国有地の借地権の3つのメリット
国有地の借地権のメリットは以下の3つです。
- 底地購入の通知が来る
- 譲渡承諾料を支払えば必ず売却できる
- 更新料がかからない
借地人が借地を手放す際、手助けとなるでしょう。
底地購入の通知が来る
国有地の借地人には、以下のような底地購入を促す通知が届きます。
国の方針として、国有地を民間に売却することに力をいれており、底地購入の案内や借地と底地の同時売却の推奨を借地人にしています。
通常の地主と違い、底地の売却に積極的に応じてくれるため、完全所有権を持った土地の状態で買主に売却可能です。
完全所有権の土地は、土地活用の制限がないため、需要が高く、売却しやすい傾向にあります。
上記のような国が国有地処分を推進する施策は、借地権の売却においてメリットといえます。
譲渡承諾料を支払えば必ず売却できる
国有地の借地権を売却するとき、一定の承諾料を支払えば、必ず売却できます。
国が地主の場合、名義書換承諾料を支払うことで、借地権の売却が可能です。
国に支払う承諾料の算出は以下の計算式を用います。
参照元:普通財産貸付事務処理要領|財務省
借地権割合は住宅地の場合、6~7割が一般的です。
たとえば、相続税評価額が1,000万円の場合、承諾料は60~70万円となります。
一般の地主の場合でも、上記と同じ金額の承諾料の支払いが必要です。
ただし、関係性次第では、借地権売却の承諾すらもらえないこともあります。
また、地主によっては上記の金額以上の承諾料を要求される可能性があります。
地主との交渉に疲弊することなく、借地権を手放せる点は、国有地の借地権のメリットです。
更新料がかからない
国有地の借地権は、契約更新するタイミングで更新料を支払う必要がありません。
一般的に、地主は契約更新時に更新料の支払いを求めるケースがほとんどです。
更新料の相場は借地権価格(更地価格×借地権割合)の5%程度ですが、それ以上を請求される可能性もあります。
更新料の設定に法的根拠はありませんが、支払わないと契約更新を拒否されるリスクが高まります。
国が地主の場合、法的根拠のない更新料の請求はしません。
そのため、契約更新する際、更新料支払いのために資金準備は不要です。
国有地の借地権の2つのデメリット
国有地の借地権には、以下の2つがデメリットとして挙げられます。
- 地主に買取を依頼できない
- ローン承諾は認めていない
地主に買取を依頼できない
国が地主の場合、借地権の買取には応じてくれません。
民間の地主の場合、借地人の申し出により地主が買い取ってくれる可能性があります。
地主にとって、自由に活用できる完全所有権の土地を手に入れられるため、タイミング次第では快諾してくれるでしょう。
一方、国は前述したとおり底地売却を促進、民間に有効活用してもらう施策をしています。
そのため、国が借地権の買取に応じてくれる可能性はほぼありません。
借地権の処分を考える際、地主(国)への買取依頼は選択肢に入りません。
ローン承諾は認めていない
国が地主であるデメリットとして、ローン承諾を認めてくれない点があります。
ローン承諾とは、借地人が借地上に建物を建てるために住宅ローンを組む際、金融機関が求める要件の1つです。
借地人が住宅ローンを組む場合、原則地主の承諾が必要です。
民間の地主の場合、交渉次第ではローン承諾をもらえます。
一方、地主が国の場合、ローン承諾をもらえません。
ローン承諾がない場合、借地権の買主は住宅ローンの借り入れが厳しくなります。
そのため、建物を建てる際、買主は建物建築費のほぼ全額を自己資金で賄う必要があります。
多くの買主は住宅ローンを組む前提で、土地を取得します。
住宅ローンが組めない土地に対しての需要は少ないので、買い手が見つからない可能性があります。
なお、国有地の借地権を売却したい場合、借地権売却の実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。
「ローン承諾がもらえない」「地主が買い取ってくれない」などさまざまな借地権売却に携わった経験を活かし、適切なサポートを受けられるはずです。
国有地の借地権を売却する3つの方法
国有地の借地権を売却する際は、以下の3つの方法の中から検討しましょう。
- そのまま借地権を売却する
- 底地を購入してから売却する
- 国と同時売却する
そのまま借地権を売却する
1つ目は、借地権をそのまま売却する方法です。
地主である国の承諾が得られれば、借地権を第三者に売却可能です。
また、民間の地主と違い、承諾料として一定の金額を支払えば、売却を必ず承諾してくれます。
ただし、前述したとおり国が地主の場合、ローン承諾はみとめていません。
買い手は住宅ローンによる借り入れが難しいため、資金調達ができず、購入を控える原因となります。
したがって、借地権を売却できるまでに時間がかかる恐れがあります。
できる限り早く借地権を手放したい場合、借地権単体の売却より後述する2つの方法がおすすめです。
底地を購入してから売却する
国から底地を購入し、完全所有権の土地として購入希望者に売却する方法もあります。
前述したとおり、借地権のみの売却は、価格が低くなってしまいます。
一方、底地を購入して、完全所有権の土地にすれば、高値で売却することが可能です。
なお、完全所有権の土地となっているため、購入希望者が住宅ローンを組む際、地主のローン承諾は不要です。
買い手は土地の購入資金をローンで賄えるため、一般に買い手からの需要はさらに増すでしょう。
国から提示された底地の売却価格を見て、資金が出せそうなら、底地購入の後に土地を売却することを検討してみましょう。
国と同時売却する
国とともに、底地と借地権を同時売却することも可能です。
借地権の買主は底地と合わせて購入できるため、土地の完全な所有権を取得できます。
そのため、借地権単体の売却と異なり、買い手が見つかりやすいでしょう。
民間の地主と同時売却する場合は、売却金額の分け前で折り合いがつかず、交渉が決裂するケースもあります。
一方、国が地主の場合は、地主(国)と借地人それぞれ単独で買主と売却交渉をするため、受取金額による交渉決裂はないでしょう。
底地を購入する資金はないが、できる限り借地権を早く手放したい方におすすめの手段です。
同時売却の手続き
底地と借地権の同時売却は以下の手順で手続きを進めます。
- 国(財務事務所)に相談
- 借地権売却先の紹介希望の依頼書を提出
- 購入希望者の募集
- 購入希望者と借地人との借地権売却の交渉
- 購入希望者と国との底地売却の交渉
- 借地人から国への借地権売却の承諾申請
- 借地権・底地の売買契約の締結
「3.購入希望者の募集」では、以下の2つの方法で購入希望者を募集できます。
- 各財務局のホームページに物件情報の掲載
- 仲介業者への依頼
なお、底地と借地権の同時売却において、国は借地権の売却に一切関与しません。
借地人は買主との契約条件を自由に交渉できます。
国有地の借地権の売却は専門業者のサポートがあると安心
国有地の借地権に限らず、借地権売却は通常の不動産取引とは異なり、手続きが複雑です。
地主からの借地権売却の承諾申請の手続きや売却に必要な書類の収集などは、ノウハウのない一般の不動産会社では取り扱いが難しいでしょう。
スムーズに借地権の売却手続きを進めたいなら、借地権売却の専門業者に依頼するのをおすすめします。
借地権売却に必要な手続きや地主とのやり取りについて、ノウハウを蓄えているため、借地権の早期売却に向けた的確なサポートができるからです。
アルバリンクは、借地権の買取実績も豊富な不動産買取業者です。
借地権売却に関する知見を活かして、あなたの借地権売却のサポートをいたします。
また、弁護士や司法書士などの専門家とも提携しているため、法的な手続きに対してもスムーズに対処可能です。
国有地の借地権をどう処分したらいいのか分からない方は、アルバリンクへご相談ください。
まとめ
この記事では、国有地の借地権のメリット・デメリットと売却方法を紹介しました。
国有地の借地権の場合、借地権の売却承諾が必ずもらえる点がメリットの1つです。
また、国が底地売却を推進しているため、借地人に対して底地買取の通知や同時売却にも応じてくれます。
ただし、民間の地主の場合と異なり、借地権の買取には応じてくれません。
ローン承諾にも応じてくれないため、買主は購入資金をすべて自己資金で賄う必要があります。
国有地の借地権の処分方法としては、以下の3つの方法があります。
- そのまま借地権を売却する
- 底地を購入してから売却
- 国と同時売却する
なお、上記の借地権の処分方法を検討する前に、借地権の取り扱いに長けた不動産会社に相談することをおすすめします。
借地権の売却承諾や必要書類など取引に関する的確なアドバイスがもらえるので、スムーズな売却手続きが可能です。
アルバリンクは借地権の買取をしている不動産会社です。
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