空き家問題の現状【空き家は年々増えている】
冒頭でも解説したように、現在の日本では空き家の数が年々増え続けている現状にあります。
空き家がなぜ増えるのかを解説する前に、まずは空き家の定義や空き家問題の現状について見ていきましょう。
空き家とは?【機関によって定義が異なる】
空き家とは、居住者が誰もいない家を指します。
しかし空き家について、じつは明確な定義は存在していないのが実情です。
たとえば「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、第2条第1項において「居住などの使用が常態的になされていない建築物および敷地」を空き家と定義しています。
具体的には、1年以上誰も住んでいない、もしくは利用していない建築物は空き家と見なされるということです。
一方、総務省の「住宅・土地統計調査」では、人が住んでいない空き家を以下4種類に区分しています。
名称 | 概要 | 空き家全体に占める割合 |
---|---|---|
二次的住宅 | 別荘など週末や休暇時に使われる住宅。普段は人が住んでいない | 4.5% |
賃貸用住宅 | 賃貸として貸すために人が住んでいない住宅 | 50.9% |
売却用住宅 | 売却するために人が住んでいない住宅 | 3.5% |
その他の住宅 | 上記以外の人が住んでいない住宅 | 41.1% |
上記の住宅のうち、二次的住宅・賃貸用住宅・売却用住宅は不定期ではあるものの実際に利用する人がいる、もしくは賃貸・売却のために管理する人がいることから、厳密に区分すると空き家とは言い切れません。
それに対して、その他の住宅は住む人も管理者もいないため、そのまま放置されるリスクが高いといえます。
近年問題視されている空き家は、この「その他の住宅」を指すのです。
なお、空き家の定義については以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
空き家は年々増加している
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、1983年に394万戸あった空き家の数は、2023年には900万戸にまで増加しています。
このうち特に増加率が高いのは「その他の空き家」で、ここ40年で約3倍に増えていることが問題視されています。
前述のように、今後人が住む可能性のある二次的住宅・賃貸用住宅・売却用住宅に対して、その他の住宅は居住者も管理者もいないまま長期的に放置されてしまいかねません。
空き家を定期的な管理をせずに放置すると、倒壊などのリスクが発生する恐れがある点に注意が必要です。
空き家を放置するリスクは、後述の「空き家が増えるとどうなる?【8つのリスク】」で解説します。
次の章では、空き家が放置される原因を見ていきましょう。
空き家はなぜ増える?空き家が放置されてしまう6つの理由
空き家の数が増える主な理由として、以下の6つが挙げられます。
- 人口減少や少子高齢化により住む人がいない
- 新築住宅が建設され続けている
- 管理の手間と費用がかかる
- 相続問題により正式な所有者が決まらない
- 固定資産税が安い
- 空き家を売らない人が一定数存在する
それぞれの要因について、詳しく見ていきましょう。
人口減少や少子高齢化により住む人がいない
空き家の数が増えるもっとも大きな理由は、少子高齢化に伴う人口減少です。
内閣府の調査によると日本の人口は減少の一途をたどっており、2056年には1億人を割ると予想されています。
それに対して総人口に占める65歳以上の高齢者数の割合は増え続ける一方であり、2037年には国民の3人に1人が65歳以上になると推測されているのが現状です。
引用元:内閣府|令和5年版高齢社会白書(全体版)
高齢者の中には、病気などの理由で病院や老人ホームなどでの生活を余儀なくされる方がいます。
すると家に住む人が誰もいなくなってしまい、空き家が誕生するというわけです。
子どもが親の代わりに実家に住めば空き家となるのを防げますが、すでに独立して別の場所で世帯を構えている場合には現実的な選択肢とはいえません。
また少子化の流れが進展する中で、相続が発生しても跡を継ぐ人が誰もいないことも、空き家が増える原因となっています。
新築住宅が建設され続けている
人口が減少しているにもかかわらず、新築住宅が建てられ続けている点も空き家の増加に拍車をかけています。
日本では新築信仰が根強く、マイホームを購入する際には多くの方が新築住宅を選択します。
実際、内閣府が行った「住生活に関する世論調査」によると、住宅を購入するなら「新築の一戸建てがよい」と回答した方の割合は全体の63%にのぼりました。
弊社が行ったアンケート調査でも「不動産を購入するなら築10年以内を選ぶ」と回答した方の割合は63%にのぼっており、築年数が新しい家に住みたいと考えている方が多いことが分かります。
参照元:訳あり物件買取プロ|【不動産を購入するなら築年数は何年までがベストか】男女100人アンケート調査
このような新築信仰が背景にあるため、現在も日本では毎年80万戸以上の新築住宅が建築されているのが現状です。
参照元:国土交通省|令和5年度住宅経済関連データ
しかし家に住む人の数は少なくなっており、需要は年々減少しています。
それでも新築住宅の供給数は減らないことから、住宅が余って空き家が増えてしまっているのです。
管理の手間と費用がかかる
空き家の管理に手間と費用がかかることも、所有者が空き家のまま放置する一因となっています。
誰も住まなくなった家は換気や掃除などがなされないため、湿気などが溜まって急激に劣化が進みます。
空き家の老朽化を防ぐには、定期的な管理が欠かせません。
しかし、地方にある実家を相続したなどのケースでは、遠方に住んでいるために維持・管理を行うのが難しく、結果として空き家として放置する方は少なくないのです。
空き家の維持・管理費用を負担したくないという理由で、そのまま放置している方もいます。
相続問題により正式な所有者が決まらない
家の所有者が亡くなった際に誰が相続するかで揉め、新たな所有者が決まらずに放置されるケースは珍しくありません。
とくに資産価値の低い地方部の家ほど、相続トラブルが起こりやすい傾向にあります。
相続が発生した際には、民法で定められた法定相続分に基づいて遺産を受け継ぐ形が一般的です。
相続人が2人以上いる場合に各相続人が受け継ぐことができる遺産の割合
しかし、相続人の間で遺産分割協議を行って全員の同意を得られたら、法定相続分以外の分け方をすることが可能です。
相続人全員で遺産の分け方を話し合って合意すること
ただし、地方にある空き家のように誰しもがいらないと考えている財産が遺産に含まれている場合、遺産分割協議が長引いてしまいかねません。
ケースによっては、1年以上かかることもあります。
話し合いがまとまるまでの間、空き家を管理する者が誰もおらずに放置されるケースは少なくありません。
固定資産税が安い
空き家が土地上に建っている場合は更地のときよりも固定資産税が安くなることも、空き家が放置される原因として挙げられます。
固定資産税は、毎年1月1日時点における不動産所有者に課される地方税です。
固定資産税は土地と建物の両方に対してそれぞれ課されますが、居住用の家屋が建っている土地には「住宅用地の特例」と呼ばれる措置が適用され、固定資産税が以下のように最大で6分の1に軽減されます。
区分 | 固定資産税 | |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200㎡までの部分 | 固定資産税評価額×1/6×1.4% |
一般住宅用地 | 200㎡超えの部分 | 固定資産税×1/3×1.4% |
しかし建物を解体すると、住宅用地の特例が適用されなくなって固定資産税が大幅に上がってしまいかねません。
そこで税負担の増大を回避すべく、利用予定がない空き家をそのまま放置している方は少なくないのです。
空き家を売らない人が一定数存在する
何の用途にも活用していない空き家であっても、以下の理由から売却をためらっている方がいることも空き家が放置される要因となっています。
- 売却費用がかかる
- 思い入れのある家を売りたくない
売却費用がかかる
築年数が古い空き家を売却する際、建物の解体が必要になることがあります。
しかし、建物を解体するには100~200万円ほどの費用を負担しなければなりません。
空き家を解体して更地にするとより買い手が見つかりやすくなる側面はあるものの、多額の解体費用がかかる点がネックとなり、そのまま放置している方もいるのです。
実際、国土交通省の「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」によると、解体費用をかけたくないという理由で空き家にしている方の割合は全体の46.9%にのぼりました。
また、空き家を売却する際にリフォーム費用をかけたくないために放置している方も23.8%存在します。
空き家を売却したくても、費用がかかるという理由で諦めている方が比較的多いことが分かるでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では、空き家をそのままの状態で買い取っています。
弊社では買い取った空き家にリフォームなどを施したうえで再販することをビジネスとして展開しているため、あなたが費用を負担する必要はありません。
費用がネックとなって空き家の売却をためらっている方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
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思い入れのある家を売りたくない
思い入れのある実家を手放したくないことも、空き家のまま放置する一因となっています。
亡き両親との思い出が詰まった家財道具などをそのままにしている方も少なくありません。
実際、弊社が行ったアンケート調査によると、空き家のまま管理する理由として「思い入れがあり、売却や賃貸には出したくない」と回答した方は全体の半分以上にのぼりました。
参照元:訳あり物件買取プロ|803人に「実家の空き家問題」をアンケート調査!世代別の意外な傾向とは?
空き家を維持・管理するには手間や費用がかかりますが、それでも実家の売却はためらわれると考える方が比較的多いことが分かります。
しかし、使わない実家をそのまま放置すると、次の章で解説するようなリスクが発生する恐れがある点に注意が必要です。
空き家が増えるとどうなる?【8つのリスク】
空き家を放置すると、以下8つのリスクがあなたに降りかかる恐れがあります。
- 資産価値が下がる
- 固定資産税がかかり続ける
- 老朽化による倒壊で近隣住民に危害を加える
- 空き家や敷地内が荒れて隣家に迷惑をかける
- ゴミを不法投棄されやすくなる
- 放火のターゲットにされやすくなる
- 犯罪の温床となる
- 特定空き家や管理不全空き家に指定される
空き家を放置するリスクを回避したいなら、後述の「空き家問題の6つの対策【事例とともに紹介】」の章で解説するように活用や売却を検討することをおすすめします。
空き家を放置すると生じ得る8つのリスクについて、詳しく見ていきましょう。
資産価値が下がる
空き家の放置期間が長引くほど、資産価値が低下するリスクは避けられません。
そもそも一戸建ては、新築時をピークとして徐々に資産価値が下がっていきます。
築20年を超えると、建物の資産価値がほぼゼロとなってしまうケースも珍しくありません。
引用元:国土交通省|中古住宅流通、リフォーム市場の現状
それに加え、誰も住んでいない空き家は老朽化が進む一方のため、ただでさえ低い資産価値がさらに下がってしまう恐れがあります。
外壁がひび割れていたり、設備が壊れていたりする家を売りに出しても、見た目が敬遠されて買い手を見つけるのは難しいといわざるを得ません。
もし空き家の処分を考えているなら、資産価値がもっとも高いいまのうちに行動に移すことがポイントです。
固定資産税がかかり続ける
固定資産税がかかり続ける点も、空き家を放置するリスクのひとつです。
前述のように固定資産税は不動産の所有者に課される税金なので、空き家を所有する限り納め続けなければなりません。
また、後述するように空き家の管理が行き届いておらず、自治体から「特定空き家」に指定されると、住宅用地の特例の対象外となって固定資産税の負担が最大で6倍になる恐れもあります。
固定資産税の負担が重く、経済的に厳しいようなら空き家を早めに手放したほうがよいでしょう。
老朽化による倒壊で近隣住民に危害を加える
前述のように、誰も住んでいない空き家は急速に劣化します。
すると、台風や地震などの自然災害時に倒壊する可能性が高まり、近隣の方に被害を与えかねない点に注意が必要です。
所有している空き家が原因で近隣住民に被害が及んだ場合は、所有者であるあなたが賠償責任を負わなければなりません(民法第717条第1項)。
公益財団法人日本住宅総合センターの「空き家発生による外部不経済の損害額の試算結果」によると、空き家が倒壊して隣家が全壊、かつ隣人が亡くなった場合、損害賠償額は2億円以上にのぼると推定されています。
空き家を所有する限り、近隣の方に迷惑をかけないように日々適切に管理を行う必要があります。
遠方に住んでいるなどの理由で頻繁な管理が難しいなら、不動産業者に費用を支払って管理を依頼するか、売却して手放すかを検討したほうがよいでしょう。
空き家や敷地内が荒れて隣家に迷惑をかける
空き家を管理せずに放置すると、建物の老朽化はもちろんのこと、土地の荒廃も避けられません。
庭に雑草が生い茂ると周辺の景観が悪化するだけでなく、蚊などの害虫が発生して近隣の方に迷惑をかける恐れがあります。
被害の程度が大きい場合には、損害賠償を請求されてしまいかねません。
また、自治体によっては空き地の雑草の除去に関する条例を施行しているところもあります。
自治体からの改善指導・命令があったにもかかわらずに放置を続けると、罰金を科されることもあるので要注意です。
自分でできる雑草対策について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
ゴミを不法投棄されやすくなる
空き家が荒廃したり、雑草が生い茂って外からの見通しが悪くなったりすると、ゴミを不法投棄されるリスクも高まります。
また、頻繁に管理を行っていないとゴミを不法投棄されても気づくことができず、さらにエスカレートしてしまいかねません。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条で定められているように、ゴミの不法投棄はれっきとした犯罪です。
しかし、ゴミを不法投棄した犯人を特定できない場合には、土地の所有者が自ら撤去しなければならないのです(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第5条)。
加えて、ゴミの放置によってネズミやハエなどの害獣・害虫が発生し、被害を受けた近隣の方から損害賠償を請求される恐れもあります。
空き家の放置によって無駄な出費を招くリスクを回避したいなら、やはり早めに売却などで手放すことをおすすめします。
放火のターゲットにされやすくなる
放火犯に狙われやすくなる点も、空き家を放置するリスクです。
老朽化が進んだ空き家は雑草の繁茂などにより、人目につきにくい状況が現出されます。
加えて、不法投棄されたゴミなど燃えやすい材料も揃っており、放火犯にとっては格好のターゲットとなり得るのです。
基本的には、放火によって空き家が燃えてしまい、近隣の家に被害を与えても、あなたが責任を負う必要はないと失火法で定められています。
しかし、あなたに重大な過失があるときにはその限りではありません。
空き家の所有者として行うべき適切な管理を怠ったことが火災の原因と判断された場合には、あなたが損害賠償を支払う羽目になりかねない点に注意が必要です。
火災で損害賠償を支払うリスクに備えたいなら、火災保険に加入しておくとよいでしょう。
以下の記事では空き家でも加入できる火災保険について解説しているので、併せて参考にしてください。
犯罪の温床となる
放火犯に狙われるだけでなく、犯罪の温床となりかねない点も空き家を放置するリスクです。
実際、刑務所から脱走した受刑者が空き家を拠点として盗みを繰り返していた事件が発生しています。
参照元:産経新聞|「海を泳いで渡った」愛媛・今治の脱走受刑者 逮捕の地点は島から西に70キロ
また空き家の室内に家財道具などが残っているままなら、空き巣被害にあう恐れもあります。
参照元:朝日新聞|空き家狙った侵入盗容疑で男2人を逮捕 関東4県で79件に関与か
所有している空き家が犯罪に見舞われることを防ぐには、定期的な管理が欠かせません。
自分で管理することが難しい、費用をかけたくないのなら、売却などして手放すことを検討しましょう。
以下の記事では、空き家があいやすい犯罪リスクについて解説しています。
併せて参考にしてください。
特定空き家や管理不全空き家に指定される
空き家を放置すると、自治体から特定空き家や管理不全空き家に指定されるリスクもあります。
空き家の増加が社会問題となっていることは前述した通りです。
そこで国は空き家の数を抑制すべく、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行。
以下の条件に当てはまる空き家を「特定空き家」に指定できるようにしました。
- そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となる恐れがある
- 著しく衛生上有害となる恐れがある
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切
また、2023年12月には「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」を施行。
窓ガラスが割れているなど、このまま放置すると特定空き家になる恐れのある空き家を「管理不全空き家」に認定できるようにしたのです。
特定空き家や管理不全空き家に指定されると、住宅用地の特例が適用されなくなるので固定資産税が最大で6倍に増加します。
また、自治体からの再三の改善命令にもかかわらずに放置を続けると、行政代執行によって強制的に解体されてしまいかねません。
その際にかかる数百万円以上の解体費用を負担するのは、空き家の所有者であるあなたです。
所有している空き家が特定空き家、もしくは管理不全空き家に指定されるのを防ぎたいなら、定期的な管理が不可欠です。
なお、以下の記事でも特定空き家・管理不全空き家について解説しているので、併せて参考にしてください。
空き家問題の6つの対策【事例とともに紹介】
ここまで、空き家を放置する8つのリスクを解説してきました。
空き家を所有するリスクを回避したいなら、以下の対策を検討するとよいでしょう。
- 空き家を活用する
- リバースモーゲージを活用する
- 賃貸併用住宅に建て替える
- 国や自治体に寄付する
- 空き家バンクに登録する
- 売却する
それぞれの対策について、詳しく解説します。
空き家を活用する
自分で空き家に住むつもりがないなら、何らかの方法で活用することをおすすめします。
空き家の主な活用方法には、以下があります。
- 賃貸に出す
- 駐車場として貸し出す
- 民泊として活用する
- シェアハウスにする
- シェアキッチンにする
- サテライトオフィスにする
- コワーキングスペースにする
- 飲食店にする
- 貸し倉庫を設置する
- ガレージとして貸し出す
- セーフティネット住宅にする
たとえば空き家を賃貸用物件へとリフォームして貸し出せば、毎月家賃収入を得られます。
そればかりか、借主があなたに代わって家の維持・管理を行ってくれるので、老朽化のスピードを遅くすることも可能です。
空き家を貸す相手は、自分が住む部屋を探している一般の方に限りません。
実際、世田谷区では一般財団法人世田谷トラストまちづくりを通じて、空き家の所有者と地域活動団体とのマッチングを行っています。
空き家の一部を改装して生まれた地域の交流スペース・シェア奥沢など、活用事例は枚挙にいとまありません。
引用元:シェア奥沢
「今後も空き家を手放す気はない」場合には、活用して収益化を図るのも選択肢のひとつです。
なお、そのほかの空き家の活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
リバースモーゲージを活用する
リバースモーゲージは、高齢者の方が居住中の家を担保にして金融機関から融資を受ける方法です。
リバースモーゲージを利用すると、空き家のリフォーム資金を捻出することができます。
リバースモーゲージを活用して空き家の老朽化した箇所を修繕すれば、空き家問題を根本的に解決できるでしょう。
建物をきれいにしたら、第三者に貸して家賃収入を得ることも可能です。
ただし、借り入れた元金は相続人が契約者の死亡時に担保としている家を売却するか、現金で一括返済するかしなければなりません。
ケースによっては、子などの相続人に迷惑をかける恐れがある点に注意が必要です。
リバースモーゲージの利用を考えているなら、メリットとデメリットを踏まえて慎重に検討することをおすすめします。
賃貸併用住宅に建て替える
今後空き家に拠点を移す計画があるなら、賃貸併用住宅へと建て替えるのもひとつの方法です。
賃貸併用住宅とは、ひとつの建物の中に自宅スペースと第三者に貸し出す部屋がある家を指します。
自宅スペースが建物全体の50%以上を占めている場合は、アパートローンよりも金利が低い住宅ローンを利用できます。
そのため、アパートローンを利用して賃貸住宅を建てるときと比較すると、月々のローン返済額を抑えられる点はメリットです。
また毎月安定した家賃収入が入ってくるので、自己資金が少なくても無理のない返済ができるメリットもあります。
ただし、入居者が見つからなければ家賃収入を得ることはできません。
家賃収入を期待してローンを組むと、返済が厳しくなりかねない点には注意する必要があるでしょう。
空き家を賃貸併用住宅にしたいと考えているなら、まずは賃貸需要があるエリアかどうかを見極めることが重要です。
もしあなたの空き家が駅から近いなど立地がよい場合には入居者を集めやすいので、賃貸経営に成功する確率は高いといえます。
一方で、駅から遠い・交通の便が悪い・周辺に生活利便施設が充実していない場合には賃貸需要が期待できないので、他の活用方法を検討したほうがよいでしょう。
国や自治体に寄付する
空き家が不要な場合には、国や自治体に寄付する方法もあります。
2023年4月27日より、相続した不要な土地を国へ寄付できる「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。
もし空き家を国へ寄付できれば、維持管理をする手間や固定資産税の納税義務から解放されます。
しかし、相続土地国庫帰属制度を利用して国へ寄付できるのは土地のみです。
そのため、空き家が建っている場合には100万円以上の費用をかけて建物を解体しなければなりません。
また、土壌が汚染されている土地は申請できないなど、寄付できる土地には厳しい条件が設定されています。
解体して更地にしても、必ず引き取ってもらえるとは限らない点に注意が必要です。
相続土地国庫帰属制度については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
一方、自治体によっては空き家の寄付を受け入れているところがあります。
たとえば兵庫県尼崎市では、地域の生活環境の保全を図るために特定空き家、もしくは1981年5月31日以前に建築されて耐震改修工事を行っていない空き家の寄付を受け入れています。
参照元:尼崎市|空家等寄付受け事業
また、大阪府泉佐野市でも、経済的に困窮している方からの空き家の寄付を受け入れ、市が建物の解体を行う「泉佐野市特定空家等対策事業」を行っています。
ただし、空き家を自治体へ寄付するのもやはり現実的には難しいといわざるを得ません。
空き家の寄付を受け入れると、自治体が得られる固定資産税などの収入が減ってしまうためです。
不要な空き家を手放したいと考えているなら、後述するように専門の買取業者に相談することをおすすめします。
なお、以下の記事では不要な土地を自治体へ寄付するのが難しい理由を解説しています。
土地を自治体へ寄付できなかったときの対策にも触れているので、ぜひ参考にしてください。
空き家バンクに登録する
空き家を手放したい場合には、空き家バンクを利用して売却する方法があります。
空き家バンクとは、空き家を売りたい方と購入したい方とを結びつけるマッチングサイトのことです。
空き家バンクの運営を行っているのは各自治体です。
「移住者を増やす」「地域の空き家の数を減らして活性化につなげる」などの目的があるため、無料で利用できる点が魅力です。
また物件情報を空き家バンクに登録すると、自治体の広報活動を通じて空き家を買いたい人へアプローチでき、より早く売却できる可能性もあります。
たとえば、愛知県瀬戸市では空き家を探している方を対象として空き家ツアーを開催。
実際の空き家を見学してもらい、成約につなげる試みを実施しています。
空き家ツアーを通じて成約にいたった空き家は、カフェギャラリーや工房などさまざまな用途で活用されています。
引用元:瀬戸市|せとで住もまい!
しかし、空き家バンクは物件情報を掲載するサイトに過ぎず、購入希望者との交渉は原則自分で行わなければなりません。
売却価格や契約条件などを巡ってトラブルが起こることもあるため、注意が必要です。
また空き家バンクに登録しても、確実に売却できるとは限りません。
需要がなければ、何年も売れ残ってしまう可能性があることは覚悟しなければならないでしょう。
もし空き家をできる限り早く売却したいと考えているなら、次の項目で紹介するように不動産業者に依頼することをおすすめします。
なお、空き家バンクの実情については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
売却する
ここまで繰り返しお伝えしてきたように、空き家をスピーディーに売却したいなら不動産業者に依頼しましょう。
不動産業者に依頼して空き家を売却する方法は、以下3つです。
- 古家付き土地としてそのまま売却する
- 空き家を解体し更地で売却する
- 専門の買取業者に売却する
1と2は仲介業者に依頼して一般の方に売却する方法、3は専門の買取業者に直接買い取ってもらう方法です。
空き家の状態によって適切な売却方法は異なるので、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めていってください。
それぞれの売却方法について、詳しく解説します。
なお、仲介と買取の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
古家付き土地としてそのまま売却する
空き家の築年数が古く、建物の状態も悪い場合には、古家付き土地として売却するのも選択肢のひとつです。
古家付き土地とは、その名の通り古い家屋が建っている土地を指します。
売却価格に建物の価値は反映せず、あくまでも「土地」として売り出す手法です。
空き家を古家付き土地として売り出すと、建物を解体する手間や費用が省けます。
たとえ短期間で売れなかったとしても、古家を残しておけば住宅用地の特例措置を受けられるので、固定資産税を減税できるメリットもあります。
しかし古家付き土地として売り出す場合、解体費用やリフォーム費用は買主が負担しなければなりません。
そのため、諸費用分の値引きを要求されることがあり、売却価格が安くなるデメリットがあります。
また、マイホームを建てるための土地を探している方にとって、古家付き土地には解体の手間がかかってすぐに新築できない欠点があるため敬遠されがちです。
「駅から徒歩15分以上かかる」など立地が悪い場合も、需要が見込めずに売れ残ってしまう可能性が否めません。
実際、弊社が行ったアンケート調査によると、マイホームの購入を検討している方がもっとも優先している条件は「立地」であるためです。
参照元:訳あり物件買取プロ|【家を購入する際に優先したことと妥協したこと】経験者493人アンケート調査
もしあなたが所有している空き家の立地が悪く、買い手からの需要が期待できなさそうなら、仲介業者ではなく専門の買取業者に相談するとよいでしょう。
なお、空き家を古家付き土地として売り出すメリット・デメリットは以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
空き家を解体し更地で売却する
建物の状態があまりにも悪い場合には、解体して更地で売却する選択肢もあります。
更地にすると、マイホームを建てるための土地を探してる方に売却しやすくなる点がメリットです。
駅から徒歩10分以内、周辺に生活利便施設が建ち並んでいるなど立地が良い場合には、早期売却が期待できます。
ただし、更地にしても買主が見つかるとは限りません。
前述のように、土地の立地が悪い場合には何年も売れ残ってしまうケースも珍しくないのが現実です。
また、100万円以上の解体費用を負担しなければならない点も、空き家を更地にするデメリットです。
加えて更地にすると住宅用地の特例が適用されなくなるので、万が一売れ残ってしまった場合には翌年以降の固定資産税が最大で6倍に膨れ上がるデメリットもあります。
そのため、安易に空き家を解体するのはおすすめできません。
もしあなたの空き家の立地が悪く、更地にしても買い手を見つけるのが難しい状況の場合には、解体する前に専門の買取業者に相談しましょう。
なお、以下の記事でも空き家を更地にして売り出すのをおすすめしない理由を解説しています。
併せて参考にしてください。
専門の買取業者に売却する
ここまで解説してきたように、築年数が古く、立地が悪い空き家を仲介業者に依頼して売りに出しても、なかなか買い手を見つけることはできないのが実情です。
しかし専門の買取業者なら、買い手からの需要が見込めない空き家であっても問題なく買い取ってくれます。
専門の買取業者は、買い取った空き家にリフォームなどを施して資産価値を高めてから再販する事業を展開しています。
そのため、買い手の見つからない空き家でも買い取ることが可能なのです。
また、買取は専門の買取業者が直接買い取る仕組みのため、仲介よりも売却期間を短縮できるメリットもあります。
あなたが解体費用や家の中にある物を処分する費用を負担する必要もありません。
買取は、「空き家をできる限り早く売却したい」「空き家を売却する際に費用をかけたくない」と考えている方に向いている売却方法です。
なお、当サイトを運営している弊社AlbaLink(アルバリンク)も、全国の空き家を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
弊社には空き家を再生して活用する独自のノウハウがあるので、スピーディーに、かつ適正価格で買い取ることができます。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ空き家」や「不用品で室内があふれてしまっている空き家」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された空き家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっている空き家の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された空き家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっている空き家の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
まとめ
少子高齢化に伴う人口の減少や相続問題などの理由により、全国的に空き家の数は増え続けています。
使い道がないからといって空き家を放置すると、資産価値が下がるだけでなく、倒壊などで近隣の方に危害を加えて損害賠償を請求される事態に陥りかねません。
また自治体から「特定空き家」に指定され、固定資産税が上がってしまうリスクもあります。
そのため、今後も空き家を利用する予定がないのなら、資産価値の高いいまのうちに売却して手放すことをおすすめします。
ただし、立地の悪い空き家を仲介で売りに出しても、買い手からの需要が見込めずに売れ残ってしまいかねません。
そのため、あなたの空き家の立地が悪く買い手のニーズが期待できない場合には、専門の買取業者に直接買い取ってもらうとよいでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の空き家を積極的に買い取っている専門の買取業者です。
過去にはフジテレビの「newsイット!」にも、買い手の見つかりにくい訳あり物件を買い取る専門の買取業者として紹介された実績もあります。
弊社なら、あなたの空き家をスピーディーに、かつ適正価格で買い取ることが可能です。
査定は無料ですので、空き家をいくらで買い取ってもらえるのかが知りたいとお考えの方はお気軽にお問い合わせください。