築古のボロ家を放置すると危険!今売った方が堅実
築年数の古いボロ家の売却方法を解説する前に、ボロ家を所有することで生じるデメリットについて見ていきましょう。
ボロ家を所有し続ける限り、所有者は以下4つのリスクにさらされることになります。
- 固定資産税や維持費がかかり続ける
- 定期的な管理を怠ると近隣住民からクレーム・損害賠償請求される
- 犯罪に悪用されニュースに取り上げられた事例もある
- 行政から特定空き家に指定される恐れがある
これらのリスクから解放されたいのであれば、いますぐにボロ家の売却を検討したほうがよいでしょう。
ボロ家を所有することで生じる4つのリスクについて、それぞれ解説します。
固定資産税や維持費がかかり続ける
毎年1月1日時点における不動産の所有者には、固定資産税が課されます。
納税額は地域や建物の構造、建物・土地の面積などによって異なるので一概にはいえませんが、一戸建ての場合は10~15万円が平均値です。
また、たとえ誰も住んでいないボロ家であっても所有者は適切に維持・管理しなければならないと法律で定められているため、維持・管理に必要な費用も負担しなければなりません。
具体的には、修繕費用や水道光熱費、火災保険料、ボロ家へ通う交通費、管理費(委託する場合)などで年間10~30万円ほどのコストが発生します。
使い道のないボロ家を所有しているだけで年間数十万円もの税金・維持費がかかってしまう点は、大きなデメリットといえるでしょう。
なお、固定資産税についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
定期的な管理を怠ると近隣住民からクレームが入ることもある
定期的にメンテナンスをおこなっていない家は老朽化が進みやすく、庭に草木が生い茂ったり、害虫が発生したり、ゴミの不法投棄の温床になったりなど、近隣トラブルの原因になりかねません。
また、台風や地震などの自然災害の発生時に屋根瓦の飛散や家の倒壊などによって近隣の方や通行人に被害を与えた場合には損害賠償を請求される恐れもあるため、注意が必要です。
実際、所有している空き家が倒壊して隣家が全壊し、3人の家族が死亡してしまったケースでは2億円近くの損害賠償額を請求される可能性があるとの試算も出ています。
参照元:公益財団法人日本住宅総合センター「空き家発生による外部不経済の実態と損害額の試算に係る調査」
下記のような法律でも定められている通り、ボロ家を所有している限り所有者は建物を適切に管理し続けなければならないのです。
(空家等の所有者等の責務)
第三条 空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。
引用元:e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」
空き家を放置するリスクは以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
犯罪に悪用されニュースに取り上げられた事例もある
草木がうっそうと生い茂り、人の出入りがまったくないボロ家は犯罪者グループの拠点として使われてしまう可能性もあります。
実際、不正に入手したクレジットカードで購入した賞品の受け取り先として使われたり、いわゆる「オレオレ詐欺」や架空請求詐欺などの特殊詐欺の現場として利用されたりといったケースは少なくありません。
たとえ自身にはまったく身の覚えのないことであっても、ボロ家の所有者として管理上の落ち度があると認められた場合には損害賠償を請求されかねない点に注意しましょう。
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
引用元:e-Gov法令検索「民法」
行政から特定空き家に指定される恐れがある
所有者として空き家の適切な維持・管理を怠り、以下の条件に該当すると自治体から判断された場合には「特定空き家」に指定されます。
- 放置すれば倒壊など保安上危険となる恐れがある
- 放置すれば著しく衛生上有害となる恐れがある
- 適切な管理がおこなわれていないことで著しく景観を損なっている
- 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である
所有しているボロ家が特定空き家に指定されてしまうと、「住宅用地の特例」が適用されなくなるため、翌年以降の固定資産税額が最大で6倍にまで上がってしまいかねません。
住宅用地の特例
居住用の住宅やアパートなどが建っている土地について、200㎡以下の部分は固定資産税の課税標準額が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減される制度。
参照元:東京都主税局|住宅用地の特例
また、自治体からの改善命令に従わず、そのままボロ家を放置し続けた場合には、行政代執行によって強制的に解体されてしまいます。
解体費用は所有者が負担しなければなりません。
解体費用は数百万円以上かかることも少なくないため、ボロ家を所有し続けるのであれば、自治体から特定空き家に指定されないように適切な維持・管理をおこなう必要があるといえるでしょう。
なお、特定空き家に指定される条件やいつから固定資産税が上がるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「築古のボロ家の売却相場がどれだけ安価になるか」は一概にいえない
「築年数の古いボロ家を売っても二束三文にしかならないのではないか」と考えている方もいるでしょう。
しかしボロ家の売却相場は建物の状態だけでなく、立地や接道状況にも大きく左右されるため、必ずしも安く買いたたかれてしまうわけではありません。
ここでは、ボロ家の売却相場について見ていきましょう。
「築30年前後で価値はゼロになる」は嘘
一般に、建物の資産価値は築年数の経過とともに下がり、築30年前後で0となるといわれています。
しかし、これはあくまでも税法上の法定耐用年数の話であり、築30年が経過した途端に価値がなくなるわけではありません。
法定耐用年数
法律で定められた固定資産を使える期間のこと。固定資産の取得金額をその資産の使用可能期間で分割して各年分の必要経費として計上し、所得税を算出する。
たとえば、築年数が古くても定期的なメンテナンスがおこなわれていて建物の状態がよい場合は高く評価されることがあります。
また、建物とは違って経年劣化を生じない土地の資産価値はほぼ変動しないため、立地や敷地の形状、接道状況などによっては相場で売却できる可能性があるでしょう。
築古のボロ家の売却相場を決める3つのポイント
築古のボロ家の売却相場は、以下3つのポイントを総合的に考慮したうえで決められます。
- 建物の状態
- 立地の利便性
- 接道状況
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
建物の状態
不動産の売却価格を決める大きな要因のひとつとして「築年数」が挙げられます。
一般に築年数の古い物件ほど建物や設備が老朽化していると思われがちですが、メンテナンスやリフォームを適切な時期におこなうことで、経年劣化の速度を緩やかにすることが可能です。
築年数だけでは建物や設備の老朽化具合は測れません。適切な管理が行き届いていて建物や設備の状態がよければ、築古の建物であっても値段がつくことがあります。
立地の利便性
不動産の売却価格を左右する要素の中でも、もっとも重要なのは「立地」です。
たとえば、築年数が浅い物件であっても、人口の少ない地方に立地しており、かつ駅や市街地まで車を使わなければ行けないような場合は買手の需要が見込めないため、売却するのは困難といわざるを得ません。
一方、築年数の古いボロ家でも人気のある都心部に位置していて、駅までの距離が近く、周辺に生活の利便性を上げる商業施設や教育施設、公共施設などが建ち並んでいる場合は買手の需要が見込めるため、高額での取引が可能でしょう。
接道状況
不動産の売却価格は、土地の接道状況によっても大きく変わります。
建築基準法第42条・第43条では、幅が4m以上の道路に2m以上接していない土地には建物が建てられないと定められています。
そのため、道路に接している間口が2mに満たない土地は建築基準法上の接道義務を満たしていないので、建物を建てられません。このような建物を「再建築不可物件」といいます。
再建築不可物件は既存の建物を取り壊すと二度と新築できないため、一般の買手への売却は困難であり、価格も相場より大幅に安くなってしまいます。
築年数の古いボロ家を売却する際には、敷地に接している道路の状況についても確認しておきましょう。
再建築不可物件の売却方法については以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。
不動産業者の査定を受けるのが早くて正確
築年数の古いボロ家の売却相場は、次の項目で解説するようにある程度の目安を計算することは可能です。ただし、前述のように建物の状態に加えて立地条件や接道状況なども加味しなければならないため、自分で正確な売却相場を算出するのは困難です。
築年数の古いボロ家の正確な売却相場を知りたい場合は、不動産の専門家である不動産業者に査定を依頼しましょう。周辺の取引事例や現地の状況などを調べたうえで査定価格を提示してくれるため、自身で計算するよりも確実です。
査定を無料でおこなっている業者は数多くあるため、上手に活用するとよいでしょう。
弊社株式会社AlbaLink(アルバリンク)でも、完全無料で査定を承っております。
無料で査定価格をご提示できますので、築年数の古い家がいくらくらいで売却できるのかが知りたい方は、ぜひ弊社の無料査定をご利用ください。
一応、売却相場を自分で調べる方法もある
ひとつ前の項目でも少し触れたように、築年数の古いボロ家の売却相場は路線価を使うことで自身でも大まかな目安を計算できます。
路線価とは道路に面した1㎡あたりの宅地の評価額のことです。
国土交通省が公表している土地価格の基準となる公示価格の80%ほどに設定されています。
また、公示価格は実勢価格(実際に市場で取引された価格)の80~90%ほどといわれているので、以下の計算式により、おおよその売却相場をつかむことが可能です。
路線価は、国税庁のサイト「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」で調べられます。
指定した地域の路線価図を見ると、道路ごとに数字が付されていることに気がつくでしょう。
この数字が路線価であり、1㎡あたりの1,000円単位の金額を示しています。「400」と記載されている場合は、「1㎡=40万円」ということです。
たとえば、路線価が1㎡40万円、築40年の古家の敷地面積が100㎡のケースにおける売却相場の目安をシミュレーションしてみましょう。
よほど建物や設備の状態がよくない限り、築40年の古家は土地価格のみで取引されることがほとんどのため、ここでは建物の価格は考慮しないこととします。
「路線価による土地の評価額÷0.8×1.1~1.2」の計算式より、
売却相場の目安=40万円×100㎡÷0.8×1.1~1.2=3,520万円~3,840万円
つまり、このケースでは3,520万円~3,840万円がおおよその売却相場であることがわかります。
ただし実勢価格は地域や立地条件などによって大きく異なるため、ここでご紹介した計算式で求められる売却相場はあくまでも目安にしか過ぎない点を押さえておきましょう。
ボロ家を売却するなら不動産買取業者へ依頼するのが確実
築年数の古いボロ家を売却する方法は、「仲介」と「買取」の2つです。
仲介は不動産仲介業者に依頼して一般の買手を探してもらう方法、買取は不動産買取業者に直接物件を買い取ってもらう方法です。
人気のあるエリアに立地しており、一般の買手からの需要が期待できるボロ家であれば仲介でスムーズに売却できる可能性はあります。
しかしボロ家を好きこのんで購入しようとする方はほぼいないため、確実に売却したいのであれば買取業者へ依頼することをおすすめします。
ここでは、仲介と買取で売却方法がどのように異なるのかについて詳しく説明します。
相談先は不動産仲介業者と不動産買取業者の2種類ある
仲介業者と買取業者の違いは、主に以下の表のとおりです。
仲介業者 | 買取業者 | |
---|---|---|
買主 | 一般の個人 | 買取業者 |
売却期間 | 需要が見込めれば3~6か月ほど。需要がなければ売れ残る可能性もある | 1週間~1か月ほど |
売却価格 | 相場で売れる可能性がある | 相場の60~80%ほど |
仲介手数料 | 必要 | 不要 |
契約不適合責任 | 売主と買主との合意次第で一部免責が可能 | 特約によって全て免責できる |
契約不適合責任
売買契約に基づいて引き渡したものの種類や品質、数などが契約内容に合致していない場合に売主が買主に対して負うべき責任のこと。買主は売主に損害賠償や修繕費、契約の解除などを請求できる
それぞれの業者の特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。
不動産仲介業者
仲介業者は、売主と買主を仲介して不動産取引を成立させることをビジネスとしている不動産会社です。
仲介業者の利益は不動産取引が成約に至った際に売主と買主(仲介業者が見つけてきた場合)からもらえる仲介手数料のみなので、ホームページへの物件情報の掲載や物件周辺におけるチラシのポスティング、現場見学会など幅広い営業活動を展開し、一般の買手を探します。
多くの買手にアプローチしてもらえるため、相場に近い価格で売却できる確率が高い点がメリットです。
ただし、ボロ家のように需要の低い不動産は、永遠に売れ残ってしまうリスクがあります。
仕組み上、仲介業者がどれだけ懸命に営業活動をおこなったとしても、需要の見込めないボロ家の買手を見つけるのは困難といわざるを得ません。
仲介業者は物件を成約に導かない限り仲介手数料を得られないため、ボロ家のように売れない物件には人件費や広告宣伝費をかけてもらえず、より売れにくくなってしまう恐れがあります。
不動産買取業者
買取業者は自社が買主となって不動産を直接買い取り、その物件にリフォームなどを施してから賃貸運用や再販をおこなって利益を上げることを事業としている不動産会社です。
買取価格からは商品化にかかるコストなどが差し引かれるため、仲介よりも売却価格は安くなる傾向にあります。
ただし、買取業者は一般の買手のように自身の居住用として物件を購入するわけではないため、ボロ家のように建物の状態が悪い物件であっても、収益を得られる算段がつけば短期間で買い取ってもらえます。
売主の状況によって異なりますが、売買契約から決済まで数日で完了するケースもあるため、ボロ家をいますぐに現金化したい方におすすめの売却方法です。
なお、弊社Albalinkも、一般の買手がつかない物件を積極的に、スピーディーにできる限り高額で買い取っています。
「なるべく早く物件を手放したい」「仲介業者に売却を断られてしまった」
そんな方はぜひ弊社にご相談ください。
なお、仲介と買取の違いについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
仲介業者に依頼して売る場合は売主負担で解体・修繕が必要
前述のように、仲介業者はマイホームを購入したいと考えている一般の買手を探すため、ボロ家など需要がない物件の場合はそもそも買手が見つかりません。
ボロ家を仲介で売却する場合は、大規模なリフォームやリノベーションをおこなって外観や内装、設備を一新したり、もしくは解体して更地にしたりする必要があるでしょう。
もちろん、リフォーム代や解体費用は売主が負担しなければなりません。
ボロ家の解体・修繕にかかる費用
一戸建ての解体にかかる費用は建物の構造や面積によって異なりますが、おおよその相場は以下のとおりです。
建物の構造 | 1坪あたりの費用相場 |
---|---|
木造 | 3~5万円 |
鉄骨造 | 5~7万円 |
鉄筋コンクリート造 | 6~8万円 |
たとえば、30坪の木造住宅を解体する際には、90~150万円ほどの費用がかかります。
また、リフォーム費用も修繕する箇所や範囲によって大きく異なりますが、ボロ家のように全面的なリフォームが必要となる場合は1,000万円以上かかってしまうことも珍しくありません。
ただし、解体やリフォームに多額の費用をかけたとしても、必ずしも売却できるわけではない点に注意が必要です。
立地条件が悪いなど土地としての魅力がない物件の場合は買手からの需要が期待できず、解体費用やリフォーム費用がそのまま赤字となってしまいます。
経済面で大きな負担となってしまうことから、ボロ家の売却時に解体やリフォームをするのはおすすめできません。
建物の解体費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
買取業者に依頼すればそのままの状態で売却が可能
前述のように、買取業者は買い取った物件を自社で商品化するためにリフォームをおこないます。そのため、売主側でリフォームをする必要はありません。
建物の状態が悪くても、買取業者に依頼すれば現状のまま買い取ってもらえます。
また、仲介とは違って契約不適合責任も免責にできるため、売却後に不具合が発覚して買主から損害賠償を請求されるといった不安を抱えることもありません。
なお、不動産の売却時に売主が負うべき契約不適合責任について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
築古のボロ家でもできる限り高額で売却するためのテクニック
立地条件の悪いボロ家は、買取でなければほぼ売却はできないのが現実です。
買取の場合は仲介よりも売却価格が安くなってしまいますが、少しでも高く買い取ってもらうためにも、以下のポイントに気をつけましょう。
- 築古物件専門の買取業者をピックアップする
- 複数の専門業者からの買取金額を比較する
- 金額だけでなく営業マンの人間性も比較する
- 信頼できる買取業者に価格交渉を持ちかけてみる
それぞれのポイントについて、具体的に解説します。
築古物件専門の買取業者をピックアップする
築古のボロ家を少しでも高く売るには、築古物件を専門に扱っている買取業者に買取を依頼することが重要です。
築古物件の取り扱い経験が少ない、もしくはまったく扱ったことのない買取業者は買い取ったボロ家の運用方法や再販戦略を見いだせません。
そのため、売れ残るリスクを考慮した安い買取価格しか提示してもらえないでしょう。そもそも買い取ってもらえない可能性すらあります。
その点、築古物件の買取を得意としている買取業者であれば、ボロ家でも確実に収益を上げるノウハウを有しているので、より高額で買い取ってもらえます。
なお、以下の記事では空き家となったボロ屋の買取を専門としている買取業者を30社ご紹介しています。
どの業者に相談すればよいのかが分からない、少しでもボロ屋を高く売却したい方は、ぜひ参考にしてください。
複数の専門業者からの買取金額を比較する
ボロ家を買取で売却する場合は、専門の買取業者を複数ピックアップして査定価格を比較することが大切です。
しかし、買取業者の中には、物件を安く買いたたくためにあえて高額な査定価格を提示し、契約の直前になって「新たな不具合が見つかった」などと無理やりな理由をつけて買取価格を下げてくる悪質な会社も存在するからです。
1社だけに査定を依頼すると提示された査定価格が適正なのかどうかがわかりませんが、複数の専門業者の査定価格を比較することで、悪質な買取業者にだまされてしまうことを防げるでしょう。
金額だけでなく営業マンの人間性も比較する
複数の専門の買取業者に依頼する際は、査定金額に加えて営業担当者の人間性もきちんと見極めることが大切です。
基本的なビジネスマナーはもちろんのこと、質問に対するレスポンスは早いか、売主の要望をしっかりとヒアリングしたうえで提案してくれるか、ボロ家の売却に関する知識は豊富かなどを比較するようにしましょう。
信頼できる買取業者に価格交渉を持ちかけてみる
複数社に依頼して査定価格や担当者の信頼度を比較し、最も信頼できる買取業者が提示してきた査定価格が他社よりも安い場合は、価格交渉を持ちかけてみましょう。
「他社ではこの金額で提示されているが、できればあなたに買い取ってもらいたいので、もう少し買取価格を上げることはできないだろうか」と誠意を持って依頼すれば、より高い価格を提示してもらえる可能性はあるでしょう。
古い家を売るときに知っておくべき注意点
ここまで解説してきたように、ボロ家を売却したいのであれば買取業者に買い取ってもらうのが確実です。
しかし、条件によっては仲介で売却できる可能性も十分にあります。
そこでここでは、ボロ家を仲介で売却する際に知っておきたい注意点を3つご紹介します。
更地で売る人は固定資産税に注意
立地条件がよいボロ家の場合は、解体して更地にしたほうが一般の買手が見つかりやすくなる可能性があります。
しかし、家を解体して更地にすると住宅用地の特例が適用されなくなるため、翌年以降の固定資産税が最大で6倍になってしまいます。
住宅用地の特例
居住用の住宅やアパートなどが建っている土地について、200㎡以下の部分は固定資産税の課税標準額が6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減される制度。
参照元:東京都主税局|住宅用地の特例
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対して課される税金なので、納税をする義務は売主が負います。
ボロ家が売却できない期間が長引くほど、売主が負担すべき固定資産税額が増えてしまいます。
修繕・解体する人は補助金制度を活用しよう
基本的にボロ家の場合はリフォームや解体をしたとしても売れるとは限らないのであまりおすすめはできませんが、もし売りに出すにあたってリフォームや解体をするのであれば、自治体の補助金制度を活用するとよいでしょう。
たとえば、東京都中央区では昭和56年5月31日以前に着工された家に耐震リフォームをおこなった場合に最大で300万円を補助する「中央区建築物耐震補強等助成(木造建築物)」を実施しています。
また、東京都品川区では、住宅の省エネルギー性能を高めるリフォーム工事をおこなうと最大で20万円補助してもらえます(住宅改善工事助成事業)。
一方、放置空き家の増加を防ぐべく、自治体によっては老朽化した家屋の解体に対して補助金を支給するところもあります。
東京都台東区の場合は上限金額が50万円、神奈川県横浜市の場合は上限金額20万円と自治体によって補助金の額は異なるため、事前にボロ家の所在地を管轄する自治体で補助金制度の有無や補助金の額、補助金を受けるための条件などについて確認しておきましょう。
1981年以前に建てられた家を売るときは注意が必要
1981年以前に建てられた古家は耐震基準が厳しくなる前の「旧耐震基準」で建てられており、現行の耐震基準(新耐震基準)よりも耐震性能に劣ることから売却しにくい点に注意が必要です。
地震大国である日本にあって、家の耐震性能を気にする方は多い傾向にあります。
しかし新耐震基準が震度6強~7程度の地震が発生しても倒壊しないレベルであるのに対して、旧耐震基準は震度5程度の地震が起きたときに建物が大きな被害を受けないという基準にしか過ぎません。
旧耐震基準の建物には、震度6以上の地震が発生した際に倒壊してしまうリスクがあります。
旧耐震基準の家を仲介で売却するのであれば、耐震補強工事を施して現行の耐震基準を満たす必要があるでしょう。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合がおこなった調査によると、耐震補強工事にかかる平均費用は約167万円です。
参照元:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合「木耐協調査データ 令和元年10月発表」
なお、旧耐震基準の家でも売却は可能です。
旧耐震基準の家の売却方法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
ボロ家を売却する際に発生する税金
ボロ家を仲介と買取のいずれかの方法で売却する際には、以下の税金が発生する点も押さえておきましょう。
- 譲渡所得税
- 登録免許税
- 印紙税
とくに売却益に対して課される譲渡所得税は高額にのぼるケースが多いため「3,000万控除の特例」などをうまく活用して節税につとめたいものです。
ここでは、ボロ家の売却時に発生する税金について解説します。
譲渡所得税
譲渡所得税は不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合に課せられる税金のことです。
譲渡所得税の求め方は、以下のとおりです。
譲渡所得税を算出する際は、まず不動産売却時に発生した譲渡所得を以下の計算式で求めます。
取得費は不動産購入時にかかった費用のことで、不動産の購入代金や建物の建築代金、不動産購入時に納めた各種税金、仲介業者に支払った仲介手数料などが含まれます。
譲渡費用は不動産売却時にかかった費用のことで、仲介業者に支払った仲介手数料、売買契約書に課される印紙税、建物を解体して土地を売却したときの解体費用などが対象です。
一方、譲渡所得に課される税率は、売却する不動産の所有期間によって以下のように異なります。(2037年まで所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が課税される)
所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 計 |
---|---|---|---|
5年超え (長期譲渡所得) |
15.315% | 5% | 20.315% |
5年以内 (短期譲渡所得) |
30.63% | 9% | 39.63% |
参照元:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
参照元:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
たとえば、以下のケースで譲渡所得税をシミュレーションしてみましょう。
- 不動産売却価格:2,000万円
- 取得費:1,500万円
- 譲渡費用:100万円
- 所有期間:10年
「譲渡所得=不動産売却価格-取得費-譲渡費用」の計算式より、
譲渡所得=2,000万円-1,500万円-100万円=400万円
「譲渡所得税=譲渡所得×税率」の計算式より、
譲渡所得税=400万円×20.315%=81万2,600円
3,000万控除の特例
売却するボロ家が自らの居住用で一定の要件を満たしている場合は「マイホームの3,000万円控除の特例」、相続した実家を売却する際に一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用され、譲渡所得から3,000万円を控除できます。
譲渡所得から特別控除を差し引いたときの金額がプラスであった場合、所定の税率をかけて算出した譲渡所得税を納める必要があります。
しかし課税譲渡所得がマイナスだったときは、税金は課されません。
たとえば、上記の事例では譲渡所得400万円から3,000万円の特別控除を差し引くとマイナスとなるため、譲渡所得税を納める必要はないということです。
ただし、特別控除を利用するには不動産を売却した翌年に確定申告をしなければなりません。
また、適用条件が定められているため、不動産を売却する前に自身が条件を満たしているかどうかを確認しておきましょう。
参照元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
参照元:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
なお、相続空き家の3,000万控除についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
登録免許税
登録免許税は、所有権移転登記や抵当権抹消登記などの登記手続きを法務局でおこなう際に納める必要のある税金です。
不動産の売却に伴う所有権移転登記の費用は買主が全額負担する形が一般的なので、売主が支払う必要はありません。
ただし、住宅ローンの残債があるボロ家を売却する場合は物件の引き渡し前にローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。
その際の抵当権抹消登記の手続きをおこなう際にかかる登録免許税は、不動産1件につき1,000円です。土地と建物の両方に抵当権が設定されている場合は、合わせて2,000円かかるということです。
また、抵当権抹消登記を司法書士に依頼しておこなう場合は、別途2~7万円ほどの報酬を支払う必要があります。
印紙税
印紙税は不動産売買契約書などの課税文書に課される税金で、契約書に収入印紙を貼る形で納税します。
印紙税は、契約書に記載された契約金額に応じて以下のとおり税額が異なります。なお、令和6年3月31日までに作成された不動産売買契約書(契約金額が10万円を超えるもの)における印紙税には軽減税率が適用されます。
契約書記載の契約金額 | 印紙税額 | 軽減税率適用時の印紙税額 |
---|---|---|
10万円を超え50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円を超え100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
参照元:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
たとえば、ボロ家を1,000万円で売却した際にかかる印紙税は、5,000円です。
なお、不動産を売却した際に発生する税金は、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
築年数の古いボロ屋を売却する方法や売却価格を解説しました。
築年数の古いボロ屋を売り出しても、買手がつくことはほぼありません。
買手のほとんどは今すぐ住めるマイホームを探しており、リフォームや建て替えが必要なボロ屋を購入する方はほとんどいないからです。
しかし、専門の不動産買取業者であれば、マイホームとして需要がないボロ屋もそのままの状態で買い取ってくれます。
専門の不動産買取業者は、個人の買手と異なり、マイホームを探しているわけではないからです。
買取後に必要に応じてリフォーム等を行い、再生・活用できる見込みがあれば、どんな物件も買い取れます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)も、築古物件をはじめ、買手のつきにくい不動産の買取に特化した専門の不動産買取業者です。
これまでに数多くの築古物件を買い取ってきた実績と活用ノウハウがあるため、どんな物件もそのままの状態で、できる限り高額での買取が可能です。
あなたの希望する価格で買い取れるよう、弊社スタッフが全力で対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。