田舎の土地を相続する3つのメリット
田舎の土地を相続することになった際に気になるのは、「田舎の土地を所有するとどのようなメリットがあるのか」ではないでしょうか。
そこでまずは、田舎の土地を相続する以下3つのメリットについて解説します。
- 資産が手に入る
- 地価が上がる
- 土地の取得費用が安い
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
資産が手に入る
田舎の土地を相続する最大のメリットは、不動産という資産を取得できる点にあります。
遠方に住んでいて直接の利用が難しい場合でも、土地を第三者へ貸せば地代収入を得られます。
また、立地条件がよければアパートを建てて家賃収入を得ることも不可能ではありません。
居住用物件においては「立地条件のよさ」が重要視されるためです。
弊社のアンケート調査からも、立地条件のよさが「安定した入居付け」に直結する可能性が高いことが読み取れます。
将来的に田舎へ移住してスローライフを送りたいと考えているのであれば、その土地上に自分たちが住むための家を建てることも可能です。
地価が上がる
地価が上がる可能性があることも、田舎の土地を相続するメリットのひとつです。
地価とは、その名の通り「土地の価格」を指します。
中でも取引価格の指標として用いられているのが、地価公示法と呼ばれる法律に基づいて国土交通省が公表している「公示地価」です。
公示地価は毎年1月1日時点における全国の標準的な土地の価格であり、国土交通省が提供しているWebサイト「不動産情報ライブラリ」で確認できます。
地価の特徴は、経済動向や受給状況、都市開発などの要因によって変動する点にあります。
たとえば、令和5年における公示地価の全国平均は前年と比較して1.6%上昇しました(国土交通省「令和5年地価公示の概要」)。
たとえ田舎の土地であっても、今後の都市開発や人口の流入などの状況によっては現在よりも資産価値が上がることも十分考えられるでしょう。
資産価値が上がったタイミングを見計らって売却すれば、より多くの利益を得ることも可能です。
土地の取得費用が安い
土地の取得費用を安く抑えられる点も、田舎の土地を相続するメリットです。
都心部と比べると田舎の土地の価格は安い傾向にありますが、それでも購入するには数百万円以上にのぼるケースは少なくありません。
しかし田舎の土地を相続すると、相続税を納めるだけで取得できます。
相続税を計算する際には相続財産の総額から以下の基礎控除額を差し引けるので、ケースによっては税金を納めずに取得できることもあります。
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
たとえば法定相続人の数が兄弟2人のときは、以下の金額を相続財産の総額から控除できます。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円
また、亡くなった親が自宅として使っていた宅地などを相続した際に、一定の要件を満たしていれば「小規模宅地等の特例」が適用され、宅地の330㎡までの部分の相続税評価額を80%減額できます。
小規模宅地等の特例が適用されれば相続税の負担が軽減されるだけでなく、結果的に安価で土地を取得できるでしょう。
小規模宅地等の特例についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
田舎の土地を相続する6つのデメリット
ここまで田舎の土地を相続する3つのメリットを解説してきましたが、田舎の土地には以下5つのデメリットも存在する点に注意しなければなりません。
- 土地の資産価値が下がる
- 管理が大変
- 固定資産税を払い続ける
- 近隣住民から損害賠償を請求される
- 犯罪の温床になりやすい
- 子や孫に負の遺産を残してしまう
ここからは、田舎の土地を相続する5つのデメリットについて解説します。
土地の資産価値が下がる
前述のメリットで「資産価値が上がる可能性」について言及しましたが、一方で下がるリスクがある点にも注意しなければなりません。
基本的に都市開発が進んでいて人口の多いエリアほど地価は高い傾向にあります。徒歩圏内に駅や商業施設、医療機関があるなど老若男女が住みやすいエリアは需要が高く、土地を購入したいと考える方が多くいるためです。
実際、弊社が行った「【土地選び・土地探しで優先することランキング】男女500人アンケート調査」では、土地探しにおいて「災害に強い」「交通アクセスがよい」「商業施設が近い」などを重視する方が多い結果が出ています。
参照元:【土地選び・土地探しで優先することランキング】男女500人アンケート調査
しかし利便性が低く、過疎化が進んでいるようなエリアにある田舎の土地を購入したいと考える方は少ないため、地価が下落しやすい点に注意が必要です。
管理が大変
田舎の土地を自身で管理しなければならない点もデメリットのひとつです。
車で数十分ほどで行ける距離であればともかく、電車や飛行機などを使わないと行けないような田舎の土地を自分で管理するのは大変といわざるを得ません。
草刈りなどを行う時間や労力もかかります。
頻繁に行けない場合には不動産業者に管理を依頼する方法も選択肢のひとつですが、毎月数万円ほどの費用を支払わなければなりません。
田舎の土地を相続すると、管理を行う時間や労力だけでなく、費用面においても大きな負担がのしかかります。
そのため、田舎の土地を相続する場合には無理なく管理を行えるかどうかも考える必要があるでしょう。
固定資産税を払い続ける
田舎の土地を相続すると、固定資産税を支払い続けなければならないデメリットもあります。
固定資産税は毎年1月1日時点における不動産の所有者に課される税金で、次の計算式で求めます。
固定資産税評価額は固定資産税などの税額を算出する際に用いられる基準価格のことで、公示地価の約70%が目安です。
また、毎年自治体から送られてくる固定資産税の固定資産税納税通知書(以下、画像参照)を見れば確認できます。
【固定資産税納税通知書の見本】
田舎の土地を相続した際には、固定資産税納税通知書の内訳もしっかりと確認するようにしましょう。
たとえば、固定資産税評価額が1,000万円の土地を相続した際にかかる固定資産税額は以下の通りです。
固定資産税額=1,000万円×1.4%=14万円
つまり、このケースでは田舎の土地を所有する限り、毎年14万円の固定資産税を納めなければならないということです。
田舎の土地を相続する際には、固定資産税が負担にならないかどうかも考慮する必要があります。
近隣住民から損害賠償を請求される
田舎の土地を相続すると、近隣住民から損害賠償を請求される恐れがある点もデメリットです。
田舎の土地を相続した方は、所有者として適切に管理する義務があります。
(相続人による管理)
第九百十八条 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。引用元:e-Gov法令検索「民法第918条」
そのため、その土地で起こったトラブルに対しても責任を取らなければならないと民法第717条で規定されています。
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。引用元:e-Gov法令検索「民法第717条」
土地の工作物とは建物だけでなく、擁壁や樹木なども該当します。
もし適切な管理を怠り、樹木の倒壊や害虫・害獣の発生などによって近隣の方に被害を与えた場合には損害賠償を請求されかねない点に注意しましょう。
犯罪の温床になりやすい
適切な管理が行き届いていない土地は、犯罪の温床になりやすい点にも注意が必要です。
人の出入りがまったくなく、管理がなされていない土地にはやがて雑草が生い茂り、荒れ地と化します。
ゴミなどが不法投棄されることもあるでしょう。
また、放火されるリスクも考えられるところです。
自治体によってはこのような被害を未然に食い止めるべく、条例によって所有者に空き地の雑草除去を義務づけているところもあります。
たとえば奈良県宇陀市では、雑草除去の命令に応じなかった所有者に対して5万円以下の罰金を科すとする条例を制定しています(「あき地に繁茂した雑草の除去に関する条例」)。
トラブルを避けるには、少なくとも月に一度は土地を管理しに行く必要があるでしょう。
子や孫に負の遺産を残してしまう
ここまで田舎の土地を相続するデメリットを4つ解説してきましたが、これらは自分の代だけで終わるものではありません。
子や孫の代にもデメリットが受け継がれていくことを考慮する必要があるでしょう。
たとえいらない土地であっても、所有する限りさまざまなデメリットがつきまといます。
自身が亡くなったあとは、相続した子どもがデメリットに悩まされる可能性も否めません。
田舎の土地を相続する際には、将来受け継ぐことになる子や孫のことを考えたうえで結論を下すべきだといえるでしょう。
いらない田舎の土地の放置は、子や孫に迷惑をかけるだけです。子や孫に余計な負担をかけないようにするためにも、
相続した田舎の土地はできる限り早く処分することをおすすめします。
具体的な処分方法については、後述の「いらない田舎の土地を手放せる4つの方法」で詳しく解説していきます。
田舎の土地を相続する6つのステップ
田舎の土地を相続する際の手続きは、以下6つの流れで行われます。
- 遺言書を確認する
- 財産を特定する
- 相続人を特定する
- 遺産分割協議を行う
- 相続登記を行う
- 相続税を支払う
ここでは、田舎の土地を相続するときの流れをステップごとに解説します。
なお、不動産を相続する流れをもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて参考にしてください。
遺言書を確認する
まずは、被相続人が遺言書を作成しているかどうかを確認しましょう。
遺言書は被相続人が誰に財産を分与するのかを記載した重要な書類であり、遺言書の有無によって手続きの流れが変わるためです。
遺言書がある場合は、その内容に従って遺産を分割します。
ない場合は、相続人全員で話し合って遺産の分け方を決めます(遺産分割協議)。
財産を特定する
次に、被相続人のすべての財産を調査します。
現金や預貯金、不動産、宝石などのプラスの財産だけでなく、借金や各種ローンなどのマイナスの財産もリストアップします。
相続財産の特定は、相続税を申告する際に欠かせません。
もし申告漏れが発覚した場合、納付期限の翌日から納付日までの延滞税も併せて納付しなければならない点に注意が必要です。
また、相続財産の調査を行って財産目録を作成しておくと、のちの遺産分割協議をスムーズに進められるようになります。
以下、財産目録のサンプルです。
【財産目録の見本】
相続人を特定する
遺言書がない場合は、誰が相続人となるのかを調査する必要があります。
自治体が発行している戸籍謄本を確認し、被相続人の親族関係を洗い出しましょう。
なお、相続の発生時に遺産を受け取る相続人になれる順位は民法で以下のようにしっかりと定められています。
これを「相続順位」といいます。
第1順位 | 子ども(もしくは孫) |
---|---|
第2順位 | 親もしくは祖父母などの直系尊属 |
第3順位 | 兄弟姉妹 |
(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。引用元:e-Gov法令検索「民法第887条」
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹引用元:e-Gov法令検索「民法第889条」
(配偶者の相続権)
第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。引用元:e-Gov法令検索「民法第890条」
法定相続人になれるのは、被相続人の配偶者と血族です。
配偶者は常に法定相続人となれますが、被相続人の血族が法定相続人となれるかどうかは先順位の人がいるかどうかで決まります。
たとえば被相続人に配偶者と子どもがいる場合は、配偶者と第1順位である子どもが法定相続人となります。
親や兄弟姉妹は法定相続人とはなれません。
もし子どもがいない場合には、配偶者と第2順位である親が法定相続人となります。
法定相続分の割合や順位については、以下の記事で詳しく解説しています。
遺産分割協議を行う
遺言書がない場合は、相続人全員で集まって遺産の分け方を話し合います。
これを「遺産分割協議」といいます。
このとき、相続人がひとりでも不足している場合は無効となるため注意しましょう。
遺産分割の方法には、以下4種類があります。
- 現物分割
- 代償分割
- 換価分割
- 共有分割
ただし相続財産の中に不動産が含まれている場合、その分割方法を巡ってトラブルが起こりやすい傾向にあるため注意が必要です。
遺産分割協議におけるトラブルを防ぐためにも、生前に以下のような形で遺言書を作成しておくか、間に弁護士などの専門家を挟むことをおすすめします。
【遺言書の見本】
遺産分割の4つの方法について、詳しく見ていきましょう。
相続する土地の4つの分け方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
現物分割
現物分割とは、不動産や株式、現金などの相続財産を各相続人がそのまま相続する方法を指します。
たとえば妻が不動産、子どもが現金を相続するといった形です。
また、土地の面積が広い場合には分筆して複数の土地に分けると、現物分割が可能となります。
この場合は各相続人がそれぞれの土地を単独所有する形となるため、各々が自由に土地を活用できるようになるメリットがあります。
ただし、土地の面積が狭い場合には分筆することで建物を建てるなどの活用が難しくなり、資産価値が下がる恐れがあります。
また、道路に面しておらず建物を建てられない土地が発生しかねません。
このような土地を売却しようとしても買手が見つかることはまずないため、注意が必要です。
共有名義の土地分割で失敗しない方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
代償分割
代償分割とは不動産のように分割が困難な遺産を相続人のひとりが継承し、その代償として遺産の取得者がほかの相続人に一定のお金を支払う方法です。
たとえば親の遺産である1,000万円の不動産と500万円の現金のうち、兄が不動産を、弟が現金を相続したケースを見てみましょう。
兄弟の相続分は平等であり、本来兄と弟は750万円ずつ相続すべきはずのところ、この場合は兄が弟よりも250万円多く相続していることになります。
そこで兄が250万円を代償金として弟に支払うことで、公平な遺産分割が可能となるのです。
ただし、相続人に代償金を支払う経済力がない場合には代償分割は成立しません。
また、代償金は不動産の評価額に大きく左右されることから、不動産の評価方法を巡ってトラブルが発生することもあります。
換価分割
換価分割とは、相続財産である土地を売却したお金を相続人で分ける方法です。
現物分割、換価分割と比較すると、遺産を公平に分割できるメリットがあります。土地を誰が相続するのかで揉める心配もありません。
遺産を公平に分割したい、田舎の土地など不動産の相続を希望する相続人がいないときにおすすめの遺産分割方法です。
ただし換価分割を行うには、まず土地の名義を被相続人から相続人の名義に変更する必要があります。
また、田舎の土地のように需要の少ない不動産は必ずしも売却できるわけではない点にも注意が必要です。
なお、田舎の土地など一般の買手が見つかりにくい土地は不動産仲介業者の仲介では売却できる確率は低いといわざるを得ませんが、専門の不動産買取業者による買取であれば確実に売却できて現金化が可能です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)でも、田舎の土地を積極的に買い取っております。
査定は無料なので、田舎の土地をいくらで売却できるのかが知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
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共有分割
共有分割とは、相続財産を複数の相続人で共有する形で相続する方法です。
たとえば、田舎の土地を兄弟2人が2分の1ずつの割合で所有する形が該当します。
共有分割も換価分割と同様に、遺産を公平に分割できる点がメリットです。
しかし共有名義の土地は、共有者全員の同意がなければ売却できません。
共有名義に土地に家を建てるにしても、共有者の同意が不可欠なのです。
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。引用元:e-Gov法令検索「民法第251条」
また、共有者が亡くなった際にはその権利が次の世代へと受け継がれ、共有者の数が増えてより権利関係が複雑になる恐れもあります。
のちのトラブルを避けるためにも、遺産分割において共有分割は避けたほうが無難です。
なお、共有名義で不動産を相続すると起きるトラブルについては以下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご参照ください。
相続登記を行う
遺産分割協議で遺産の分割方法に関する話し合いがまとまったら、誰がどの財産を受け継ぐのか、相続財産をどのように分割するのかを記載した遺産分割協議書を作成して相続人の間で共有します。
のちの相続トラブルを防ぐためにも、遺産分割協議書は作成しておいたほうがよいでしょう。
その後、土地を相続することになった相続人は不動産の所在地を管轄する法務局で土地の名義を被相続人から自身へと変更する手続きを行います。
これを「相続登記」といいます。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続の開始を知ったときから3年以内に名義変更の手続きを行わなければ10万円以下、または5万以下の過料が科される点に注意が必要です。
参照元:法務局|相続登記が義務化されます(令和6年4月1日制度開始)
相続税を支払う
相続税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に納付する必要があります。
相続税の計算方法は以下の通りですが、課税遺産総額の割り出し方は複雑であり、前述のように申告漏れがあると延滞税が課される恐れがあるため、税理士などの専門家に依頼することをおすすめします。
田舎の土地を活用しても収益化は難しい
「田舎の土地を相続する3つのメリット」の項目で解説したように、相続した田舎の土地でアパートや駐車場、太陽光発電経営を行ったり、農地や事業用地などとして貸し出したりすれば家賃収入や地代収入を得られる可能性があります。
しかし、賃貸需要のない土地にアパートを建てても借り手が見つからず、建物代がそのまま赤字としてのしかかってしまうのがオチです。
駐車場経営にしても、都心部とは異なり自分の家に駐車場があることが当たり前のエリアであれば収益化を図ることは難しいといわざるを得ません。
もし相続した田舎の土地が駅や繁華街、大学などに近く、賃貸需要が見込める立地の場合には賃貸経営を成功させられる可能性はあります。ま
た、田舎の雨量が比較的少なく日当たりがよい場合には、太陽光発電経営が向いているでしょう。
このように、田舎の土地を活用する際には周辺環境や地域性などを考慮し、地域に合ったニーズを見極める必要があります。
需要がない、収益性が見込めそうもない場合には、デメリットから解放されるためにも早々に手放したほうがよいでしょう。
空き地の活用方法と事例については、以下の記事で詳しく解説しています。
いらない田舎の土地を手放せる4つの方法
ここからは、田舎の土地を相続したものの利用予定がない方へ向けて手放す以下4つの方法を解説します。
- 相続放棄する
- 相続土地国庫帰属制度を利用する
- 自治体に寄付する
- 売却する
それぞれの方法にメリットとデメリットがあり、また向いている人の特徴も異なるため、自身の状況と照らし合わせながら読み進めていってください。
田舎の土地を手放す4つの方法について、具体的に見ていきましょう。
相続放棄する
相続放棄とは、相続財産を受け継ぐ権利の一切を放棄することを指します。
田舎の土地を相続したくない場合には、相続放棄を選択するのもひとつの方法です。
相続があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申し立てて認められると、相続放棄ができます。
もし被相続人にローンや税金の滞納などの借金があった際には、その負債を背負わずに済む点もメリットです。
他の相続人との相続トラブルに巻き込まれることもありません。
借金などマイナスの相続財産が多い、相続トラブルを避けたい方におすすめの方法です。
ただし、相続放棄には以下のデメリットがあることを押さえておく必要があります。
相続放棄の概要と相談先については、以下の記事で詳しく解説しています。
すべての財産を放棄することになる
相続放棄では、田舎の土地の権利のみの放棄はできません。
相続放棄を選択すると、田舎の土地のみならず、現金や預貯金、株式などのプラスの財産も放棄しなければならない点に注意が必要です。
「田舎の土地は相続したくないが、預貯金だけは相続したい」といった使い方はできない点を押さえておきましょう。
管理責任が残る
相続放棄をしたとしても、現に占有していると土地の管理責任が残ります。
自分以外に相続人がいない、相続人のすべてが相続放棄を選択した場合には田舎の土地を実質的に管理している相続人が引き続き土地を管理しなければなりません。
適切な管理を怠り近隣の方に被害が生じた場合には、損害賠償を請求される恐れがある点に要注意です。
相続人全員が相続放棄したら相続財産清算人の選任が必要
相続人全員が相続放棄を選択した場合に土地の管理責任から解放されるには、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらう必要があります。
相続財産清算人とは、被相続人の相続財産を清算し、残った財産を国庫に帰属させる人のことです。
家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てて認められた場合には、晴れて田舎の土地の管理から解放されることになります。
ただし、相続財産清算人選任の申し立てを行うにあたり、20~100万円ほどの予納金を納めなければならない恐れがある点に注意が必要です。
相続土地国庫帰属制度を利用する
相続土地国庫帰属制度とは、相続したくない田舎の土地などの所有権を放棄して国に帰属させられる制度です。
相続放棄とは違い、相続したくない土地のみを手放せるため、「田舎の土地は相続したくないが、現金や株式などのプラスの財産は相続したい」方におすすめの方法です。
ただし、相続土地国庫帰属制度の利用条件は厳しく、建物がある土地や土壌汚染されている土地、境界が不明瞭の土地などは申請できません。
また、審査手数料として土地1筆あたり1万4,000円、負担金として20万円を支払わなければならない点はデメリットといえるでしょう。
相続土地国庫帰属法については、以下の記事で詳しく解説しています。
自治体に寄付する
田舎の土地を自治体に寄付するのも選択肢のひとつです。
田舎の土地が公共の場として有効活用可能など自治体にとってのメリットが大きければ、寄付を受け入れてもらえる可能性があります。
たとえば、千葉県柏市では災害時の一時避難場所兼子どもの遊び場として活用すべく、約5,300㎡にのぼる土地の寄贈を受け入れています。
参照元:千葉日報2012年2月4日版
田舎の土地を自治体に寄付できれば、土地の管理の手間から解放される点がメリットです。
また、固定資産税を納めなくても済む点もメリットといえるでしょう。
やはりプラスの財産は相続したいものの、田舎の土地は相続したくない方に向いています。
ただし、現実的には土地の寄付は受け入れてもらえないことがほとんどです。
土地の寄付を受け入れることで固定資産税の税収が減少するためです。
田舎の土地のように利用が難しい、資産価値が低い土地の場合には寄付を受け入れてもらえる可能性は低いといわざるを得ません。
自治体への寄付が難しい理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
売却する
「田舎の土地は相続したくない、しかしプラスの財産は相続したい」方は、田舎の土地をいったん相続したうえで売却を選択するとよいでしょう。
田舎の土地を売却できれば、プラスの財産に加えて現金を手にできるメリットがあります。
田舎の土地を売却する方法は、不動産仲介業者に仲介を依頼して一般の買手を見つけてもらうか、専門の不動産買取業者に直接買い取ってもらうかの2種類です。
ただし、田舎の土地の条件によって向いている売却方法は異なります。ここからはそれぞれの売却方法の特徴について詳しく解説するので、自身の所有する田舎の土地に合わせた売却方法を選択してください。
なお、仲介と買取の違いについては、以下記事でも詳しく解説しています。併せてご参照ください。
仲介業者に売却を依頼しても売れにくい
田舎の土地が駅から近い、周辺に商業施設や教育機関、医療機関が充実しているなど利便性の高いエリアに立地しているときは、仲介で売却できる確率が高いでしょう。
仲介では市場相場に近い価格で売れる可能性があるので、買取よりも多くの利益を得られます。
しかし、売却までに期間がかかる点はデメリットです。
また、駅から遠い、近くに買い物ができる商業施設がないなど立地条件の悪い田舎の土地は需要が少なく、1年以上も売れないケースは珍しくありません。
不動産仲介業者に仲介を依頼しても一般の買手を見つけるのは難しいでしょう。
専門の買取業者に買い取ってもらう
結論から述べると、田舎の土地のように需要の少ない不動産は専門の不動産買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
田舎の土地を専門の不動産買取業者に買い取ってもらうメリットは、以下の3点です。
- 相続に強い弁護士と提携している
- 確実に買い取ってくれる
- 契約不適合責任を免除してくれる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
相続に強い弁護士と提携している
専門の不動産買取業者に田舎の土地を売却するメリットとして、相続に強い弁護士と提携している点が挙げられます。
相続財産の中に田舎の土地をはじめとする不動産が含まれている場合、分割方法を巡ってトラブルが起こりがちです。
しかし専門の不動産買取業者は全国の弁護士と提携しているため、トラブルを起こすことなく相続手続きを進められ、売却まで完了できます。
確実に買い取ってくれる
仲介では売却が難しい田舎の土地であっても、専門の不動産買取業者であれば確実に買い取ってもらえます。
専門の不動産買取業者には、田舎の土地のように需要の少ない不動産を再生して収益化できる豊富なノウハウがあるためです。
また仲介とは異なり、数日から数週間ほどで田舎の土地を現金化できる点も専門の不動産買取業者ならではのメリットです。
田舎の土地をとにかく早く手放したい方は、専門の不動産買取業者に相談するとよいでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では田舎の土地を積極的に買取しております。
相続した田舎の土地をできる限り早く売却したいと考えている方は、ぜひ弊社にお任せください。
>>【相続した田舎の土地を高額売却!】無料の買取査定を依頼する
契約不適合責任を免除してくれる
売主の契約不適合責任を免除してもらえる点も、専門の不動産買取業者に売却するメリットのひとつです。
契約不適合責任とは、不動産を引き渡したあとに契約書には記載されていなかった不具合や欠陥などが見つかった際に売主が買手に負うべき責任を指します。
たとえば田舎の土地を仲介で売却したのちに土壌汚染の事実が発覚した場合、売主は買手から損害賠償や契約の解除などを請求される恐れがあります。
しかし専門の不動産買取業者は物件に潜んでいる不具合や欠陥を承知のうえで購入するため、売主の契約不適合責任を免除することが可能です。
田舎の土地の売却後に余計なトラブルに巻き込まれたくない方も、専門の不動産買取業者に依頼するとよいでしょう。
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
田舎の土地を相続すると、不動産を資産として所有できる、将来的に地価が上がる可能性がある、購入時よりも土地の取得費用を抑えられるメリットがあります。
しかし田舎の場合には資産価値が下がる可能性が高いだけでなく、固定資産税を納め続けなければならない、管理を怠った結果近隣の方から損害賠償を請求されかねない点に注意が必要です。
田舎の土地を相続するデメリットは、メリット面よりも大きいといわざるを得ません。
子や孫に負の遺産を残さないようにするためにも、相続した田舎の土地は専門の不動産買取業者に売却して早々に現金化することをおすすめします。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、田舎の土地をはじめ一般の買手が見つかりにくい不動産を専門に扱っている不動産買取業者です。
全国の訳あり不動産を積極的に取り扱っており、お客様からも多くのお喜びの声をいただいております。
田舎の土地でも条件面にご同意いただければスピーディーに買い取ることが可能なので、相続した田舎の土地の処分にお困りの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。