不整形地(非整形地)の定義を簡単解説
そもそも不整形地とはどのような土地を指すのかがよくわからない方もいるのではないでしょうか。
不整形地とは、三角形や台形、旗のような形状などいびつな形をした土地のことです。
長方形や正方形など建物が建てやすいように整えられた整形地と比べると、使い勝手が悪い点が特徴といえるでしょう。
整形地・不整形地の詳しい特徴については、後述の「整形地・不整形地のメリットとデメリット」の項目で解説します。
不整形地の種類
一口に不整形地といっても、土地の形状によって以下のように分類されます。
- 旗竿地
- 三角地
- 台形地
- 傾斜地
不整形地の種類によって特徴が大きく異なり、売却のしやすさも変わってくるため、自身の所有している不整形地がどの種類に当てはまるのかを思い浮かべながら読み進めていってください。
それぞれの不整形地の特徴や問題点について解説します。
旗竿地
旗竿地とは、道路に接している細長い通路部分を抜けた奥にスペースが広がっている土地のことです。
形状が旗のように見えることから、旗竿地と呼ばれます。
旗竿地は家を建てる敷地が道路から離れているため、車の騒音や通行人の目線などを気にせずに暮らせるメリットがあります。
また路地部分の間口が広い場合は、駐車場などとして活用が可能です。
しかし旗竿地は周囲に建物が密集しているケースが多く、採光や通風が取りにくいデメリットがあります。
通路部分の間口が狭い場合は建物を建てる際に重機の出し入れが難しく、人力による作業量が増えるために建築費も高くなりがちです。
通路が狭いと駐車場などとしての活用もできず、デッドスペースになりかねません。
また、旗竿地の場合は道路に接している敷地の間口が2mあるかどうかに注意が必要です。
建築基準法では、幅4m以上の道路に土地が2m以上接していなければ建物を建てられないと定められています。
もし間口が2mに満たない場合は新築や家の建て替えができないため、売却しようとしても買手を見つけるのは難しいでしょう。
なお、旗竿地の売却が難しい理由は、以下の記事でも詳しく解説しています。
三角地
三角地は、その名のとおり三角形の土地のことです。
2方向の道路に接している角地のケースが多く、日当たりが確保しやすい、建ぺい率の上限が緩和されるといったメリットがあります。
敷地面積が広い三角地であれば問題なく建物を建てられるので、立地条件次第では早期売却も可能でしょう。
しかし三角形の土地に四角い建物を建てるとなると、どうしても角の部分がデッドスペースとなってしまいがちです。敷地面積が狭い場合には建てられる建物が制限されるデメリットもあります。
土地の形状に合わせて三角形の建物を建てれば敷地の有効活用が可能ですが、一般的な四角形の家と比べると建築コストが割高となります。また三角形の建物を建てたとしても、角の部分には家具が配置しにくく、デッドスペースとなってしまうことに変わりはありません。
三角地は整形地と比べると購入価格を抑えられますが、「希望の建物を建てられない可能性がある」「結果的にコストが高くつく」ために、やはり売却するのは難しい傾向にあります。
台形地
台形地は、台形状の土地のことです。
四角形に近いきれいな台形地であれば建物を建てやすく、三角地よりも使い勝手はよいといえます。
また、土地の形状によっては隣家からの視線を遮るように建物を配置できるので、プライバシーを確保しやすい側面もあります。
ただし三角地同様、建てられる建物が制限される可能性がある点はデメリットといえるでしょう。
また、建物を建てる際に角がデッドスペースとなってしまいかねません。台形状に合わせて建物を設計すると一般的な四角形の家よりも建築費が割高となるため、最終的なコストが高くなる点もデメリットです。
敷地の角が鋭角、1辺の長さが不均等など全体のバランスが悪い台形地は活用がしにくいため、売りに出したとしても買手を見つけるのは難しいでしょう。
傾斜地
傾斜地は敷地が平坦ではなく、斜めに傾いている土地のことです。
とくに傾斜の角度が30度を超える土地は「がけ地」と呼ばれます。
土地が斜めになっている場合、そのままの状態では建物は建てられません。傾斜地に建物を建てるには、まず土地を水平にするために切土や盛土をおこなう必要があります。
傾斜地の高いほうの地面を切り下げて地盤面を低くし、水平にすること
傾斜地の低いほうの地面に土を盛って地盤面を高くし、水平にすること
また、斜面が崩落しないように擁壁と呼ばれる壁状の建造物をコンクリートブロックなどで補強したり、盛土した箇所に地盤改良を施したりといった対策も欠かせません。
傾斜地に家を建てるメリットとしては、相場よりも土地の価格が安い、見晴らしや風とおしがよい、基礎を深く作るため地下室やビルトインガレージなどを作りやすいといった点が挙げられます。
しかし、前述のように家を建てるにあたって造成工事や地盤調査、地盤改良工事などの費用が追加で発生することから、結果的に建築コストが高くつくデメリットがあります。重機や資材などの搬入が難しい場合は、さらに費用が上乗せされるでしょう。
そのため、建築に際して余計な費用がかかる傾斜地は購入希望者から敬遠される傾向にあるのが現状です。
なお、がけ条例にかかる土地の資産価値や売却方法については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
整形地・不整形地のメリットとデメリット
不整形地を売却する際は、メリットを全面的にアピールすることが大切です。
デメリットよりもメリットのほうを魅力的に感じる方がいれば、購入を前向きに検討してもらえるでしょう。
ここからは、整形地と不整形地それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
整形地のメリット
長方形や正方形など形がきれいに整えられている整形地のメリットは、何よりも家が建てやすい点にあるでしょう。
ハウスメーカーや工務店などが提供している家は四角い形をしていることが一般的なため、整形地であれば敷地面積を最大限有効活用できます。
設計の自由度も高く、理想の家を建てることも可能です。また、三角形などいびつな形状をした家よりも四角い家のほうが耐震性が高いので、災害時の安心にもつながります。
基本的にマイホームを建てるにあたって土地探しをしている方の多くは、使い勝手のよい整形地を求めています。そのため、整形地は高値で売却しやすい傾向にあります。
整形地のデメリット
前述のように整形地には希望の家を建てやすいメリットがありますが、立地によっては斜線制限や日影規制などの建築制限が課されることがあり、自由に家を建てられるわけではありません。
隣接する家の日照を確保するために定められた高さ制限のこと。道路や隣地の境界線からの距離に応じて建てられる家の高さが制限される。道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線規制の3種類がある
建築物によって生じる日影が周辺の土地に一定時間以上かからないよう、建物の高さを制限する規制
また、購入する側の立場からすると土地の価格が高い点はデメリットといわざるを得ません。
固定資産税や都市計画税などの税金算出時に用いられる評価額も不整形地とは異なり減価補正がなされないため、不整形地よりも納税額が高くなるデメリットもあります。
評価額の減価補正については、次の項目で解説します。
不整形地のメリット
前述のように不整形地には建物を建てるにあたってさまざまな制限が課されることから、整形地と比較すると土地の価格は安くなります。
購入者の立場からすると、安価で土地を購入できる点は不整形地ならではのメリットといえるでしょう。
また、デメリットの多い不整形地の評価額を算出する際には不整形地補正率が適用されるため、整形地よりも最大で40%評価額が下がり、その分、固定資産税と都市計画税の納税額を抑えられます。
土地の形状によって評価額を調整する割合のことで、0.60~1.00の間で設定されている。基本的に土地の形状がいびつなほど、補正率も低くなる
参照元:国税庁「不整形地の評価」
たとえば整形地の評価額が1,000万円、不整形地の評価額が整形地よりも40%低い600万円のときの固定資産税と都市計画税の納税額を比較してみましょう。
なお、固定資産税と都市計画税の算出方法は、以下のとおりです。
都市計画税=固定資産税評価額×0.3%
参照元:総務省 |固定資産税
参照元:総務省|都市計画税
「固定資産税=固定資産税評価額×1.4%、都市計画税=固定資産税評価額×0.3%」の計算式より、
固定資産税=1,000万円×1.4%=14万円
都市計画税=1,000万円×0.3%=3万円
合計:17万円
「固定資産税=固定資産税評価額×1.4%、都市計画税=固定資産税評価額×0.3%」の計算式より、
固定資産税=600万円×1.4%=8万4,000円
都市計画税=600万円×0.3%=1万8,000円
合計:10万2,000円
このケースでは整形地ではなくあえて不整形地を購入することで、最大で6万8,000円の節税につながることがわかります。
なお、土地の評価額の計算方法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
不整形地のデメリット
不整形地の最大のデメリットは、土地を最大限有効に活用できない点にあるでしょう。
土地の形状がいびつであることから、購入者が希望する間取りの家を建てられない可能性があります。
道路に接している土地の間口が2mに満たない旗竿地の場合は、そもそも建物が建てられません。
傾斜地の場合には、土地を水平にするための費用が追加で発生するデメリットもあります。
また、前述のように不整形地の評価額は整形地よりも最大で40%低いため、購入者が希望する金額の住宅ローンを借りられない恐れがある点もデメリットといえます。
不整形地の売却は専門の不動産買取業者へ
不整形地の購入には「希望通りの家が建てられない」「評価額が低い故に融資を受けられない」等のデメリットがあるため、なかなか売れづらいのが実際のところです。
ですから、一般的な不動産業者に売却活動(買主探し)を依頼しても、永遠に売れ残ってしまうおそれも十分にあります。
一方で、専門の不動産買取業者であれば、売れにくい不整形地も積極的に買い取ってくれます。
駅が徒歩圏外であったり市街地から離れているなど立地が悪いのであれば、特に個人の買主には売れづらいので、専門の不動産買取業者に買い取ってもらうのが賢明でしょう。
ちなみに、弊社Albalink(アルバリンク)も不整形地に特化した専門の不動産買取業者です。
立地が悪い物件や旗竿地などの再建築不可物件も、適正価格で積極的に買い取りますのでぜひご相談ください。
なお、売却の際にお客様が費用をかける必要は一切ありません。そのままの状態でご相談ください。
まとめ
旗竿地や三角地、台形地、傾斜地など特殊な形状をした不整形地には、購入者からすると価格が安い、固定資産税などの税金も安く抑えられるといったメリットがあります。
しかしメリット以上に「希望の建物を建てられない恐れがある」「結果的に工事費がかさんで建築コストが高くつくことがある」などの大きなデメリットが存在するため、売却を検討したとしても一般の買手を見つけるのは難しいでしょう。
そのような不整形地であっても、専門の不動産買取業者に売却を依頼すれば確実に買い取ってもらえます。
1週間~1か月ほどで現金化も可能なので、不整形地が売却できずに困っている方は専門の不動産買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は2011年の創業以来、不整形地など一般の買手がつかないような不動産を買い取ってきた専門の買取業者です。
弊社には買い取った物件を収益化する豊富なノウハウがあるため、より高い査定価格をご提示することが可能です。
所有している不整形地を少しでも高く売りたい方は、ぜひ弊社にお任せください。
また、不整形地の査定価格を知りたい方は、弊社の無料査定をぜひご利用ください。
無料査定をご利用いただいたからとはいえ、無理な営業をかけることは一切ございません。不整形地の売却に際して、弊社がお役に立てれば幸いです。