所有者は空き家をなぜ売らないのか?8つの理由
全国的に増加している空き家は社会問題にもなっているのに、そもそも空き家をなぜ売らないのでしょうか。
所有しているだけで、さまざまなリスクを抱えるのに空き家を売らないのには、以下の8つの理由が考えられます。
- 使い道が決まっている
- 家に思い入れがある
- 家財や荷物の片付けが面倒
- 解体費用がかかる
- 相続トラブルが発生している
- 老朽化していて売りたくても売れない
- 空き家の上に「訳あり」である
- 売却価格が安くなる
人によって空き家を売らない理由は異なりますが、理解することが大切になるため、それぞれ詳しく解説します。
なお、空き家を放置した場合のリスクについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
使い道が決まっている
空き家を売らない理由として、使い道が決まっていることが挙げられます。
2019年の国土交通省による空き家所有者実態調査では、実に6割以上の人が「物置として必要」と回答しています。
参照元:国土交通省|空き家政策の現状と課題及び 検討の方向性
また、「将来、自分や親族が使うかもしれない」「仏壇等他に保管場所がないものがある」「労力や手間をかけたくない」などと回答している人も多くいました。
空き家を所有していても現状とくに困っていることがないことが空き家を売らない要因と考えられます。
現在とくに使用していない人は、何か問題が起こってからでは遅いため、早めに対処することをおすすめします。
家に思い入れがある
実家を相続した方などは、長年住んでいたため思い入れがあって、あえて売らない人もいます。
たとえば、祖父や祖母、兄弟など多くの家族と一緒に住んでいた場合で、両親を含め、いま現在亡くなっている人が多い方などは、長年住んでいた思い出として残しておきたいのでしょう。
ただし、空き家を維持するのには費用と手間がかかるため、管理できる人が複数いれば負担は減りますが、ひとりで所有している場合は注意が必要です。
家財や荷物の片付けが面倒
家財や荷物の片付けが面倒なことも、空き家を売らない要因といえます。
空き家を売却したくても、親が使用していた家財や荷物が残っており、処理するのに時間がかかって大変なため、放置しているケースが見受けられます。
物理的には建物を解体するときに、家財や荷物の片付けも業者に依頼することが可能ですが、親が使っていた大切なものや仏壇、写真などの処分を他人に任せられない人も多いでしょう。
いつかはやらないといけないとわかってはいても、自宅から距離が離れている場合や仕事が忙しい人などは、家財や荷物の片付けにまとまった時間を取れないのです。
なかなか片付けに時間がとれない方は、空き家を片付けてくれる業者もいるため、一度真剣に空き家と向き合うことをおすすめします。
なお、空き家を売却する際の片づけ方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
解体費用がかかる
解体費用がかかることも、空き家を売らない理由の1つです。
家の構造や面積などによって解体費用は異なりますが、一般的に100〜200万円ほどの費用がかかります。
決して安い費用ではないため、解体費用を負担するよりも、放置することを選択する人が多いのが実情です。
弊社が行った「実家が空き家になったらどうするか」に対してのアンケート(下図参照)
でも、空き家のままにする理由として「解体には費用がかかるから」が一番多く票を集めています。
ただし、解体費用がもったいないと空き家を放置した場合は、大きな問題に発展するリスクがあるため、できるだけ早く空き家を対処することをおすすめします。
なお、空き家の解体費用を抑える方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
相続トラブルが発生している
相続でトラブルになっており、空き家をどうするのか決まっていないことも空き家を売らない理由です。
築年数が経過した田舎の空き家は誰も欲しがらないため、押し付けあってトラブルになってしまっており、結果放置しているケースが見受けられます。
空き家を所有すると管理する必要があり、維持費もかかります。
万が一、倒壊して隣家や通行人に危害を及ぼした場合は、空き家の所有者が損害賠償を請求される可能性があるため、誰も所有したくないのです。
参照元:e-Gov法令検索|民法717条
実際に相続を拒否しているため、所有者がいない状態の物件も全国には数多くあります。
所有者不明の空き家が多いことも社会問題となっているため、今後は相続登記が義務化されることになります。
相続登記の義務化については、後ほど詳しく解説します。
なお、空き家も有効的に活用して収入が得られれば、相続トラブルを回避できます。
相続空き家の活用方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
相続登記は義務化される
先述のとおり、相続登記は2024年4月1日から義務化されます。
不動産の所有者が亡くなった場合に名義を相続人に変更する手続き
相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記することが法律で義務化され、法務局に申請する必要があります。
正当な理由なく、相続登記をしない場合は、10万円以下の過料が課せられる可能性があるため注意しましょう。
遺産分割の話し合いで不動産を所得することになった場合も、遺産分割から3年以内に相続登記する必要があります。
なお、空き家の相続については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
また、2024年4月1日より前に相続した不動産も、相続登記されていない場合は、義務化の対象となります。
なお、空き家の名義変更の方法や費用(相続登記の義務化)については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
老朽化していて売りたくても売れない
空き家を売らない理由として、老朽化していて売りたくても売れないことも考えられます。
空き家は築年数が経過して老朽化が進んでいる建物が多いため、仲介業者に売却を依頼しても売れません。
できるだけ費用と時間をかけずに住宅を購入したい一般の買い手に敬遠されるからです。
老朽化していて売りたくても売れない場合は、倒壊する危険性が高いといえるため、より一層の注意が必要となります。
万が一、空き家が倒壊して、隣家や通行人に危害を及ぼした場合は、損害賠償請求される危険性があるのです。
公益財団法人 日本住宅総合センターによると、空き家倒壊によって隣家が全壊し、死亡事故が発生した場合は、約2億円もの損害賠償をされる危険があると想定されています。
参照元:公益財団法人 日本住宅総合センター|空き家発生による外部不経済の損害額の試算結果
高額な損害賠償額を請求されないためにも、老朽化していて売りたくても売れない場合は、できるだけ早く空き家を対処することをおすすめします。
空き家の上に「訳あり」である
老朽化した空き家というだけでも売却できないのに、事故物件や再建築不可物件など「訳あり物件」の場合は、さらに売れないでしょう。
事故物件とは、心理的瑕疵がある物件のことです。
事故物件を売却する場合は、人が亡くなっている事実を告知しなければならないため、ほとんどの人が敬遠する要因となります。
なお、事故物件の売却方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
また、再建築不可物件も、建て替えができない土地のため、長く住むことを前提とした家を検討している一般の買い手は敬遠します。
空き家は老朽化が進んでいるケースが多いため、長く住むことが難しく、建て替えもできない土地であれば、一般の買い手には売れないでしょう。
なお、再建築不可物件の売却方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家の上に訳あり物件の場合は、仲介業者に売却を依頼する以外の対処方法をおすすめします。
売却価格が安くなる
売却金額が安くなるため、空き家を売りたくない人もいます。
空き家でも立地条件が良ければ、仲介業者に依頼して売ることも可能ですが、基本的に老朽化した建物に価値はつきません。
下記のグラフは、2010年の国土交通省による中古戸建住宅の価格査定の例ですが、築20年を過ぎるとほぼ価値がないことがわかります。(2010年の物が最新となります)
空き家が売れる場合は、ほぼ土地の金額のみと考えられますが、長年住んだ愛着のある実家を安く売りたくない人もいるのです。
ましてや親が多額の費用でリフォームしている場合はなおさらでしょう。
築年数が経過した住宅は、いくら内装に多額の費用をかけてリフォームしていても、売却価格にほとんど影響はありません。
安い金額で空き家を売却すると損をした気持ちになるため、現実的になかなか売却に踏み切れないのでしょう。
ただし、いつまでもその気持ちに執着していては、ずっと空き家を所有することになってしまいます。
空き家を所有するリスクから解放されるために、考え方を変えて気持ちを切り替えることをおすすめします。
空き家はなぜ増える?「空き家を売らない」以外の4つの原因
いま現在、全国的に空き家は増え続けています。
空き家が増加している理由として、「空き家を売らない」以外に以下の4つの要因が考えられます。
- 人口減少や少子高齢化により住む人がいない
- 新築住宅が建設され続けている
- 管理の手間と費用がかかる
- 固定資産税が安い
それぞれ詳しく解説します。
人口減少や少子高齢化により住む人がいない
人口の減少は、空き家が増加している要因といえます。
下のグラフは内閣府が発表している将来の人口推計ですが、2020年の人口をもとに考えると、2030年には約800万人が減少、2040年には約1,700万人、2050年には約2,700万人もの人口が減少すると予測されています。
将来の人口予測を見ると、今後もますます住宅が余ることになり、空き家が増えていくことになるでしょう。
また、少子高齢化が進んでいることも空き家が増加している要因です。
国土交通省によると2019年に行われた空き家所有者実態調査では、約55%が相続によって空き家を取得しています。
さらに、2022年の出生率は過去最低の77万759人で、少子高齢化が加速している背景を考慮すると、今後ますます相続による空き家取得と空き家の増加が見込まれることになるでしょう。
また、高齢者人口の割合も増加しており、2035年に33.4%で国民の3人に1人となり、2060年には39.9%に達して、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者と予測されています。
人口減少や少子高齢化が進む日本においては、今後も空き家が増加することは確実といっても過言ではないでしょう。
新築住宅が建設され続けている
空き家が増加している要因として、新築住宅が建設され続けていることが挙げられます。
日本においては昔から新築信仰が根強く、注文住宅を建てたり、新築戸建て住宅や新築マンションを購入する人が多く、中古住宅を購入する人は少ないのが実情です。
総務省による2018年の住宅・土地統計調査においては、日本の総住宅数は6,240万7,000戸で、そのうち持ち家は3,280万2,000戸、持ち家率は61.2%となっています。
持ち家については、「新築(建て替えを除く)」が 990万2千戸(30.2%)と最も多く,次いで「新築の住宅を購入」が 738万9千戸(22.5%),「建て替え」が 565万6千戸(17.2%)となっており、約7割の人が新築を選んでいることがわかります。
新築に対する需要があるため、新築住宅が建設され続け、結果空き家が増えているのです。
管理の手間と費用がかかる
管理の手間と費用がかかることも空き家が増加している要因となっています。
たとえば、相続した実家が遠方にある場合などは、空き家を管理するために交通費がかかり、時間もかかります。
場所によっては宿泊する必要もあり、大きな負担となるため、空き家を放置することになってしまうのです。
国土交通省によると2019年に行われた空き家所有者実態調査では、空き家所有者のうち約3割が移動に1時間以上かかっています。
相続などで取得した空き家へ移動する時間がかかることも、空き家が増加する要因の1つといえるでしょう。
また、空き家は老朽化している建物が多いため、流通しにくい状態になっています。
上記の理由などで放置された空き家は、さらなる老朽化を招くことになり、増加の要因となるでしょう。
なお、空き家を維持していく費用については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
固定資産税が安い
固定資産税が安いことも放置することにつながるため、空き家が増加する要因といえます。
不動産などの固定資産の所有者に課税される地方税
固定資産税は、以下の計算式で算出されます。
参照元:総務省|固定資産税の概要
固定資産税を決めるときの基準となる評価額のこと
固定資産税評価額は、毎年送られてくる納税通知書に同封された課税明細書に記載されていますが、市区町村で固定資産評価証明書(下図参照)で確認することも可能です。
【固定資産評価証明書】
空き家は老朽化が進んでいるため、固定資産税評価額が低く、固定資産税も安いことがほとんどです。
高額な解体費を負担するよりも、安い固定資産税を支払い、空き家を所有することを選ぶ人が多いのでしょう。
ただし、2023年に空家等対策の推進に関する特別措置法が改正され、空き家に対する扱いが厳しくなりました。
従来は、特定空き家に指定された場合のみ、住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍になっていました。
そのまま放置することが不適切な状態にある建物
参照元:e-Gov法令検索 |空家等対策の推進に関する特別措置法
住宅のために使用している土地に対しての固定資産税における特例措置のこと
しかし、この改正により管理不全空き家に対しても住宅用地の特例が適用されなくなるため、固定資産税が増額されることになるのです。
そのまま放置すれば特定空き家に該当する恐れのある建物
参照元:国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律
そのため、現在放置されている全国の空き家は、固定資産税が最大6倍になる可能性があるため注意が必要です。
なお、空き家の固定資産税が増額されることについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家が売れない場合はどうする?5つの対策
空き家を売らないのではなく、売れない方のために対策を解説します。
空き家が売れない場合の対策は以下の5つです。
- 相続放棄する
- 国や自治体に寄付する
- 空き家バンクに登録する
- 活用する
- 売却する
相続放棄する
空き家が売れない場合の対策として、相続放棄することが挙げられます。
相続人が権利義務の承継を拒否する意思表示のこと
相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に裁判所で申請する必要がありますが、相続放棄をすれば、老朽化が進んだ空き家を手放すことが可能です。
参照元:参照:裁判所|相続の放棄の申述
弊社が行った相続に対するアンケート(下図参照)では、遺産相続をめぐって親族と揉めることに不安を感じている方は多い結果となりましたが、相続放棄すれば親族と揉めることもないため安心できるでしょう。
ただし、相続放棄すると預金や株などのプラスの財産も放棄することになるため、慎重に検討することをおすすめします。
たとえば、自宅から遠い場所にある老朽化した空き家を手放すために相続放棄する場合は、仮に預金や株などの財産を相続できる権利があっても、すべて放棄することになるのです。
また、相続放棄によって空き家を手放すことは可能ですが、管理責任は残ります。
相続放棄をした後でも、次の相続人や相続財産清算人が管理できるようになるまでは責任を問われることになるため注意が必要です。
つまり、しばらくは空き家を所有するリスクは抱えることになるため、相続放棄する際は慎重に検討する必要があるでしょう。
なお、相続放棄については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
国に寄付する
国や自治体に寄付することも空き家が売れない場合の対策の1つです。
2023年4月より、相続土地国庫帰属法が施行され、相続した不要な土地を国に返還することが可能になりました。
しかし、相続土地国庫帰属法を利用するためには、厳しい適用要件を満たす必要があります。
たとえば、以下の条件に該当する土地は申請の段階で却下されます。
- 建物がある土地
- 担保権や使用収益権が設定されている土地
- 水道用地、ため池として利用されている土地
- 墓地内の土地や境内地
- 特定有害物質により土壌汚染されている土地
- 境界が明らかでない土地、所有権の範囲について争いがある土地
参照元:法務省|相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件
また、以下の土地は申請しても条件に該当すると判断された場合は承認されません。
- 一定の勾配・高さの崖があり、かつ、管理に過分な費用・労力がかかる土地
- 管理・処分を阻害するもの(工作物、車両又は樹木など)が地上にある土地
- 管理・処分のために、除去しなければいけないもの(産業廃棄物、浄化槽、井戸など)が地下にある土地
- 隣接地の所有者等との争訟が必要な土地
- そのほか、通常の管理・処分に過分な費用・労力がかかる土地
参照元:法務省|相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件
上記の厳しい要件を見ると、現実的には、相続土地国庫帰属法を利用できる土地は少ないといえるでしょう。
なお、空き家を手放す方法として相続土地国庫帰属法が良い選択肢ではないことについて、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
自治体に寄付する
空き家は自治体に寄付することも可能です。
しかし、相続土地国庫帰属法の利用と同様に、空き家を自治体に寄付することは現実的ではありません。
自治体が寄付を受け付ける土地にも以下のような厳しい要件があります。
- 行政の中立性、公平性等が確保できるもの
- 将来に紛争や苦情が発生する恐れがないもの
- 将来に多額の維持管理費を必要とする恐れがないもの
参照元:新潟市|土地の寄附について
さらに、自治体へ個人の土地を寄付することが難しい理由として、税収が減ることも大きな要因といえます。
自治体にとって土地の固定資産税は貴重な財源であり、住民の日々の生活を支える財源として活用されています。
たとえば、毎日使用する道路や学校、公園などの公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。
参照元:総務省|固定資産税
土地の寄付を受け付けるということは、貴重な財源が減ることになるため、自治体は上記のような土地しか受け付けないのです。
なお、空き家の自治体への寄付については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家バンクに登録する
空き家が売れない場合の対策として、空き家バンクに登録することも選択肢の1つです。
自治体が運営するウェブ上の空き家マッチングサービスのこと
通常の不動産サイトとは違い、空き家を探している人が利用するため、購入者が見つかる可能性があります。
空き家バンク制度に参加している自治体は年々増加傾向にあり、2024年2月現在では1,000件を超えており、登録されている空き家の数も1万4,248戸となっています。
参照元:国土交通省|全国版空き家・空き地バンク参加自治体数・物件掲載件数推移
また、空き家バンク制度は、あくまで空き家の所有者と購入希望者をマッチングさせるサービスのため、交渉や契約手続きなどは自分たちで行う必要があります。
仮にトラブルが発生した場合も、自治体は関与しないため、自分で解決しなければいけません。
空き家バンク制度は無料で登録できますが、上記のようなデメリットを理解したうえで利用することをおすすめします。
なお、空き家バンクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
活用する
空き家が売れない場合の対策として、活用して収入を得る方法もあります。
活用方法としては、以下のようなものがあります。
- 戸建て住宅として貸し出す
- 民泊として活用する
- 太陽光発電を導入する
- 新築アパートに建て替えて経営する
- 更地にして駐車場経営する
たとえば、所有する空き家の土地が広く、駅が近い、生活利便性が高いなど立地条件が良い場合は、アパートに建て替えて経営することも選択肢として考えられます。
また、空き家の老朽化がそこまで進行していない場合は、リフォームをして戸建て賃貸住宅として貸し出し、家賃収入を得ることも可能です。
しかし、空き家を活用して収入を得るためには、ある程度の資金と知識が必要であり、失敗する可能性も十分にあるため、慎重に検討することをおすすめします。
なお、空き家対策における個人向けの活用法の成功例については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
売却する
空き家が売れない場合は、売却することも代表的な対策といえます。
空き家を売却するには、以下の3つの方法があります。
- 古家付き土地としてそのまま売却する
- 空き家を解体して更地で売却する
- 専門の買取業者に売却する
それぞれの特徴を理解し、自分にあった売却方法を見つけましょう。
なお、空き家の状況に合わせたベストな売却方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
古家付き土地としてそのまま売却する
空き家は、古家付き土地としてそのままの状態で売却することが可能です。
ただし、古家付き土地として売却できる空き家は、以下のような条件が必須となります。
- 都市部の場合は、最寄り駅まで徒歩10分以内の立地
- 郊外の場合は、生活利便性が高い立地
- 昭和57年以後に建築された住宅(新耐震基準に適合した住宅)
仲介業者に売却を依頼する場合は、上記のような需要がある立地条件が求められます。
また、購入希望者は住宅ローンを利用する人がほとんどのため、住宅ローン控除が適用できる物件かどうかもポイントです。
住宅ローン利用者を対象にした所得税や住民税を控除する制度
参照元:国土交通省 |住宅ローン減税
住宅ローン控除は、2022年度の改正で、既存住宅の築年数要件について、昭和57年以後に建築された住宅(新耐震基準に適合した住宅)に緩和されました。
しかし、築年数が20年以内である必要はありませんが、新耐震基準に適合した住宅であることが条件となるため、所有している空き家の耐震基準の確認が必要です。
また、住宅ローン控除の要件に関わらず、一般の買い手は購入後すぐに住めるように、リフォームをする必要がない築20年以内の物件を求める傾向にあります。
弊社が行った「不動産を購入するなら築年数は何年までがベストか」というアンケート(下図参照)では、築20年以内の家を希望している人が8割を超えました。
所有している空き家の立地条件が良く、新耐震基準を満たした建物で設備の状態も良い場合は、仲介業者に売却を依頼することをおすすめします。
空き家を解体して更地で売却する
築年数が古く、老朽化が進んでいる空き家でも、立地条件が良い場合は、解体して更地にすることによって売却できる可能性があります。
空き家を解体して更地にすれば、注文住宅を建てるための土地を探している一般の買手が購入する可能性があるのです。
ただし、空き家を解体するためには、一般的な木造2階建ての住宅でも100〜200万円の費用がかかり、解体したからといって売却できる保証はありません。
また、空き家を解体して更地にすると、先述のとおり、固定資産税が軽減される住宅用地の特例が適用されなくなるため、固定資産税が最大6倍になるため注意が必要です。
独断での空き家の解体はリスクが大きいため、信頼できる不動産会社と相談しながら進めることをおすすめします。
なお、空き家を更地にして売却するリスクについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
専門の買取業者に売却する
立地条件が良くない空き家は、専門の買取業者に売却することをおすすめします。
弊社が行った「家の購入で優先したこと」についてのアンケート(下図参照)によると、もっとも票が多かった条件は、立地でした。
この結果からもわかるように、立地条件の良くない空き家は仲介業者へ売却を依頼しても売れないでしょう。
専門の買取業者であれば、老朽化が進んだ空き家でもそのままの状態で買い取ってくれます。
専門の買取業者は、最低限のコストで空き家を再生させるノウハウを持っており、再販することで利益を出せるため、空き家をそのままの状態で買い取ることが可能なのです。
また、空き家を専門の買取業者に売却するときは、契約不適合責任を免責できます。
契約書に記載のない欠陥や不具合が発覚した場合に買主が負う責任
参照元:e-Gov法令検索|民法第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
仲介業者に依頼して空き家を売却した場合は、契約不適合責任を負う必要がありますが、専門の買取業者に売却すれば免責できるため、空き家を引き渡した後も安心できます。
専門の買取業者は、現地で欠陥を見抜けるため、契約不適合責任を免責して買取できるのです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、仲介業者に依頼しても売却できない空き家であっても契約不適合責任を免責して積極的に買い取っている買取業者です。
売れにくい不動産を専門に取り扱う弊社であれば、仲介で売れない家をスピーディーに、高額で買い取っています。
その結果、多くのお客様から感謝のお言葉をいただいております(下記Googleの口コミ参照)。
>>【放置されていた空き家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
なお、空き家の特徴別の希望にあうおすすめ買取業者については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
まとめ
今回は、空き家が放置される理由について詳しく解説しました。
空き家をあえて売らない場合や売りたくても売れない場合など、空き家が放置される理由には、さまざまなケースがありますが、放置することはおすすめしません。
空き家を放置するとさまざまなリスクを抱えることになるため、できるだけ早く対処しましょう。
適切に管理することや活用して収入を得ることは簡単ではないため、空き家は売却することをおすすめします。
しかし、立地条件の悪い空き家は、仲介業者に売却を依頼しても売れません。
一般の買い手は、マイホームの購入において立地を優先している人が多く、また、修繕が必要な空き家は、費用と時間がかかるため、敬遠されるのです。
専門の買取業者であれば、空き家を最低限の費用で再生して商品化し、販売ルートも確保しているため、高額で空き家を買い取ることが可能です。
たとえば、空き家を最低限のリフォームで再生し、戸建て賃貸物件として、コネクションがある不動産投資家に販売します。
高額で空き家を買い取っても、利益が出せる仕組みを確立しているため、専門の買取業者はそのままの状態で空き家を買い取れるのです。
なお、弊社アルバリンクも空き家の買取の実績が多い専門の買取業者です。
実際に空き家などの訳アリ物件を専門に買い取る業者として、「フジテレビ」をはじめとする各メディアにも取り上げられています。
無料相談・無料査定のみの問い合わせも歓迎しておりますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。