中古の一戸建ては築20年を過ぎると価値がなくなり売れにくくなる
築20年を経過した中古一戸建ての成約率は、築6年から築20年あたりまであまり変動がありません。
そのため、築20年以内であれば、一般の買手にとって購入需要があると考えられます。
下記は、戸建住宅の成約率を築年数別にまとめたものです。
戸建住宅:対新規登録成約率(%) | ||
---|---|---|
築年数 | 2020年 | 2021年 |
築0〜5年 | 20.0 | 28.8 |
築6〜10年 | 26.8 | 40.8 |
築11〜15年 | 23.0 | 37.2 |
築16〜20年 | 23.8 | 37.1 |
築21〜25年 | 22.8 | 32.7 |
築26〜30年 | 21.0 | 29.2 |
築31年〜 | 16.8 | 23.1 |
参照元:REINS TOPICS|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)
表にあるとおり、築20年を経過したあたりから成約率は徐々に下がり始め、築30年を迎える頃にはさらに一段階成約率が落ちています。
築20年から成約率が減少傾向にあるのは、後述する法定耐用年数の考え方が大きく影響しています。
建物の法定耐用年数は構造別で定められている
日本の中古住宅は、法定耐用年数に基づいて価値を評価される傾向にあります。
法定耐用年数とは、減価償却ができる期間を指しており、税法上で価値があると考えられる期間のことです。
建物の構造別で、以下のように年数が定められています。
建物の構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
鉄筋鉄骨コンクリート造 | 47年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが・ブロック造 | 38年 |
金属造(骨格材の肉厚が4㎜〜の建物) | 34年 |
金属造(骨格材の肉厚が3㎜〜4㎜の建物) | 27年 |
金属造(骨格材の肉厚が〜3㎜の建物) | 27年 |
木造 | 22年 |
参照元:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」
このように、木造住宅であれば築20年を過ぎると価値はゼロに等しくなります。
ただし、法定耐用年数はあくまで税法上での建物の価値を指しており、建物本体が物理的に利用できない、というわけではありません。
メンテナンスを行っていれば、築50年を過ぎた物件でも問題なく住宅として活用できます。
築20年の一戸建ての売却相場を解説
築20年の一戸建ての成約率と、法定耐用年数から見た価値について先ほど解説しました。
しかし、あくまで上記は目安であり、実際は不動産会社によって査定額は大きく異なります。
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次に、築20年の一戸建ての市場での売却価格について解説していきます。
築20年の建物の値段は購入時の20%程度
一般的な木造戸建ては、築20年を過ぎると建物の資産価値がゼロに等しい価格で査定されることも珍しくありません。
そのため、ほぼ土地の価値だけで売却されます。
下記の画像は、築年数に応じた建物の価格の変動率をグラフにしたものです。
このグラフから、建物は新築時をピークとして築年数に応じて価格が下落していき、築20年を経過すると一戸建ての木造戸建住宅は、購入時のおよそ15〜20%程度になることがわかります。
3,000万円で購入した築20年一戸建ての売却価格をシミュレーション
築20年の木造一戸建てを、
- 土地代1,000万円・建物代2,000万円の計3,000万円で購入した。
- 土地の価格は変動しない。
というケースを想定して計算していきます。
木造一戸建ては、築20年を過ぎると価格が20%程度にまで下落するため計算式では20%をかけます。
ここでは、土地の価格はそのままで算出するため、
以上を合計すると、購入価格3,000万円の築20年の木造一戸建てを売却する際の目安となる価格は「1,400万円」となります。
築年数が20年以上経過すると、建物の資産価値がほとんどなくなり、土地のみの価格で取引を行うのが一般的です。
なお、以下の記事では3,000万円で購入した家の売却相場を築年数別に詳しく解説しているので、併せてご参照ください。
築20年一戸建てを少しでも高く売るための5つのポイント
上記で解説したように、中古の一戸建ては築20年を迎えると、購入時よりも売却価格が大きく下がります。
では、市場価値の下がった物件を少しでも高く売ってより多くの利益を得るには、どういった活動を行えば良いのでしょうか?
この章では、築20年一戸建てを少しでも高く売るための5つのポイントについて解説します。
不動産の売却方法には、「仲介」「買取」の2種類があります。
物件を高く売却することに重きを置くのであれば、売却活動だけを依頼する不動産仲介業者に依頼するのがベターでしょう。
しかし売主が、販売活動の手間や費用をかけずに、確実に築20年の一戸建てを売却したいのであれば、様々な作業をを丸投げできる不動産買取業者に依頼するのが得策です。
買取業者であれば、1週間〜1ヶ月というスピード感で物件を売却できます。
売却期間に余裕を持つ
不動産の売却期間には、余裕をもった売却スケジュールを見ておきましょう。
売却を急ぐと、焦った末に安く買い叩かれる「売り急ぎ」という現象が起きてしまうからです。
不動産会社や購入希望者の条件交渉には余裕をもった対応が必要です。
では、スケジュールの目安を把握するために、不動産売却の流れを確認しておきましょう。
物件引き渡しまでの過程は、以下のような流れで行われます。
- 不動産会社に売却を相談
- 査定・業者選びをする
- 販売価格が決定する
- 物件の公開・販売活動開始
- 購入希望者と条件交渉する
- 買主と売買契約を締結する
- 買主のローン審査
- 物件の引き渡し
上記の一連の流れで、スムーズに買主が見つかったとしても、およそ4〜7ヶ月ほどの時間を要します。
ただし、物件を売り出してすぐに買い手が見つかるわけではなく、販売活動のフェーズで長時間かかる可能性があります。
目安として、物件の公開から3か月以上たっても買手がつかないようであれば、後述する不動産買取業者への依頼も検討しましょう。
そもそも物件の需要がないようであれば、永遠と売れ残る可能性があるためです。
1年以上家が売れなかった場合の対処法は、以下の記事で解説しています。
ホームインスペクションをする
築20年の住宅を売却する場合は、ホームインスペクション(住宅診断)を受けておくのも、高額売却のために有効です。
住宅診断士が専門家の視点から住宅の状況を診断して、報告してもらうサービスのこと。
中古物件を対象に診断を行い、以下のような内容を調査報告してもらえます。
- 住宅の劣化や老朽化の状態
- 不良箇所や欠陥の有無
- 改修すべき箇所と時期の目安
- 改修にかかる費用の目安
こういった調査を行うことで、物件のコンディションが明らかになり、状態が良好であれば、売主にとっては不動産を高く売却しやすくなります。
また、買主との売買契約の際に、建物の状況を伝えておくことで、売却後のトラブルを防ぐ効果もあります。
とくに、木造戸建住宅の場合、雨漏りやシロアリ被害などが起こる可能性は高く、診断はしておいた方が良いでしょう。
ホームインスペクションにかかる費用は、調査に機械を使用するか否かで料金は異なりますが、おおむね5〜10万円ほどです。
決して安くはない出費ですが、「インスペクション済み物件」として売り出せるので、買手の安心感につながるため、購入希望者が見つかりやすいでしょう。
ハウスクリーニングをおこなう
物件を少しでも高く売るために、ハウスクリーニングを行っておきましょう。
ハウスクリーニングとは、清掃サービスを専門にする業者に依頼して、日常的な掃除では落とせなかった汚れをキレイにしてもらえるサービスです。
ハウスクリーニングが必要な理由は、物件の購入を検討している人は事前に内覧に来るからです。
とくに、キッチン・浴室・トイレなどの水回りは、内覧時によく見られる場所なのでキレイにしておく必要があるでしょう。
家の中の状態が汚いと、せっかく内覧希望者がいても、汚れを理由に値引き交渉をされたり、購入を見送られるリスクがあります。
ハウスクリーニングの費用相場は、間取り別で計算する方法と、場所別で料金を決めるパターンがあり、水回りのみ依頼するのであれば以下のような費用になります。
場所 | 費用相場 |
---|---|
キッチン | 12,000円~20,000円 |
浴室 | 12,000円~20,000円 |
トイレ | 6,000円~9,000円 |
洗面所 | 7,500円~10,000円 |
一般的に、築5〜10年あたりであればハウスクリーニングは不要ですが、築20年を過ぎていると水回りの劣化が進んでいる可能性が高いため、ハウスクリーニングを検討しましょう。
安易にリフォームをしない
築20年の一戸建てを売却するのであれば、リフォームせずにそのままの状態で売り出すのが得策と言えます。リフォームがオススメできない理由は3つあります。
1つ目は、リフォームしても売れるとは限らないということです。
中古物件をリフォームすると、設備がいっそう新しくなり、買い手がすぐに見つかりそうな印象があります。しかし、費用をかけてリフォームしても物件が売れるとは限りません。物件が売れない限りは、大きな赤字となってしまいます。
2つ目は、リフォーム代を上乗せして売り出す必要が発生することです。
リフォーム費用をかけた分だけ上乗せして売り出さないと、採算が合わなくなります。一戸建てのフルリフォームにかかる費用は1坪あたり約10〜70万円前後が目安です。わずか6畳の部屋でも30〜210万円ほどかかるため、それを上乗せした価格で販売するとなると、買い手を探すハードルは上がるでしょう。
3つ目は、買い手の好みにはまらない可能性があることです。
築20年の一戸建ての購入を検討している方は、物件を安く買って、自分好みにリフォーム・リノベーションをしたい、と考えている可能性があるからです。その場合、好みではないリフォームが行われているのに、物件本体の価格も高いので、買主にとっては購入意欲が下がってしまいます。
このように、売主にとっては大きなリスクとなり得るため、安易に売却前にリフォームするべきではありません。自分で判断が難しい場合は、不動産業者に相談することをおすすめします。
またリフォームしなければ第三者が住めない状態の物件は、すぐ下で解説する不動産買取業者に直接物件を売却する方法を検討するべきです。
不動産買取業者に直接売却する方法も検討しておく
物件の老朽化や立地の悪さによって、買主が見つからないような物件であれば、不動産買取業者へ売却する方法も検討しましょう。
買取業者であれば、保有している物件をそのままの状態で売却できます。
買取業者は、物件に必要なリフォーム等を施して商品化し、自社での運用・再販を行うことを目的に物件を買い取るからです。
リフォームが必要な戸建て・家財等の残った家・事故物件、など、そのままだと売れにくい状況であっても、買取可能です。
また、売却までの期間も短く、1週間〜1ヶ月程度で物件を手放せます。
物件を売却できる状態に再生するコストがかかるため、市場相場価格の約7〜8割ほどの買取金額にはなりますが、一生売れ残ってしまうリスクを考えると、買取業者に依頼するのが得策と言えるでしょう。
ただし、買取業者によって物件の活用方法が異なり、査定価格も大きく異なります。
1社で即決せず、複数の買取業者に相見積もりを取り、買取金額や担当者の誠実さを比較して、最も信頼がおけると思える業者に依頼しましょう。
弊社(株式会社Albalink)は、築年数の古い物件や法的に問題を抱えた物件などを積極的に取り扱う専門の不動産買取業者です。
もちろん、複数業者に相見積もりを依頼するのがおすすめです。
ただ、一つの候補として弊社へご相談くだされば、金額や日程なども含め、全力でご対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
家を買取業者に買い取ってもらうメリットや買取の流れ、買取業者を見極めるポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
築年数が20年を過ぎた住宅は、そのままの状態では買い手が付きにくいため、売主が、手間とコストをかけて販促活動を続けていかなければなりません。
早く・確実に、物件を売却したいのであれば、買取業者へ相見積もりを取り、納得できる金額を提示してもらえる業者を選びましょう。
物件の活用方法に豊富なノウハウを持った買取業者であれば、比較的高額で買い取ってもらえます。
なお、弊社「株式会社Alba Link(アルバリンク)」は、築古戸建など、全国の買い手が付きにくい物件を買い取っています。
売主様が納得できるよう、担当者が全力でサポートしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。