暴力団事務所が近隣にある家は告知義務が発生する
「暴力団事務所が近隣にある物件」など買主に心理的抵抗感や嫌悪感を生じさせる物件は、売却時に売主は買主にその旨を告知する必要があります。
近隣に暴力団事務所がある物件は、買主の購入判断に重大な影響を与えるからです。
近隣に暴力団事務所があることを告知せずに売却すると、買主から契約不適合責任を問われる可能性があるので必ず告知しましょう。
売買時の対象不動産が契約内容と不一致の際に、売主が買主に対して負う責任
また、「売却する物件から何メートル以内に暴力団事務所がある際は、告知義務がある」といった明確な基準はありません。
買主や借主が物件を契約をするうえで、重大な影響を与える瑕疵があるならば売主が買主に告知しなければならない義務
一概には言えませんが、売却する物件から生活圏内である500メートル圏内に暴力団事務所がある物件は、買主に告知するのが賢明です。
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
隣人が暴力団関係者である家は告知義務がない
近隣に暴力団事務所がある物件とは異なり、隣人が暴力団関係者である物件は、買主に告知する必要がありません。
隣人が暴力団関係者という事実を買主に告知しなくても法律上、売主は買主から契約不適合責任に問われないからです。
しかし、以下の条件にあてはまる際は、買主に告知義務があります。
- 隣の物件が暴力団事務所
- 隣の物件で暴力団関係者が集っている
- 隣の物件の暴力団関係者が近隣の住民に危害を加えている
- 隣の物件の暴力団関係者が近隣の生活を妨害する恐れがある
もし、告知義務がある物件を告知せず買主に売却した際のリスクについて下記で確認しましょう。
暴力団事務所に近い家の告知義務については、以下の記事で詳しく解説しています。
買主から契約不適合責任を問われた裁判事例を紹介
近隣に暴力団事務所があることを告知せずに売却すると、買主から契約不適合責任を問われると前述しました。
具体的には、売主は買主から契約解除や損害賠償を請求されます。
実際に売主が、買主から損害賠償を請求された裁判事例を紹介します。
本件土地の近隣に暴力団事務所がある事が「隠れた瑕疵」に該当するとして、損害賠償請求が認められた事例
本件土地を購入した買主は、売買契約後に近隣に暴力団事務所があることを知りました。近隣に暴力団事務所があることは瑕疵に該当するとして、買主は売主に契約の解除や損害賠償等の請求をしました。
裁判所は、本件土地の交差点を隔てた対角線の位置に暴力団事務所があることが、本件土地を宅地として使用するうえで支障をきたすと判断しました。加えて宅地としての品質や性能を欠いていることから本件土地が瑕疵に該当するとして、売主に本件暴力団事務所の存在によって生じる本件土地の減価割合である1820万円(売買代金の20%相当額)を買主に支払うよう命じました。
参照元:東京地裁平成7年8月29日
上記のように、告知義務を怠ると多額の賠償金を支払う羽目になるので、売主は買主に必ず告知しましょう。
また、近隣に暴力団事務所がある物件は、通常物件として本来売却できるはずだった価格より安価にしないと売却はできません。
下記で、近隣に暴力団事務所がある物件の売却相場について詳しく解説します。
暴力団事務所が近隣にある家は20~50%安価しないと売却できない
暴力団事務所が近隣にある物件の売却価格は、通常物件として本来売却できるはずだった価格よりおおむね20~50%安価にしないと売却できません。
近隣に暴力団事務所がある物件は、買主に心理的抵抗感や嫌悪感を生じさせるからです。
もし近隣に暴力団事務所がある物件で下記のような環境であれば、通常物件の売却相場より20〜30%程度安価にすれば売却できます。
項目 | 内容 |
---|---|
立地 | 駅から10分圏内・市街地から車で10分以内 |
居住環境 | 過去に抗争などの大きな事件が起きていない・暴力団関係者と近隣住民のトラブルなし |
しかし、立地や居住環境が悪い下記のような物件は、通常物件の売却相場より40〜50%程度安価にしないと売却できません。
項目 | 内容 |
---|---|
立地 | 駅から10分圏外・市街地から車で10分以上 |
居住環境 | 過去に抗争などの大きな事件が起きた・暴力団関係者と近隣住民のトラブルあり |
上記のように心理的抵抗感が強くなる分、売却価格も大幅に安価にしないと買い手が見つからない傾向にあります。
最悪の場合、安価にしても近隣に暴力団事務所がある物件は、永遠に売れ残るかもしれません。
しかし、買い手が見つからない物件でも、売却できる方法があるので下記で紹介します。
>>【暴力団事務所と近い訳あり物件も高額売却!】無料で買取査定を依頼
暴力団事務所が近隣にある家の最適な売却方法
前述のとおり、近隣に暴力団事務所がある物件は買い手が見つからない可能性があります。
買主に心理的抵抗感を生じさせるからです。
加えて暴力団事務所が近隣にあると、買主が争いに巻き込まれる可能性はゼロではありません。
ここでは、上記のような買い手が見つからない物件でも売却する方法を紹介します。
立地がいい物件は仲介業者に依頼して売却
「駅から徒歩10分圏内」や「市街地まで車で10分以内」など立地が良い物件は、売却価格を通常物件の売却相場より安価にすることで、買い手が見つかる可能性があります。
立地が良くて周辺相場より安価に購入できる物件は、暴力団事務所が近くにあっても購入を希望する人がいるからです。
実際に、弊社のアンケート調査でも、家の購入時に立地を優先する方が多数派であることがわかっています。
しかし、仲介業者に依頼することで、確実に買い手が見つかる保証はありません。
1年以上経過しても売却できず、永遠に購入希望者が現れないことも十分に考えられます。
売主と買主の間に入って不動産の価格交渉や契約を成立させる業者
一般個人は心理的抵抗感や嫌悪感を生じさせる物件を避ける傾向にあるからです。
また、買い手が見つからないと物件の管理費用や固定資産税などが負担になるので、注意が必要です。
更地にして駐車場として売却
物件を解体して駐車場にしてから、売却する方法もあります。
駐車場を使用する人は近くに暴力団事務所があっても、その場所で生活するわけではないので気にしません。
なので、駐車場として収益が見込める土地であれば購入希望者が現れる可能性があります。
しかし、建物を解体すると解体費用がかかるのに加えて、固定資産税が3倍になるので推奨しません。
更地にするメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
更地にしてコインランドリーを経営した後に売却
コインランドリーとして土地を活用して利益を出したあとに、売却するのも一つの方法です。
しかし、コインランドリー経営は初期費用が2000万円以上かかると言われており、収益が見込めるまで時間がかかります。
加えて、競合店舗の増加や機械のトラブルが発生して収益が減少するなどのリスクもあるため、推奨しません。
立地が悪い物件は訳アリ物件専門の買取業者に売却
「駅から10分以上かかる」「市街地まで車で10分以上かかる」などの立地が悪い物件は、買取業者に売却することを推奨します。
不動産を売主から直接買い取る業者
立地が悪いのに加えて「近隣に暴力団事務所がある」など一般個人が避ける物件は、どれだけ安価にしても買手が見つからない可能性が高いからです。
しかし、専門の買取業者に依頼すれば、暴力団事務所がある物件でも売却できます。
専門の買取業者は買い取った物件に居住するのではなく、商品化して自社で運用などをおこなう事業として物件を探しているからです。
なので、利益が見込める物件であれば、近隣に暴力団事務所がある物件でも積極的に購入します。
加えて、契約不適合責任を免責して売却できるので、売主は買主から契約解除や損害賠償を請求される心配がありません。
訳アリ物件を買取業者に売却することに関して、詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
ちなみに弊社「アルバリンク」は、訳アリ物件専門の買取業者です。
訳アリ物件を専門に取り扱っているため、他社に断られた物件でも買取可能なケースが数多くあります。
実際に、売主様が売却を諦めていたような不動産も買い取った実績があり、多くのお喜びの声をいただいております。
隣に暴力団事務所がある物件の売却でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
>>【暴力団事務所と近い訳あり物件も高額売却!】無料で買取査定を依頼
まとめ
近隣に暴力団事務所がある物件の売却について詳しく解説してみました。
近隣に暴力団事務所がある物件は、売却時に買主に心理的抵抗感や嫌悪感を生じさせます。
そのため、通常物件として本来売却できるはずだった価格より安価にしないと買い手がつきません。
最悪の場合は永遠に売却できない可能性があります。
しかし、訳アリ物件を専門に取り扱う買取業者に買取を依頼することで、1年以上買い手が見つからなかった物件でも1か月以内で売却ができます。
さらに、専門の買取業者は契約不適合責任を免責して買い取ることが可能なので、安心して売却できます。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は訳アリ物件を専門に取り扱う買取業者です。
不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して売却を任せたい方は、一度弊社までご相談ください。
他社で断られた物件でも、高確率で買い取れます。
無料査定は随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。