狭小住宅で後悔しがちなポイント
狭小住宅に関する明確な定義はありませんが、一般的には約15坪以下の土地に建てられた家を指します。
しかし、狭い敷地いっぱいに3階建ての家を建てるケースが多いことから、実際に住んでみて初めて後悔してしまうケースも少なくありません。
ここでは、狭小住宅で後悔しがちな7つのポイントについて解説します。
- 隣家との距離が近くトラブルのもとになる
- 建物の規模に対して建築費用が割高になる傾向がある
- 建物が縦に長くなり家事動線が悪くなる
- 室内の空調効率が悪い傾向がある
- フロアが狭すぎて長期優良住宅の認定が受けられない
- 階段移動が多く老後のことが心配になる
- 「恥ずかしい」「みじめ」を感じる場面がある
現在狭小住宅に住んでいて後悔を感じている方は、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めていってください。
隣家との距離が近くトラブルのもとになる
狭小住宅の特徴として、狭い土地が密集した地域に建てられる点が挙げられます。
近隣にも同じような狭小住宅が建ち並んでいるケースが多く、どうしても隣家との距離が近くなってしまう点は後悔ポイントのひとつです。
隣家との距離が近いと、生活音や子どもの泣き声、ペットの鳴き声などの騒音問題に悩まされることがあります。
隣家の方も、同様に騒音問題に困っている可能性もあるでしょう。
実際、騒音問題を巡って近隣の方と揉めるケースは少なくありません。
騒音トラブルを未然に防ぐには、防音対策が必須です。
窓ガラスを遮音性の高い防音ガラスやペアガラスにする、壁に防音効果のある素材を使用する、隣家と窓ガラスの位置をずらすなどの対策を講じるとよいでしょう。
また、建物の屋根やブロック塀、樹木の枝などが敷地境界線を越えて隣地に侵入している、もしくは侵入されていてトラブルへと発展するケースも少なくありません。
このような越境トラブルを抱えている家を売却するには、越境問題の解決が不可欠です。
まずは改めて土地の境界を確認し、何がどのくらい越境しているのかを把握することが大切です。
境界が未確定の場合には土地家屋調査士に測量を依頼し、隣地の方立ち会いのもとで境界を確定させる必要があります。
越境物の撤去が難しい場合には隣地の方と現状を共有し、互いに合意をしている旨の覚書を取り交わすとよいでしょう。
その際は、覚書の効力が購入者にも継承される一文を加えることをおすすめします。
越境物の覚書の作成手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
建物の規模に対して建築費用が割高になる傾向がある
狭小住宅を建てると、建築費用が割高になりがちな点も後悔ポイントとして挙げられます。
狭小住宅は、都心の建物が密集しているエリアに建てられる傾向にあります。
地域によっては防火地域に指定されていることがあり、3階建て以上の建物を建てるには耐火建築物にしなければなりません。
建物が密集している市街地や幹線道路沿いにおいて火災の被害を広げないために厳しい建築制限を課しているエリア
耐火建築物にするには柱や壁などの主要構造部や玄関、窓を防火仕様にしたり、各階に防火ドアをつけたりする必要があり、一般的な住宅と比較するとコストがかさみます。
また、住宅の密集地で狭小住宅を建てる際には足場を組む十分なスペースが確保できず、別途特殊作業工賃が上乗せされることもあります。
狭小住宅には庭がないことも多く、資材置き場代や資材置き場から工事現場へ資材を運ぶ運送費・人件費が余計にかかる点も建築費用が割高になる理由のひとつです。
たとえば、国土交通省の「建築着工統計調査(2022年)」によると、木造一戸建ての建築坪単価は約62万9,000円です。
40坪の土地に延床面積が30坪の木造一戸建てを建てるとすると、約1,887万円かかります。
それに対して、狭小住宅の建築坪単価は70~100万円ほどといわれています。
15坪の土地に30坪の狭小住宅を建てると、2,100~3,000万円ほどの費用がかかる計算です。
コストをなるべく抑えるためには、3階建てではなく2階建てにして部屋数を減らす、内装にこだわらないなどの工夫をする必要があるでしょう。
建物が縦に長くなり家事動線が悪くなる
狭小住宅は建物が縦に長く伸びる分、家事動線が悪い点もよくある後悔ポイントといえます。
周りが家に囲まれていることが多い狭小住宅では、日当たりを確保するために1階に水回り、2階にリビングを設けるケースが少なくありません。
屋上をルーフバルコニーにして洗濯物干し場とすることもあるでしょう。
しかし、1階で洗濯した物を干すために上下階を行き来するのは不便といわざるを得ません。
また掃除をする際にも、階段の上り下りが苦痛に感じることがあります。
限られたスペースを有効活用するために生活動線が分断されており、住みにくい空間となってしまいやすいのです。
少しでも住みやすくするには、2階以上に水回りスペースをまとめる、生活動線を考えて間取りを設計する、ホームエレベーターを設置するなどの対策が欠かせません。
室内の空調効率が悪い傾向がある
居住スペースを少しでも広くするために、間仕切りをなくして部屋数を減らすことがあります。
こうすることで狭小住宅でありながらもゆったりとした空間を実現できますが、空調効率が悪くなり、電気代が高くつきやすい点に注意が必要です。
また、狭小住宅の場合は日当たりの悪い1階が寒く、日当たりのよい3階が温かいといった具合に上下階の温度差が大きいことも、空調効率が悪い理由として挙げられます。
空調効率をよくするためには、高気密・高断熱の家にして外気の影響を受けにくくすることが効果的です。
室内の温度を一定に保つ対策を講じれば、空調効率をよくできるでしょう。
フロアが狭すぎて長期優良住宅の認定が受けられない
長期優良住宅の認定を受けにくい点も、狭小住宅の後悔ポイントのひとつです。
長期優良住宅とは、長期間にわたって快適に暮らせるような対策が講じられた高性能の住宅を指します。
長期優良住宅に認定されるメリットは以下の通りです。
メリット | 概要 |
---|---|
住宅ローン控除の優遇 | 住宅ローン控除の対象となる住宅ローンの限度額が5,000万円となる(一般の住宅の上限は3,000万円) |
投資型減税を受けられる | すべて現金で購入した場合に適用。長期優良住宅を建てるためにかかった費用の10%が所得税から控除される。最大控除額は65万円 |
不動産取得税の減税 | 不動産取得税の控除額が1,300万円に拡充(一般の住宅は1,200万円) |
登録免許税の減税 | 税率の引き下げ(所有権保存登記:0.15%→0.1%、所有権移転登記:0.3%→0.2%) |
新築住宅購入時の固定資産税減税期間延長 | 固定資産税が2分の1に減税される期間が3年から5年へ延長 |
住宅ローン金利の優遇 | フラット35Sを借りる際に当初5年間の金利を年0.5%、6~10年目の金利を年0.25%引き下げ |
地震保険料の割引 | 耐震等級3の場合は50%割引 |
ただし、長期優良住宅に認定されるには国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアする必要があります。
しかし、狭小住宅の場合には「一戸建ての住宅は75㎡以上、少なくともひとつのフロアの床面積が40㎡以上(階段を除く)」という住戸面積に関する要件を満たすのが難しいといわざるを得ません。
長期優良住宅の恩恵を最大限に受けたいのであれば、ひとつのフロアの床面積が40㎡以上の家を建てられる土地を探しましょう。
また、購入前に長期優良住宅の認定を受けられるかを不動産会社の担当者に確認しておくと安心です。
階段移動が多く老後のことが心配になる
年齢が若いうちはあまり問題にならないかもしれませんが、上下階の移動が多い狭小住宅は老後の生活拠点に向いているとはいえません。
足腰が弱くなるにつれて、階段の上り下りを苦痛に感じてしまうでしょう。
そのため、狭小住宅を購入する際には老後の生活をイメージしたうえで間取りを検討することをおすすめします。
また、なるべく段差を設けない、あらゆるところに手すりをつけておくなどバリアフリー対策を講じておくと、老後も快適に暮らせるでしょう。
そのほか、老後は駅に近く利便性の高いエリアにあるマンションへ引っ越すなど、ライフスタイルに合わせて住み替えを検討するのも選択肢のひとつです。
なお、住み替えに際して狭小住宅を売却したい場合には、専門の不動産買取業者に依頼することをおすすめします。
専門の不動産買取業者であれば、狭小住宅であっても数日~1週間ほどで買い取ってもらえます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)では、狭小住宅をスピーディーに買取いたします。
査定は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
「恥ずかしい」「みじめ」を感じる場面がある
狭小住宅を所有すると、以下のような場面で「恥ずかしい」「みじめ」と感じるケースがあります。
- 家が狭くて友人を呼べないとき
- 友人の家や親戚の家が広かったとき
- 広々とした駐車スペースやウッドデッキを見たとき
- 間取りや設備が自由に変更できないとき
ただし、狭小住宅には利便性の高いエリアに住めるなどのメリットもあります。
次項で解説します。
狭小住宅を購入してよかったと感じる部分
ここまで解説してきたように、狭小住宅にはさまざまな後悔ポイントが存在します。
中には、「狭小住宅に住んでいて恥ずかしい」と考える方もいるようです。
しかし一方でメリットもあり、「購入してよかった」と感じる方も少なくありません。
たとえば、狭小住宅のメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 駅近の利便性の高いエリアに住める
- 土地の購入費用を抑えられる
- 土地の面積が狭い分、固定資産税・都市計画税を抑えられる
- 土地選びの選択肢が増える
狭小住宅は土地と建物の総面積が狭い分、利便性の高い都心部であっても予算内で購入できることがあります。
また、狭小住宅購入後の税負担が比較的軽い点も狭小住宅ならではのメリットです。
デメリット面よりもこれらのメリットに魅力を感じる場合は、マイホームを購入する際に狭小住宅を選択肢のひとつに加えてもよいでしょう。
狭小住宅で後悔しないためには建築会社で土地も探す
狭小住宅購入後の後悔を防ぎたいのであれば、家の建築を依頼する会社に土地を探してもらうことをおすすめします。
どのような建物を建てられるかのアドバイスを受けながら土地探しができるので、より自分たちのライフスタイルに合った狭小住宅を建てられるようになります。
また、建築会社を探す際には狭小住宅の施工実績が豊富かどうかに着目しましょう。
狭小住宅の建築に慣れている建築会社であれば、狭小住宅特有の後悔ポイントを解消する間取りを提案してくれます。
購入して後悔している狭小住宅は売却も視野に入れる
購入前は狭小住宅でもよいと考えていたとしても、いざ住み始めてから後悔してしまうことがあります。
そのような場合には、住み替えを前提として売却を視野に入れるとよいでしょう。
ここでは、狭小住宅を売却する方法について解説します。
狭小住宅の売却方法には、仲介と買取の2種類があります。仲介は不動産仲介業者に探してもらった一般の買い手に売却する方法、買取は専門の不動産買取業者に直接買い取ってもらう方法です。
詳しくはこの後の項目で解説しますが、狭小住宅をなるべく短期間で売却したいのであれば一般の不動産業者に加えて専門の不動産買取業者にも相談することをおすすめします。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では全国の狭小住宅をスピーディーに買取いたします。
狭小住宅をできる限り早く売却したい方は、まずは弊社の無料査定をご利用ください。
仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
一般の不動産屋に相談しても売れない場合がある
狭小住宅をできる限り早く売却するためには、狭小住宅ならではのメリットをアピールして買い手に訴求することが重要です。
しかし、前述のように狭小住宅にはさまざまなデメリットが存在するため、売りに出してもなかなか買い手が見つからない可能性があります。
とくに不動産売却においてメインターゲットとなるファミリー層からの需要が期待できないのも、狭小住宅が売却しにくい理由のひとつです。
ファミリー層は住宅に家族で住める広めの間取りを求めているためです。
また、建物の面積が狭い狭小住宅は一般的な家と比べると担保価値が低く、住宅ローン審査に通りにくい点も売却しにくい理由として挙げられます。
専門の不動産買取業者にも見積もりを依頼しておこう
不動産仲介業者に狭小住宅の仲介を依頼して売りに出す際には、併せて専門の不動産買取業者にも査定を依頼することをおすすめします。
専門の不動産買取業者に査定を依頼するメリットについて見ていきましょう。
不動産買取業者に依頼するメリット
狭小住宅を専門の不動産買取業者に依頼するメリットは、主に以下の2点です。
- スピーディに決済まで完了する
- 売主の契約不適合責任がない
狭小住宅の買取までの期間は不動産買取業者によって異なるものの、数日~1週間ほどで現金化できるケースが一般的です。
仲介で不動産を売却する際の平均期間は3~6か月といわれているので、売却を急ぐ方に向いているといえます。
また、売却後に売主の契約不適合責任を問われないのも不動産買取業者に売却するメリットのひとつです。
契約不適合責任とは、売買契約に基づいて引き渡した目的物に何らかの不備があった際に売主が買主に対して負う責任を指します。
中古住宅の場合、目には見えない構造部などに欠陥や不具合が生じているケースが少なくありません。
もし物件の引き渡し後に契約書には記載されていない欠陥や不具合が見つかった場合には、買主から損害賠償や契約の解除などを請求されかねない点に注意が必要です。
その点、売却相手が専門の不動産買取業者の場合には売主の契約不適合責任を免責にできます。
専門の不動産買取業者は物件に生じている欠陥や不具合を承知のうえで購入するためです。狭小住宅の売却後に何かしらのトラブルに見舞われたくない方は、専門の不動産買取業者に売却するとよいでしょう。
ただし、専門の不動産買取業者に狭小住宅を売却する際には相場の7割ほどの価格となる点がデメリットです。
狭小住宅の立地条件や物件の状態がよく、不動産仲介業者の仲介で買い手が見つかるような場合には損をしかねないので、狭小住宅を売却する際には不動産仲介業者と専門の不動産買取業者の両者に問い合わせ、並行して売却活動を進めることをおすすめします。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は狭小住宅をはじめとする一般の買い手が見つかりにくい不動産の買取を行っている専門の不動産買取業者です。
査定は無料なので、狭小住宅がいくらくらいで売却できるのかを知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
Albalinkは契約不適合責任が免除で買取可能
前項では、狭小住宅はスピーディーかつ契約不適合責任を免除で売却できる専門の買取業者に売却するのがおすすめとお伝えしました。
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たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ家」や「不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
上記のように、雨漏りなどを起こした不動産も契約不適合責任を免除で、できる限りのスピード&高額買取に対応させていただいております。
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まとめ
狭小住宅には「駅近の利便性の高いエリアに住める」「土地の購入費用・固定資産税を抑えられる」などのメリットがあります。
しかし一方で「隣家との距離が近くトラブルが起こりやすい」「建築費用が割高」「家事動線が悪い」「階段の上り下りが大変」といったデメリットがあるため、購入後に後悔する方は少なくありません。
購入後の後悔を防ぐためにも、家を建てる建築会社に土地探しを依頼し、後悔ポイントを解消できるような間取りを設計してもらいましょう。
また、すでに狭小住宅に住んでいて後悔している場合には、売却を視野に入れるのも選択肢のひとつです。
売却金額を元手として自分たちのライフスタイルに合った家へと住み替えれば、より快適な暮らしを実現できます。
ただし、デメリット面の多い狭小住宅を売ろうと考えても、一般の買い手はなかなか見つかりません。
そこで狭小住宅を売却する際には、不動産仲介業者に加えて不動産買取業者にも査定を依頼することをおすすめします。
たとえ不動産仲介業者を通じて買い手を見つけられなかったとしても、不動産買取業者に依頼すれば短期間で買い取ってもらえます。
売主の契約不適合責任を免責にできる点も、不動産買取業者に売却するメリットのひとつです。
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