古民家は新築や築浅物件に比べると売れにくい
当然ですが、築年数が建っていない物件に比べて、古民家は売れづらいです。その理由を説明する前に、まずは古民家とはどのような建物を指すのかを説明します。そのあとで、なぜ古民家は売れにくいのかを解説します。
そもそも古民家とはどのような建物を指すのか
古民家の明確な定義はありません。ただし、一般的には築50年以上の日本の建物を指します。そこでこの記事では、「築50年以上の日本の戸建住宅」のことを古民家と呼ぶことにします。
なぜ築50年以上なのかというと、これも確かな説はないのですが、恐らく国の登録有形文化財制度の対象となる建物が、築50年以上経った建物だからであると考えられます。
なお、定義はないとお伝えしましたが、一般社団法人全国古民家再生協会では、古民家について、以下のように独自の定義をしています。
昭和25年の建築基準法の制定時に既に建てられていた『伝統的建造物の住宅』すなわち伝統構法とする
引用元:一般社団法人全国古民家再生協会
上記の一般社団法人全国古民家再生協会の定義だと、築70年以上になります。
ただし、この記事を読まれている方の中には「築70年まではいかないけれど、築年数の古い物件を所有していて、どうにか売却したい」という方も多いかと思います。そこでこの記事では、先ほど述べた通り、築50年以上の日本の戸建住宅を古民家と呼ぶことにします。
古民家が売れにくいといわれる理由2選
古民家が一般の個人に売れにくいといわれる理由は、主に以下の2点です。
それぞれ詳しく解説していきます。
建物の資産価値が低く、需要が少ないため
古民家は建物の資産価値が低いため、一般の買い手には売れにくいです。
なぜ古民家の資産価値が低いかというと、築年数が古く、建物が老朽化していることが多いためです。たとえば、管理された古民家であっても、基礎や屋根裏など、パッと見ではわからない箇所の劣化が進んでいることもあります。
資産価値が低く、購入後にトラブルに見舞われるリスクの高い古民家は、どうしても一般の買い手からは敬遠されてしまいます。
また、古民家は税法上、建物の資産価値はないとされています。なぜなら、築50年以上の建物は国税庁が定めている住居用の建物の耐用年数を超えているためです。
固定資産(不動産など)を通常の用途用法に沿って使用した場合に、本来期待する役割を果たすとみなされる期間のこと
国税庁は木造住宅の耐用年数を22年、鉄骨造であっても47年と定めている
もちろん、耐用年数を過ぎたからといってすぐに建物の価値ゼロになるわけではありません。しかし、耐用年数を過ぎているかどうかは、建物の客観的な資産価値を図る重要な指標となります。
不動産は購入すると財産になるため、一般の買い手は資産価値がないとされる古民家より、資産価値の高い新築や築浅の物件を選ぶ傾向にあります。
古民家ブームでも古民家が売れにくい理由
前節を読んで、「古民家ブームという言葉も聞くけど、古民家ってそんなに価値がないの?」と思う方もいるかもしれません。たしかに一部の人の間では、「田舎の築100年以上の古民家を購入し、自身で修繕して住む」といったことも行われているようです。
しかしそれでも大半の古民家は資産価値が低く、一般の買い手に売れにくい状況にあります。なぜなら、大前提として、上述のような古民家好きは、不動産の購入を希望している一般の買い手の中のごく一部に過ぎないからです。
また、古民家ブームだからといって、全ての古民家に価値があるわけではありません。古民家が建物としての価値を持つのは、リフォームなどが施されたあとです。上の例でいえば「築100年なのに快適に暮らせる」古民家に価値があるのであって、単に築100年経っているというだけで価値があるわけではないということです。
古民家ブームがあることは否定しませんが、だからといって、ご自身の古民家が売れやすくなるわけではないということです。
建物の耐震性が低く、住宅ローンも通りにくいため
古民家は、現行の耐震基準を満たしていないため、現行の建物より耐震性が低いことも売れにくい理由の1つです。
建築物や土木構造物を設計する際に、それらの構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、建築を許可する基準
建築基準法が定める、建物の耐震性能を保証する耐震基準は、1971年と1981年、2000年に大きな改正が行われました。そして1981年に改正された耐震基準を「新耐震基準」と呼び、それ以前の基準を「旧耐震基準」と呼びます。
参照元:e-GOV(建築基準法)
よって、この記事で古民家としている、1973年以前に建てられた築50年以上の古民家は、現行の耐震基準は満たしません。
旧耐震基準と新耐震基準では以下のように基準が異なり、新耐震基準の方が大きな地震にも耐えられる基準となっています。
- 旧耐震基準
- 震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないこと
- 新耐震基準
- 中地震では軽微なひび割れ程度の損傷にとどめ、
震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと
日本は地震が多い国ですから、現行の建物より地震に弱い古民家は、どうしても一般の個人には敬遠されてしまいます。
また、新耐震基準を満たしていない物件は、地震による倒壊のリスクが上がるため、購入時の住宅ローン審査が通りにくくなります。そのため、仮に古民家を購入したいという買い手が現れても、住宅ローンが組めず、購入を断念する場合もあります。
>>【築何年の古民家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
なお、旧耐震基準の物件の売却については、こちらの記事でも解説していますので、参考にしてください
古民家の売却相場は幾らになるのか
古民家が一般の個人に売れにくい理由については分かっていただけたかと思います。では、実際、所有している古民家が幾らくらいで売れるのか気になる方も多いでしょう。しかし、古民家の売却相場は建物の立地や状況など条件によって様々です。
それでも、自身でだいたいの売却相場を知りたい場合は、築年数が古い物件が多く掲載されている不動産ポータルサイト(アットホーム空き家バンクなど)で、所有している古民家と似た条件の物件の売却価格を調べてみてください。
試しに上記のサイトで「佐賀県佐賀市」で検索してみると下記のように古民家が2件ヒットしました。この2件の売却価格や築年数などを参考に、自身の古民家が幾らくらいになりそうか、推定することはできるはずです。
引用元:アットホーム 空き家バンク
ただ、一般の個人が売却相場を正確に判断するのは難しいため、不動産業者の無料査定を受け、根拠に基づいた説明をしてもらうことが一番確実です。
なお、弊社Albalinkでも無料買取査定を行っています。ご自身の古民家の買取価格がいくらになるか気になる方は、ぜひ一度ご利用ください。
>>【築何年の古民家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
古民家を売る前にやっておくべきこと4選
古民家を売却するためには、事前に建物の状況の把握など、行っておくことがあります。何を行うべきかは、これから詳しくお伝えしますが、1つ言えることは、どれも手間や費用がかかるということです。
もし、そうした手間や費用をかけずに売却したいのであれば、不動産買取業者へ売却することをお勧めします。買取業者であれば、売却のための面倒な準備をしなくとも、現状のままで古民家を買い取ってくれるからです。
古民家の状態をできる限り正確に把握しておく
古民家は築年数が古いため、たとえ管理していても見えないところで老朽化が進んでいることがあります。そのため、売却前に建物の状態を把握する必要があります。
なぜなら建物の状態を把握せずに売却し、売却後に契約書に記載のない不具合が発覚した場合、売主であるあなたは、買主から契約不適合責任を問われる恐れがあるためです。
物品(今回の場合は不動産)を売却した後で、契約時に告知していない欠陥(瑕疵=かし)が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任
参照元:e-Gov法令検索|民法第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
たとえば、売却後に、契約書に記載のないシロアリ被害が発覚した場合、売主は、契約不適合責任を問われ、買主から損害賠償請求をされる恐れがあります。実際、中古物件の売買において、購入後にシロア被害が発覚した事例において、平成18年に東京地裁で、売主に718万円の損害賠償の支払いを命じる判決が出たことがあります。
参照元:東京地裁判決 平成18年1月20日(判例時報1957号 67頁)
また、契約不適合責任に問われると、売主は買主から損害賠償請求だけでなく、契約解除をされてしまう恐れもあります。
なお、契約不適合責任についてより詳しく知りたい方は以下の記事もご確認ください。
契約不適合責任を問われないようにするためには、売却前に建物の健康診断ともいえる、ホームインスペクションを受けておくことをお勧めします。
建物の基礎や外壁など、建物の構造上の主要な部分の劣化状況について、建築士やホームインスペクター(住宅診断士)などの建物の専門家に、第三者的な立場から、調査してもらうこと
費用は5万円~10万円ほどかかりますが、ホームインスペクションを受ければ、建物の状態がわかります。また、ホームインスペクションを受けたことは契約書の重要事項説明書に記載され、結果が不動産業者より買主へ説明されます。
そのため、ホームインスペクションを受けて劣化箇所が見つかった場合は、売却前に修繕しましょう。もし、費用的な問題などで修繕することが難しい場合は、契約書の重要事項説明書に劣化があることを記載しておきましょう。そうすれば契約不適合責任を問われることはありません。買主はその劣化を知った上で購入したことになるからです。
古民家は築年数が古く、どんな劣化が潜んでいるかわかりません。売却前にホームインスペクションを受け、建物の状態を把握してから売却するようにしましょう。
境界線をはっきりさせておく
古民家を売却する際は、土地の境界線を明確にしなくてはなりません。なぜなら、土地の売買において、売主は買主に対し、土地の境界を明示する「境界明示義務」を負っているためです。
境界明示義務は、民法555条の(物件引渡義務)の一環として行われています。また、多くの不動産売買契約書には「境界の明示」という項目があります。
もし、土地の境界を明示せず古民家を売却すると2つのデメリットがあります。
- 土地の資産価値が下がり、売却価格が安くなってしまう
- 買主から契約不適合責任に問われる恐れがある
1つめについては、土地の面積がわからないと、土地の資産価値が下がり、結果、売却価格も安くなってしまいます。先述したように、古民家は建物の資産価値が低いため、売却する際は、土地の価値が重要です。しかし、土地の境界線がはっきりしていないと、土地の価値が下がってしまうわけです。
2つ目は、土地の境界線を明示せず売却すると、買主から契約不適合責任に問われる恐れがあります。なぜなら、境界がはっきりしていないと、買主と隣接地の所有者の間でトラブルが発生することがあるためです。
たとえば、隣接地の所有者が、以前から土地の境界や使われ方に不満を持っていた場合、古民家の所有者が変わったタイミングで、一気に不満をぶつけてくる可能性があります。物件を購入した途端、いきなり文句を言われたら、買主はたまったものではないでしょう。
ですから、隣接地の所有者などとトラブルが発生した場合、買主は売主であるあなたの契約不適合責任を問い、契約解除や損害賠償請求などをしてくる恐れがあります。
ではどうすれば土地の境界線がわかるかですが、土地の境界線は下図のような境界標で確認することができます。しかし、古民家の場合、境界標が地中に埋もれてしまっているなどして、見つからない場合もあります。
引用元:札幌土地調査家屋士会
土地の境を示す、コンクリートなどでできた目印。境界標は境界線が折れる箇所(四角い建物なら四隅)にあり、境界標同士を結ぶことで、土地の面積を確定できる
参照元:法務省|土地の境界トラブル防止
境界標が見つからない場合は、法務局で不動産登記簿を見ることでも境界線を確認できます。ただし、土地や境界線の知識がないと、登記簿で確認した境界が現地でどこになるのかわからないでしょう。
建物や土地の所在地や構造、所有者、権利関係などが記載された公の帳簿。法務局で誰でも閲覧することができる
参照元:法務省|不動産登記のABC
そのため、境界線がはっきりしない場合は、土地家屋調査士に依頼し、土地の境界を確定してもらいましょう。依頼費用は40万円~100万円ほどです。
古民家は境界線がはっきりしていないことも多くあります。境界線をはっきりさせずに売却すると、売却価格も下がってしまいますし、契約不適合責任を問われる恐れもあります。ですから、売却前に境界線を明確にしておくようにしましょう。
なお、敷地境界線をめぐるトラブルと回避法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
地中に廃棄物などの埋設物ないか確認しておく
古民家を売却する前に、敷地内に地中埋設物がないかどうか確認しておきましょう。
地中に埋まっている破棄物(屋根瓦やコンクリート片などの建築資材など)
なぜなら、購入後に契約書に記載のない地中埋設物が見つかると、買主より先ほど説明した契約不適合責任を問われる恐れがあるからです。
なぜ、購入後に地中埋設物が見つかることがあるかというと、古民家は購入されたあと、買主が新たに建物を建てることもあるためです。建物を建てるために土地を掘り返した際、地中埋設物が見つかることがあるわけです。
ただし、地中埋設物の調査には10万円~30万円ほどかかます。さらに、撤去には埋設物の量にもよりますが、100万円ほどかかることもあります。そのため、調査で埋設物があることを確認できたけれど、撤去まで費用が出せない場合は、劣化箇所と同様、契約書の重要事項説明書に埋設物があることを記載しておくようにしましょう。
古民家を売る際は土地の価値が重要となります。そのため、売却前に地中に問題がないかをチェックしておきましょう。そして、もし地中埋設物があることが判明したら、できるだけ撤去するようにしましょう。
建て替えできない物件ではないか確認しておく
売却する前に、古民家が建て替えできない物件(再建不可物件)ではないかを確認しておきましょう。
建築基準法で定められた「接道義務」を満たしておらず、建て替えができない物件のこと
接道義務とは、4m以上の幅の道路に、2m以上建物の敷地が接していなくてはならないという義務です
参照元:建築基準法第42条(接道義務)
再建不可物件を解体してしまうと、新たに建物が建てられなくなってしまいます。古民家は売却後に解体されるケースもあるため、再建築不可物件でないか確認しておきましょう。自身の古民家が再建不可物件かどうかは、古民家のある自治体の役所やホームページで自分で調べることができます。
もし、再建築不可物件の古民家を売却前に解体してしまったら、新たに建物が建てられないわけですから、一般の個人には見向きもされなくなってしまうでしょう。また、購入後に建て替えができない建物だとわかった場合は、買主より契約不適合責任を問われる恐れがあります。
なお、再建不可物件の調べ方など、より詳しい情報を知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
古民家はどのように売却すればいいのか
古民家を売却する前にしておくべきことを理解していただいたところで、この章では、実際にどのように古民家を売却すればいいのかについて、解説します。
そのために、前提としてお伝えしたいのが、不動産の売却方法には、不動産仲介業者で売却する方法と不動産買取業者に売却する方法の2つがあるということです。まずはこの2つの違いと、それぞれのメリット・デメリットについてお伝えします。
そのあとで、以下の2点についてお伝えします。
この章を読めば、ご自身の古民家のベストな売却方法と、どういった行動をとればいいのかがわかるようになります。
なお、古民家を高く売る秘訣については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
仲介と買取の違い
「不動産仲介業者による売却」と「不動産買取業者への売却」の大きな違いは、下図を見てもらうとわかる通り、仲介の場合は買い手が一般の個人であるのに対し、買取の場合は買取業者自身が買い手であるという点です。
また、仲介と買取では、買い手が物件を購入する目的も違います。
仲介業者の買い手である一般の個人は、居住目的で物件を購入します。そのため、なるべく新しく、綺麗で住みやすい物件を探しています。
なお、仲介業者は売り手と買い手をマッチングさせ、依頼者(売り手・買い手)から、仲介手数料を受け取ることで利益を得ています。
一方、買取業者は、再販・運用するために物件を買い取ります。買取後にリフォームなど、物件に手を加えることを前提としているため、買い取る物件の状態が悪くても、利益が出そうであれば買い取ることができます。
仲介と買取の違いのポイントは、「買い手」と「物件の購入目的」の違いであるということを押さえておいてください。
仲介・買取の売却の流れ
仲介と買取の違いについて理解していただけたところで、それぞれの売却の流れについて解説します。基本的な売却の流れは以下の通りです。
上の図を見ていただくと、買取の方が売却までの工程が少なく、売却までの期間が短いことがわかっていただけるかと思います。
仲介と買取のそれぞれのメリット・デメリット
仲介と買取の違いや売却の流れを理解していただいたところで、それぞれの売却方法のメリット・デメリットをお伝えします。
下記はそれぞれの売却方法のメリットとデメリットを一覧にした表です。
仲介業者による売却 | 買取業者による売却 | |
---|---|---|
メリット | 一般の個人の需要と合致する古民家で あれば、売主の希望価格で売却できる 可能性があること |
買取価格が市場価格より安くなること |
デメリット |
|
|
表を見ていただくと、仲介業者に依頼して売却するのは、メリットよりデメリットの方が多いことがわかります。デメリットとして挙げた点は、買い手が一般の個人であるため、ある意味、やむを得ないものです。
仲介業者に依頼するメリットとしては、売主の希望価格で売却できる可能性があることです。なぜなら仲介業者に依頼する場合、売却価格は売り手と買い手の需要と供給が釣り合った市場価格になるためです。
簡単にいえば、仲介業者に依頼した場合、売主がつけた売却希望価格で購入してもいいという買い手が現れる可能性があるということです。
ただし、そうした買い手が必ず現れる保証はなく、永遠に売れ残ってしまうリスクもあります。また、物件が買い手が求めている要素(詳しくは後述します)を満たしている必要もあります。
一方、買取業者に依頼すると、仲介でデメリットとされたことが全て解決できます。具体的には、買手を探す必要がなく、売却までの工程も短いため、売却に時間がかかりません。また、リフォームなどは購入後に業者自身が行うため、売却のための費用がかかりません。
さらに、売主は仲介手数料の支払いもなく、契約不適合責任も免除されます。
買取業者に依頼する場合の唯一のデメリットとして、買取価格が市場価格より安い点が挙げられますが、この点についても、仲介業者に依頼しても売却できない恐れがあることを考えれば、多少安くなっても確実に早く売却できる買取業者に依頼した方が賢明です。
ちなみに、市場価格より安くなると聞いて、買取価格の相場が気になる方もいるかもしれませんが、一般的には買取価格は市場価格の7割程度と言われます。ただし、厳密には買取価格に相場というものは存在しません。買取価格は、個々の買取業者がその物件の状態や立地を見て判断するためです。
ですから、買取価格が知りたい場合は、ネットであれこれ調べるより、買取業者に買取査定をしてしうのが一番早いし、確実です。
なお、弊社Albalinkに査定依頼をしていただければ、無料で査定額を提示させていただきます。査定依頼を出したからといって、その後、無理に営業をかけることはありませんので、ご自身の古民家がいくらで売れるか気になる方は、お気軽に買取査定依頼をご利用ください。
>>【築何年の古民家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
また、仲介と買取の違いについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご確認ください。
仲介での売却に向いている古民家
日ごろから管理されていて、住みやすい立地に建つ古民家であれば、リフォームを行い、仲介業者に依頼して売却しても良いでしょう。
管理されているというのは、定期的に古民家を訪れ、換気や清掃などを行っている場合や、現在も古民家に住んでいて、日常的に管理をしている場合を指します。
また、住みやすい立地というのは、以下のような立地を指します。
- (都心の場合)最寄り駅に徒歩10分以内で行ける立地
- (車移動がメインの地方の場合)中心街や最寄りのICまで車で10以内で出られる立地
- 病院などの公共施設や、スーパーなど店舗まで歩いて10分以内・車で5分以内で行ける立地
なお、リフォームをどこまで行うべきかは仲介業者と相談して決めましょう。古民家を購入する方の中には、購入後に自身の好みに合わせてリフォームを行いたいと思う方もいるためです。また、むやみにリフォームを行ってしまうと、売却価格が高くなり、売れにくくなってしまいます。
仮に、多くの購入者が気にする水回り(風呂・台所・トイレ・洗面所)に絞ってリフォームした場合、費用は150万円~250万円ほどになります。
管理され、住みやすい立地であれば仲介で売れる可能性は十分あります。効果的なリフォームを行い、売却を目指しましょう。
瑕疵保険を付けて物件の信頼性をさらにアップさせる
立地が良く、リフォームを施した古民家であれば、それだけで一般の個人に売却できる可能性はあります。ただし、さらに物件の信頼性をあげ、売却しやすくするために、瑕疵保険を付けてもいいでしょう。
瑕疵保険とは、物件に見つかった瑕疵(雨漏りなどの不具合)の補修費用の一部を賄える保険です。
リフォームをしたとしても、築年数の古い古民家はどこに不具合が潜んでいるかわかりません。しかし、瑕疵保険に入っていれば、買手に「万が一、不具合が見つかっても保険が使える」という安心感を与えることができます。
さらに、瑕疵保険に加入している物件の場合、購入者にとって、住宅ローン控除を利用できるというメリットもあります。
住宅ローンを使って住宅を購入した人が、一定期間に渡り所得税等を節税できる制度
参照元:国税庁|住宅ローン減税
上記の住宅ローン控除は、原則として築20年超の一戸建てを購入した場合は適用されないのですが、瑕疵保険に加入している物件であれば、築20年超の物件でも住宅ローン控除が使えます。
ただし、瑕疵保険に入るには30坪の古民家の場合、年間で4万円~5万5千円ほどかかります。ですから、お財布との相談にはなるでしょうが、買手に安心感を与え、購入を後押しするためにも、瑕疵保険へ加入しておくことをお勧めします。
買取での売却に向いている古民家
放置されていて、老朽化が進んでいる古民家や、住みにくい立地に建つ古民家は、買取業者に売却を依頼した方がいいでしょう。
なぜなら、放置されて老朽化が進んだ古民家は、住むには危険な状態であることが多く、仲介で一般の個人には売却しにくいためです。たとえば、建物の基礎部が腐食していたり、屋根が崩れるといったリスクがあります。
また、住みにくい立地というのは、具体的に以下のような立地になります。
- (都心の場合)最寄り駅まで徒歩10分以上かかる立地
- (車移動がメインの地方の場合)中心街や最寄りのICまで車で10以上かかる立地
- 病院などの公共施設や、スーパーなど店舗まで歩いて10分以上・車で5分以上かかる立地
条件を見てもらえばわかるとおり、仲介に向いている立地に当てはまらない立地に建つ古民家に関しては、買取での売却をお勧めします。
専門の買取業者に依頼すれば、老朽化が進んだ古民家でも、住みにくい立地に建つ古民家でも、問題なく買い取ってもらえます。
買取業者に依頼するなら空き家専門の業者を選ぼう
古民家を買取業者に売却するのであれば、空き家専門の買取業者に売却しましょう。
そもそも、買取業者は業者ごとに専門に買い取っている物件が異なります。たとえば、マンションを専門に買い取っている業者もいれば、弊社のように空き家専門の買取業者もいます。
専門外の物件は、買取業者であっても買い取れなかったり、買取価格が安くなってしまいます。なぜなら、買取後の活用ノウハウがないためです。
ではなぜ古民家は空き家専門の買取業者へ売却するのがいいかというと、空き家専門の買取業者は老朽化した物件の活用ノウハウが豊富だからです。そのため、築年数が古く、老朽化が進んでいる古民家の買取にも長けています。
空き家専門の買取業者であれば、老朽化した古民家でも、スムーズに、できるだけ高値で買い取ってくれる可能性が高いです。
弊社Albalinkも空き家専門の買取業者として、年間600件以上(※2023年1月~10月の実績)、様々な空き家を買い取ってきました。中には他社に全て断られた築60年の物件を買い取り、お客様から下記のように、感謝のお言葉をいただいこともあります。
参照元:Albalink(お客様の声)
老朽化した古民家の売却でお困りの方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(買取査定のみのご利用でも、無理に営業をかけたりはいたしませんので、ご安心ください)。
>>【築何年の古民家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
なお、古い家のおすすめの買取業者については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
古民家を売却する際のNG行動3選
この章では、古民家を売却したいのであれば、取ってはいけない行動を3つ紹介します。
もしかしたら、ここで紹介することは、他のサイトでは推奨されているかもしれません。しかし、そうしたサイトの情報に惑わされないでください。
なぜなら、この章でお伝えすることは、専門の買取業者として、日々不動産売買の実務を行っている弊社だからこそお伝えできる、真実だからです。
解体して売却する
古民家が老朽化してしまっているからといって、解体して土地だけにして売却しようとするのはNGです。なぜなら、古民家を解体することには、以下の2つのリスクがあるためです。
- 解体費用がかかる
- 固定資産税が6倍になる
「1」については、解体するには当然解体費用がかかります。たとえば一般的な戸建ての広さである、30坪の場合、解体費用で150万円前後かかります。
「2」については、建物を解体してしまうと、住宅用地の特例が解除されるため、土地の固定資産税が6倍になってしまいます。
住宅用地の特例とは下の表のように、住宅用の土地の固定資産税が1/6に軽減する特例です。解体して建物がなくなってしまうと、特例が適用されなくなるため、固定資産税が6倍になってしまうわけです。
参照元:総務省|固定資産税制度について
また、前述したように、解体するとなると、再建築不可物件でないか、地中埋設物がないかにも注意を払わなくてはなりません。
このように古民家の解体には様々なリスクがあります。ですから、老朽化した古民家は、解体するより買取業者に買い取ってもらうことをお勧めします。
古家付き土地として売却する
古民家の売却方法として「古家付き土地」として売り出す方法もあります。しかしこの方法も勧めできません。
古家付き土地とは、古民家が建ったままの状態で土地として売り出すということです。売却にあたって、リフォームや解体の費用がかからないため、推奨しているサイトもあります。
しかし、古家付き土地は、そもそも土地を希望している人に売れる可能性が低いため、売却方法としてお勧めできません。土地を希望している人は、家が残っている土地より、更地で売り出されている方を選ぶためです。
仮に古家付き土地を希望する人がいたとしても、土地として使用するには購入後に解体費用がかかるため、その分、値引き要求をされてしまう可能性があります。
古民家を、古家付き土地として売りに出すのは費用もかからず簡単ではありますが、売れる見込みも低いです。ですから、もし費用をかけず、確実に売却したいのであれば、古家付き土地として売却するより、買取業者に依頼するほうが賢明です。
なお、古家付き土地の売却方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
空き家バンクを利用する
古民家が空き家の場合、売却する方法として、空き家バンクを利用する方法もあります。
しかしこの方法もあまりお勧めできません。
空き家バンクは空き家の売り手と買い手をマッチングさせるサイトで、各自治体が運営しています。売り手は、売却希望の古民家を、空き家バンクのサイトへ無料で登録できます。
空き家バンクの利用がお勧めできない理由は以下の3つです。
- 普及率が低く、空き家バンクを運営していない自治体も多い
- 仲介業者の質があまり良くない
- 個人間売買によるトラブルが起きやすい
「1」については、令和4年12月末時点で、空き家バンクに登録されている空き家は、空き家全体の0.1%程度でほとんんど普及していません。そのため、空き家バンクを利用しようとしても、自治体が空き家バンクを運営していない可能性もあります。
なお、古民家がある自治体が空き家バンクを運営しているかどうかは「市町村名 空き家バンク」で調べると確認できます。試しに、「空き家バンク 長野市」で調べると以下のように、検索トップに市の空き家バンクのサイトが表示されます。
「2」については、通常、仲介業者は査定依頼をした結果、信頼できるところを売主自ら選ぶことができます。しかし、空き家バンクを利用すると、仲介業者は自分で選べず、自治体から業者を指定されます。しかも、正直に言ってしまうと、この仲介業者の質があまり良くないことが多いのです。
なぜなら、そもそも能力があり、顧客がたくさんいる仲介業者であれば、空き家バンクの顧客まで対応する余裕はありません。
つまり、自治体から紹介される仲介業者というのは、自前の顧客が少なく、あまり仕事がない仲介業者が多いということです。そのため、対応が遅かったり、態度が悪い業者を紹介されてしまうことがあります。
「3」については、空き家バンクでは、仲介業者を挟まず個人間で売買を行うこともできます。しかし、個人間で売買を行うと、売却後にトラブルに発展することがあります。
たとえば、空き家の所有権を買主に移転させるためには、たとえ個人間であっても売買契約書の作成が必須です。しかし、専門知識のない個人が売買契約書を作成するのは難しく、「書類に不備があり無効とされた」なんてことも起こり得ます。
しかも、サイトを運営している自治体はこうした利用者間のトラブルまでは対応してくれません。
空き家バンクで古民家が絶対売れないというわけではありません。もしかしたら、時間をかければ、いつか売れるかもしれません。しかしそれは、古民家を売りたいという切実な悩みを抱えたあなたにとって、ベストな売却方法でないことは確かです。
なお、空き家バンクについて詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。
古民家の売却に関する税金・手数料など
この記事を読まれている方のほとんどが、古民家の売却方法が知りたいという方だと思います。しかし、不動産の売却には税金や手続きのための費用や手数料がつきものです。そこでこの章では、古民家の売却に際して、どのような税金や手数料が、どのタイミングで発生するかをお伝えします。
なお、不動産の売却に関する税金については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
売却する際に印紙税がかかる
古民家を売りに出し、買主が決まり、不動産売買契約を交わす際に印紙税が発生します。
商業取引に関連する文書(課税文書)に対してかかる税金
上記の印紙税の説明にあるように、印紙税がかかる文書のことを「課税文書」と呼びます。そして、不動産売買も商業取引であるため、不動産売買契約書は課税文書にあたります。そのため、印紙税がかかるわけです。
参照元:国税庁(印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで)
印紙税は、不動産売買契約書に印紙(収入印紙)を貼る形で売主、買主双方が納めます。
印紙税を支払うために発行される証票
少し大きめの切手のような見た目をしている(下記画像参照)
なお印紙を不動産売買契約書(下図参照)のどこに貼るかについての決まりはありませんが、契約書の「左上の余白部分」か、「表紙の右上」に貼るのが一般的です。
【不動産売買契約書】
印紙税は下記の表のように不動産の売却金額によって変わります。現在は軽減税率(下の表の太字部分)が適用されています。ただし、軽減税率は令和6年3月31日までとされているため、それ以後は下の表の「本則税率」の金額になると想定されます。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円超~50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超~100万円以下 | 千円 | 500円 |
100万円超~500万円以下 | 2千円 | 千円 |
500万円超~1千万円以下 | 1万円 | 5千円 |
1千万円超~5千万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5千万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
売却後に譲渡所得税がかかる
古民家を売却すると売却益(譲渡所得)が発生します。譲渡所得とは、不動産(今回の場合であば所有している古民家)を売却して得た金額(売却金額)から、今回売却した古民家をかつて購入した際の購入代金(取得費)と、今回売却するためにかかった諸経費(譲渡費用)を差し引いた額になります。
上で説明した譲渡所得を、計算式で表すと以下のようになります。
そして、譲渡所得には譲渡所得税が課されます。
譲渡所得税を支払うためには、古民家を売却した翌年の2月16日~3月15日までに、税務署で確定申告を行う必要があります。確定申告は自身でもできますが、税理士など専門家に依頼する方が確実です。依頼料は10万円~15万円程度です。
譲渡所得税は譲渡所得に税率をかけた金額になります。税率は、以下の表のように古民家を所有していた機関によって変わります。
所得税 | 復興税所得税 | 住民税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得(空き家の所有期間が5年以下) | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得(空き家の所有期間が5年超) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
上の表を見てもらえばわかる通り、5年より長く所有してから売却した方が、税率が低くなります。ただし、所有期間は不動産を取得した日から、売却した日までではなく、売却した年の1月1日までとなるので、注意が必要です。
なお、古民家ですと、取得費(古民家の購入金額)がわからない場合もあるかと思います。その場合は、所得税法33、38条などにより、売却価格の5%相当額を取得費とすることができます。
参照元:国税庁(取得費がわからないとき)
ただし、取得費を売却価格の5%として譲渡所得を計算すると、実際より譲渡所得が多くなり、結果的に譲渡所得税も高くなってしまう恐れがあります。ですから、なるべく当時の売買契約書など、購入金額がわかる書類を探すようにしましょう。
古民家を売却すると、譲渡所得税が発生し、譲渡所得税額は譲渡所得額と、古民家の所有年数によって決まります。また、譲渡所得税を支払うには、確定申告が必要であることも覚えておいてください。
譲渡所得税を軽減する特例
古民家を売却し、譲渡所得が発生すると、譲渡所得税の支払いが必要になるとお伝えしました。しかし、譲渡所得税を軽減する特例がいくつかあるので紹介します。適用できる特例がないか確認してみてください。
空き家3000万円特別控除
空き家の古民家を売却した場合、要件を満たせば、空き家3000万円特別控除を適用できます。この特別控除は、空き家の古民家を売却した際の譲渡所得を、3000万円控除できるというものです。つまり譲渡所得が3000万円以下であれば譲渡所得税がかからないということです。
参照元:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
特別控除を受けるための主な要件は以下の通りです。
- 相続される前まで被相続人(親など)が居住していた家屋であること
- 昭和56年5月31日以前に建築された家であること
- 相続から売却までずっと空き家であったこと
- 売却する空き家は耐震基準を満たしているか更地である
また、特別控除を受けるには以下の2つの期限に間に合って空き家を売却する必要があります。
- 令和5年(2023年)12月31日までに売却すること
- 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
上記、どちらか早く訪れる方が期限となります。もし、この控除を受けたいと思った方で、まだ空き家を売却できていない場合は、ぜひ買取業者への売却をご検討ください。買取業者であれば手間ひまかけず、スピーディーに売却できるためです。
特に空き家専門である弊社Albalinkへご依頼いただけば、お客様のご希望に沿って、スピード感を持って買い取らせていただきます。
>>【築何年の古民家でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
なお、空き家3000万円特別控除については、より詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
居住用財産(マイホーム)3000万円控除
所有者自身が住んでいる古民家を売却した場合、要件を満たせば居住用財産(マイホーム)3000万円控除が受けられます。これは先述した空き家3000万円特別控除のマイホーム版のようなもので、マイホームを売却した際の譲渡所得税が3000万円控除されます。
参照元:国税庁|No.3302 マイホームを売ったときの特例
主な適用要件は次の4点です。
- 譲渡所得を得た翌年、確定申告を行うこと
- 自分が住んでいる家を売却すること
- 現在住んでいない場合は、住まなくなってから丸3年後の12月31日までに売却すること
- 売り手と買い手が、親子や夫婦、自分の経営する法人など、特殊な関係でないこと等
なお、居住用財産(マイホーム)3000万円控除について詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。居住用財産(マイホーム)3000万円控除だけでなく、このあとに述べる取得費加算特例など、不動産売却の税金や特例全般について詳しく解説しています。
取得費加算特例
取得費加算特例は、古民家を相続し、相続税を支払ったあとに売却した場合に、譲渡所得税を軽減できる特例です。具体的には、譲渡所得を求める際に差し引かれる取得費に、相続税を加算することができます。
参照元:国税庁|No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
譲渡所得は先述した通り、売却した物件(この記事では古民家)の売却金額から、物件の取得費と譲渡費用を引くことで求められます。そのため、下の図を見てもらえばわかる通り、取得費が相続税の分だけ増えれば、その分、課税対象である譲渡所得が減るというわけです。
なお、取得費加算特例が適用される条件は以下の通りです。
- 相続や遺贈(遺言で特定の人に財産を贈ること)で財産を取得している
- 財産の取得者に相続税が課税されていること
- 相続開始から3年10ヶ月以内に売却している
また、取得費加算特例は、空き家3000万円控除との併用はできませんが、マイホーム3000万円特例との併用は可能です。
なお、相続した空き家の取得費加算の特例については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
低未利用地等を売却したときの100万円特別控除
古民家は売却価格が500万円以下となるケースもあります。その場合、「低未利用地等を売却したときの100万円特別控除」が使える可能性があります。
低未利用土地等の100万円特別控除は、「売却価格が500万円以下」で、「長期譲渡所得」(5年を超えて所有)のときに譲渡所得から100万円を控除できる特例です。
低未利用土地等の100万円特別控除を適用した場合の譲渡所得の計算式は以下のようになります。
先ほど説明した譲渡所得の計算式から、さらに100万円が引かれていることがわかります。
低未利用土地等の100万円特別控除を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 譲渡した者が個人であること
- 譲渡の年の1月1日において、所有期間が5年を超えること
- 譲渡価額の合計が500万円以内であること
- 譲渡した物件が都市計画区域内にあること
- 譲渡した物件が「低未利用土地等であること」および「譲渡後の土地等の利用」について市区町村長の確認がなされたものであること
上記「4」に「都市計画区域内にあること」というものがありますが、都市計画区域とは、国土交通大臣や、都道府県知事によって、市街地として開発していく区域、または開発予定である区域に指定された区域のことです。
あまりにも山奥などでない限り、たいてい都市計画区域に入っていることが多いですが、所有する古民家が都市計画区域かどうかは、役所の都市計画担当課に問い合わせると教えてもらえます。
また、「5」に「低未利用土地等」とありますが、低利用土地とは、空き地や空き家、空き店舗などがある土地のことです。この要件では「低利用地等」となっているため、古民家がある土地も対象となります。
この特例は先に述べた他の特例との併用はできませんが、他の特例より要件が緩く、適用しやすい特例となっています。なお、要件の詳細については、以下の国税庁のホームページをご確認ください。
国税庁(低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除)
その他の費用
古民家の売却には税金以外にも手数料などの費用がかかります。ここでは主な費用を2つ解説します。ここで紹介する費用のほかにも、一般の個人に売却する場合には、リフォーム費用や、残置物(室内に残された不用品など)の撤去費用、ホームインスペクションの費用などがかかります。
仲介手数料
仲介業者に依頼し、売買契約が成立した場合、先ほどお伝えしたように、売主は仲介業者に仲介手数料を支払わなくてはいけません。仲介手数料の上限は下の表のように、売買価格によって変わります
上限とされていますが、通常、仲介業者は上限いっぱいまで仲介手数料を請求してきますので、上限金額が実質、仲介手数料だと思っていただいて構いません。つまり、仮に1千万円で売れたら仲介手数料として36万円支払うことになるというわけです。
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
なお、仲介手数料は譲渡所得を求める際の譲渡費用に含めることができます。譲渡所得は少しでも少ない方が、譲渡所得税も低くなるので、確定申告の際、忘れずに譲渡費用に仲介手数料を含めるようにしましょう。
抵当権抹消費用
売却する古民家に抵当権が残っている場合、売買契約を交わし、物件を引き渡す際に、不動産登記簿上の抵当権を抹消する必要があります。抵当権を抹消しないと、不動産を売却できないためです。
住宅ローンなどを借りるときに、購入する住宅の土地と建物に金融機関が設定する権利のこと。仮にローンの返済が滞った場合、金融機関は抵当権を行使し、対象となる土地や建物を売却するなどして、残金の回収を図る
たとえローンを完済していても、抵当権抹消手続きをしない限り、抵当権は不動産登記簿に記載されたままになっています。
抵当権抹消手続きは法務局で行います。自身で行うこともできますが、司法書士に依頼するのが一般的です。費用は、抵当権を抹消のための登録免許税が1000円と、司法書士への手数料が15000円ほどかかります。
登録免許税法に基づき、登記、登録、特許、免許などについて課せられる国税。
抵当権の抹消も登記に関わることなので、登録免許税がかかるわけです。
なお、抵当権抹消のための費用は譲渡税に含めることはできません。
抵当権の抹消を行わないと、古民家を売却することはできませんので、費用はかかりますが、確実に抹消するようにしましょう。
まとめ
今回は、古民家の売却方法について、古民家の状況別に、適切な売却方法を解説しました。また、売却にあたっての注意点や、売却することで発生する税金などについてもお伝えしました。
ただ、記事でもお伝えしたように、古民家は築年数も古く、老朽化していることが多いため、一般の個人には売却しにくいのが現状です。ですから、一部の立地や状態の良い古民家を除き、大半の古民家は、不動産買取業者へ売却するのが賢明です。
不動産買取業者であれば、老朽化が進んだ古民家であっても、そのままの状態でも買い取ってもらえるからです。なぜなら、買取業者は、再販・運用のために物件を買い取っており、買取後に物件に業者自ら手を加えることを前提としているためです。
ただし、一口に不動産買取業者といっても、業者ごとに何を専門に買い取っているかは異なります。その中で、古民家を売却するのであれば、空き家専門の買取業者に売却すべきです。
なぜなら、空き家の中には古民家のように築年数が古く、老朽化した物件もたくさんあり、空き家専門の買取業者であれば、そうした老朽化した物件の買取に長けているからです。
空き家専門の買取業者に依頼すれば、他の買取業者では断られてしまうような老朽化が進んだ古民家であっても、問題なく買い取ってくれます。
弊社Albalinkも空き家専門の買取業者であり、年間600件以上(※)、築年数が古い物件や、老朽化が進んだ物件を買い取っています。実際、本文中でもお伝えしましたが、「築60年経っていて、他社に全て断られた」というお客様の物件を買い取った実績もあります。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
ですから、所有している古民家の売却のことでお悩みの方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。スピーディーに買い取らせていただくことが可能です(買取査定だけのご依頼でも、その後、無理に営業をかけることはありませんのでご安心ください)。