旗竿地とは旗の形状をした土地
旗竿地とはその名のとおり、旗の形状をした土地です。
道路に接している路地(竿部分)が細長く、路地奥にまとまった敷地(旗部分)がある形状の土地を指します。
旗竿地のように正方形・長方形の形をしていない土地を「不整形地」と呼び、評価額・売却額が低い傾向にあるのが特徴です。
なぜ、旗竿地のような形状の土地が誕生するのか、背景を見ていきましょう。
旗竿地ができる理由は接道義務を果たすため
旗竿地ができる理由はいくつかありますが、代表的なのは「接道義務を満たすため」です。
接道義務とは、「建築基準法上の道路に間口が2m以上接していなければならない」という規定です。
接道義務を満たしていない土地は、新築および建て替えができません。
たとえば、四角い土地を横に2等分で分筆した場合、奥側の土地が道路に接しないケースがあります。
それを接道しようとする過程で、旗竿地が誕生するのです。
接道義務を果たすだけであれば、縦に2等分で分筆する方法もあります。
ただ、縦に2等分で長細い2つ土地にした場合、建築できる間取りが極端に限定される売れない土地が誕生してしまいます。
旗竿地にすることで、接道義務を満たしながらオーソドックスな住宅の建築が可能になるのです。
ただし、旗竿地は不整形地に該当するため、評価額・売却額はともに低くなります。
再建築不可の旗竿地で建て替えを行う方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
旗竿地は評価額が低くなる
前述したように、旗竿地は不整形地の一つです。
一般的な整形地よりも用途が限定される分、評価額は低く算出されます。
相続税を計算する際に用いられる「路線価」に対して、旗竿地は以下4つの補正が適用されます。
補正率 | 概要 |
---|---|
不整形地補正 | 不整形地に適用される補正 |
・間口狭小補正 ・奥行価格補正 ・奥行長大補正 |
旗竿地のように、間口が狭く、奥行きが長い土地に適用される補正 |
たとえば、整形地の場合は「路線価 × 土地面積(㎡)」で土地の相続税評価額を算出します。
不整形地は、「 路線価 × 土地面積 × 補正率(0.60〜0.99)」で、評価額を割り出すため、整形地よりも減額されます。
たとえば、路線価が45万円・土地面積が100㎡・普通住宅地区で間口が2mだった場合、土地の評価額は「45万円 × 0.90 × 100㎡ = 4050万円」です。
本来4,500万円だった整形地の評価額に補正が加わることで、不整形地は350万円減額できる、といった具合です。
上記のような補正が加わることで、旗竿地の相続税評価額は最大40%まで減額できるのです。
ただし、相続税は安くなりますが、売却時も安価になりがちです。
旗竿地を売却する際には、特殊な土地の取り扱い実績が多い不動産会社に依頼することで、適正価格で買い取ってもらいやすくなります。
なお、弊社AlbaLinkは、旗竿地などの不整形地に強い専門の不動産買取業者です。
不整形地・建て替えできない土地などもできる限りの高額買取に対応しています。
無料相談・無料査定は随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
旗竿地の評価方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
旗竿地のメリット5選
前述したように、旗竿地は不整形地ゆえに売却額が安くなりやすい傾向にあります。
ただし、旗竿地特有の住み心地のよさもあるため、市場でまったく需要がないわけではありません。
旗竿地のメリットは、以下の5つです。
土地の購入価格が安い
旗竿地は、買い手側にとって土地の購入費用を安く抑えられるメリットがあります。
不整形地は、坪単価を低く設定して売り出されるのが一般的であるためです。
周辺の類似した条件の土地と比べて、2割〜3割ほど値下げして売り出されるケースも珍しくありません。
土地の購入費用を抑えられる分、理想の間取り設計・設備のグレードアップに予算を回せるので理想の家づくりがしやすくなります。
路地部分を有効活用できる
旗竿地の路地部分は、そのまま駐車場として利用できます。
整形地に駐車場スペースを設ける場合、敷地内に駐車専用の土地を確保する必要があります。
その結果、不規則な形状となった残りの敷地に家を建てなくてはならなくなります。
旗竿地であれば、駐車場以外にも家庭菜園・ガーデニング・玄関アプローチなど路地部分を有効活用できます。
広い家を建てられる可能性がある
旗竿地は建ぺい率・容積率の制限にかかりにくいので、広い家を建てられる可能性があります。
建築物は、敷地面積に対する建ぺい率・容積率によって、建てられる家の大きさに上限が設けられています。
建ぺい率は「敷地面積に対する建築面積の割合」、容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」です。
つまり、敷地面積が多く確保できると、広い・高い家を建築しやすくなるのです。
旗竿地は路地の部分も敷地面積として算入できるため、奥の旗部分の土地が狭くても、大きめの家を建てられる可能性があります。
騒音や事故のリスクが少ない
車両の通行による騒音や事故のリスクが少ない点も、旗竿地のメリットです。
旗竿地は奥まった敷地に家を建てるため、前面道路まで距離があります。
ペットを飼っていたり、小さな子どもがいたりする場合、急な飛び出しによる事故を未然に防ぎやすくなります。
プライバシーを確保しやすい
前述したとおり、旗竿地は路地を通った奥の敷地に家が建っているため人目につきにい環境下です。
家の中で過ごす・ベランダや庭などで作業をする際にも、通行人など外部の視線を気にする必要がありません。
人目を気にせず、自宅でプライベートな時間を存分に楽しめる点は、路地のある旗竿地のメリットといえます。
旗竿地のデメリット6選
旗竿地のデメリットは、以下の6つです。
上記のようなデメリットがあるため、旗竿地は売却が難しいといわれています。
風通しや日当たりが確保しにくい
旗竿地は奥まった場所に家が建つのにくわえて、周囲が建物で囲まれるケースが大半です。
そのため、通常の土地よりも日当たり・風通しが確保しにくい傾向にあります。
庭・ベランダに日光が届きにくい場合、家庭菜園などの趣味も始めにくいでしょう。
旗竿地で日当たり・風通しをよくするには、天井を高くする・吹き抜けを導入するなど、家の設計段階で対策が必要になります。
外構工事が割高になりやすい
旗竿地は比較的安く購入できる一方で、外構工事の費用が割高になりがちです。
路地部分の距離に伴い、塀またはフェンスを設置する長さが必要になるためです。
駐車場として利用する場合も、コンクリートの施工範囲が広くなるため追加で費用がかかります。
また、前面道路が狭く作業車が駐車できない場合は業者の作業負担が増えるため、工期が長くなる・人件費が高くなるなどの影響があります。
路地部分が駐車場として利用しにくい場合がある
旗竿地の間口の狭さ・車の大きさによっては駐車場として利用しにくい場合があります。
接道義務を満たす目的で分筆された旗竿地は、間口が2mギリギリになっているケースは珍しくありません。
普通車でも平均1.7mの幅があるため、駐車はできても乗り降りがしにくい・人が通りにくいなどの影響が生じやすいといえます。
間口の狭い旗竿地については、以下の記事でも詳しく解説しています。
防犯対策が必要になる
旗竿地はプライバシーが確保しやすい反面、死角が多くなりがちです。
犯罪者に狙われやすい環境下であるため、二重窓にする・玄関に補助錠を取り付ける・ホームセキュリティに加入するなどの対策が欠かせません。
二重窓・補助錠・ホームセキュリティの導入にかかる費用相場は、以下のとおりです。
- 二重窓:約5万円~10万円
- 補助錠:1万円〜4万円
- ホームセキュリティ:月額5,000円〜1万円 + 初期費用
防犯対策のために費用が余分にかかる点も、旗竿地のデメリットといえます。
隣家との騒音トラブルが生じやすい
旗竿地は車両の通行による騒音などは遮断しやすい反面、隣家との騒音トラブルが起きやすい傾向にあります。
ほぼ四方が近隣住宅に囲まれている旗竿地では、隣家との距離が近く窓・壁から音が侵入しやすくなるためです。
近隣住民との生活リズムが異なる場合、洗濯機を回す・風呂に入る・掃除機をかけるなどの生活音もトラブルに発展しやすくなります。
弊社のアンケート調査でも「近所迷惑な人の特徴」のダントツは騒音となっており、音はトラブルの発生源になりやすいことがわかります。
隣人が音に敏感な住民だった場合、家具の配置換え・防音サッシへの交換・防音リフォームなどの対策も検討が必要です。
万が一、騒音トラブルが発生した場合、当事者間で話し合うと関係性が悪化しやすいため、自治体・弁護士・警察などへ相談しましょう。
なお、弊社AlbaLinkは、隣家トラブルが起きている不動産も現況買取が可能です。
弁護士などの士業とも連携があるため、トラブルのない買取が実現できます。
旗竿地のトラブルにお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
騒音のほか、旗竿地の嫌がらせやトラブル回避法5選については以下の記事で詳しく解説しています。
建て替えができないケースがある
前述したとおり、旗竿地は接道義務を満たす目的で誕生するケースが多い傾向にあります。
ただ、旗竿地ができる理由には以下2つのような背景もあります。
- 土地を有効活用できる:家を建てる敷地の部分が四角いほうがデッドスペースが生じにくい
- 売却しやすくなる:分筆して敷地面積をある程度小さくしたほうが購入費用・維持費が抑えられるため、買い手が見つかりやすい
上記のような事情で誕生した旗竿地は、接道義務を満たしておらず建て替えできない可能性があります。
また、接道義務を満たしている場合でも、地域の条例による建築制限を満たしていない場合は建て替えができません。
たとえば、東京都建築安全条例では以下のような規定が設けられています。
- 路地の部分が20m以下の場合は、道路に2m以上接しなくてはならない
- 路地の部分が20m以上の場合は、道路に3m以上接しなくてはならない
参照元:江戸川区役所「敷地が道路より奥にある場合は建築はできますか?」
条例に違反している場合は、建て替えができないため、家屋の寿命を迎えるまでしか住めないなどのデメリットがあります。
なお、再建築不可を再建築可能する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
旗竿地の売却時の注意点3選
旗竿地を売却する際の注意点は、以下の3つです。
家屋を解体してはいけない
建て替えできない旗竿地に家が建っている場合、安易に解体してはなりません。
一度解体して更地にすると、建て替えができなくなり活用方法が限定的になってしまうためです。
たとえば、太陽光発電用地・ドッグラン・駐車場経営など、居住用物件以外かつ敷地面積に見合った活用しかできなくなります。
くわえて、更地になると税の軽減措置である「住宅用地の特例」が適用外になるため、土地の固定資産税が最大6倍に増額します。
たとえば、土地の面積が200㎡以下・固定資産税評価額が2,000万円だった場合、約4万6,000円だった税額が最大28万円まで増額します。
明確な目的がない限りは、旗竿地は解体せず現況のまま売り出したほうが買い手は見つかりやすくなります。
売却前に建物を解体しないほうがよい理由は、以下の記事でも詳しく解説しています。
賃貸経営も検討する
すでに家が建っている旗竿地であれば、賃貸物件としての活用も一度検討しましょう。
立地がよいなどの条件を備えた旗竿地であれば、賃貸にしたほうが収益化しやすい可能性があるためです。
弊社のアンケート調査でも、居住用物件においては立地のよさを重視する方が多数派であることがわかっています。
たとえば、旗竿地に建っている家をリフォームして清潔感がある状態に仕上げておけば、入居者の目に留まりやすくなります。
入居者にとっても自分の家ではないため、建て替え不可の制限がある旗竿地でも、マイナス要素にはなりません。
ただし、リフォーム費用は高額です。
たとえば、30坪の戸建て住宅でクロスの張り替えを行う場合、50万円〜60万円程度かかります。
キッチンのパネルの交換費用で4万円〜7万円かかるなど、各部位にリフォーム費用が発生します。
築年数が古い家の場合、すべてをリフォームすると数百万円〜数千万円という価格帯の費用が必要です。
入居付けで黒字化できる自信がない場合は、実行しないほうがよい活用方法といえます。
不動産に詳しくない方が賃貸経営をおこなうリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
優良な買取業者を選ぶ
不動産の売却方法には、業者が成約をサポートする「仲介」、業者が直接買い取る「買取」の2種類があります。
上記のうち、旗竿地のように建て替えなどの制限がある土地は、専門の買取業者に売却するのがおすすめです。
専門の買取業者であれば、問題を抱えた不動産の活用ノウハウがあるため、旗竿地でも買い取れるためです。
ただし、「旗竿地の買取に対応できる業者ならどこでもいい」というわけではありません。
もし、売却を依頼した買取業者が悪質業者だった場合、旗竿地を安く買い叩かれる恐れがあるためです。
実際にある手口の一例として、高額な査定額を提示して売主の関心を惹き、契約直前で大幅な値下げを要求するケースがあります。
そのため、旗竿地の売却は優良な専門の買取業者を選んで依頼するのがポイントです。
優良な買取業者には、買取実績が多い・口コミや評判がよい・査定額の根拠が明確など、共通点があります。
業者のホームページを調べたり、査定のタイミングで質問したりして、依頼を検討している業者が優良業者なのかどうかを見極めましょう。
なお、旗竿地の売却におすすめな優良買取業者については、以下の記事で詳しく解説しています。
AlbaLinkは旗竿地でも高額買取が可能!
前項では、旗竿地を高額売却するためには優良買取業者に依頼するのが重要である、とお伝えしました。
そこでこの章では、弊社Albalinkを例にとり、実際の旗竿地の買取事例を紹介します。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような再建築不可物件を多数買い取ってきました。
たとえば下記は弊社が買い取った千葉県富津市の再建築不可物件です。
この物件は前面道路の幅員が2m未満で接道義務を果たしていない旗竿地した。 また、下の写真の「BEFORE」を見てもらえばわかる通り、室内も老朽化が進んでいましたが、弊社はこの物件を600万円で買取り、リフォームを施したのち、提携している不動産投資家へ再販致しました。 このように弊社は再建築不可物件の再販先や運用方法を豊富に持っているため、老朽化が進んだ家屋が建っている旗竿地であっても買い取ることができます。
実際、旗竿地をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「売れずに困っていたが買い取ってもらえてホッとした」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
ですから、「不動産の売却など初めてで不安なことばかり」という方こそ、弊社にご依頼いただければと思っております。
これまで培ったノウハウをフル活用し、あなたの旗竿地をできる限りスピーディーかつ高値で買い取らせていただきます(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
まとめ
旗竿地は土地がもつ特性から、住み心地に欠ける・建て替えができないなどのデメリットがあり、市場で売れにくい傾向にあります。
くわえて、旗竿地は売却価格が安くなりやすいため、適正に評価をして値付けしてくれる不動産会社の選定が重要です。
もし、旗竿地を「今後も活用する予定がない」「売却する自信がない」などのお悩みがある方は、専門の不動産買取業者への売却を検討しましょう。
専門の買取業者であれば、旗竿地のように特殊な土地も適正価格で買い取れるからです。
弊社AlbaLinkは、旗竿地や再建築不可物件に強い不動産に強い専門の買取業者です。
無料相談・無料査定は随時受け付けております。
相談のみの問い合わせも歓迎しておりますので、お気軽にご連絡ください。