旗竿地が売れない8つの理由
旗竿地が売れないといわれる理由として、以下の8つが挙げられます。
- 建物が建て替えられないケースがある
- 解体・リフォームにコストがかかる
- 日当たり・風通しが悪い
- 防犯面で不安がある
- 住宅ローンが借りづらい
- 私道が設けられている
- 建物を建築できるスペースが限られる
- 嫌がらせを受ける可能性がある
建物が建て替えられないケースがある
旗竿地によっては、建物を建て替えられないケースがあります。
建物を建て替えるには、接道義務を満たしていることが必要です。
建築基準法で定められた幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接していなければならないこと
旗竿地の中には接道義務に満たしていないケースがあります。
建て替えができる旗竿地の場合、間口は2m以上であり、かつ、「建築基準法上の道路」に間口が接しています。
間口が2m未満の場合、接道義務を満たさないため、建て替えにより新しい建物が建てられません。
建物が建て替えられない旗竿地の場合、自分好みの建物を建てて、住むことができないため、購入希望者が減るかもしれません。
ただし、間口が2m未満の旗竿地でも、建て替えを可能にする方法があります。
くわしく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
解体・リフォームにコストがかかる
旗竿地にある建物は、解体やリフォームにコストがかかる傾向にあります。
旗竿地の場合、通常の土地と比べて間口が狭いです。
そのため、廃材や材木を運ぶ重機が入れないことがあります。
一般的な重機は幅が2~2.5mのため、余裕をもって3m程度はあることが望ましいといわれています。
間口が2m前後の場合、通常の重機が入れないため、小型の重機、もしくは人力での作業になります。
間口が狭い旗竿地での工事は効率が悪くなるため、人件費が余分加算される分、費用が割高になってしまうでしょう。
解体費用やリフォーム費用が割高になる間口が狭い旗竿地の場合、買い手が購入を敬遠する原因となるでしょう。
日当たり・風通しが悪い
日当たりや風通しが悪いことも、旗竿地が売れない原因の1つです。
旗竿地に建っている建物は、周囲の建物に囲まれてしまうケースがほとんどです。
そのため、十分な日当たりや風通しを確保できず、以下のデメリットを被る可能性があります。
- 洗濯物が乾かない
- 室内に日が入らない
- 換気ができず、湿気がこもる
弊社が実施したアンケートによると、家を購入する際に重視した立地条件として、455人中147人が回答した「日当たりがいいこと」が2位に入っています。
長い年月過ごす土地として、日当たりや風通しなどの住環境を重視する人は多いようです。
日当たりや風通しが悪い旗竿地は、家の購入希望者にとってあまり良い立地ではないといえます。
防犯面で不安がある
旗竿地は、防犯面で良くない土地といわれており、買い手が敬遠する原因となっています。
旗竿地は、道路から奥まった土地に住宅が建っており、周囲から発見されにくいのが特徴です。
そのため、誰にも発見されず犯行を実行できる可能性が高くなり、空き巣にとっては好都合な立地です。
また、周囲から発見されにくい状況は、空き巣にとって下見もしやすいという利点があり、狙いやすい家といえます。
上記の特徴から、旗竿地は空き巣犯行の準備を入念にできるうえ、バレずに実行できるため、狙われやすいでしょう。
もし、旗竿地を購入する場合、空き巣対策として、敷地に砂利をまくことや防犯カメラの設置を検討しましょう。
住宅ローンが借りづらい
旗竿地は、住宅ローンを借りづらい特徴があります。
一般的に、旗竿地のようないびつな形の土地は通常の土地と比べて、土地の評価額は低くなりがちです。
金融機関は、利用者の返済が滞った際、担保である土地や建物を売って、貸し出した金額を回収します。
なお、担保として設定した土地の評価が高いほど、物件売却時に回収できる金額も増えるため、借入できる住宅ローンの金額も高くなります。
そのため、土地の評価が低くなりがちな旗竿地は、借入できる金額が低くなる可能性が高いでしょう。
旗竿地の購入者は、住宅ローンを希望額まで借りられない可能性があります。
土地の購入資金を自己資金で賄えない人は旗竿地を買えないため、買い手は少なくなるでしょう。
私道が設けられている
旗竿地の通路部分に私道が設けられている場合、売れない可能性が高まります。
私道が設けられている場合、所有者が単独のケースと隣地の住人と共有しているケースがあります。
私道所有者が単独の場合、通行やガス管、水道管などの引き込み工事をするときには所有者の許可が必要です。
一方、隣地の住人と共有している場合は、旗竿地を購入した新たな所有者も問題なく通行が可能です。
売却時に私道の権利も一緒に売却するため、私道の所有者が単独の場合と違い、私道を通行するための許可は必要ありません。
ただし、ガス管、水道管などの引き込み工事をする際は、私道の共有者全員の同意が必要です。
私道がある旗竿地の場合、工事するために所有者あるいは共有者とやり取りしなければなりません。
上記のやり取りを面倒に感じる人にとっては、私道がある旗竿地は購入する土地の候補に入らないでしょう。
建物を建築できるスペースが限られる
旗竿地は、通常の土地と比較すると建物を建築できるスペースが限られます。
旗竿地の竿の部分は、通路や駐車スペース以外に活用する用途がありません。
同じ土地の面積で通常の土地と比べた場合、建物が建てられるスペースは旗竿地のほうが小さくなります。
したがって、旗竿地を活用するうえでは、以下のデメリットがあります。
- 家の建築プランに制限がかかる
- 庭のスペースがとれないことがある
- 駐車場のスペースを設ける場所に制限がかかる
通常の土地と比べ、旗竿地は庭造りを含めた建築プランの自由度が低くなることも、売れない原因の1つです。
嫌がらせを受ける可能性がある
旗竿地は、形状的に嫌がらせを受ける可能性が高い土地です。
隣人の性格や関係性の悪化次第では、通路部分が隣家と近いことや間口が狭いことを利用して、嫌がらせをしてくる可能性があります。
旗竿地で受けるかもしれない嫌がらせの具体例は以下のとおりです。
- 隣人の車が家の前の出入り口をふさがれる
- 隣人に敷地を通行される
- 隣人が庭でバーベキューをして、洗濯物に臭いがつく
嫌がらせを受けた回数が多くなるほど、不満がたまります。
限界に達したときに隣人とのトラブルに発展し、同じ土地に住み続けるのが難しくなるかもしれません。
嫌がらせが原因で、日々の暮らしの質が悪くなるリスクがあります。
旗竿地で起こりうる嫌がらせ・トラブルと対処法について、くわしく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
売れない旗竿地の3つの売却方法
前述したとおり、旗竿地は、建て替えができない、私道が設けられているなどの理由から売れない可能性があります。
もし、前述した売れない要因に当てはまる旗竿地を所有している人、または、実際に旗竿地を売却できずにいる人は、以下の3つの方法で売却できないか検討してみましょう。
- 隣地の所有者に売却する
- 私道の所有者と交渉する
- そのまま売却する
隣地の所有者に売却する
間口が狭く、建て替えができない場合は隣地の所有者に売却できないか検討しましょう。
隣地所有者にとって、旗竿地の購入は土地の価値を上げるほかに、増築や駐車場スペースの確保など活用の幅が広がります。
そのため、自分自身と隣地所有者両方が得する取引といえます。
また、隣地も同様に再建築不可の場合、購入により建て替え可能になることも、メリットといえるでしょう。
たとえば、以下の図のように、接道義務を満たさず、自分の土地と隣地の土地が建て替えできない場合を考えます。
隣地の所有者が土地を購入したとき、間口が2m以上であれば、接道義務を満たせます。
上記の場合、隣地の所有者は建て替えすることが可能です。
ただし、購入してくれるかどうかは、隣地所有者次第です。断られた場合はこの手段は使えません。
隣地が建て替えできない土地の場合、買い取ってくれる可能性が高まるため、所有者に売却を持ちかけてみましょう。
私道の所有者と交渉する
旗竿地の竿の部分が私道の場合は、私道の所有権を取得できないか交渉してみましょう。
私道の買取ができたら、通路部分は自分の土地にできます。
旗竿地の購入を敬遠する要素である通行や工事に許可が必要となる私道がなくなるため、買い手が見つかる可能性が高まります。
なお、「旗竿地の竿の部分が私道の場合」とは、以下の図のように、道路へつながる通路が他人の所有する土地となっている状況です。
もし、私道を買い取ることができなかった場合は、私道を自由に通行するため地役権の取得を交渉してみましょう。
他人の土地を自分の土地の利便性を高めるために利用することができるという権利
参照元:民法|e-Gov法令検索
通行料の支払いが生じる可能性がありますが、自由に私道を通る権利を得られます。
買い手の私道に対する懸念点を解消することで、売却できる可能性を高めることが可能です。
実際に交渉する際は、土地にまつわる法律トラブルにくわしい弁護士に相談するといいでしょう。
そのまま売却する
前述した2つの方法をとらず、そのまま売却するのも1つの手段です。
旗竿地をそのまま売却する方法として、以下の2つがあります。
- 仲介で売却する
- 買取業者に売却する
なお、仲介と買取の違いについて、くわしく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
仲介で売却する
私道部分がなく、建て替えも可能な旗竿地なら、仲介で売却できないか検討しましょう。
仲介の場合、築浅や立地が良いなど需要がある物件なら相場以上の金額で売れる可能性があります。
弊社が実施した住みたい街に関するアンケートによると、「買い物に困らない」「交通の便がいい」が1位、3位を占めました。このことから、利便性が高い立地のほうが人気があるといえます。
また、別のアンケートでは、不動産購入する際は築年数は10年以内が良いと答えた割合が約6割となり、築年数が経過していない物件が好まれる傾向にあります。
売却予定の物件が、築浅や立地が良いなど人気が高くなる要素がある場合、高く売れる可能性がある仲介がおすすめです。
セットバックが必要か確認する
仲介で売却する際は、セットバックが必要か確認する必要があります。
敷地が幅員4m未満の道路に接している場合、セットバックをしないと、建て替えできません。
敷地の境界線を後退させ、敷地前面に接している道路の幅を拡張すること
たとえば、以下の図のように幅員3mの道路に敷地が接している場合、建て替えするには0.5m分セットバックさせなければなりません。
道路の反対側が川や岸の場合、1m分セットバックが必要です。
なお、セットバックの費用の相場は、およそ20万円~80万円で、土地の所有者がその費用を負担します。
セットバックが必要な旗竿地の場合、セットバックの費用負担があることから、買い手が購入を敬遠する可能性があります。
セットバックの費用の内訳や手続きについて、くわしく知りたい人は以下の記事も参考にしてください。
買取業者に売却する
築古や立地が良くない物件なら、買取業者への売却がおすすめです。
買取業者は、需要がない物件でも再販して、収益化が可能です。
多くの買取業者は、リフォームを通じて資産価値を高めてから、再販しています。
このとき、利益が残るように必要な箇所に絞って、リフォームしているため、収益化を可能としています。
したがって、一般消費者が敬遠するような旗竿地でも、収益化ができる物件なら買取業者は売却に応じるでしょう。
また、セットバックが必要な旗竿地をはじめ建て替えできない物件でも、買取業者によっては売却が可能です。
上記のような買取業者は、建て替えできない物件を購入し、賃貸経営をしている不動産投資家とのネットワークがあります。
そのため、一般的に敬遠される建て替えできない物件でも、問題なく売却に応じてくれます。
仲介で断られた物件や買い手が見つからなかった物件を処分したい人は、買取業者への売却を検討してみましょう。
旗竿地の売却はアルバリンクがおすすめ
前述した条件に当てはまる場合は、弊社アルバリンクへの売却がおすすめです。
築古や立地が良くない物件はもちろん、建て替えができない物件においても買取が可能です。
以下の物件は、実際に弊社が買い取った再建築不可の旗竿地です。
住所 | 神奈川県平塚市 |
---|---|
築年数 | 50年 |
駅徒歩 | 25分 |
上記物件は、300万円で買取いたしました。
参照元:【再建築不可】神奈川県平塚市(2024/03/30)|株式会社AlbaLink
売れない旗竿地の処分に困っている人は、一度アルバリンクにご相談ください。
旗竿地の土地価格はどのくらい?
前述したとおり、旗竿地は通常の土地と比べて、2~3割ほど土地の評価額が低くなります。
同じ面積でも、通常の土地と比べて活用できる部分が少ないためです。
上記を考慮して、土地の評価額が計算されます。
なお、旗竿地の評価額の求め方は、以下のとおりです。
旗竿地(不整形地)の評価額 = 想定整形地の評価額-隣地(かげ地)の評価額
さらに、上記で求めた評価額に、補正をかけて減額することで、最終的な旗竿地の評価額を求めます。
旗竿地の価格は低く見積もられるため、土地売却時の査定価格が低くなる傾向にあります。
旗竿地の評価額の算出方法について、くわしく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
旗竿地を売るときの2つの注意点
旗竿地を売却する際は、以下の2点に注意しましょう
- 更地にしない
- 家財道具を片付けてから売りに出す
上記の2つに気をつけないと、売却に時間がかかったり、負担する費用が多くなったりする可能性があります。
更地にしない
建物が建っている旗竿地を売却する場合、更地にして売却しないようにしましょう。
更地にした場合、金銭的な負担が重くなってしまうためです。
建物を解体する際は、木造住宅の場合は4~5万円/坪の費用が目安です。
たとえば、延べ面積が30坪ある木造住宅なら、120~150万円もの解体費用が必要です。
また、住宅用地(住宅が建っている土地)に対する固定資産税および都市計画税の軽減がなくなります。
各自治体では、200㎡以下の住宅用地に対して、固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に減額する制度があります。
ただし、更地にしてしまった場合、上記の軽減措置は適用されません。
そのため、固定資産税は6倍、都市計画税は3倍、負担が重くなります。
多額の解体費用がかかるうえ、固定資産税・都市計画税が増額するため、安易に更地にするのは控えましょう。
なお、更地にして売却すべきか、そのまま売却すべきか迷っている人は、以下の記事も参考にしてください。
家財道具を片付けてから売りに出す
旗竿地に限らず家を売却する場合は、室内の家財道具を片付けてから売りに出しましょう。
仲介で売却活動する際は、購入希望者が内見しにくることがほとんどです。
家財道具がある状態で内覧させると、部屋が狭く見えたり、汚く見えたりします。
また、買い手が遠慮して、クローゼットの中やキッチンの収納スペースなど物件の細部まで見れなくなります。
家具や衣類などの家財が整理整頓されていない状態の場合、買い手が家に良い印象を持つのは難しいでしょう。
購入希望者に物件の良い印象を与え、売却につなげるなら、家財道具の片付けは必須です。
なお、家財を片付けていない状態でも、売却に応じる買取業者もあります。
弊社アルバリンクは、家財がそのままでも問題なく買取する不動産買取業者の1つです。
家財道具の片付けだけでなく、室内の清掃も必要ありません。
家売却のために室内の片付けや清掃することを面倒に感じる人は、ぜひアルバリンクにお問合せください。
売却以外に賃貸に出す方法もある
旗竿地の売却をせずに、建物を利用して賃貸経営する方法もあります。
もし、借り手が見つかった場合、賃貸収入が得られ、本業の足しとなるでしょう。
なお、戸建て物件の賃貸はファミリー層からの需要があり、長く借りてくれる傾向にあります。
マイナビニュースが実施した、小学生以下の子どもを持つ女性169名へのアンケートによると、戸建てを選んだ割合は、52.7%でした。
参照元:経験者が語る! 子育て世帯はマンション・戸建て、どっちがいい?|マイナビニュース
また、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の調査によると、単身者の平均入居期間は3年3か月であるのに対して、ファミリー層の平均入居期間は5年1か月でした。
参照元:第26回 賃貸住宅市場景況感調査|公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
上記のアンケート・調査結果から、戸建て物件の賃貸は安定して収入が得られる可能性があります。
ただし、借り手が見つからなければ、固定資産税をはじめ維持管理費のみがかかります。
借り手が見つかりやすい需要がある物件なら、挑戦してみてもいいでしょう。
まとめ
この記事では、旗竿地が売れないといわれる原因と売却方法について解説しました。
旗竿地が売れない原因には、以下の8つが挙げられます。
- 建物が建て替えられないケースがある
- 解体・リフォームにコストがかかる
- 日当たり・風通しが悪い
- 防犯面で不安がある
- 住宅ローンが借りづらい
- 私道が設けられている
- 建物を建築できるスペースが限られる
- 嫌がらせを受ける可能性がある
とくに、建て替えができない旗竿地や私道部分がある旗竿地は、使い勝手の悪い物件のため、買い手が最も敬遠する要因といえるでしょう。
売れない旗竿地を売却したい場合、以下の方法を検討しましょう。
- 隣地の所有者に売却する
- 私道の所有者と交渉する
- そのまま売却する
上記の中ではそのまま売却するのが最も手間のかからない方法です。
ただし、仲介に売却を依頼する場合、築浅や立地が良いなど買い手が魅力に感じる要素がなければ、売却は難しいでしょう。
手間をかけずにそのまま売却したい場合は、買取業者への売却がおすすめです。
買取業者なら、築古や立地が悪い場合でも取引に応じてくれる可能性が高いからです。
なお、弊社アルバリンクも築古や立地が悪い物件でも売却に応じる買取業者の1つです。
需要がない物件の買取はもちろん、家財道具がそのままになっている物件でも問題なく買取いたします。
また、お客様からの評価も高く、Google口コミでは総合評価4.6をいただいております。
売れない旗竿地の処分にお困りの場合、ぜひ弊社アルバリンクにお問合せください。