空き家の解体費用は100万円オーバーが当たり前!
空き家の解体費用は物件の構造や大きさ、立地環境や建っている地域によっても異なりますが、多くの場合、安くても100万円以上かかります。
すぐに空き家の解体費用が工面できないない場合は、ローンや助成金の利用などの方法がありますが(これについては、後で詳しく説明します)、まずは、空き家の解体費用がどのくらいかかるのか、確認しましょう。
なお、空き家の解体については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
解体費用は建物の構造と地域によって変わる
空き家の解体費用は空き家ごとに異なるため、正確にはいえません。しかし、空き家の構造と、建っている地域から、おおよその金額は算出できます。
下記の表を見てもらうとわかる通り、構造は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順で1坪あたりの解体費用が高くなります。
また、地域による解体費用の違いとしては、東京や大阪といった大都市は人件費などが高いため、北海道や沖縄より1坪あたりの解体費用も高くなる傾向があります。
木造 | 鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 | |
---|---|---|---|
東京都 | 坪3~5万円 | 坪4~5万円 | 坪5~8万円 |
神奈川 | 坪3~5.5万円 | 坪4~5万円 | 坪4.5~6万円 |
大阪府 | 坪3~4万円 | 坪3~5万円 | 坪3~5.5万円 |
北海道 | 坪2~3万円 | 坪2.5万~3万 | 坪3~4万円 |
沖縄 | 坪1.5~3万円 | 坪2~4万円 | 坪3~4万円 |
上の表をもとに、平均的な空き家の大きさである、30坪(4LDK程度)の空き家の解体費用を算出してみましょう。
まず、1番費用がかからないケースとして、沖縄で30坪、木造の空き家であった場合、解体費用は60万円程度かかることになります。最も費用がかかるケースである、東京で鉄筋コンクリート造の空き家であった場合、30坪の解体費用は200万円を越す可能性があります。
しかも上記で述べた金額は、建物を解体するだけの費用であり、次の章でお伝えする、解体に伴う他の作業(付帯工事)が発生した場合は、さらに追加で費用が必要です。
ですから、30坪以上の空き家を解体する場合、付帯工事を含めたら、構造や地域に関わらず、最低でも100万円近く費用がかかると考えておきましょう。
なお、空き家の解体リスクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
付帯工事があると解体費用はさらに高額になる
前の章でも述べた通り、解体費用に伴う付帯工事が発生した場合、付帯工事の費用が解体費用に上乗せされます。付帯工事によってどれだけ費用が上乗せされるのか、代表的な付帯工事とその費用をお伝えします。
ブロック塀の撤去
解体する空き家にブロック塀がある場合、当然ブロック塀も撤去しなくてはなりません。ブロック塀を撤去する費用は一般的に、1平方メートルあたり、5000円から10000円程度です。
ですから、仮に2メートルの高さのブロック塀が10メートルあったとしたら、撤去費用は10万円以上はかかるということです。しかも、実際にはこれに人件費や廃材処分費も追加されます。
アスベストが含まれている建材の撤去
建材にアスベストが含まれていた場合、通常の建材を撤去するより費用がかかります。
アスベストは吸い込むと人体に有害な物質であるため、飛散防止剤を撒くなど、解体時に特別な対策が必要となり、「石綿(いしわた)作業主任者」という、有資格者でないと解体作業が行えないためです。撤去費用は、1平方メートルあたり10000円から9000円程度かかります。
参照元:厚生労働省|建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル
石綿(いしわた)と呼ばれる天然の鉱石繊維のこと。耐摩擦性などに優れ、建材として多く使われた。繊維が肺に入ると、肺がんなどを引き起こす可能性があるため、2008年、使用が禁止された
住宅に使用されている石綿含有建材は非飛散性であるため、建物が破損・倒壊などし
ない限り、周囲に飛散する可能性はほぼありません。ですが、空き家や古い住宅など
では経年劣化による損傷でアスベストが飛散する危険性が高まります。
建設基準法では、2006 年 9 月以降の着工物件での石綿含有建材の使用を禁止していま
すが、2006 年 8 月以前の着工物件では在庫消費により石綿含有建材を使用しているた
め注意が必要です。(メーカー在庫年数 2 年)
現在、建築物等の解体を行う場合は「建築物石綿含有建材調査者」という有資格者に
よる事前調査が義務化されています。また、都道府県にも調査結果の報告をする必要
があるため、改修・解体を行う場合は専門業者へ依頼してみると良いでしょう。
【監修者】株式会社菅野工業 建築物石綿含有建材調査者
地中埋設物の撤去
解体時に地中から埋設物が見つかった場合も撤去費用がプラスでかかります。
地中に埋まっている廃建材や鉄くず、廃棄物などのこと
たとえば、コンクリートの廃建材などが見つかった場合、撤去するのに、1平方メートルあたり12000円程度かかります。
重機が入れなかった場合の手作業
空き家周辺の道が極端に狭かったり、敷地いっぱいに空き家が立っていると、解体のための重機が入ることができません。重機が入れないと、その分、手作業が増えるため、人件費がかさみ、出費が大きくなってしまいます。
空き家の解体費用には補助金を活用できる
自治体によっては、空き家解体費用の補助金を支給しているところがあります。下の表は、補助金制度を設けている自治体の一部です。表を見てもらうとわかる通り、補助金を支給している自治体のほとんどが、解体費用の1/3~1/2程度を補助しています。
市区町村 | 補助金額 | 上限 |
---|---|---|
札幌市 | 解体費用の1/3 | 50万円 |
前橋市 | 解体費用の1/3 | 20万円 |
台東区 | 解体費用の1/3 | 50万円 |
行田市 | 解体費用の1/2 | 30万円 |
厚木市 | 解体費用の1/2 | 50万円 |
岡崎市 | 解体費用の1/2 | 10万円 |
舞鶴市 | 解体費用の1/3 | 30万円 |
下関市 | 解体費用の1/2 | 40万円 |
佐賀市 | 解体費用の1/2 | 50万円 |
先ほどお伝えしたように、解体費用は100万円を超えることも多いですから、自治体の補助金は、決して充分な額とは言えません。
しかも、注意しなくてはならないのが、補助金は解体工事後に支給されるということです。つまり、手持ちで解体費用がない場合は、先ほどお伝えした空き家解体ローンなどを使い、いったん自力で解体費用を用意したうえで、補助金の申請をする必要があるということです。
また、たいていの自治体は、補助金を支給するために、対象となる空き家に以下のような条件を設けており、支給を受けるには条件をクリアする必要があります。
- 木造・鉄骨造である
- 1年以上人が住んでいない状態にある
- 自治体が定めた老朽化の基準を超えた状態にある
- 現状の状態だと周辺の民家などに悪影響を与えている、または与える恐れがある
※3、4は自治体の職員が実際に空き家を見て判断することになります。このことから、自治体の補助金は解体費用がない場合の根本的な解決にはならず、支給を受けるためのハードルも高いといえます。
なお、空き家に使える補助金については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
解体費用を少しでも抑える方法
ここまで、空き家の解体費用や補助金について解説してきました。
ここからは解体費用を少しでも抑える方法をお伝えします。
自分で処分できるものは処分する
基本的に、解体業者が行う作業が増えるほど、解体費用も高くなります。ですから、解体作業前に、自分で処分できるものは、自分で処分しておきましょう。たとえば、不要な家財道具を事前に処分したり、庭木の伐採や雑草の処理といったことをできる限り行っておくことです。
複数の解体業者から見積もりを取る
解体工事を行う際は、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
ただし、1番見積もり額が安い業者に安易に飛びつくのは危険です。
他の業者と比べ、あまりにも見積金額が安い業者は、解体に伴う作業を手抜きして、費用を浮かせている可能性があります。たとえば、養生シートで十分に建物を覆わないなどです。
もしこうした手抜き作業をされると、先ほどお伝えしたように、ゴミや埃が周囲に舞い散り、近隣住民とトラブルになる可能性があります。そうなれば当然、業者の依頼主であるあなたも無関係ではいられず、近隣住民への謝罪など、対応をしなくてはいけなくなります。
また、契約を取るために最初は安い見積もりを提示し、契約を結んだあとに、色々と理由をつけて費用を上乗せしてくる悪徳業者もいます。相見積もりを取った上で、見積額をしっかり説明できる業者を選びましょう。
繁忙期を避けて依頼する
一般的に解体業者の繁忙期は9月末~12月といわれています。解体を依頼するなら繁忙期を避けるべきです。なぜなら、依頼の多い繁忙期は、解体業者も人員が足りないため、強気の見積額を出してくることが多いからです。
繁忙期を避ければ、解体業者も一つの工事に割ける人員が多くなるため、その分工期が短くなり繁忙期よりは費用が安く済むことが多いです。
解体費用が高額だからと空き家を放置するとリスクがある
解体費用が高額で用意できないからといって、空き家を放置するのはNGです。なぜなら、空き家を放置すると、様々なリスクがあるためです。
空き家が倒壊し、多額の損害賠償請求をされることがある
空き家は放置すると換気や清掃などがされないため柱などの木材が腐りやすく、腐食が進むと倒壊する恐れがあります。
もし老朽化した空き家が隣家へ向かって倒壊し、その結果、隣家が全壊した場合、損害賠償額は1,500万円になるとの試算もあります。
引用元:日本住宅総合センター「空き家発生による外部不経済の損害額の試算結果」もし人に被害を与えてしまうと、損害賠償額はさらに高額になります。たとえば、倒壊した空き家の下敷きになって、人が死亡してしまった場合、損害賠償額は1億円を超える可能性もあります。
なお、空き家倒壊による所有者責任については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
「特定空き家」に指定され固定資産税が6倍になる
空き家を放置すると、自治体から「特定空き家」に指定され、固定資産税が6倍になる恐れがあります。
特定空き家とは、行政から倒壊など保安上の危険や、害虫が湧くなど衛生上の問題があると認められた空き家などのことです。
空き家を含む、居住用の建物が建つ土地は、税制上の優遇措置を受けており、土地の固定資産税が通常の1/6に減額されています。
参照元:総務省|固定資産税制度について
しかし、特定空き家に指定されると、優遇措置が取り消され、固定資産税が6倍になってしまいます。
さらに、特定空き家に指定され、行政からの改善命令も無視し続けると、行政代執行により、強制的に空き家を解体されてしまいます。
本来、義務を果たすべき義務者が行政上の義務を果たさない時、代わりに行政が義務者のなすべきことを行い、そのためにかかった費用を義務者に請求すること
参照元:e-Gov法令検索|行政代執行法
行政代執行による解体費用は所有者が解体業者に依頼するより高くなります。
行政代執行は自治体が危険な空き家を速やかに解体するために行うものなので、費用度外視で、すぐに解体してくれる大手の解体業者などに解体を依頼する為です。
空き家の解体費用が払えない場合の対処法5選
前の章でお伝えしたように、空き家を放置すると様々なリスクがあります。では、空き家の解体費用が用意できない場合は、地道に管理を続けるしかないのでしょうか。それも面倒ですよね。そこで、解体費用が払えない場合の対処法を4つ紹介します。
4つのうちで、1番手間と費用がかからないのが、「不動産買取業者に買い取ってもらう」です。すぐに空き家を処分したい方はそちらをお読みください。
空き家解体ローンを利用する
各地方銀行やJAなどでは、空き家解体専用ローンを用意しているところがあります。空き家専用ローンを利用すれば、解体費用を分割して支払うことができます。そのため、手持ちの金額が少なくても解体費用を貯める必要なく、スムーズに解体工事を申し込むことができます。
空き家専用ローンは、銀行のフリーローン(目的を定めない、個人向けの融資)と比べても、金利が低く設定されています。
たとえば、100万円から200万円くらいのフリーローンの年利は、変動で4%~6%、固定だと6%~8%くらいですが、下の表を見てもらうとわかるように、空き家専用ローンの金利は2%~4%程度です。また、原則として担保や保証人が不要なため、ローンを組むハードルが低くなっています。
金融機関名 | 借入金額 | 借入期間 | 年利(目安) |
---|---|---|---|
JAバンク | 10万円〜300万円 | 5年以内 | 1.5% |
群馬銀行 | 10万円〜300万円 | 6ヶ月以上7年以内 | 2%〜3.5% |
東京ベイ信用金庫 | 1万円〜500万円 | 3ヶ月以上20年以内 | 2.2%〜3.7% |
中国銀行 | 10万円〜500万円 | 6ヶ月以上10年以内 | 2.8% |
しかし、ローンを組んで解体しても、解体したあと活用する予定がないのであれば、不要な土地のためにローンを返済し続けることになり、お金がもったいないです。
また、解体後、更地にして売却し、売却益でローンを返済しようと思っても、地方などの需要が少ない土地は、更地にしたところで売れる保証がありません。もし売れなければ、こちらもただローンを払い続けるだけになってしまいます。
売買契約を結んだあとに空き家を解体する
空き家を解体する目的が、土地の売却である場合、空き家が建っている状態で土地を売りに出し、売買契約が成立してから、空き家を解体する方法があります。
売買契約が成立すると、売主である空き家の所有者は、買主から売買価格の1割程度を手付金として受け取ることができます。もし仮に500万で売買契約が成立したら、50万円が手付金として受け取れるというわけです。ですから、
売買契約が成立したあとに空き家を解体するのであれば、買主から受け取った手付金を解体費用に回すことができます。
ただし、空き家がのこった状態だと、更地になっている土地より買い手は見つかりにくいです。特に老朽化が進んでいる空き家が建っていると、景観も悪く、更地にした時のイメージも湧きにくいため、余計、買い手が見つかりにくくなります。
もし空き家を解体する目的が売却なのであれば、不動産買取業者に買い取ってもらえば、空き家を解体する必要も、買い手を探す必要もありません。詳しく知りたい方は、「不動産買取業者に買い取ってもらう」をお読みください
自分で解体する
所有する空き家を自分で解体することは、法律的には可能です。ただし、自分で解体するのは膨大な時間と労力がかかるため、現実的ではありません。
空き家を解体するには、重機を運転する免許が必要ですし、先述したとおり、建材にアスベストが含まれている場合は「石綿作業主任者」がなければ解体できません。
また、解体作業の養生をしっかり行わないと、解体作業によって出る細かなゴミや埃が舞い散ったり、落下物が隣家の敷地に落ちたりして、近隣住民とトラブルになる可能性もあります。
解体工事などで出る撤去物や粉塵が周囲に落下・飛散するのを防ぐための処置
不動産買取業者に買い取ってもらう
空き家を解体して売却しようと思っているのであれば、不動産買取業者に買い取ってもらうのが1番費用も手間もかからずお薦めです。買い取ってもらえば、空き家の解体費用に悩む必要もありませんし、管理する手間からも解放されます。
弊社株式会社Albalinkも空き家買取専門業者として、処分に困った空き家を積極的に買い取っています。無料の買取査定だけでもお気軽にご利用ください(買取査定だけのご利用でも、強引な営業を行うことはありませんので、ご安心ください)
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では、なぜ空き家は解体するより買い取ってもらった方がいいのか、もう少し詳しく説明します。
売却のための費用がかからない
買取であれば、売却するために空き家の解体やリフォームを行う必要がありません。現状のままで買い取ってもらえます。
なぜなら買取業者は買い取った空き家を再販するなど運用するために買い取るため、運用目的に沿って、買取業者自身が解体やリフォームを行うためです。
スピーディーに売却できる
さきほど、土地を売るにしても、空き家が残っていると買い手がなかなか見つからないとお伝えしました。しかし、買取であれば、買取業者自身が買手となるため、買い手を探す必要がありません。そのため、売りたいと思ったタイミングで、スムーズに売却することができます。
解体するかどうかの判断基準
ここまで空き家の解体費用が高額になることや、ローン利用などについてお伝えしてきましたが、そもそも空き家は解体しない方が良い場合もあります。
所有している空き家は解体した方がいいのか、しない方がいいのか、その判断基準を解説します。
空き家を解体するメリット・デメリット
判断基準を解説するために、まずは空き家を解体するメリットとデメリットを確認しておきましょう。しかし、初めに結論から言ってしまうと、空き家を解体するメリットは1つしかありません。それに対し、デメリットは重大なものを含め、何点かあります。
たった1つのメリット 空き家の管理から逃れられる
空き家を解体するメリットは、建物の管理から逃れられ、前述したような、倒壊などのリスクがなくなることです。しかし逆を言うと、空き家を解体するメリットは、これくらいしかありません。
【デメリット1】税制上の優遇措置がなくなり、固定資産税が6倍になる
空き家を解体してしまうと、土地の固定資産税が6倍になります。なぜなら、固定資産税を1/6にするという優遇措置は、住宅用の建物を対象にしたものだからです。建物がなくなってしまえば当然、優遇措置もなくなるというわけです。
先ほど、空き家を放置して「特定空き家」に指定されると、土地の固定資産税が6倍になるとお伝えしましたが、解体しても結局、同様の結果になってしまうわけです。
【デメリット2】解体しても売れるとは限らない
先ほどもお伝えしましたが、空き家を解体して売却しようとしても、売れる保証はありません。一般の個人の買手が更地を買う目的は、たいていの場合、その土地に新居を建て、生活するためです。
ですから、いくら空き家を解体して土地だけにしたところで、駅や主要な市街地へ15分以内につけないようなアクセスの悪い立地であれば、買手が見つからない可能性が高いです。
もし買手が見つからなければ、解体費用が無駄になり、6倍になった固定資産税を払い続ける羽目になります。そうしたリスクを負うより、先ほど述べたように、解体せず買取業者に空き家を買い取ってもらうべきです。
弊社、株式会社Albalinkは空き家専門買い取り業者として解体するしかないような老朽化が進んだ空き家でも買取を行っています。空き家の解体費用にお困りの方は、ぜひ買取という選択肢もご検討いただき、弊社の無料買取査定をご利用ください。
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【デメリット3】空き家が再建不可物件の場合、新たに建物が建てられない
空き家が再建不可物件だと、解体してしまうと新たに建物を建てることができません。
建て替えできない土地に建つ物件のこと。
建て替えできない土地とは「接道義務」を満たしていない土地のことなどを指します
上の用語解説で出てきた「接道義務」についても説明します。
「建物の敷地は、『建築基準法上の道路(幅員4m以上の道路)』に2m以上接していなければならない」という建設基準法で定められた義務のこと
新たに建物が建てられない土地だと、空き家を解体して更地にしても、新居を建てようとしている一般の個人にはなかなか売れません。もちろん、自分が住むための新居も建てられません。更地のまま駐車場で活用しようとしても、接道義務を満たさない駐車場を利用したいと思う人はいません。
このように、空き家が再建不可物件だった場合、解体してしまうと、残るのは後悔と6倍になった固定資産税だけです。そうしたリスクを負いたくないのであれば、買取業者に買い取ってもらうべきです。
とはいえ、もしかしたら再建不可物件だと、一般の買取業者には、買取を断られる可能性があります。けれど、ご安心ください。空き家買取専門業者として、年間5000件の買取実績(※がある弊社、株式会社Albalinkであれば、他で断られた再建不可物件でも買い取れます。ぜひ一度無料買取査定だけでもご利用ください。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
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なお、再建築不可物件については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家を解体したほうが良いケース
前の章でお伝えした、空き家を解体するメリットとデメリットを踏まえ、空き家を解体したほうが良いといえるケースは、1つしかありません。
「自身の新居に建て替えるため」に解体
空き家を自身の新居に建て替える場合であれば、解体を行っても問題はありません。ただし、解体する際は以下の3点に注意してください。
空き家が再建築不可物件でないか
先ほども説明しましたが、空き家が再建不可物件の場合、解体しても新しい建物を建てることができません。ですから、新居を建てるために解体を検討している場合は、解体前に所有している空き家が再建不可物件でないか、確認しましょう。
再建不可物件かどうかは、お住いの役所で調べることもできますが、登記事項証明書など、揃えなくてはいけない書類も多く、個人が行うには大変です。
もし、すぐに再建不可物件かどうか知りたい方は、弊社Albalinkでも、空き家が再建不可物件かどうかを確認をさせていただくことができます。お気軽にご相談ください。
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空き家が共有名義でないか
空き家を解体する際は、空き家の名義が自分だけになっているか確認しましょう。もし、親から相続した空き家で、兄弟などと共有名義になっていた場合(自分以外に、兄弟も名義人になっている場合)、名義人全員の承諾を得ないと、空き家を解体することはできません。民法でも以下のように定められています。
「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない」
参照元:民法第251条(共有物の変更)
つまり、自分以外に空き家の名義人がいる場合、自分だけの一存で解体できないということです。自分以外の名義人が一人でも解体に反対していると、承諾してもらえるまで解体は行えません。また、他の名義人の居場所がわからない場合も、解体を行えるようになるまで時間がかかります。
解体~新築を来年の1月1日までに終わらせられるか
空き家を解体しても、新居の建築が間に合わず、空き家を解体した翌年の1月1日時点で、土地に建物が建っていない状態だと、固定資産税が6倍になってしまいます。
なぜなら、先ほどお伝えした、土地の固定資産税が1/6になる特例が適用されるかどうかは、その年の1月1日時点の土地の状況で決まるからです。1月1日に建物がなければ特例は適用されないため、固定資産税が6倍になってしまうというわけです。
空き家を解体しない方が良いケース
前の章でお伝えしたように、空き家を解体したい方が良いケースは「新居を建て替える」という1つだけですが、空き家を解体しない方が良いケースは3つあります。
「管理から逃れるため」に空き家を解体すべきではない
空き家を解体すれば、確かに空き家の建物部分の管理はしなくてよくなります。しかし、雑草の除去や不法投棄されたゴミの処理など、更地になっても土地の管理は続けなくてはなりません。
もし管理責任から完全に逃れたいのであれば、解体するのではく、買取業者に売却するのが一番です。買取業者に売却してしまえば、空き家や土地の所有者ではなくなりますので、管理責任からも完全に解放されます。
弊社、株式会社Albalinkも空き家専門の買取業者として空き家の高額買取を得意としています。解体費用をかけず、空き家管理から解放されたい方は、ぜひ弊社の無料買取査定依頼をご依頼ください。
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なお、特定空き家に指定されないための、空き家の管理方法などについては以下の記事を参考にしてください。
「更地にして収益化するため」に空き家を解体するべきではない
更地にして駐車場やアパート経営などで収益を得ようと思っている方もいるかもしれませんが、収益化目的での解体もすべきではありません。不動産の知識がない一般の方が駐車場やアパート経営などで収益を得るのは難しいためです。
なぜなら、駐車場やアパート経営などで利益をあげるためには集客が必要ですが、集客が見込める土地は限られているためです。
たとえば、アパートで空室を出さずに収益を上げ続けるには、ターミナル駅から徒歩圏内の場所であることが欠かせません。また、駐車場であれば都心の駅チカなど、パーキングが明らかに不足している土地である必要があります。正直、こうした好立地に建つ空き家は稀です。
もし、立地の見定めを誤り、収益化に失敗すれば、高額の解体費用が無駄になり、6倍になった固定資産税を払い続ける羽目になります。そうしたリスクを負ってまで収益化を目指すより、空き家を解体せずそのまま買取業者に買い取ってもらう方が賢明です。買取業者に買い取ってもらえば、ノーリスクで売却益も手にすることができます。
「更地にして売却するため」に空き家を解体すべきではない
空き家を解体するデメリットでもお伝えしましたが、解体費用かけて更地にしても売れる保証はありません。売れるかどうかもわからないのに、高額の解体費用をかけてまで解体するのはリスクしかありません。売却するのであれば、空き家を残したまま、不動産買取業者に買い取ってもらう方がリスクもありませんし、お得です。
相続放棄しても管理責任は残る
ここまで読んできて、空き家を解体するのも、売却するのも面倒だし、相続放棄してしまえば、空き家に関する全ての責任から逃れられるのではないかと思った方もいるかもしれません。
しかし、相続放棄してしまうと、故人の形見など、あなたにとって価値のある物まで全て相続できなくなります。また、相続放棄をしても、次の相続人が管理を始めるまでは、空き家の管理責任は残ります。実際、民法でも以下のように定められています。
「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならい」
ですから、もし仮に、あなただけでなく、他の相続人も全員相続を放棄した場合も、次の相続人が「相続財産の管理を始めることができる」状態になっていないため、相続放棄したあなたにも管理責任が残ります。
管理責任から完全に解放されるのは、相続財産清算人が選任されて、空き家の管理を開始できる状態になってからです。
もし完全に管理義務から逃れたいのであれば、相続放棄後に裁判所が選任する「相続財産清算人」へ空き家を引き渡す必要があります。相続人に代わって相続財産の管理・処分をする者。多くは弁護士や司法書士などが裁判所から選任される
つまり、相続放棄すると、相続したい物まで相続できなくなり、管理責任だけ残るリスクがあるわけです。それよりも、相続放棄せず、相続したいものはしっかり相続し、不要な空き家は買取業者に買い取ってもらうのが合理的です。
なお、相続放棄については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
まとめ
空き家の解体費用は高額で、100万円を超えることも珍しくありません。そこで、この記事では、空き家の解体費用がない場合の方法としてローンや自治体の助成金制度を紹介しました。
しかし、記事でもお伝えしたように、そもそも空き家を解体するのは、固定資産税が6倍になってしまうなど、メリットよりデメリットの方が大きいです。
ですから、空き家を処分したり、売却したいのであれば、解体するのではなく、不動産買取業者で買い取ってもらうのが一番です。買取業者であれば、空き家を現状のままで買い取ってくれます。なぜなら、専門の買取業者は、空き家を再生・商品化し、運用するノウハウに長けているからです。
買取業者に買い取ってもらえば、空き家の管理から完全に解放され、解体費用に悩むこともなくなります。
弊社、株式会社Albalinkも、年間相談実績が5,000件以上ある、空き家専門の買取業者です。活用しない空き家の処分にお困りであれば、無料の買取査定依頼だけでも、お気軽にご利用ください。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の物件査定に関する相談実績5,555件
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