再建築不可物件とは建て替えができない物件のこと
再建築不可物件とは法律的に現在ある建物を解体して新たに建物を建てられない物件のことで、基本的に増築や大規模なリフォームもできません。
再建築不可物件は都市計画法によって定められている都市計画区域と準都市計画区域にのみ存在しています。
上記の区域内で建物を建てる場合は、建築基準法で定められている接道義務を満たす必要があります。
敷地が原則として幅員4mの建築基準法上の道路に2m以上接していなければいけないという規定のこと
接道義務は災害時の避難経路や緊急車両の通路を確保するために定められており、満たしていない土地では建物が建てられないのです。
再建築不可物件が存在する理由
再建築不可物件が存在する理由として、建築基準法で接道義務が定められた時期や都市計画法が制定された時期が関係しています。
接道義務は1950年に建築基準法が法改正されたことで定められ、都市計画法は1968年に制定されています。
そのため、接道義務が定められる1950年以前に建てられた建物や都市計画法が制定される1968年以前に建てられた建物には、接道義務を満たしていない物件が存在するのです。
再建築不可物件で後悔する理由7選
弊社がおこなったアンケート調査によると、マイホームを購入して「後悔していることがある」と回答した方の割合は全体の7割を超えました。
再建築不可物件を所有して後悔しないよう、事前におもな理由を確認しておきましょう。
再建築不可物件で後悔する理由は以下の7つです。
建て替えできない
再建築不可物件で後悔する理由として、建て替えできないことが挙げられます。
相続した不動産や安く購入した物件が再建築不可物件だった場合、解体した場合は新しく立てることができないため、後悔することになるでしょう。
また、再建築不可物件はリフォームにも制限があります。
再建築不可物件はどこまでリフォームできるかについては、こちらの章で詳しく解説しています。
放置して建物の劣化が早まった
再建築不可物件を相続した場合などで、建て替えができないからと放置すると、建物の劣化が早まり後悔するケースもあります。
住宅は人が住まないと建物の劣化が早くなり、雨漏りが発生したり、地震などで倒壊したりといった恐れが生じます。
空き家を放置していると劣化が早まる理由は、以下の記事で詳しく解説しています。
住宅ローンが組めない
再建築不可物件は住宅ローンが組めないことも後悔する理由といえます。
建て替えができない再建築不可物件は、担保価値が低いため住宅ローンが組めないことがほとんどです。
ほとんどの人は現金一括で家を購入することができないため、住宅ローンが組めない再建築不可物件は売却に苦労することが多いです。
再建築不可物件でも組めるローンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
リフォームや増改築の規制が多い
再建築不可物件はリフォームや増改築の規制が多いことも後悔する理由の1つです。
再建築不可物件は建て替えはできませんが、リフォームすることは可能です。
しかし、リフォーム・増改築に対する規制が多く、希望するリフォームが行えない可能性があるでしょう。
再建築不可物件では、建築確認申請が不要なリフォームであれば行えます。
建築確認申請が不要なリフォーム・増改築は、以下のような工事が対象です。
- 水回り設備の交換
- 壁紙の張替え
- 床材の張替えなど
上記のような軽微なリフォームなど10㎡未満の増改築と主要構造部の1/2未満の修繕工事では、建築確認申請が不要です。
10㎡未満の増改築であっても防火地域や準防火地域では建築確認申請が必要になります。
また、2025年4月に建築基準法の改正が予定されており、これまで建築確認申請をする必要がなかった4号建築物でも確認申請が必要になるケースがあります。
なお、再建築不可物件のリフォーム可能な範囲については、以下の記事で詳しく解説しています。
リフォーム代が高くなる可能性がある
再建築不可物件ではリフォーム代が高くなる可能性があります。
先述のとおり、再建築不可物件は接道義務や都市計画法が制定される前に建てられた物件が多いため、築年数が古い建物がほとんどです。
そのため、旧耐震基準で建てられている建物やメンテナンスが不十分な建物が多いでしょう。
1981年5月31日までの建築確認において適用されていた耐震基準
耐震補強工事が必要になったり、給排水管の交換が必要になったりとリフォームの規模が大きくなるため、リフォーム代が高くなる可能性があります。
また、再建築不可物件では工事車両が通りにくいことが多いため、リフォームに必要な資材などを手作業で運ぶ必要があります。
通常のリフォームよりも長い期間を要することになるため、リフォーム代が高額になりやすいでしょう。
不動産投資用として購入して失敗した
再建築不可物件を不動産投資用として購入して失敗することも後悔する理由です。
物件価格が安いため投資用として購入しても、築年数が古い再建築不可物件は高い家賃収入は期待できないことがほとんどです。
むしろ築年数が古く設備が古かったり、安全性を問題視されたりと入居者が見つからない可能性があるため、長期間空室になるリスクもあるでしょう。
高額な修繕費や固定資産税などの維持費の負担で、不動産投資としてのトータル収支がマイナスになって失敗するケースもあります。
地震で倒壊すると住めなくなる
地震で倒壊すると住めなくなることも再建築不可物件で後悔する理由といえます。
再建築不可物件は、たとえ地震などで倒壊したケースであっても建て替えは認められません。
また、隣家の火事によって焼失した場合も同様です。
仮に再建築不可物件を購入して住んでいる状態で自然災害や火災の被害に遭ってしまった場合は後悔することになるでしょう。
なお、再建築不可物件が地震で倒壊するリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
近隣住民から損害賠償を請求される可能性がある
所有している再建築不可物件が地震などの自然災害で倒壊して隣家や通行人に被害を与えた場合は、損害賠償を請求される可能性があります。
倒壊する原因が地震などの自然災害であっても、責任の所在はあくまで所有者にあるのです。
公益財団法人日本住宅総合センターの調査によると、空き家の倒壊によって隣家が全壊して隣人がなくなる事故が起こった場合は2億円を超える賠償額が試算されています。
参照元:公益財団法人日本住宅総合センター|空き家発生による外部不経済の損害額の試算結果
更地になると固定資産税が最大6倍になる
地震で建物が倒壊して更地になった場合は、住宅用地の特例を受けられなくなるため、固定資産税が最大6倍になります。
住宅が建っている土地にかかる固定資産税における特例措置のこと
参照元:国土交通省|土地の保有に係る税制
たとえば、住宅用地の特例を受けている場合と、地震で建物が倒壊して特例を受けられない場合で固定資産税の税額を比較してみましょう。
建物の固定資産税評価額1,000万円、土地の固定資産税評価額1,200万円、土地の面積200㎡のケースでは
【住宅用地の特例が受けられる場合】
建物の固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)
=1,000万円×1.4
=14万円
土地の固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)×1/6
=2,400万円×1.4×1/6
=5万6,000円
固定資産税の合計額=14万円+5万6,000円
=19万6,000万円
【建物が倒壊して特例を受けられない場合】
土地の固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)
=2,400万円×1.4
=33万6,000円
建物が倒壊すれば、建物における固定資産税はなくなりますが、土地にかかる固定資産税が最大6倍になるため、結果として固定資産税は14万円も増額されることになります。
維持費がかかり続ける
再建築不可物件を所有していると固定資産税などの維持費がかかり続けることも後悔する理由の1つです。
相続した不動産が再建築不可物件であった場合は放置されることも多いですが、所有している限り、固定資産税などの維持費がかかり続けることになります。
また、先述のとおり、再建築不可物件は築年数の古い物件が多いため、修繕費も高額になる可能性が高いといえるでしょう。
なお、再建築不可物件にかかる固定資産税額の計算方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
売却しづらい
再建築不可物件は売却しづらいことも後悔する理由として考えられます。
建て替えできない再建築不可物件は資産価値が低く、リフォームや増改築の規制が多かったり、住宅ローンが組めなかったりと購入する側のデメリットが多く存在します。
そのため、居住用として購入する買い手が現れることは少なく、投資用として購入する人に期待することが現実的でしょう。
再建築不可物件で後悔しないための対策
再建築不可物件で後悔しないために、以下の3つの対策を検討しましょう。
なお、再建築不可を再建築可能にする裏技については、以下の記事で詳しく解説しています。
セットバックする
再建築不可物件で後悔しないための対策として、セットバックすることが挙げられます。
セットバックとは土地と道路の境界線を一定のルールに従って後退させて建物を建てることです。
たとえば、下図のように3.5mの道路に敷地が面している場合は、0.5m後退させることによって建築基準法を満たせるため再建築が可能になります。
ただし、道路を挟んで敷地の向かい側にも住宅がある場合は、中央線から2m後退させる必要があります。
セットバックして道路になった部分の土地は自治体が所有者となるため、固定資産税や都市計画税の負担が軽くなる可能性があるでしょう。
しかし、セットバックするためには費用が発生し、自己負担となります。
登記にかかる費用や測量費用、道路の整備費用などがかかり、一般的な相場は30〜100万円程度です。
隣地を購入する
再建築不可物件では隣地を購入することも後悔しない対策です。
たとえば、下図のように建築基準法上の道路に1.5mしか接道していない場合で0.5m分の隣地を購入できれば接道義務を満たせるため、再建築が可能になります。
また、上記の場合で隣地全体を購入できれば、道路に面する敷地の幅が広くなるため、資産価値が高くなる可能性があるでしょう。
しかし、隣地の所有者が売却しても問題ないような余分な土地であること、かつ隣地の所有者との関係性が良好で交渉に応じてもらう必要があります。
さらに隣地を購入するための資金も必要となるため、他の再建築可能にする方法と比べて難易度の高い方法といえます。
43条2項(旧・但し書き道路)の申請をする
再建築不可物件においては43条2項(旧・但し書き道路)の申請をすることも後悔しない対策といえます。
43条2項申請とは建築基準法の道路に接道していない場合でも一定の条件を満たすことによって例外的に再建築が可能になる手続きのことです。
43条2項申請の満たすべき要件は、以下のとおりです。
- 敷地の周辺に広い空き地があるなどの基準に適合すること
- 交通上や安全上、防火及び衛生上に支障がないこと
- 建築審査会の同意を得ること
所有する再建築不可物件が上記の要件を満たしているかは、自治体の都市計画課の窓口にて相談しましょう。
なお、43条2項(旧・但し書き)道路で起こるトラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
再建築不可物件を活用する裏ワザ3選
再建築不可物件として活用する方法は、以下のとおりです。
- 戸建て賃貸経営
- トランクルーム経営
- 駐車場経営
たとえば、相続した不動産が再建築不可物件で住む予定がない場合は、賃貸に出して家賃収入を得ることも可能です。
相続した再建築不可物件で賃貸経営ができれば、定期的に家賃収入が入り、管理をする手間が省けるメリットがあります。
ただし、先述のとおり、再建築不可物件は築年数が古い物件が多いため、高額な修繕費がかかり、収支がマイナスになる恐れがあります。
なお、再建築不可物件の活用方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
再建築不可物件のメリット
後悔することが多い再建築不可物件ですが、以下のような2つのメリットもあります。
安く購入できる
再建築不可物件のメリットとして、通常の物件に比べて安く購入できることが挙げられます。
先述のとおり、再建築不可物件を購入する人は限られるため、通常の物件の相場と比較して安く購入できるでしょう。
再建築不可物件の相場は、通常の物件の5~7割程度になることが一般的です。
そのため不動産投資家などを見つけることが出来れば、売却することが可能です。
固定資産税が安く設定されている
再建築不可物件は固定資産税が安く設定されていることもメリットです。
建て替えできない再建築不可物件は資産価値が低いため、固定資産税評価額が低くなる傾向にあります。
固定資産税や都市計画税は固定資産税評価額が低くなるほど安くなるため、上手に活用できる場合は大きなメリットといえるでしょう。
再建築不可物件で後悔した場合はアルバリンクへ売却する
再建築不可物件を購入した場合や相続した場合で後悔した際はアルバリンクへ売却しましょう。
弊社アルバリンクは、再建築不可物件を含めた訳あり不動産を全国から積極的に買い取っている業者です。
以下は、弊社が実際に「買取を行った再建築不可物件」の事例です。
【買取した空き家の概要】
物件の所在地 | 秋田県横手市 |
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物件種別 | 戸建て |
【お客様のお声】
実家を相続してから5年ほど経ったタイミングでご近所さんから連絡が来てしまいました。実家の屋根の一部が崩れ、ご近所さんの敷地に落ちて来たとのこと。
庭いじりが趣味のおじいさんがいらっしゃったのですが、幸いにも誰にも怪我はなかったものの本当に怖い思いをしました。万が一のことも可能性としてあったわけですから・・・最悪何千万という損害賠償を受けていたかも知れません。
ただ、私は県外に住んでおり、頻繁に管理のために訪れることも出来ないのですぐに売却を開始しました。築年数が古い建物なので、仲介で売れる可能性は少ないと思い、地元の買取業者に依頼。しかし、再建築不可が発覚し買取拒否されてしまいました。
そんな時、テレビでアルバリンクさんが取り上げられているのを見てスグに問い合わせ。担当者の方がマメに連絡をしてくれて、不安なく契約まで進めることが出来ました。再建築できないこと以外にも室内が荷物でいっぱいだったりと問題があったのですが、全てクリアして貰い感謝しています。
上記の方以外にも、多くのお客様から感謝のお言葉をいただいております(下記Googleの口コミ参照)。
弊社は2011年に創業以来、200件以上の再建築不可物件を買い取っている業者で、2023年に上場しています。
査定依頼をいただいても、無理な営業は行いませんので、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
>>【再建築不可物件でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
まとめ
今回は、再建築不可物件で後悔する理由について詳しく解説しました。
再建築不可物件は安く購入できるメリットはありますが、所有するデメリットがたくさんあるため、購入する場合や相続する場合は慎重に検討することをおすすめします。
再建築不可物件を購入した場合や相続した場合で後悔した際は、専門の不動産買取業者に直接売却しましょう。
専門の不動産買取業者であれば、築年数が古い再建築不可物件でも、1週間から1ヶ月の短期間で現金化することが可能です。
また、買取業者であれば、契約不適合責任を免責して契約できるメリットもあります。
築年数が古い再建築不可物件は把握できていない欠陥や不具合も多いため、契約不適合責任を免責できることは大きなメリットだといえます。
なお、弊社アルバリンクも契約不適合責任を免責して、再建築不可物件を買い取っている業者で、「フジテレビ」を始めとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
相続した再建築不可物件を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。