長野県は「古民家差し上げます」を実行できる機会が多い
長野県では無料で不動産を譲る「古民家差し上げます」を実行できる機会が多く設けられています。
長野県の空き家率は平成15年から令和5年にかけて、下記のように増加傾向を辿っています。
調査を実施した年 | 長野県の空き家率 |
---|---|
2003年(平成15年) | 16.7% |
2008年(平成20年) | 19.3% |
2013年(平成25年) | 19.8% |
2018年(平成30年) | 19.6% |
2023年(令和5年) | 20% |
参照元:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」長野市「第二 空家等の現状と課題 」
上記のように、令和5年時点では全国平均の13.8%を6.2%も上回るほど、長野県の空き家数は急速に増えています。
定期的に管理をされない空き家は、家屋が倒壊する・犯罪に悪用されるなど、地域にとって危険な建物と化します。
そのため、長野県では空き家相談窓口・空き家対策セミナー・空家等対策支援など、古民家の譲渡を積極的に促す活動が行われているのです。
「空き家差し上げます」など、0円物件のカラクリと注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

長野県で「古民家差し上げます」を実行する5つの方法
長野県で「古民家差し上げます」を実行する方法は、以下の5つです。
最適な譲渡方法を選んで、古民家の維持管理に伴う負担からいち早く抜け出しましょう。
空き家バンクで貰い手を探す
自治体が運営する空き家バンクを利用して、古民家の貰い手を探す方法があります。
空き家バンクとは、空き家の所有者と買主・借主をつなげる不動産マッチングサービスです。
物件の掲載料は無料で、全国の移住希望者などに古民家の物件情報を届けられるメリットがあります。
長野県が公開している「空家等活用情報システム」では、お住まいの地域ごとに空き家情報がまとめられています。
この章では長野県の空き家バンク3選をご紹介します。
空き家バンクを有効活用する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

安曇野市空き家バンク
長野県安曇野市は、地域活性化を目的に2017年4月から空き家バンク制度を開始しています。
空き家の売却・賃貸を希望する方は長野県の「加盟不動産会社」、空き家の活用を希望する方には「空家活用係」と、ニーズ別に相談窓口が設けられているのが特徴です。
また、安曇野市空き家バンクでは売主向けに以下2つの補助金制度を用意しています。
- 空き家バンク登録者支援補助
- 空き家バンクへの掲載にあたって登記・測量を実施する際に、費用の1/3(上限20万円)まで補助を受けられる
- 片付け清掃補助
- 空き家バンクへの掲載にあたって家財の撤去・清掃を行う際に、費用の1/3(上限10万円)まで補助を受けられる
安曇野市空き家バンクの補助金予算残額は、350万円(令和7年4月1日時点)です。
市区町村ごとに補助金の予算枠が決められているため、古民家の譲渡で補助金の利用を検討している方は早めに申請しましょう。
松本市空き家バンク
長野県松本市は、空き家バンクに参画している自治体の一つです。
参照元:松本市「松本市空き家バンク」
松本市空き家バンクに登録するための要件は、以下のとおりです。
- 松本市内の空き家(住宅・店舗併用住宅)であること
- 松本市内の入居者ありの居住用物件で1年以内に退去日が確定していること
- 空き家の所有者全員が売買・賃貸に対して合意している
- 個人が所有している空き家であること
また、松本市空き家バンクに登録するために家財の撤去を行う場合は、費用の1/2(上限10万円)の補助金を受け取れます。
松本市空き家バンクの詳細については、建設部住宅課に問い合わせましょう。
信濃町空き家・空き地バンク
長野県信濃町も、空き家バンクに参画している自治体です。
登録申込書・建物の間取り図を総務課まちづくり企画係に提出すると、空き家バンクへの登録手続きが完了します。
空き家バンク登録後は、「ありえない、いなかまち。」「楽園信州空き家バンク」で物件情報を公開してもらえます。
空き家マッチングサイトで譲渡先を探す
民間の空き家マッチングサイトで古民家の譲渡先を探す方法もあります。
代表的な空き家マッチングサイトは、以下の3つです。
- みんなの0円物件
- 空き家の無償譲渡ができる不動産マッチングサイト。遠方にある片付け前の実家・建て替えできない土地・未登記の建物など、どのような状態の不動産も掲載可能としている。取引終了までの手続きをセルフで行う「¥0プラン」を利用した場合は、一切費用負担なく利用できる
- 家いちば
- スマホやPCから気軽に取引相手を探せる不動産マッチングサイト。成約件数1,000件・商談者数6万人・掲載累計4,000件と、実績・ユーザーが多く、フジテレビをはじめ各メディアで多く取り上げられている。メッセージボードで気軽にやり取りができるため、理想の取引相手を選べるメリットがある
- 空き家ゲートウェイ
- 100均物件(100円・100万円)に絞って掲載している不動産マッチングサイト。査定で問題がなければ、物件紹介のページを運営側で作成してもらえる。以降は、物件公開・ゲートウェイ入札期間・商談の3ステップで空き家を譲渡できる。掲載料・仲介料は無料
古民家を引き継ぐ相手と直接コンタクトを取りたい方や、広範囲で譲渡先を探したい方にとって利用しやすいサービスといえます。
隣地所有者に譲る
古民家を隣地所有者に譲る方法もあります。
隣地所有者にとっては、無料で敷地を広げられる・別棟として利用できる・資産価値を向上できるなどのメリットがあります。
需要が低い古民家であっても、隣地特有のメリットがあるので譲渡を受け入れてもらえるかもしれません。
ただし、名義変更に伴う費用負担や残置物の取り扱いなど、取引条件については明確に決めておく必要があります。
たとえば、残置物を業者に依頼して撤去する場合、ワンルームでも3万円〜8万円程度かかります。
古民家を譲る側にとっては「相手が支払うもの」と思っていても、思い違いが生じる可能性があるのです。
トラブルを未然に防ぐためにも、古民家の取得に伴ってどのような費用が発生するのか、どちらが負担するのかについては事前に決めておきましょう。
相続土地国庫帰属制度で国に引き渡す
古民家を手放したい場合の選択肢として、2023年4月27日に導入された「相続土地国庫帰属制度」を利用する方法もあります。
相続土地国庫帰属制度とは、相続または遺贈で取得した土地の所有権を国に移転する仕組みです。
需要が低い古民家でも、相続土地国庫帰属制度を活用すれば手放せる可能性があります。
ただし、土地を対象にした制度であるため、古民家を解体しなければ申請は却下されます。
古民家の解体にかかる費用相場は、1坪あたり約4万円・30坪あたり約120万円と高額です。
古民家を手放すために「いまから費用をかけたくない」という方には、向かない方法といえます。
相続土地国庫帰属法については、以下の記事で詳しく解説しています。

不動産有料引取サービスに依頼する
古民家を、不動産有料引取サービスで手放す方法もあります。
不動産有料引取サービスとは、いらない不動産をお金を支払って引き取ってもらう仕組みです。
引き取り料の相場は50万円〜150万円程度と割高であるものの、どのような問題を抱えた不動産でも手放せるメリットがあります。
ただし、悪質業者によって多額の金銭を請求されるなどの被害報告も出ており、国からも注意喚起がされています。
自身が被害者にならないためにも、事前に相見積もりを取る・ホームページや口コミを調べるなど、依頼先の慎重な選定が重要です。
また、古民家は適切な不動産会社に依頼すると金額をつけて買い取ってもらえる可能性があるため、有料で引き渡すのはもったいないといえます。
「古民家を手放しつつ現金化できると嬉しい」とお考えの方は、次項の専門の不動産買取業者に見積もりをとりましょう。
古民家は無料で譲らず専門の不動産買取業者に売却したほうがおトク
前述したように、古民家を無償譲渡するには取引相手を探したり、契約条件を調整したりする必要があります。
その手間を省略する代わりに金銭を支払って古民家を引き取ってもらうサービスもありますが、得策とはいえません。
そのため、古民家は無料で譲らず専門の不動産買取業者への売却を検討しましょう。
不動産買取とは、所有者から売却希望の物件を直接買い取る業者です。
業者が買主となる取引方法であるため、査定を受けた時点で買取可否・買取価格がわかります。
細かい取引条件などは業者が提案・調整してくれるので、売主は希望条件を伝えるだけで買取に向けて話を進めてもらえます。
専門の買取業者に売却するメリットは「売れ残りがない」以外にも、下記のようなメリットがあります。
- 現金化までがスピーディー
- 2者間取引なので互いが契約内容に合意すれば、平均1ヶ月で決済・引き渡しに進む
- そのままの状態で売却できる
- 業者が買い取った後にリフォーム・測量などを施すため、売主が売却に向けて準備をする必要がない。司法書士などの士業と連携しているため、相続登記などの法的手続きも代行できる
- 売却後のトラブルがない
- 古民家の欠陥を確認した上で業者が査定額・買取可否を決めるため、所有者が物件調査をして現況を説明する必要がない
上記のように、古民家の所有者が古民家を手放すために、時間・費用・手間をかける必要はありません。
丸投げ状態で古民家を手放すと同時に現金化もできるため、もっともお得な方法といえます。
古民家をおトクに手放したい方は無償譲渡を実行する前に、まずは専門の買取業者の査定を受けましょう。
一例として、次項では専門の買取業者である弊社アルバリンクの買取事例をご紹介します。
空き家に強い買取業者ついては、以下の記事で紹介しているので併せてお読みください。

アルバリンクなら古民家をスピード&高額売却できる
弊社アルバリンクは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような不動産も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
上記は780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、弊社をご利用いただいたお客様から「親切・丁寧な対応をしてもらえた」「担当者の対応が誠実で安心できた」など、お喜びの声を数多くいただいております。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、2025年には、長野県信濃町と「空き家対策に関する連携協定」を締結しています。
信頼できる買取業者に安心して古民家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
古民家を早期に手放すべき4つの理由
長野県で古民家を手放す方法は多く存在していますが、「後でも大丈夫」という考えは捨てるべきです。
古民家の所有には、以下のようなリスクがあるからです。
- 維持管理に伴う費用・手間が発生し続ける
- 空き家を1年間維持するためにかかる費用は、平均20万円〜25万円といわれている。遠方の場合は、管理をするために通う手間や交通費もかかる
- 建物の倒壊リスクが高くなる
- 人が住んでいない家は湿気がこもり木部・主要構造部を痛めて耐久性が低下するため、倒壊しやすくなる
- 固定資産税が増額する
- 自治体から「管理が不十分な空き家」と認定されると、税の優遇措置である住宅用地の特例が除外される。敷地面積が200㎡以下の場合、翌年以降に最大6倍まで増額する可能性がある
- 犯罪に悪用される可能性が高くなる
- 人の気配が感じられない空き家は、犯罪を誘発しやすい。ゴミの不法投棄・放火・窃盗・違法薬物の栽培などに悪用されるリスクがある
上記のように、古民家を適切な管理をせず所有し続けると金銭的なリスクがある上に、周辺住民の安全な暮らしを奪ってしまう可能性があります。
明確な活用予定がない古民家は、後回しにせず早期に手放して所有リスクから解放されましょう。
空き家の状態で古民家を放置するリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ
長野県の古民家を無償譲渡する方法は複数ありますが、相手探し・譲渡条件の調整などの手続きが発生するため、時間がかかります。
そのため、「維持費の支払いや定期的な管理からいち早く抜け出したい」とお考えの方は、専門の不動産買取業者への売却依頼を検討しましょう。
専門の買取業者は売主・業者の2者間で取引を行うため、互いが契約条件に納得すれば、平均1ヶ月程度で古民家を買い取ってもらえます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)も、古民家を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
全国の売れにくい不動産をスピーディーかつ適正価格で買い取っており、フジテレビの「newsイット!」で特集された実績もございます。
維持に伴う負担が重い古民家を売却して、日々のストレスから抜け出しましょう。