親が施設に入るとき実家の片付けに悩む3つの理由
親の施設入居が決まったとき、多くのご家族が「実家の片付け」という課題に直面します。
ところが、いざ実家の片付けに取りかかろうとすると、想像以上に大変だということに気付かされるケースは珍しくありません。
親が施設に入るとき実家の片付けに悩む理由は、以下の3つです。
片付けが進まない根本的な原因が理解した上で、より効果的な解決策を選択しましょう。
荷物が多い
実家の片付けで最初に直面するのが「荷物の多さ」です。
親が長年住み続けていた家には、生活用品・思い出の品・書類などが自然と蓄積されています。
とくに、なんでも手に入る環境ではなかった時代を経験している親世代は、「もったいない」という価値観が強く、不用品まで保管している傾向にあります。
大量の荷物を前にすると作業の全体像が見えないため、片付けが後回しにされやすくなるのです。
子ども世代に体力的な余裕がない
実家の片付けが進まない理由として、子ども世代に体力的・時間的な余裕がない点も挙げられます。
親が80歳前後で施設に入る場合、その子どもの多くは50代〜60代です。
この世代は仕事や家庭など多くの責任を抱えており、体力的にも若い頃ほどの無理がきかなくなっています。
くわえて、実家の整理に割ける時間も限られているため、片付け作業が土日の2日間だけに限られるケースも少なくありません。
「やらなければ」という使命感と「体がついていかない」という現実のギャップが、精神的なストレスにもなりやすいといえます。
兄弟や親族との役割分担がまとまらない
実家の片付けをめぐり、もっとも複雑になりやすいのが、兄弟や親族との役割分担の問題です。
兄弟や親族が多い場合、誰がどの部分を担当するのか・費用はどう負担し合うか・貴重品をどのように分けるかなど、決めなければならないことが山積みになります。
このような決め事をしていく過程で意見が合わず、トラブルに発展するケースもあるのです。
また、実家の荷物に対する思い入れの強さもそれぞれ異なり、処分する・処分しないの意見の対立によって片付け自体を開始できない場合もあります。
親が施設に入るとき実家の片付けを完了させる3つの方法
実家の片付けは大変な作業ですが、適切な方法と順序を知っていればスムーズに作業を進められます。
親が施設に入るとき実家の片付けを完了させる方法は、以下の3つです。
兄弟や親族で今後の計画を立てる
兄弟や親族で事前に話し合いを行い、「今後の方針」を共有し合うことで片付けは成功しやすくなります。
計画なしに作業を始めてしまうと途中で意見の対立が生まれたり、誰がなにをやるべきかが曖昧になったりして作業が停滞しがちです。
具体的には、今後実家をどうするかについて話し合いましょう。
たとえば、親が住まなくなった実家は所有・売却・賃貸・親族が住むなどの選択肢があり、どれを選ぶかで片付けの範囲や期限が変わります。
親が住まなくなった実家の選択肢については、親が施設に入るときの実家における4つの選択肢で解説します。
事前に明確な計画を立てておけば、作業中に迷うことなく効率的に進められ、家族間のトラブルも防ぎやすくなります。
優先順位をつけて作業を進める
実家の片付けではすべてを一度に片付けようとせず、優先順位を決めて進めることが成功のコツです。
まず最優先で行うべきは、貴重品や重要書類の確保です。
現金・通帳・印鑑・権利証などは、紛失すると大変な手続きが必要になるため、作業開始と同時に安全な場所に保管しましょう。
次に、思い出の品や形見として残したいものを選別し、その後で大型家具や家電製品の処分を検討します。
最後に、衣類や日用品などの細かいものを整理していくという流れがもっとも効率的です。
上記のような順序で進めることで貴重品を見落とすリスクを避けながら、着実に片付けを完了させられます。
必要に応じて片付け業者に依頼する
自分達で整理や処分をするのが難しい場合は、片付け業者に依頼するのも有効な選択肢です。
とくに、親が長年暮らしていた家は不用品が大量に残されていたり、重たい家具が多かったりするため、専門業者に依頼するのが安心で効率的といえます。
片付け業者を利用する最大のメリットは、希望日を伝えるだけで片付けを確実に完了させられる点です。
依頼費用は6畳で5万円~15万円程度かかりますが、家族の時間・労力・安全性を考慮すれば高くないかもしれません。
業者選びでは料金体系・サービス内容・口コミなどを比較し、自分たちの予算や希望に合う依頼先を選定しましょう。
親が施設に入るときの実家の片付けにおける3つの注意点
親が施設に入るときの実家の片付けには感情的な配慮から法的な問題まで、いくつか注意すべきポイントがあります。
親が施設に入るときの実家の片付けにおける注意点は、以下の3つです。
事前に対策を行い、スムーズかつ安心して実家の片付けを進められるようにしましょう。
親の了承を得てから作業を始める
実家の片付けを始める前に、必ず親本人の了承を得ることが大切です。
たとえ施設に入居することが決まっていても、実家の荷物は親の財産であるため勝手に処分してはなりません。
一見不要に見える手紙・写真・小物類でも、親にとっては大切な思い出の品である可能性があります。
また、認知症の症状がある場合でも、できる限り本人の意思を尊重して片付けを進めましょう。
何を残し、何を処分するかを具体的に相談しながら片付けを進めることで、家族間のトラブルを防ぎやすくなります。
貴重品の保管場所を確認しておく
片付け作業の初期段階で忘れてはならないのが、貴重品の確認です。
高齢者に限らず、紛失したり盗まれたりすると困る貴重品は、自宅の中で分散して保管していることが多いものです。
これらの品を紛失すると、医療費が必要になった・相続が発生した・実家を売却することになった、などの際に煩雑な手続きが必要になります。
作業していく過程でやる気が湧いてくる「作業興奮」のモードに入ると、勢いで必要な物まで処分してしまいがちです。
紛失トラブルを避けるためにも、片付けを始める前に親や兄弟と一緒に貴重品の保管場所を確認しておきましょう。
相続トラブルの事前対策をする
実家の片付けでもっとも対策が必要なのは相続に関するトラブルの予防です。
とくに、相続財産に不動産がある場合、「誰が受け継ぐか」「維持費は誰が払うか」などの意見が食い違い、関係性が悪化するケースも少なくありません。
弊社のアンケート調査でも「相続した不動産をどうするか」という点が問題視されていることがわかります。
上記のような状況を避けるためにも、親に遺言書を作成してもらう・家族全員で将来の方針を話し合う、など意思疎通を図っておくことが重要です。
やってはいけない実家の相続については、以下の記事で詳しく解説しています。

親が施設に入るときの実家における4つの選択肢
親が施設に入るときの実家における選択肢は、以下の4つです。
なお、もっともやってはならないのは、「片付けないまま空き家にする」です。
詳細は、「親が施設に入るとき実家を片付けず放置する5つのリスク」で解説しています。
片付けをして管理する
実家をすぐに売却や賃貸に出す予定がない場合、「片付けをして管理する」ことが有効な手段です。
一旦片付けを済ませて管理する場合は急いで決断する必要がなく、今後の方針を考える時間が十分に確保できます。
ただし、片付けをしただけで放置してしまうのは絶対に避けましょう。
空き家状態で放置すると、ゴミ屋敷化する・老朽化する、害虫が発生するなどで資産価値の低下や近隣とのトラブルを招く恐れがあります。
不要なトラブルを避けるためにも、片付けをした後は室内の清掃・郵便物の整理・庭の手入れなどの管理を継続することが大切です。
親族が住む
親が施設に入るタイミングで、親族が住むのも一つの手段です。
生活拠点を移したい兄弟や子ども世代がいれば、不動産取得時の初期費用を抑えながら生活を始められます。
また、住む親族が日常的な管理を行ってくれるため、空き家による劣化を防げるメリットもあるでしょう。
ただし、将来的に親族が引っ越す可能性がある場合は、「その後どうするか」まで話し合っておくことが大切です。
第三者に貸し出す
実家を第三者に賃貸として貸し出すのも有効な選択肢です。
賃貸として活用する場合は、家賃収入を得ながら管理の手間を軽減できるメリットがあります。
家屋が老朽化していても、片付けをした上でリフォームやクリーニングを施せば入居を希望する人が現れるかもしれません。
ただし、賃貸経営をする場合は立地条件が重要視されます。
賃貸需要がない地域に実家がある場合は、手間や費用をかけて部屋をキレイにしても入居者が現れない可能性があります。
「家の購入で優先したこと」に関するアンケート調査でも、住む場所を選ぶ際に立地を重要視する方が多いことがわかります。
実家の立地条件がよく、長期的に見て初期費用の負担額を家賃収入が上回りそうであれば、賃貸経営を検討してもよいでしょう。
売却する
維持費や管理の手間から完全に解放される方法は、「実家の売却」です。
とくに、将来的に住む予定がなく、賃貸経営も難しそうであれば、実家を売却して現金化しておいたほうがトラブルも予防しやすくなるでしょう。
実家を売却する方法には、「片付けをして仲介業者に売却を依頼する」「片付けをせずに買取業者に直接売却する」の2つがあります。
仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

片付けをして仲介業者に売却を依頼する
仲介業者とは、売主と買主の間に入って不動産の売買契約を成立させる不動産会社です。
不動産仲介を通じて実家を売却する場合は、まず家の中を整理・清掃し、内覧可能な状態にする必要があります。
たとえば、不用品を処分してハウスクリーニングなどを行い、「すぐに住める状態」にしてから売却することが一般的です。
仲介業者は複数の購入希望者に物件を紹介するため、問い合わせが多ければ競争が起こることで、高く売却しやすくなります。
一方で、購入希望者が現れない限りは売却ができません。
時間や手間がかかってもよい・売却価格を重視したい、という方におすすめできる方法です。
片付けをせずに買取業者に直接売却する
一方で、時間や労力をかけたくない場合は、「片付けをせずに買取業者に直接売却する」という選択肢もあります。
買取業者とは、売主の物件を直接買い取る不動産会社です。
仲介業者とは異なり、自社で物件を購入して清掃やリフォームをした後に再販することを目的としています。
そのため、不用品や荷物が残った状態でも現状のままで買い取ってもらえます。
また、査定を受けた時点で買取可否がわかるので、売却期間が長引いて管理に通い続ける・維持費を払い続けるといった心配もありません。
ただし、売却価格は仲介での売却と比べて3割程度安くなることが一般的です。
買取業者の提示する買取価格には、すでに片付け費用やリフォーム費用が差し引かれています。
そのため、実家を片付ける手間や費用をかけず、かつ適正価格で売却したいなら、「専門の買取業者」に依頼することが重要です。
不動産買取業者ランキングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

アルバリンクなら片付けしていない実家でも売却できる
弊社アルバリンクは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような空き家も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ家」や「不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっているゴミ屋敷の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
このように、荷物が大量にあったり建物が傷んでいたりする状態でも適正価格で買取できるのは、清掃業者やリフォーム業者などの専門業者と連携しているからです。
中間マージンをカットできる分、その節約分を買取価格に反映させられるので、弊社では訳あり不動産でも比較的高値で買い取っております。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して実家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
親が施設に入るとき実家を片付けず放置する5つのリスク
前述したように、親が施設に入った後に実家を片付けずに放置するのは危険です。
空き家となった実家をそのまま放置すると、以下のようなトラブルを招きかねないからです。
- 建物の老朽化が急速に進む
- 換気が行われないことで湿気がこもり、カビや腐朽菌が繁殖しやすくなる。定期的な管理を怠ると、わずか数年で建物の資産価値が大幅に下がる可能性がある。
- 犯罪の温床になる
- 無人であることが明らかな家は、不法侵入や窃盗の被害に遭いやすい。また、不審者によって放火の被害に遭う恐れがある
- 近隣住民から苦情が入る
- 庭の雑草が伸び放題になる・ゴミを不法投棄されるなどで害虫・害獣が発生すると、近隣にも被害が及ぶ
- 維持費がかかり続ける
- 活用していなくても、固定資産税などの維持費はかかり続ける。建物が劣化すると倒壊防止のための修繕費用も別途発生する
- 特定空き家に指定される
- 周辺に悪影響を及ぼす家は「特定空き家」に指定されやすくなる。行政から改善命令が出された後も管理を怠り続けると、最終的には強制的に解体され、その費用を請求される
上記のリスクを回避するためにも、実家を適切に管理し続ける・売却するなど早期に対策しておくことが重要です。
空き家を放置するリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ
親が施設に入る際の実家の片付けは、荷物の多さ・体力的な負担・親族間の調整不足などで困難になるケースは少なくありません。
これらを解決するには、親族間で計画を立てた上で優先順位をつけて作業を進めるなど、計画的な作業が必要です。
もし、実家を将来使う予定がない・片付けが難しいといった場合は、専門の不動産買取業者に実家を売却するのも検討しましょう。
専門の買取業者に依頼すれば、各専門業者と連携があるので片付けから売却までワンストップで対応してもらえます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の空き家や相続物件を買い取っている専門の買取業者です。
片付けが進んでいない実家でも多数の買取実績があり、「訳あり物件を買い取る買取業者」として各種メディアでも特集されています。
実家を売却して、片付けや管理に追われる日々から解放されましょう。