「古民家差し上げます」は北海道で増えつつある
空き家率が年々増加している北海道では、「古民家差し上げます」の取引が増えつつあります。
総務省の統計調査によると、北海道内の総住宅数に対する空き家率は過去最高の15.6%、全国平均の13.8%を上回る結果となっています。
参照元:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」
適切な管理をされていない空き家は、建物の耐久性が下がり、地震・台風などのキッカケで倒壊を引き起こしやすくなります。
そのため、北海道では空き家の物件情報の公開とともに移住情報・仕事情報なども積極的に発信しており、「古民家差し上げます」を実現しやすい環境が整えられているのです。
参照元:北海道 建設部住宅局建築指導課「北海道空き家情報バンク」
「空き家差し上げます」など、0円物件のカラクリと注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

北海道の古民家を放置する3つのリスク
北海道は古民家を手放しやすい環境下にあるとお伝えしました。
しかし、「いつでも手放せそうだから急ぐ必要はない」という安易な発想を持つのは危険です。
北海道の古民家を放置するリスクは、以下の3つです。
空き家状態で放置するリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

土地の固定資産税が最大6倍になる可能性がある
古民家が特定空き家に指定されると、土地の固定資産税が最大6倍まで跳ね上がる可能性があります。
特定空き家とは、現状のまま放置すると地域住民に悪影響を及ぼすと自治体に認定された空き家です。
特定空き家に指定されると自治体職員から管理状態を改善するよう助言・指導がされ、対処しないまま放置すると勧告を受けます。
勧告を受けた段階で住宅用地の特例が除外されるため、翌年以降の土地の固定資産税が最大6倍まで上がる可能性があるのです。
住宅が建つ敷地に対して適用される税の軽減措置。特例の適用によって、土地の固定資産税が3分の1、もしくは6分の1まで軽減されている
敷地の面積が200㎡以下・土地の評価額が1,000万円だった場合、年間2万3,333円だった固定資産税は14万円まで増額する計算となります。
古民家が遠方にあるなどで定期的に管理ができない場合は、税負担が重くなる前に手放すのが得策といえます。
空き家の固定資産税については、以下の記事で詳しく解説しています。

近隣住民から苦情が入る
古民家に適切な管理をしないまま放置すると、近隣住民から苦情が入る可能性が高くなります。
空き家は雑草の繁殖・ゴミの不法投棄などによって害虫が繁殖したり、悪臭を放ったりして近隣住民の生活にマイナスな影響を及ぼしやすいからです。
くわえて、築年数が古い古民家の場合、冬の時期を迎えると雪の影響で家屋の一部もしくは全部が崩落する可能性があります。
実際に、旭川市では管理不全状態の空き家が積雪の影響で屋根の一部が崩落し、自治体によって強制解体されている事例があります。
上記は、管理不全状態の空き家があると近隣住民から通報を受けたことをキッカケに強制解体に至り、所有者には解体費用約410万円が請求されています。
古民家を所有したまま放置すると近隣住民に危険な思いをさせるだけでなく、金銭的負担も強いられる可能性があるのです。
空き家放置が招く近隣トラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。

犯罪に悪用される恐れがある
古民家を放置すると、犯罪に悪用される恐れがあります。
監視の目が行き届かない空き家は、犯罪者にとって活動しやすい環境下だからです。
実際に、北海道札幌市では2024年10月に放火によって空き家が全焼し、その周辺住宅5棟にも延焼した事件が発生しています。
参照元:北海道ニュースUHB「焼け落ちた屋根から噴き出し続ける白煙 」
放火犯は、「承認欲求を満たしたい」「スリルを味わいたい」といった個人的な感情でも犯行に及びます。
とくに、古民家のような木造住宅は「燃えやすそうな建物」として、放火犯のターゲットにされやすくなるので危険です。
大切な古民家とその周辺住民を守るためにも、早期に手放したほうが安全といえます。
空き家が遭いやすい犯罪については、以下の記事で詳しく解説しています。

北海道で「古民家差し上げます」を実施する5つの方法
北海道で「古民家差し上げます」を実施する方法は、以下の5つです。
最適な譲渡方法を選び、古民家を維持する負担・所有するリスクからいち早く抜け出しましょう。
不動産仲介業者に売却を依頼する
もっともオーソドックスな方法として、不動産仲介業者への売却依頼が挙げられます。
仲介業者とは、売主・買主の間に入って成約をサポートする不動産業者です。
仲介は物件情報を幅広く宣伝できるので、買い手が多く募れる古民家であれば市場価格で売却できる点がメリットです。
古民家の状態がよくない場合でも、リフォームをする・更地にするなどで資産価値を高めれば仲介で売れる可能性があります。
ただし、古民家の立地条件によっては資産価値を高めても売却できない可能性があります。
弊社が行った「家を購入した経験のある人へのアンケート調査」でも、家選びで優先された要素のダントツは「立地」という結果になりました。
具体的には、市街地まで車で10分圏内・コンビニやスーパーが近いなどの立地が人気条件として挙げられます。
古民家のリフォームや解体は多額の費用がかかるため、工事によって十分な費用対効果が得られるかどうかは慎重な判断が必要です。
不動産買取業者に直接売却する
古民家を不動産買取業者に直接売却する方法です。
売主・買主のマッチングをする「仲介」に対して、売主・業者の2者間で直接売買するのが「買取」という点が両者の違いです。
買取業者は付加価値を付けて再販する目的で不動産を買い取っている業者であるため、リフォーム・解体なしで古民家を売却できます。
ただし、買取業者であればどこでも買い取ってもらえるわけではありません。
築年数が古い・立地が悪い・建物の状態がよくないなど、需要が低い物件の買取・再販に力を入れている専門の買取業者でなければ買取不可になる可能性があります。
買取業者のホームページで、どのような物件を扱っているか確認してから査定を依頼することが重要です。
次項では、訳あり物件に強い専門の買取業者である弊社アルバリンクの買取事例をご紹介します。
空き家に強い買取業者ついては、以下の記事で特徴別に紹介しています。

アルバリンクなら老朽化した古民家でも現状のままで売却できる
弊社アルバリンクは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような不動産も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ家」や「不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっているゴミ屋敷の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
このように、独自の運用・再販システムを構築している弊社であれば、売却の準備ができていない・貰い手が見つからないといった古民家であっても、適正価格での買取が可能です。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して空き家を売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
空き家マッチングサイトに登録する
一般企業が運営している空き家マッチングサイトに登録して、古民家の譲渡先を探す方法もあります。
空き家マッチングサイトとは、空き家を売りたい人・買いたい人が直接やり取りできるサービスです。
たとえば、代表的な空き家マッチングサイトである「家いちば」では、北海道の空き家情報が多く掲載されています。
一例として、以下のような状況の空き家も掲載されています。
- 【物件情報】
- 場所:北海道小樽市
- 希望価格:100万円
- 築年数:不明
- 構造:木造の平屋
- 現況:外壁のひび割れ・残置物あり・天井に穴あり
- 道路条件:公道に接していない土地
上記のように、築年数・現況・所在地など、掲載条件に制限がない不動産マッチングサイトを利用するのも一つの手段です。
インターネット上で取引相手と気軽に交渉できるので、貰い手を慎重に選びたい方に向いているサービスといえます。
空き家バンクで譲渡先を探す
空き家バンクに登録することで、譲渡先を探す方法もあります。
空き家バンクとは、自治体が運営している空き家マッチングサービスです。
たとえば、北海道函館市では以下の手順で空き家バンクへの登録ができます。
- 函館市に空き家バンク登録申請をする
- 市が提携している不動産仲介業者をあっせんしてもらう
- 市が提携している不動産仲介業者と媒介契約を締結する
- 函館市の空き家バンクへの登録が完了する
参照元:函館市「函館市空き家バンク」
空き家バンクへの登録以降は、購入・賃貸希望者から問い合わせがあり次第、自治体から連絡が入る流れとなります。
函館市空き家バンクの掲載物件は、「函館市空き家バンクサイト」で閲覧が可能です。
空き家バンクの利用を検討している方は、古民家の所在地を管轄する自治体に問い合わせましょう。
相続土地国庫帰属制度で国に返す
「相続土地国庫帰属制度」を利用して古民家を手放す方法もあります。
相続土地国庫帰属制度とは、相続・遺贈によって取得した土地を一定条件のもと、国に引き渡せる仕組みです。
土地を対象にした制度なので古民家の解体は必須条件となりますが、売却・譲渡が難しい古民家でも手放せる可能性があります。
ただし、制度の要件が厳しく、古民家を解体して更地にしても確実に引き渡せる保証がありません。
実際に、令和7年2月28日時点で申請件数3,462件に対して帰属件数は1,430件と半数以下です。
相続土地国庫帰属制度の詳細については、法務局で事前予約すると、窓口・電話・オンラインで相談が可能です。
制度の利用を検討している方は、相談先の法務局を選択して詳細を確認しましょう。
相続土地国庫帰属法については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ
古民家を放置すると、特定空き家に指定されたり、近隣住民に迷惑をかけたりする可能性があります。
くわえて、空き家状態の古民家は放火のターゲットになりやすいため、事件が発生してしまう前に早期の対策が重要です。
もし、「古民家差し上げます」を実行したい理由が、すぐに手放したいという気持ちから来ている発想なのであれば、専門の不動産買取業者への売却を検討しましょう。
専門の買取業者は難ありな古民家でも買い取れる上に、2者間取引なので平均1ヶ月というスピード感で売却が可能です。
北海道にある古民家を現金化しながらスピーディーに手放したい方は、専門の買取業者への依頼を検討してみてください。
なお、当サイトを運営する弊社AlbaLink(アルバリンク)も、古民家に強い専門の買取業者です。
訳あり物件を積極的に買い取る買取業者として、フジテレビの「newsイット!」をはじめ、各種メディアでも特集されています。
北海道にある古民家を負担やリスクと一緒に手放して、肩の荷を下ろしましょう。