固定資産税がかからない土地の4つの条件
始めに、固定資産税がかからない土地の条件について説明します。
・課税標準額が30万円未満の土地
・寺や墓地など公的性質が強い土地
・公共の道路に面している土地
国や地方自治体が所有している土地
国や地方自治体が所有している土地には、固定資産税はかかりません。
つまり、国が保有している国有地や自治体が所有している土地となります。
例えば、国立大学や研究機関、自治体が所有する公園や役所、小中学校などがある土地です。
国や自治体が所有する土地などの他に、建物や設備機器などの固定資産についても固定資産税の対象外となります。
課税標準額が30万円未満の土地
課税標準額が30万円未満の土地にも、固定資産税はかかりません。
なぜなら、評価額が低すぎる土地については免税点が設定されているからです。
その免税点は、土地の評価額については30万円未満となっています。
つまり、土地の固定資産税評価額が29万円であれば、固定資産税はかからないということです。
寺や墓地など公的性質が強い土地
寺や墓地など公的性質が強い土地も、固定資産税はかかりません。
なぜなら、これら土地には固定資産税がかからないことが地方税法により定められているためです。
墓地などの他にも国の保有林が該当します。
公共の道路に面している土地
公共の道路に面している土地も、固定資産税はかかりません。
なぜなら、通行などで日々大勢の人が往来するような土地は、公共性が高いとみなされるからです。
例えば、敷地の一部が道路場合です。
道路の通行に何ら制約がなく、不特定多数の人や車などの往来ができることや、通行料の徴収を行っていない土地は、公共性が高い土地と言えます。
つまり、住宅街等で私道を保有していても公共性が高い土地であれば、固定資産税はかかりません。
固定資産税がかからない土地を相続するまでの流れ
固定資産税がかからない土地を相続する流れは、一般的な土地の相続と同じです。
被相続人の財産を相続人が引き継ぐこと。
土地などの不動産を相続したときには、相続登記(名義変更登記)が必要です。
相続時に名義変更登記を行うこと。
2024年4月1日より義務化されていて、相続登記を怠ると10万円以下の罰金を取られることがあります(不動産登記法第164条)。
以下に、固定資産税がかからない土地を相続するときの流れをご紹介します。
- ①遺言書があるか確認する
- 被相続人の遺言書の有無を確認します。
遺言書がなければ、遺産分割協議となるので速やかに行います。 - ②相続人を確認する
- 相続人の確定を行います。
相続人に連絡が取れない場合は、住所の調査や不在者財産管理人を選任して手続きを進めていきます。 - ③他に財産がないか確認する
- 他に財産がないかなどを確認して、相続対象の財産や債務をリストアップします。
- ④相続人が複数いる場合は遺産分割協議を行う
- 相続人が複数且つ遺言書がない場合には、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議では、被相続人の遺産をどのように分割するかを話し合いで決めますが、相続人全員が揃わないとできません。 - ⑤遺産分割協議書をつくる
- 遺産分割協議を終えたもしくは協議中に、遺産分割協議書を作成していきます。
相続人全員が署名と押印することで、遺産分割協議書が完成です。 - ⑥相続税の申告と納付をする
- 相続税の申告と納付を相続開始後の翌日から10か月以内に完了します。
原則は現金納付で、延納や物納を希望する場合もこの時期までに申請書の提出と許可が必要です。 - ⑦相続登記を行う
- 相続登記(名義変更登記)を行います。
相続登記をしなければ、相続した財産の売却はできません。
連絡が取れないもしくは行方不明の相続人がいるとき、遺産分割協議に参加して相続手続きを進められるようにする人。
不在者財産管理人は、裁判所により選任される。
相続人間で被相続人の遺産の分け方について話し合うこと。
話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成する。
被相続人が亡くなった場合には、速やかに相続手続きを進めることが必要です。
なお、相続した土地を分ける方法についてくわしく知りたい場合には、以下の記事を参考にしてください。
固定資産税がかからない土地でも相続税はかかる
その理由は、固定資産税がかからない土地でも相続税の課税対象には含まれるからです。
例えば、法定相続人が2人であれば、3,000万円+600万円×2=4,200万円が基礎控除の金額です。
つまり、相続財産の総額が4,200万円以内であれば、相続税は0円であり、超えた部分については一定の税率をかけて相続税を計算します。
よって、個人が固定資産税がかからない土地を所有していた場合には、相続税の申告を忘れずに行うようにしましょう。
固定資産税がかからない土地の相続税評価額の2つの計算方法
本章では、固定資産税がかからない土地の相続税評価額の計算方法について解説します。
・倍率方式
路線価方式
路線価方式とは、路線価が定められている地域での相続税算出方法です。
引用元:路線価図・評価倍率表【国税庁】
路線価とは、その路線に面する標準的な宅地1㎡あたりの価額のことで、国税庁が発表する路線価図には千円単位で価額が表示されています。
例えば、路線価が30万円、幅10m奥行10mの正方形の土地があったときの路線価は、以下のように計算できます。
この土地の相続税評価額は、300万円と計算できます。
このように、土地が公道に面している場合、設定されている路線価をもとに相続税評価額の計算が可能です。
しかし、土地は必ずしも成形ではなく、間口が狭い土地や奥行きが長い土地などもあり、また角地の場合には面する路線にて価額が異なる場合など、計算がやや複雑なケースもあります。
よって、路線価から相続税評価額を算出する正しい計算は、税理士などに行ってもらうのが良いでしょう。
倍率方式
倍率方式とは、路線価の設定がない地域で相続税評価額を計算する方法です。
国税庁が発表する路線価図にて、「倍率地域」と記載されているところが該当します。
引用元:路線価図・評価倍率表【国税庁】
倍率地域の場合には、固定資産税評価額に所定の倍率をかけることで相続税評価額を算出できます。
固定資産税評価額が分からない場合には、その土地が所在する自治体に確認するか、毎年送付される固定資産税都市計画税納税通知書に記載されている価額を確認しましょう。
固定資産税がかからない土地を相続する3つの注意点
本章では、固定資産税がかからない土地を相続する3つの注意点について解説します。
・固定資産税が課税される土地になることがある
・税金がかからなくても土地を放置してはいけない
相続税の申告をしないと罰金される
固定資産税がかからない土地を相続したときに相続税を申告しないと、税負担においてペナルティがあります。
ペナルティとは、延滞税や加算税です。
定められた期限に納付できなかった場合に課せられる税金。
納付期限からの超過日数に応じて金額が変わる。
申告内容の不備に応じてペナルティが課せられる。
過少申告加算税、無申告加算税、重加算税がある。
これらペナルティを受けないためにも、相続税の申告時には相続財産に抜けがないように注意しましょう。
固定資産税が課税される土地になることがある
将来的に、その土地の固定資産税が課税される土地になることがあります。
以下に、代表的な事例をご紹介していきましょう。
・国や地方自治体が所有している土地を個人で購入したとき
・同一市町村で別の土地や建物を購入したとき
土地の評価額が変わったとき
土地の評価額が変われば、固定資産税が課税されます。
具体的には、土地の評価額が30万円以上になったときです。
例えば、周辺の再開発や不動産需要増、人口増加を理由に土地の評価額が上がることがあります。
つまり、将来的に土地評価額が上がれば、現在固定資産税がかからない土地でも当然に課税対象となります。
国や地方自治体が所有している土地を個人で購入したとき
国や地方自治体が所有する土地を個人が購入すれば、固定資産税はかかります。
なぜなら、非課税対象の所有者から課税対象の所有者に所有権が移動したからです。
例えば、国有地を個人が購入した場合、土地を引き渡された日から個人には固定資産税が発生します。
つまり、固定資産税がかかるか否かは、所有者により変わることがあります。
同一市町村で別の土地や建物を購入したとき
同一市町村内で別の土地を購入したときも、固定資産税がかかるケースがあります。
なぜなら、複数の土地の評価額が免税点の30万円以上となった時点で固定資産税がかかるからです。
例えば、現在所有している土地の評価額が25万円で固定資産税が掛かっていなかったとしても、同一市町村内で土地の評価額20万円の土地を購入すれば、二つの評価額の合計は45万円となります。
つまり、免税点の30万円以上となったため、固定資産税は課税されるということです。
税金がかからなくても土地を放置してはいけない
固定資産税がかからない土地の放置は、避けるようにしましょう。
なぜなら、所有者には土地を適正に維持管理する義務があるからです。
また、土地を放置すると下記のようなリスクが考えられます。
・ゴミを不法投棄される可能性がある
相続した土地を売却する方法についてくわしく知りたい場合には、以下の記事を参考にしてください。
近隣トラブルになる可能性がある
土地を放置すると、近隣トラブルになる可能性があります。
なぜなら、土地を放置すると無法地帯となり、近隣の住環境悪化を招くことや周辺住民に嫌悪感を与えてしまう可能性があるからです。
例えば、放置することで土地に雑草が生い茂り隣地に越境することや、野良猫などの住処となり鳴き声が煩いなどで苦情を受ける可能性があります。
つまり、土地を所有したら草取りなどの維持管理を定期的に行う必要があります。
ゴミを不法投棄される可能性がある
土地を放置すると、ゴミを不法投棄される可能性があります。
なぜなら、日常的に管理者がいない土地では、ゴミを不法投棄しやすい状態であるからです。
特に、遠方の土地を放置すると長期間気づかない可能性が高く、被害が大きくなることが多いでしょう。
例えば、空き缶やペットボトル、家具や家電製品などの家財道具が不法投棄されてしまいます。
不法投棄されたものの処分費用は、土地の所有者が負担することになる可能性が高いため、土地は放置せずに日常的な管理が必要です。
参照元:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第5条【法令リード】
固定資産税がかからない土地を相続した後の3つの対処法
本章では、固定資産税がかからない土地を相続した後に考えられる3つの対処法について解説します。
・立地が良ければ仲介会社に売却する
・立地が悪ければ買取業者に売却する
土地を活用する
相続した土地を活用する方法です。
活用することで、賃料収入を得られ維持管理にかかる費用を補填できるメリットがあります。
また、維持費等以上に収入があれば収益を上げることも可能です。
例えば、駐車場やトランクルーム、土地賃貸などの土地活用方法があります。
土地活用することで適度な維持管理ができ、賃料収入が入るので一挙両得とも言えるでしょう。
なお、空地の土地活用や活用事例についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
立地が良ければ仲介会社に売却する
相続した土地の立地条件が良ければ、仲介で売却する方法があります。
不動産会社が買主を探す売却方法。
買主が見つかれば、両者の間に入り取引を成立させ、仲介会社は成功報酬として仲介手数料を受け取る。
仲介は、一般消費者への売却のため、立地が良ければ検討者が多くなり、高く売れる可能性があるからです。
例えば、弊社が実施した「土地選び・土地探しで優先することランキング男女500人アンケート調査」 によると、回答者の6割超は立地優先で不動産を検討しています。
立地は土地検討者にとって最も重要な要素であるため、最寄り駅徒歩圏など立地条件が良ければ仲介での売却がおすすめです。
なお、仲介と買取の違いについてくわしく知りたい場合には、以下の記事を参考にしてください。
立地が悪ければ買取業者に売却する
立地が悪ければ、買取業者に売却する方法が良いでしょう。
不動産業者が買主となり売買を進めていく方法。
買主を探す必要がないので買取業者さえ決まれば、売買契約から引き渡しまで最短1週間程度で完了するケースもある。
買取であれば、買主を探す手間がなく売れない不安もないため、安心して取引を進められるからです。
特に立地が悪い不動産は流通性が乏しく、一般消費者には人気がない不動産のため、売却に時間がかかることや売れないリスクがあります。
実際弊社がおこなったアンケート調査でも、土地選びに際して「立地を優先する」と回答した方の割合が9割を超えました。
よって、田舎立地や公共交通機関がないなど不便な立地を売却する時には、買取業者への売却がおすすめです。
なお、株式会社アルバリンクは、買取を積極的に行っている不動産業者となります。
弊社アルバリンクは、買取した不動産を流通しやすい商品にするノウハウや商品化した不動産を多くの投資家に売却できる独自販路の確立により、他社よりも高値売却できる可能性があります。
実際、これまでご利用いただいた多くのお客様より、お喜びの声をいただいています。
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>>【固定資産税がかからない土地でも高額売却】無料の買取査定を利用する
なお、売れない土地の特徴についてくわしく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
本記事では、固定資産税がかからない土地の条件や相続する流れ、相続するときの注意点や対処法などについて解説してきました。
原則、固定資産税がかからない土地でも相続税が掛かるため、相続の翌年には確定申告を怠ることがないように注意しましょう。
また、相続後は土地活用の予定がない土地については放置せずに売却することがおすすめです。
なお、活用予定がない土地で立地が悪いなどの場合には、専門の買取業者への売却が良いでしょう。
その理由は、買取業者は買主を探すことなく現金決済であるため、迅速且つ確実に売却ができるからです。
さらに、買取では売値が安価になることがデメリットですが、株式会社アルバリンクの買取では他社よりも高値買取ができる可能性があります。
なぜなら、弊社アルバリンクは買取した不動産を流通しやすい商品にするノウハウと、投資家などへ再販できる独自ルートを確立しているので、積極的な買取ができるからです。
実際、不動産を高く買い取る会社としてフジテレビ「イット」など、多くのメディアにて紹介されています。
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