が進んでいる
- 立地が悪い
- 税金・維持管理費が高い
- 耐震基準を満たしていない
- 売却ノウハウがない業者に売却依頼した
老朽化が進んでいる
売れない原因として、別荘の老朽化が進んでいることが挙げられます。
別荘ブームだったバブル期に建築されたものは、現在築30~40年のため、老朽化が進行しているはずです。
また、長年空き家になっており、維持管理をまともにしていない物件の場合、老朽化が進行しやすくなります。具体的には、以下のような不具合が生じる可能性があります。
- 室内のカビ発生
- 雨漏り
- 水道管のサビ
不具合のある建物は購入後に修繕する必要があるため、新築をはじめとした不具合のない建物と比べると需要が低くなってしまうでしょう。
老朽化が進んでいる別荘は買い手がつかないため、日々の維持管理と必要に応じた修繕が必要です。
使わなくなった別荘をはじめ住まなくなった家の劣化について、くわしく知りたい人は以下の記事も参考にしてください。
立地が悪い
立地が悪いことも別荘が売れない原因の1つです。
別荘地は非日常感を味わうことが目的のため、利便性の高い都市部から離れた場所にあります。
そのため、近くにコンビニが多数あったり、公共交通機関をはじめとした移動手段が充実していたりするわけではありません。
別荘のある場所によっては、食料品や日用品確保のためにスーパーやコンビニに行くのに遠くまで買い出しに行かなければなりません。
また、移動手段として車が必須になるケースも多いでしょう。
都市部と比べて利便性に欠ける別荘は、売れない可能性が高くなります。
税金・維持管理費が高い
税金や維持管理が高いことも、別荘の買い手が見つかりづらい原因です。
別荘を持っていると、以下の税金や維持管理費がかかります。
- 固定資産税
- 住民税
- 水道光熱費
- 火災保険料
また、別荘を使わないシーズンの管理を業者に委託する場合は、上記費用に加えて委託費が発生します。
不動産流通経営協会の調査によると、別荘をはじめとしたサブ拠点の維持にかかる費用(維持管理費、固定資産税などを含む)は、月額で平均約54,000円でした。
なお、同調査によるとメイン拠点の維持にかかる費用は月額で平均約75,000円で、合計すると月に13万円程度の維持費を支払う必要があります。
ある程度の収入がないと別荘の維持ができないことも、売れない原因といえるでしょう。
耐震基準を満たしていない
1981年より前に建築された別荘の場合、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。
耐震基準には2種類あり、1つは現行の耐震基準である「新耐震基準」、もう一つは1981年5月31日まで適用されていた「旧耐震基準」です。
新耐震基準で建てられた家は、震度5強程度の地震ではほぼ損傷しないうえ、震度6強~7の地震がきても建物が倒壊しない構造になるように設計されています。
一方、旧耐震基準で建てられた家は、震度5強程度の地震で建物が倒壊しない構造で設計されていますが、震度6強~7の地震は想定されていません。
1981年より前に建てられた別荘は、旧耐震基準を満たす構造で設計・建築されています。
耐震性に不安のある建物は、買い手が購入を控える可能性があるでしょう。
旧耐震基準の建物の売却について、くわしく知りたい人は以下の記事も参考にしてください。
売却ノウハウがない業者に売却依頼した
売却ノウハウがない不動産会社に売却依頼した場合、売却にてこずる可能性があります。
別荘は通常の不動産とは異なります。
通常の不動産を主に扱う業者に売却依頼した場合、顧客のほとんどは通常の不動産を購入希望のため、別荘売却の難易度は高くなるでしょう。
また、通常の不動産会社は別荘の取り扱い事例がほとんどないため、顧客に売却する別荘の魅力を十分に伝えられない可能性もあります。
もし、売却活動をしており、別荘が売れない場合は不動産会社の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
不動産会社の見直しを検討する際は、弊社アルバリンクも検討に入れることをおすすめします。
仲介で売れなかった別荘をはじめとした物件でも、積極的に買取いたします。
どの不動産会社に仲介を依頼しても、売却できなかった場合は一度弊社にご相談ください。
箱根の別荘の3つの処分方法
前述したとおり、箱根は別荘地として人気があるので、別荘の需要がないとは言い切れないでしょう。
もし、別荘の処分を検討する場合、3つの方法があります。
- 仲介に売却依頼する
- 空き家バンクに登録する
- 買取業者に売却
別荘を処分する際に重視することによって、どの方法がおすすめか異なります。
別荘の処分方法について、くわしく知りたい人は以下の記事も参考にしてください。
仲介に売却依頼する
別荘を処分する方法として、不動産会社への仲介の依頼が挙げられます。
仲介で売却活動する場合、別荘の売却実績の豊富な不動産会社を選びましょう。
別荘の売却実績がある会社なら、適正な査定価格を買い手に提示して、売却活動してくれます。
また、別荘を主に扱う不動産会社なら、別荘購入を希望している顧客を多く抱えているケースがあります。
別荘売却の実績が多い不動産会社に仲介を依頼すれば、効率的に売却活動ができるでしょう。
ただし、築古で老朽化が進んでいる場合売れない可能性が高くなります。
もし、所有している別荘の老朽化が進んでいる場合は、リフォームで最低限修繕した方が良い場合もあります。
リフォームを検討する際は、一度、売却依頼している不動産会社に相談してみましょう。
また、所有権移転登記にかかる費用の売主負担をはじめ、買主側がメリットを感じる条件を提示することも選択肢の1つです。
仲介への売却依頼は、別荘を適正な価格で売却をしたい人におすすめです。
更地にして売却
仲介に売却依頼をする際は、更地にすることも手段の1つです。
老朽化した建物を解体すれば、購入後に買主側で建物を解体する手間が省けます。
更地は建物付きと比べて、買主による土地活用の幅が広がります。
立地が良ければ、自分好みの家を建てたい人にとっては、購入したい土地になるかもしれません。
ただし、解体費用が100万円以上かかります。
そのため、売却できても、解体費用が売却代金を上回った場合、赤字になってしまいます。
別荘地として需要のある土地なら、検討してもいい手段です。
空き家バンクに登録する
所有している別荘を空き家バンクに登録して、自分で購入希望者を探すことも可能です。
空き家バンクは、各自治体が運営している空き家所有者と購入希望者とのマッチングが目的のサイトです。箱根町も運営しており、利用に手数料はかかりません。
箱根町では、空き家バンクの利用促進のため、交付金制度が充実しています。別荘所有者が利用できる交付金制度は以下のとおりです。
- 箱根町定住促進空き家活用奨励金交付制度
- 箱根町定住促進空き家家財道具等処分交付金交付制度
箱根町定住促進空き家活用奨励金交付制度は、箱根町の空き家バンクを通じて、売買契約が成立した場合、5万円の奨励金が交付される制度です。
箱根町定住促進空き家家財道具等処分交付金交付制度は、空き家の家財道具の処分にかかった費用の2分の1を補助してくれる制度で、10万円まで交付されます。
参照元:箱根町定住促進空き家家財道具等処分交付金交付制度|箱根町
ただし、空き家バンクでは、不動産会社が行うような積極的な宣伝活動はないため、売却まで時間がかかるおそれがあります。
売却のためにかかる費用を抑えたい人は、箱根町の空き家バンクの利用を検討してもいいでしょう。
買取業者に売却
別荘の処分方法として、買取業者への売却も手段として挙げられます。
買取業者のメリットは、老朽化が進んでいる物件でも積極的に買い取ってくれることです。
上記のような物件の場合、修繕が必要になるため、一般消費者は購入を控える傾向にあります。
一方、買取業者の場合、リフォームを考慮しても利益を上げるノウハウがあるので、積極的な買取が可能です。
また、買取業者に売却する場合、査定価格に納得すれば、1週間~1か月で売買契約が成立し、すぐに物件を手放せます。
ただし、買取業者はリフォームや再販にかかる費用を考慮した査定価格を提示するため、売却代金は仲介で売却する場合より低くなります。
築古で老朽化が進んでいる別荘でも、できる限り早く処分したい人におすすめの方法です。
弊社アルバリンクも需要がない物件の買取をしている買取業者です。
一般的に、買取業者への売却価格は仲介と比べて低くなりがちですが、アルバリンクはコストを必要最低限に抑えているので、高額買取が可能です。
売れない別荘の処分はしたいが、できる限り高値で売りたい人は、一度弊社の無料査定のご利用を検討してはいかがでしょうか。
売らずに貸別荘で収益化も検討できる
別荘を使わなくなった場合、処分以外に貸別荘として運用するのも1つの手段です。
別荘を貸し出した場合、借主が日常的に換気や清掃するため、老朽化を防げます。
また、安定した副収入が得られるため、本業の収入の足しにもなるでしょう。
箱根は別荘地としてある程度の人気があるうえ、都市部からの移住希望者や2拠点生活を希望する人からの需要が見込めます。
したがって、借り手は見つけやすい可能性が高いでしょう。
ただし、別荘の借り手が見つからない場合は、維持管理のコストのみがかかります。
老朽化が進んだ別荘や立地が悪い場合は、借り手が見つからないこともあるでしょう。
建物の老朽化があまり進んでいない場合や立地が良い場所なら、貸別荘として運用できるかもしれないので、選択肢の一つとして検討してもいいかもしれません。
売れない別荘を放置するリスク
売れない別荘を放置した場合、前述したとおり税金や維持管理費が毎年かかります。
また、老朽化が進むため、建物の価値が下がり、さらに売却が難しくなるでしょう。
上記のリスクに加えて、あなたの子どもや孫にとっての負の遺産となることが挙げられます。
子どもに財産を相続するとき、相続税がかかります。ただし、以下の計算式で求めた基礎控除額を下回る遺産総額の場合は、相続税は非課税です。
たとえば、子どもが3人のケースでは、基礎控除額は4,800万円です。
別荘をはじめとした不動産があると相続財産が多額になり、課税対象となる遺産額が増えてしまう可能性があります。
子どもにかかる負担を減らすためにも、使わない別荘は相続前に手放したほうがいいでしょう。
相続税をはじめ別荘にかかる税金全般について、知りたい人は以下の記事も参考にしてください。
まとめ
この記事では、箱根の別荘は売れないかどうかと売れない理由について解説しました。
2023年度の箱根の不動産取引件数は、同じく関東近郊で人気のある逗子や九十九里、河口湖と同じくらいの取引件数です。
また、コロナ禍以降の地方移住への関心やワーケーションへの関心の高まりもあるため、箱根の別荘は一定の需要があるといえるでしょう。
しかし、築古で老朽化が進んでいる物件や立地が悪い場合、買い手が見つかりにくい可能性があります。
もし、上記の物件を持っている、あるいは、売却活動しているが買い手が見つからない場合は、弊社アルバリンクにご相談ください。
老朽化が進んでいる物件をはじめとした需要がない物件も買取しております。
無料で相談・査定をいたしますので、お気軽にご相談ください。