孤独死が発生した物件の清掃は特殊清掃業者に依頼
孤独死が発生した物件の清掃は、自身で行おうとせず、特殊清掃業者に依頼しましょう。
そもそも特殊清掃とは、孤独死や事故死などにより特殊な状態にある部屋を清掃し、人が住める状態にすることを指します。
孤独死では、亡くなった方の体液や腐敗臭が部屋に充満しているケースも多く、一般的なハウスクリーニングでは人が住める状態まで回復できません。
そのため、特殊清掃が必要なのです。
まずは、孤独死物件の清掃を特殊清掃業者に依頼するべき理由について簡単に説明します。
完璧な消臭・消毒ができるから
遺体の発見が遅れた等の理由によって著しく汚染された物件も、特殊清掃業者であれば、完璧な消臭・消毒ができます。
孤独死が発生した場合、第三者に発見されるまでの日数は平均17日と言われています。
環境にもよりますが、死後17日経過すると、現場の遺体はかなり腐敗が進んでいて、強烈な臭いが発生しています。
このような部屋を、清掃の素人が完璧に消臭・消毒するのは困難ですから、特殊清掃業者に依頼して、完璧に消臭・消毒してもらいましょう。
特殊清掃業者なら、遺体が処理されたあとの部屋に対して、素人にはできない専門性の高い技術を使って以下のような清掃を行ってくれます。
- 床や壁に残る血液や体液、皮膚・毛髪などの汚染物の除去
- 特殊清掃専用の薬剤や機器をつかった脱臭
- ハエやウジ、ゴキブリなど害虫の駆除
上記の作業内容を一素人が行うのは難しいので、孤独死があった物件の清掃は必ず特殊清掃業者に依頼しましょう。
短期間で原状回復できるから
特殊清掃業者は汚染の著しい部屋の清掃するプロであるため、自分で清掃を行うよりも、短期間で原状回復できます。
早期に原状回復をすることで、遺体が接している部分の体液染み込みや匂いの染み付きを最低限に抑えられます。
精神的・体力的な負担や健康被害のリスクが減るから
孤独死が発生した場合、「特殊清掃費用を抑えたい」や「身内のことだから自分で清掃したい」と思うかもしれません。
しかし、自分で特殊清掃を行うと、孤独死の現場を目の当たりにする精神的なストレスや体力的な負担、感染症等の健康被害のリスクが伴います。
特殊清掃の専門知識や専用の防護服やマスクを持っていない方が特殊清掃を行うのは、精神的にも身体的にも危険です。
売却や賃貸がしやすくなるから
孤独死物件の清掃を特殊清掃業者に依頼すれば、売却や賃貸など、その後の物件の活用がしやすくなります。
前述の通り、特殊清掃業者なら完璧な消臭&消毒ができるからです。
反対に、素人による清掃で、完璧な消臭&消毒ができていないのであれば、買主(借主)がつくことはないでしょう。
特殊清掃にかかる費用
孤独死物件の清掃を特殊清掃業者に依頼するべきと言われても、その費用負担がどれくらいなのか気になりますよね。
この章では、特殊清掃にかかる費用と、誰が費用を負担するのかについて解説します。
孤独死清掃の料金相場
孤独死が発生した部屋の特殊清掃の料金は、主に以下の2つで決定します。
- 建物規模に応じた基本料金
- 原状回復を行うための各種オプション料金
たとえば、マンションや戸建てなど、建物規模によって基本料金は異なります。
また、部屋の大きさや清掃範囲によっても基本料金が変わってくるでしょう。
建物規模に応じた基本料金相場
孤独死に伴う特殊清掃の基本料金平均(特殊清掃業者の平均)は以下の通りです。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1K・1R | 3万円〜30万円 |
1LDK〜3LDK | 7万円〜50万円 |
4LDK以上 | 20万円〜60万円 |
上記の金額はあくまで相場価格です。
部屋の間取りが同じであっても、部屋の汚染具合によって大きく価格が変動します。
そのため、特殊清掃を依頼する場合は必ず複数者に見積もり依頼を行ってください。
なお、基本料金に含まれる主な清掃内容は以下の通りです。
- 清掃
- 最低限の消臭
- 最低限の消毒
基本料金はあくまでも、最低限の原状回復費として考えてください。
孤独死の発生状況次第では、さらにオプション料金が発生する場合があります。
特殊清掃の見積もりを依頼した際に、詳細をご確認ください。
ちなみに、特殊清掃に伴う合計費用の平均金額は、原状回復費で381,122円、残置物処理費で220,661円です。
参照元:第5回孤独死 現状レポート|一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会(P12)
このように、特殊清掃を伴う場合は、清掃費用が高額になりがちです。
「清掃費用に高いお金を払うなら、いっそのこと物件ごと手放したい」とお考えなら、孤独死物件を専門の買取業者に物件ごと買い取ってもらうことも検討してみてください。
専門の買取業者なら、清掃前の孤独死物件でもそのままの状態で買い取ってくれるからです。
詳細は「孤独死が発生した物件は専門の買取業者へ」の章で解説していますので、参考にしてください。
原状回復を行うための各種オプション料金相場
孤独死に伴う特殊清掃を行う場合、基本料金の他に各種オプションが必要となる場合があります。
主なオプションおよび料金は、特殊清掃業者の平均値で以下の通りです。
オプション名 | 料金 |
---|---|
床清掃 | 3万円前後 |
消臭・除菌 | 1万円〜2万円 |
害虫・害獣駆除 | 1万円前後 |
畳撤去 | 1枚/3,000円〜 |
ゴミの処分 | 要見積もり |
オプション料金は基本料金と比較すると少額で済む場合がほとんどです。
しかし、ゴミの処分料金に限っては、状況次第で高額になる可能性があります。
ゴミ料金は基本的に「人件費+ゴミの撤去費用」が発生します。
人件費は「1人/2万円〜」が相場ですが、ゴミ撤去費用は数十万円を超えるケースも珍しくはありません。
あらかじめ見積もりを取り、ゴミの撤去費用を確認しておきましょう。
孤独死の清掃費用は誰が負担するのか
そもそも、賃借人には、その物件を借りた当初の状態に戻して返還する「原状回復義務」があります。
しかし、孤独死した当人は、当然清掃費用を支払えません。
特殊清掃の費用はおよそ数十万かかり、決して安くないため「費用は誰が負担をするのだろう?」と不安を抱えているのではないでしょうか。
原則として、孤独死による清掃費用は、本人が入居時に支払った敷金で相殺します。
ちなみに、孤独死に伴って滞納した家賃がある場合も同様です。
以下では、敷金では清掃費用が賄い切れなかった際の、清掃費用の負担について解説します。
敷金で相殺できなかった清掃費用は保証人が負担する
孤独死による清掃費用を敷金で賄い切れなかったときは、「賃借人の保証人」が清掃費用を負担します。
保証人は、その物件を借りている賃借人を保証する立場にあることから、当然に賃借人の債務を負うものと考えられます。
賃借人は、死亡によって債務の履行が困難であるため、保証人となっている人が支払いをしなければいけません。
しかし、孤独死する人は、身内が少なくて保証人がいない傾向があります。
なお、「孤独死における原状回復は連帯保証人に請求できること」については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
保証人がいない・死亡しているなら相続人が負担する
賃借人に保証人がいない場合や保証人が他界している場合は、「賃借人の相続人」が清掃費用を負担します。
相続人は、被相続人(死亡した人)のプラスの財産のみならずマイナスの財産も相続をします。
そのため、保証人がいないのであれば、清掃費用も相続人に継承されます。
保証人も相続人もいないのであれば物件所有者が負担する
死亡した賃借人に保証人も相続人もいないのであれば、「物件の所有者(貸主)」が清掃費用を負担するしかありません。
ただし、物件の所有者が清掃費用の負担を回避する方法が2つあります。
1つは、死亡した賃借人の財産の有無を確認し、財産があるのであればそれを清掃の費用に充てる方法です。
具体的には、物件所有者自ら家庭裁判所に出向き、賃借人の相続財産清算人(相続人に代わって相続財産の管理や処分・換金を行う人)の選任を申立てます。
その後、家庭裁判所によって選任された相続財産清算人に、原状回復費(清掃費用)を請求すれば、後日清掃費用を支払ってもらえます。
くれぐれも、死亡した賃借人の部屋から勝手に財産を持ち出したり、換金したりしてはいけません。
2つめは、専門の不動産買取業者に、物件を売却してしまう方法です。
専門の不動産買取業者は、特殊清掃されていない物件もそのままの状態で買い取ってくれます。
そのため、貸主が清掃費用を負担する必要はありません。
むしろ売却金が手に入るので、貸主にとっては金銭的にプラスです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、孤独死物件を専門に扱う買取業者で、孤独死物件が未清掃でもそのままの状態で買い取っておりますので、気軽にご相談ください。
>>【孤独死物件でもそのままで高額売却!】無料で買取査定を依頼する
孤独死物件の活用方法によっては特殊清掃しない方が賢明
孤独死が起きた物件の活用方法によっては、特殊清掃しない方が賢明かもしれません。
具体的には、特殊清掃の要不要は以下2つのパターンで変わってきます。
- 「賃貸する」なら特殊清掃は必要
- 「売却する」なら特殊清掃は不要
賃貸利用するなら特殊清掃は必須
孤独死が起きた物件を賃貸物件として第三者に貸し出すのであれば、特殊清掃業者による清掃は必須です。
十分に清掃されていない部屋を借りたがる賃借人はいないからです。
ただし、特殊清掃をしても、賃借人のつきにくさはあまり変わりません。
孤独死が起きた場合、3年間は告知義務が課せられるからです。
特殊清掃によって告知義務が消失する、告知義務が課せられる期間が短くなるということもありません。
だとしても、特殊清掃業者による清掃で完璧に消臭&消毒しなければ、入居者を確保するのはさらに困難になりますから、孤独死物件を貸し出す際は特殊清掃を必ず行ってください。
売却するなら特殊清掃しない方が賢明
孤独死が起きた物件を売却するのであれば、安易に特殊清掃をしない方が賢明かもしれません。
そもそも、不動産の売却方法には2通りあります。
「不動産仲介業者に個人の買主を探してもらう方法」と「不動産買取業者に直接買い取ってもらう方法」です。
不動産の売却方法としては前者がメジャーかもしれませんが、いくら特殊清掃が行われていても、孤独死が発生した物件を購入したいという人は滅多にいません。
そのため、特殊清掃を行っても、物件が売れ残ってしまうリスクが高いのです。
もし、賃借人の保証人や相続人が清掃費用を負担せず、物件所有者が支払わなければならないなら、専門の不動産買取業者にそのまま物件を売却しましょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、特殊清掃が行われていない事故物件も、そのままの状態で買い取れます。
「こんな物件に金額がつくの?」と疑心暗鬼の方も、ぜひ一度弊社にご相談ください。
今以上に孤独死物件の汚損がひどくならないよう、早めに売却を検討しましょう。
>>【孤独死物件でもそのままで高額売却!】無料で買取査定を依頼する
仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
孤独死が発生した物件は専門の買取業者へ
孤独死が発生した物件は、特殊清掃を行う前に、専門の買取業者に直接売却することをオススメします。
専門の買取業者なら、特殊清掃が必要な物件も、そのままの状態で買い取れます。
買取業者は社員の居住用として物件を買い取るわけではなく、再販事業用として買い取るからです(再販事業とは、買い取った不動産を再販し、買取金額と再販金額の差額で利益を上げることです)。
住居用(終の棲家)として購入する個人の買手は、物件内で起こった孤独死に抵抗感を抱くため、滅多に購入に至りません。
一方、買取業者は、物件を再販して収益化することを目的としているため、情緒的な理由で、孤独死が発生した物件の買取をためらうことはありません。
また、買取業者は孤独死があった物件に付加価値をつけるノウハウや、再販するルートを豊富に持ちあわせています。
孤独死があった物件も収益化に繋げる自信があるので、高確率で買い取ってくれるのです。
また、買取業者に直接売却すれば、売主には以下のようなメリットがありますので、詳しく解説していきます。
- 平均1ヶ月で確実に売却できる
- 売却経費がかからない
- 契約不適合責任が免責される
平均1ヶ月で確実に売却できる
専門の不動産買取業者は、孤独死が発生した物件でも平均1ヶ月、書類が揃っていれば数日で買い取れます。
買取業者に直接売却するのであれば、事故物件を購入する意思がある稀有な買主が現れるのを待つ必要がないからです。
一般的な不動産業者に売却を依頼した場合、買い手は快適に住める家を探している一般個人となります。
一般個人は、孤独死が起きた物件のように「精神的に不快感を感じる物件」は敬遠する傾向にあります。
そのため、孤独死が起きた物件は買い手が現れるのに時間がかかります。
実際に、弊社アルバリンクが独自に調査した「事故物件はあり?なし?」のアンケートでは、71.4%の人が「なし」と答えており、孤独死物件が敬遠されていることがわかります。
しかし、専門の買取業者に依頼した場合は、買取業者が直接あなたの物件を買い取るので、買い手を探す時間が必要ありません。
買取業者が提示した買取金額に、あなたが納得できれば、すぐに売買契約を結べるのです。
なお、弊社は孤独死物件を専門に扱う買取業者で、孤独死が発生した物件でもスピーディーに買い取れますので、早急に物件を手放したい方は、ぜひご相談ください。
>>【孤独死物件でもそのままで高額売却!】無料で買取査定を依頼する
売却経費がかからない
専門の買取業者に直接売却すれば、特殊清掃費用をはじめとする以下の費用を、売主が負担する必要はありません。
- 清掃費用
- 修繕・リフォーム費用
清掃費用
前述の通り、専門の買取業者に直接売却すれば、およそ30~60万円もの特殊清掃費用を売主が負担する必要はありません。
買取業者が、再販事業の一環として特殊清掃も行ってくれます。
修繕・リフォーム費用
物件に破損箇所がある、建物の老朽化が著しい等、修繕やリフォームが必要であっても、売主が費用を負担する必要はありません。
特殊清掃費用と同様、買取業者が、再販事業の一環として修繕やリフォームも行ってくれます。
部分的な修繕なら数十万、大規模なリフォームであればおよそ1,000万近くかかりますが、これだけの費用をかけても、孤独死が発生した物件は売却できないリスクがあります。
そのため、専門の買取業者にそのままの状態で売却するのが賢明です。
契約不適合責任が免責される
契約不適合責任とは、売却した不動産に契約書に記載されていない不具合が見つかったとき、売主に課せられる責任です。
専門の不動産買取業者に物件を直接売却すれば、売主に課せられる契約不適合責任が完全に免責(免除)されます。
買取業者は、事業用として孤独死物件を購入します。
仮に買取後に欠陥が見つかったとしても、自ら直す前提で買い取ってくれるのです。
一方、買主が個人の場合は、すぐに住める状態の家を探しているため、購入後に欠陥があっては生活に支障をきたします。
そのように一般個人の買い手の生活を守る必要があるため、契約不適合責任は免除せずに契約する必要があるのです。
孤独死があった物件は、建物の躯体部分に、遺体の発見が遅れたことによる汚染や害虫被害が隠れている恐れがあります。
もし売却後にそのような不具合が見つかったら、買主から損害賠償や売買契約の取り消しを請求されてしまいかねません。
「孤独死物件を後腐れなく売却したい」とお考えなら、買取業者に直接売却すれば、売却後も契約不適合責任を問われる心配はないので安心です。
もちろん、弊社AlbaLink(アルバリンク)も、売主さまの契約不適合責任を完全免除で物件を買い取っております。
遺体の発見が遅れて汚損が激しい不動産も、後腐れなく、安心して手放せますので、お気軽にお問い合わせください。
>>【孤独死物件でもそのままで高額売却!】無料で買取査定を依頼する
なお、契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
弊社Albalinkの事故物件の買取事例
ここまで、事故物件は特殊清掃をせず専門の買取業者に売却するのが最適とお伝えしました。
そこでこの章では、弊社Albalinkを例にとり、実際の事故物件の買取事例を紹介します。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような事故物件を多数買い取ってきました。
実際、弊社は下記のように「孤独死」「自殺」「溺死」などさまざまな事故物件を全国から買い取っています。
上記の買取金額を見ていただけばわかる通り、弊社は事故物件であっても物件全体の価値を適切に評価し、適正価格で買い取っています。
実際、事故物件をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「思った以上の高値で買い取ってもらえた」「もっと早く依頼すれば良かった」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
そのため、事故物件というデリケートな対応が求められる物件も、売主様のプライバシーを守りながら、速やかに高値で買い取らせていただきます。
信頼できる買取業者に安心して事故物件を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
>>【孤独死物件でも特殊清掃なしで高額売却!】無料で買取査定を依頼
孤独死が発生した場合の対応
隣人や近隣住民からの苦情や以上の報告により、物件所有者が孤独死を発見した場合、特殊清掃を依頼するまでに以下の対応が必要になります。
- 警察へ連絡をする
- 遺族に遺体の引き取りを依頼
- 遺族に遺品整理を依頼
次に、孤独死が発生した場合の流れについて詳しく解説します。
警察へ連絡をする
孤独死を発見した場合、まず先に警察へ連絡をしてください。
このとき、できるだけ室内を動かさないようにしておくことが大切です。
なぜなら、警察による現場検証が行われるためです。
保証人や遺族へも同時に連絡をする
警察への連絡と同時に、保証人や遺族の連絡先を知っている場合は連絡をしておいてください。
保証人や遺族への連絡は義務ではないため、必ず行う必要はありません。
しかし、今後の流れを円滑に進めるためにも連絡しておいたほうが良いでしょう。
遺族に遺体の引き取りを依頼する
警察による現場検証が終了次第、遺族に遺体の引き取りを依頼します。
ただし、孤独死の状態によっては警察による検死を行う場合があります。
この場合は、警察が遺体を引き取るため、遺族への依頼は必要ありません。
遺族がいない場合は自治体で火葬を行う
万が一、孤独死された人に遺族がいなかったり、遺族が遺体の引き取りを拒否したりした場合は、「行旅死亡人(こりょしぼうにん)」として扱われます。
行旅死亡人は自治体が遺体の引き取り・火葬を行い、遺骨は無縁仏に納められます。
遺族に遺品整理を依頼する
孤独死した人に遺族がいる場合は、遺体の引き取りと同時に遺品の整理も依頼しておきましょう。
賃貸人が勝手に遺品を整理したり処分したりすることのないように注意してください。
誤って遺品を処分したりした場合、後に遺族とトラブルになる可能性が高いためです。
ただ、遺品が残っていることによって賃貸できない、売却をできないといったことが起こり得るため、国土交通省で残置物撤去のガイドラインがあります。
内容は、賃貸借契約時にあらかじめ、孤独死があった場合などに残置物を撤去するといった契約書を取り交わしておく対策を行うことが記載されています。
このガイドラインに記載されていることを踏まえ、事前に対策を検討しておくと良いでしょう。
また、遺族には遺品整理を専門とする業者に依頼して遺品整理を行うことを推奨してください。
遺品整理業者なら、遺族の気持ちに寄り添い、後悔が残らないように遺品の整理をサポートしてくれますので、孤独死現場の残置物もスムーズに片付きます。
遺族がいない場合は相続財産清算人の選任が必要
遺族がいないもしくはわからない場合は、家庭裁判所に申し立てを行って、相続財産清算人を選任します。
その後、遺族等を探してもなお見つからない場合は、遺産を債権者に分配して残りは国庫に帰属します。
孤独死による物件オーナー・近隣への賠償責任
孤独死が発生した部屋は、死亡の仕方や発見までの期間によって近隣や物件所有者に損害が発生する可能性が考えられます。
たとえば、異臭による健康被害を訴える近隣住民がいるかもしれません。
また、孤独死によって賃貸借が難しくなったり、しばらく貸し出すことができなかったりする可能性もあります。
こういった損害が発生した場合に「賠償責任を追求したい」と考えるのは当然のことです。
次に、孤独死が発生した場合の賠償責任は誰に帰属するのか、について詳しく解説します。
故意や過失がない場合は賠償責任を負わない
孤独死をした人に故意や過失がない場合は、基本的に賠償責任は発生しません。
つまり、隣人や物件所有者など実際に損害を受けた人であっても、損害賠償責任を誰かに追求することができません。
故意や過失による損害賠償を求める場合は、請求する側が故意や過失があったことを証明する必要があります。
証明は非常に困難であるため、現実的に考えると賠償責任の追求は難しいと考えます。
たとえば、室内で病死してしまった場合は、賃借人に故意や過失はないため損害賠償は請求できません。
故意や過失がある場合は遺族が隣人への賠償責任を負う
仮に、孤独死に故意や過失が認められた場合は、賃借人が隣人や物件所有者に対して、損害賠償責任を負います。
しかし、賃借人は死亡しているため債務の履行ができません。
この場合、損害賠償責任を負う順位は孤独死清掃費用を支払う場合と同じです。
基本的には保証人が負担し、保証人がいない場合は相続人が負うことになります。
事故物件の損害賠償責任を遺族が負うケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
遺族がいない場合は保証人が責任を負う
賃借人が残した賠償責任は、原則、保証人や遺族が負担します。
ただし、相続人等が相続放棄をすることによって、その責任を免れる可能性があります。
相続するプラスの財産とマイナスの財産を考慮したうえで相続放棄をするか否かも含めて検討されてみてはいかがでしょうか。
遺族・保証人がいない場合は死亡者の財産から支払われる
遺族や保証人がいない場合は、賃借人の財産から賠償金額が支払われます。
ただし、死亡した賃借人から請求する場合は、相続財産清算人の選任が必要です。
なお、遺族・保証人がいない場合であって、賃借人に財産がない場合は損害賠償の責任を追求するのは困難になるため大家の負担になります。
賠償責任の請求は、その事実を知ったときから3年で時効を迎えます。
3年以内に相続人等が現れた場合は、その人に請求しても良いでしょう。
原状回復費も遺族が責任を負う
賃貸していた物件の原状回復義務も、原則保証人や相続人が負います。
もし、保証人や相続人がいない場合は、物件所有者が負担をするしかありません。
なお、原状回復費の請求は、物件の返還を受けてから1年以内に行わなければいけません。
そのため、返還を受けてから1年以内であれば、遺族等に原状回復費用を請求できる場合もあります。
賃貸人ができる孤独死への備え
単身世帯の人と賃貸借契約を締結する場合、とくに高齢者に貸し出す場合は孤独死へのリスクを懸念しておかなければいけません。
万が一、孤独死が発生した場合は、特殊清掃費用で数十万円以上の費用が発生する上に、しばらくの間物件を貸し出せないといった損害が発生します。
このような事態に対するリスクヘッジも、あらかじめ検討しておいたほうが良いでしょう。
次に、賃貸人ができる孤独死への備えについて詳しく解説します。
賃貸借契約時に保証人を設定しておく
賃貸借契約時に保証人を設定しておくことで、孤独死が発生した場合のリスクヘッジに繋がります。
先ほども解説したように、孤独死に伴う特殊清掃費用や損害賠償責任は、保証人に対して請求ができます。そのため、あらかじめ保証人を設定しておくことで、責任を追求できるため安心です。
また、保証人を設定しなくても、家族(相続人となる人)の連絡先を把握しておいても良いでしょう。
万が一、賃借人が死亡した場合は、相続人に孤独死に伴う清掃費用を請求できる場合があるためです。
孤独死保険への加入を検討する
孤独死が発生した場合の損害を補填する役割を担っている保険があるため、それらの保険を契約しておくことでリスクヘッジに繋がります。
保険は、賃借人向けのものと大家向けのものがあります。それぞれ、どのような保険商品なのか詳しく解説します。
賃借人向け
賃借人向けの孤独死保険は「賃貸入居者総合保険」で対応できる場合があります。
販売されている商品の数は少ないため比較検討は難しいですが、リスクヘッジとして加入を検討しても良いでしょう。
また、物件所有者はとくに高齢者へ物件を貸し出す際に、賃貸入居者総合保険への加入を義務付けておいても良いでしょう。
大家・管理会社向け
大家さんや管理会社向けの保険は「賃貸住宅総合保険」という名前で販売されています。
入居者向けと比較して種類が多く、比較検討しやすいのがメリットです。
また、入居者向けと比較して補償範囲が広いのも特徴です。
一方で、補償範囲が広範囲になるため、補償漏れの発生に注意しなければいけません。
本当に必要な補償に漏れがないかどうかを確認してから、契約を締結してください。
まとめ
今回は、孤独死が発生した物件を清掃する際に、知っておくべきことを解説しました。
実家や、所有している物件で孤独死が発生したら、まずは清掃業者に特殊清掃を依頼しようと考える方が多いと思います。
しかし、孤独死が発生した物件のその後の活用方法によっては、特殊清掃を行う必要はありません。
もし、孤独死が発生した物件を売却する選択肢も視野に入れているなら、特殊清掃をする前に、まずは専門の不動産買取業者に相談してみましょう。
専門の買取業者は、清掃費用込みの金額で、孤独死が発生した物件をそのまま買い取ってくれるからです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は孤独死物件を専門に扱う買取業者です。
孤独死が発生した物件のような、いわゆる訳あり物件をこれまで数多く買い取っており、フジテレビの「Newsイット!」に取り上げられた実績もございます。
上記画像のように、「本当にお金になるのか?」と思えるような物件でもできる限り高く買い取っており、あなたの孤独死物件も例外ではありません。
「清掃費用を支払わずに孤独死物件を高く売却したい」というご要望にお応えする自信がありますので、まずは弊社にご相談ください。
もちろん、査定や相談のみのお問い合わせでも大歓迎です。