空き家の管理方法
空き家は放置せず、必ず適切な管理を行うようにしましょう。
2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立したため、空き家を放置していると特定空き家に認定されてしまいます。
具体的には人の居住が無く、倒壊の恐れや悪臭が発生しているなど衛生面に問題がある空き家が特定空き家に指定され、指定されると「適切な管理をしてください」と行政から勧告や指導が入ります。
これに従わないと最終的には税金の減額などがなくなり、固定資産税が最大で6倍にまで大きく跳ね上がってしまいますので、特定空き家に指定されないよう適切な管理を行うことが重要です。
適切な管理を行わずにいると支払う税金が増えるだけでなく、将来的に空き家を売却したり貸し出したりという選択すらできなくなってしまいます。
ここからは具体的な空き家の管理方法やポイントについて確認していきましょう。
1.室内換気
「人が住まなくなると、急激に家が老朽化してしまう」という印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか。空き家になると換気が行われる頻度が減り湿気がたまっていくことで老朽化の進行が早くなります。
湿気はシロアリやカビが発生する原因にもなります。老朽化の進行スピードが早まるため、空き家についたらすべての窓を開けて換気を行い、溜まっている湿気を外へ逃がします。
意外と見落としがちなポイントとしては靴箱や押し入れ、クローゼットなどにも湿気が溜まりやすいため、それらにも風を通し忘れないように注意してください。
長らく空き家に訪れていなかった場合は埃が積もっている可能性が高いので、マスクや軍手の準備をしておいた方が良いでしょう。
また、侵入者による不法滞在などのリスクが高まるため、空き家を去る時は開けた窓や扉の施錠は忘れずに行いましょう。
2.通水
換気の次に大切なのは、水道管の通水を行うことです。
空き家になり長い間水を使わずにいると、水道管が徐々に錆びついてしまいます。
最悪の場合、水道管が破裂してネズミや害虫の侵入を許してしまうことにもなりかねません。修繕費も発生するため管理にさらなる負担が生じてしまいます。
また、通水を行うことは近隣トラブルのきっかけでもある「空き家の悪臭問題」を未然に防ぐ効果があることをご存じでしょうか。
排水溝にはある程度の水が溜まる仕組みになっています。溜まっている水の事を「封水」と呼び、封水は下水道から悪臭が上がってくるのを防ぐための蓋のような役割を持っています。
封水がすべて蒸発してしまうと悪臭を防ぐことが出来なくなくなってしまうため、空き家全体に下水から上がってくる不快な臭いが充満する原因になってしまいます。
最低でも1カ月に1度、台所やお風呂場など水道が通っている所に3分以上水を流して通水することで、封水の蒸発と悪臭問題を未然に防ぐことができるでしょう。
3.外壁の確認
空き家の管理に出向いた際は、外壁に問題が無いかどうかも確認しておきましょう。特に大雨や台風が経過した後は劣化や損傷の可能性が非常に高くなっています。
雨漏りと湿気によって大量のカビが発生してしまうと住宅の劣化を急激に早めてしまうため、放置すると最悪の場合、住むことができなくなってしまいます。
しかし、雨漏りは空き家の管理に出向いた時に天候が良いと気付きにくいのが難点です。
雨漏りがする個所は天井に染みが出来ていることが多いため、しっかりと目視で確認してみてください。
天井や柱などが雨漏りと湿気によって腐ってしまうと、物件としての資産価値が大幅に下落してしまいます。
ひび割れた外壁などは破片が風で飛んで近隣住民や通行人にあたってケガをさせてしまうなど、トラブルの原因にもなりかねません。
様々な悪影響を及ぼす懸念がありますので、必ず外壁の状態や雨漏りの有無を確認するようにしましょう。
4.清掃
室内や敷地内の清掃も空き家を管理するうえでとても重要です。
清掃を怠ってしまうと建物や敷地内の外観が著しく悪化するため、空き家である事が傍から見ても明らかになってしまいます。
敷地内のお庭もしっかり手入れしておかないと、雑草が成長して家が見えなくなることもありますし、増えすぎた草木は害虫たちが繁殖する拠点となってしまいます。
なかなか空き家の管理に出向けないという時は除草剤や防草シートなどを利用するという選択肢もあります。
空き家の敷地内に植えている木から落ち葉が散乱したり、敷地内の雑草が原因となって害虫が増加したりと、近隣住民の方に不快な思いをさせてしまう事はクレームやトラブルの原因になる可能性もあるでしょう。
また、郵便物がポストに溜まっていたら、必ず回収するようにしてください。
郵便物が溜まる前に回収しておかないと、人が住んでいないと判断され不法侵入されてしまう可能性があるからです。
空き家であることが分からないようにするため、近隣住民とのトラブルの原因を未然に防ぐためにも清掃は丁寧に行ってください。
公式サイト:https://akiya-kaitoritai.com
自分で空き家を管理するデメリット
空き家の老朽化や近隣トラブルを未然に防ぐためには、定期的な管理が必要であることを解説しました。
しかし、空き家を定期的に管理するというのは想像以上に大変な作業です。
ご自身で空き家を管理するにあたって起こりうるデメリットについても事前に確認しておきましょう。
1.費用がかかる
空き家は定期的に換気や清掃、問題の有無をチェックする必要があると解説しましたが、遠方の場合は往復の交通費も高額になりやすいです。
さらに、定期的に管理を行っていたとしても水道管の劣化、破裂、雨漏りなどが発生していた場合は修繕の費用などもかかってしまいます。
現状維持するだけでも様々な場面で費用が発生し、トータルのコストが意外と大きくなってしまう点は自分で空き家を管理する大きなデメリットだと言えるでしょう。
2.管理に時間がかかる、面倒
突然空き家を管理することになって、初めからすべての作業を完璧に行える人はいません。慣れない作業に手こずったり、点検ポイントを見落としたりする可能性もあります。
換気を行い建物内外の清掃をするという作業は真夏の暑い日や冬の寒い時期はそれだけでも肉体的な負担となってしまいます。
慣れない作業で負担が大きいことが分かると、それ以降に空き家管理に出向くことを億劫に感じてしまう可能性があるでしょう。
しかし空き家の管理を怠れば、次回にやることがさらに増えてしまい余計に面倒になってしまうという悪循環にもなりかねません。
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空き家の管理が難しい場合には
冒頭で解説した「空き家等対策の推進に関する特別措置法」により、空き家への監視の目は厳しくなってきていますので、管理が難しい場合は専門の管理代行業者に依頼を検討してはいかがでしょうか?
無理してご自身で管理を続けていくよりも、管理代行業者に依頼することで必要な管理を効率よく進めてもらえると精神的にも経済的にも楽になります。
ここからは空き家管理代行業者で実際にお願いできる業務内容やメリット、実際にかかる費用の目安について解説していきます。
1.空き家管理代行を活用する
物件をすぐに売ることができない事情がある方や、空き家が遠方にあり定期的に出向くことが時間的にも費用的にも厳しいという方は、空き家管理代行を利用してみてはいかがでしょうか。
具体的に依頼できる内容は以下の通りです。
- 郵便受けの確認
- 建物と敷地内の清掃
- 室内の換気
- 通水
- 庭木の確認や手入れ
- 防犯確認
自分で管理する必要がなくなって手間が省けますし、一般の人では気付けない部分にもプロの目線で最適な管理を行ってもらえる点が大きなメリットです。
業者が定期的に空き家に出入りしてもらうこと自体にも防犯の効果があります。
適切な管理を行ってもらうことで特定空き家に指定されにくくなり、固定資産税が跳ね上がるのを防ぐことができるでしょう。
遠方に住んでいる方や普段のお仕事が忙しい方などは、「自分が管理しなくても専門の代行業者が管理してくれる」というだけでも精神的にかなり楽になるのではないでしょうか。
2.空き家管理代行にかかる費用
実際に空き家管理代行業者に依頼するとしたら、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
空き家管理代行を依頼できる内容や費用は業者によって異なりますが、大体の目安として月に1回、5,000~10,000円程度である事が多いです。
オプションなどの内容も様々で、例えば雪が多い地域であれば空き家の屋根に積もった雪落としや除雪作業などを行ってくれるところもあります。
依頼する内容をオプションで追加したり、管理をお願いする時間を増やした場合の費用を確認したい場合は各社に問い合わせて見積もりを比較してみましょう。
公式サイト:https://akiya-kaitoritai.com
まとめ
月に1回のペースでご自身による空き家の管理も可能ですが、時間的にも金銭的にもコストがかかるため、長く継続するほど精神的な負担も大きくなります。
ですが特定空き家に認定されてしまうと固定資産税が跳ね上がり近隣住民とのトラブルになるリスクもあるため、放置するというわけにもいきません。
今回ご紹介したように空き家管理代行業者に依頼する事もできますが、費用を長期的に考えると、実は専門の買取業者に売却する方がお得になります。
老朽化していて買い手を見つけるのが困難な物件や、リノベーションやリフォームに多額の費用が必要になるような難しい物件も、専門業者であれば時間をかけずに買取してもらえるからです。
管理の時間が長くなるほど費用もストレスも大きくなりますが、スピーディに売却することでお金を掛けずに問題を解決することができるでしょう。
空き家の管理や活用方法にお悩みの方は「専門業者に買取をしてもらうことで解決する」という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか?