騒音が嫌で引っ越したいのにお金がない状況でも実践できる対処法4選
令和5年に公表された環境省の資料によると、令和3年に全国の自治体に報告された騒音に関する苦情のうち、家庭生活に係る苦情が1,389件となっています。
5年前の調査結果と比べると約1.4倍まで苦情の件数が増加しており、近隣住民の生活音などに悩む人は年々増えていると予想されます。
参照元:環境省「令和3年度騒音規制法等施行状況調査の結果について」
騒音に悩みながらガマンして住み続けると心身の健康を損なうため、早い段階での対策が欠かせません。
この章では、騒音が嫌で引っ越したいのにお金がない状況でも実践できる対処法4選をご紹介します。
騒音以外のご近所トラブルについては、以下の記事で詳しく解説しています。

防音対策を実施する
まずは、部屋のレイアウトを変えて防音対策をする方法です。
音が聞こえてくる壁側に大型家具を寄せるように設置すると、家具自体が音を吸収したり反響を減らしたりすることで音を軽減させる効果があります。
壁から1㎝ほど離して家具を設置すると、すき間に空気層ができるのでより音を遮りやすくなります。
また、安価でカンタンに取り入れられる防音対策として、耳栓・イヤーマフの使用も有効です。
100円程度で購入できる上に取扱店舗も多いため、すぐに実践できる騒音対策といえます。
苦情の手紙を投函する
騒音元に苦情の手紙を投函する方法もあります。
相手が状況を真摯に受け入れ対応してくれれば、短期間で騒音問題が解消される可能性があります。
手紙を作成する際は、「うるさい」「生活音」などの抽象的な表現は避けて、以下のように騒音の内容を明確に伝えましょう。
- 毎日◯頃になると、洗濯機の音が聞こえる
- 深夜のテレビの音が気になる
また、苦情の手紙を作成する際は匿名にしておくのがポイントです。
音を発している居住者の捉え方によっては、手紙がキッカケで嫌がらせ・言いがかり・仕返しなどが始まる可能性があるからです。
苦情の手紙は匿名で、丁寧かつ具体的に書くよう心がけましょう。
騒音トラブルによる苦情の手紙の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

管理会社・町内会に相談する
自宅がマンションの場合は管理会社・戸建て住宅の場合は町内会に相談しましょう。
マンションの管理会社は掲示板に注意文を掲示したり、直接注意したりするなど、対応してもらえます。
町内会も同様に、回覧板で注意喚起したり、町内会長が代わりに指摘してくれたりする場合があります。
また、管理会社・町内会に相談する際は、騒音の内容・発生日時を具体的に記録しておくことも重要です。
騒音被害の詳細を伝えることで、本人への指摘や解決方法の提案が具体的にしやすくなります。
警察・弁護士に相談する
騒音の対処法として、警察相談ダイヤル「#9110」を利用して警察に相談するのも有効な手段です。
「110番通報」だと事件性・緊急性がないと駆けつけてもらえない可能性もありますが、「#9110」はその段階に至っていない悩みなどの相談に乗ってもらえます。
相談内容に応じて、相手への警告・専門機関への引継ぎなども対応してもらえます。
また、弁護士の無料相談を利用するのも有効です。
弁護士は法テラス・各地の弁護士会などで検索でき、多くは初回の法律無料相談に対応しています。
そのほか、各市町村にある役所では地域内に在住・在勤している方に向けて、1回30分程度の枠で法律相談窓口を設けています。
無料相談の枠だと法律に関する一般的な回答しかもらえない可能性がありますが、法的措置が適しているかどうかは判断しやすくなるでしょう。
騒音トラブルで引っ越す際に生じるお金は自己負担になる
近隣住民の騒音が原因で引っ越す場合でも、そのお金は自己負担になります。
騒音被害を客観的に証明するのは難しく、本人に引っ越し費用を請求しても応じてもらえるケースはあまりないと考えられます。
もし、騒音元に引っ越し費用に相当する金銭を請求する場合は、弁護士に依頼して訴訟を提起するのが賢明です。
裁判によって騒音被害が「受忍限度を超える」と認められると、騒音の損害賠償・騒音の差し止めの請求が可能です。
自宅や周辺環境において、社会一般的に受忍(受け入れる)すべきとされる程度
ただし、裁判で勝訴したとしても希望している金額を回収できない可能性があります。
過去の判例では、子どもの走り回る音がマンションの階下の住民に健康被害を与えたとして損害賠償が認められた事例があるものの、慰謝料・弁護士費用を合わせて36万円しか許容されていません。
参照元:マンション管理業協会「裁判年月日 平成19年10月3日」
弁護士費用は主に、着手金・報酬金で構成されていますが、着手金の時点で20万円〜30万円程度かかります。
費用倒れを覚悟して訴訟を起こすよりは、自己負担で引っ越したほうが得策かもしれません。
騒音トラブルで引っ越す際にかかる3つのお金
騒音トラブルで引っ越す際にかかるお金は、以下の3つです。
引っ越し前の退去費用
引っ越し前の退去でかかるのは、主に不用品の処分費用です。
不用品の処分費用は自治体によって異なりますが、家具・家電などの処分に数百円〜数千円かかります。
一例として、東京都渋谷区の場合は、洗濯カゴなどの小さな不用品は400円、3人掛けソファなど大きな不用品は2,300円で処分が可能です。
参照元:渋谷区「粗大ごみ」
もし、自宅を空けている間、賃貸物件として第三者に貸し出す予定であれば、ハウスクリーニングを入れて室内をキレイにしておく必要があります。
水回りだけハウスクリーニングをする場合であれば、2万円〜5万円程度の価格帯でも依頼できます。
引っ越し後の初期費用
賃貸物件に引っ越す場合は、入居する際の初期費用がかかります。
契約時にかかる一般的な初期費用は、以下のとおりです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
敷金 | 家賃1ヶ月分 |
礼金 | 家賃1ヶ月分 |
仲介手数料 | 家賃1ヶ月分 |
火災保険料 | 1万円〜2万円 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 |
たとえば、家賃8万円の賃貸物件に引っ越す場合の初期費用は、おおむね40万円です。
上記のほか、鍵の交換費用・消毒費用として2万円〜3万円が追加でかかるケースもあります。
引っ越し業者への依頼費用
引っ越し業者への依頼費用は、荷物の量・移動距離・時期によって異なります。
繁忙期に家族の引っ越しを依頼した場合の費用相場は、以下のとおりです。
繁忙期は通常期よりも引っ越し費用が割高に設定されるため、騒音に耐えられそうならタイミングを狙って引っ越すと良いでしょう。
騒音が嫌で引っ越したいのにお金がない場合の節約方法4選
引っ越し費用は数十万円という金額がかかりますが、ひと手間かけることで出費を抑えられます。
騒音が嫌で引っ越したいのにお金がない場合の節約方法は、以下の4つです。
- 新居の初期費用を抑える
- 敷金礼金が0円・フリーレント(期間中の家賃が無料)などの価格の優遇がある物件を選ぶ。また、火災保険を自分で選ぶ・仲介手数料の値引き交渉をするなどでも節約できる
- 引っ越し業者に相見積もりを取る
- 3社程度に見積もりを依頼し、他社の金額を引き合いに価格交渉をする。また、早い時期に契約する「早割」や時間指定をしない「フリー便」など、業者のキャンペーンを利用する
- 引っ越し業者の繁忙期を避ける
- 入学・就職・転勤など、引っ越し業者が忙しくなる2月〜4月の時期を避ける
- できる限り自分で作業する
- ハウスクリーニング・引っ越しを業者に依頼せず、できる限り自分で作業する。引っ越し業者に荷物の運送を依頼しない場合は、自家用車・レンタカー・ガソリン代などの実費で済む
上記のような工夫をすることで、手持ち資金が少なくても引っ越しは実現しやすくなります。
騒音が原因で「引っ越したいのにお金がない」に陥らないための3つの準備
引っ越し先で再び「騒音が原因で引っ越したいのにお金がない」という状況に陥らないためにも、物件選びの段階で調査しておく必要があります。
弊社のアンケート調査でも、「賃貸契約で後悔した理由」のダントツは騒音トラブルになっており、事前調査が欠かせないことがわかります。
そのため、物件選びの段階で以下の内容をチェックしておきましょう。
- 部屋の位置や間取りで選ぶ
- マンションの場合、最上階の角部屋だと上の階がない・隣接の部屋が少ないので騒音が気になりにくい。また、隣室との境に収納スペースがある間取りは、隣人の生活音が遮りやすくなる
- 不動産会社に質問する
- 前の入居者と近隣住民の間で騒音に関するトラブルはあったか、騒音のクレームを受けたことがあるか、などを不動産会社に聞いておく
- 何度か内見に行く
- 時間帯・曜日を変えて複数回物件を見に行く。近隣住民の家族構成・生活リズムによっては同じ物件でも平日は静か・土日は賑やかなど、内覧のタイミングで印象が変わるケースがある
入居後に再び騒音に悩まされて、引っ越しを強いられないためにも、物件選びの段階で念入りに調査しておきましょう。
騒音が嫌で引っ越したいのにお金がないなら自宅の売却も一つの手段
お金をかけず実践できる騒音の対処法は複数ありますが、確実に改善できる保証はありません。
そのため、騒音が嫌で引っ越したいのにお金がないなら自宅の売却も一つの選択肢として視野に入れましょう。
自宅を売却して現金化してから引っ越す順番であれば、手持ちに資金がなくても騒がしい空間から解放されます。
引っ越し費用の負担を減らしながら、新居の選択肢を増やすためにも、高額かつスピーディーで確実に売却できる方法を選ぶのがベストです。
次項では、不動産のの売却方法である仲介・買取についてご紹介します。
仲介・買取の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

不動産仲介業者に売却を依頼する
まずは、不動産仲介業者に売却を依頼する方法です。
仲介業者とは、売主と買主の間に入って成約につながるようサポートする業者です。
もっともオーソドックスな不動産売却の方法であり、買い手が多く募れる物件であれば高値で売れやすくなるメリットがあります。
ただし、騒音トラブルを抱えていると環境的瑕疵物件として売り出さなくてはならないかもしれません。
物件自体に問題がなくても、周辺環境に快適な住み心地を損なう要素があること
環境的瑕疵の明確な基準はないものの、自身が耐えがたくて引っ越すくらい騒音がひどいのであれば、瑕疵に該当する可能性があります。
環境的瑕疵物件は、売却する際に買主に瑕疵の内容を説明する義務である、「告知義務」が生じます。
告知義務を抱えた物件は買い手がつきにくいため、売り出しても売却が決まらず引っ越せない可能性があります。
騒音トラブルが深刻化している自宅は、次項で解説する不動産買取業者に売却するのがおすすめです。
不動産買取業者に直接売却する
買取業者とは、物件価値を高めて将来再販することを目的に売主の不動産を直接買い取る業者です。
買取は売主・業者の2者間で取引をするため、スピーディーかつ確実に売却できるメリットがあります。
また、買取業者は投資・再販目的で購入するため、自宅の引き渡しスケジュールなどの相談が可能です。
騒音はうるさいが、「子どもの卒業式までは住みたい」「すぐに引っ越しの準備に取りかかれない」といった事情がある場合も柔軟に対応してもらえます。
ただ、不動産買取業者であれば、どこに相談しても自宅を買い取ってもらえるわけではありません。
瑕疵に強い専門の買取業者でなければ、「居住用として価値がない物件」と評価されて、買取不可や安価になる恐れがあります。
自身が引っ越したいと思うほど騒音が深刻化している自宅は、訳あり物件に強い専門の買取業者に依頼しましょう。
次項では、訳あり物件専門の買取業者である、弊社アルバリンクの買取事例をご紹介します。
不動産買取業者ランキングについては、以下の記事で紹介しています。

アルバリンクならトラブル物件でも高額売却できる
弊社アルバリンクは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような物件も数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ家」や「不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された家の買取事例】
【不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっているゴミ屋敷の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
このように、あらゆる瑕疵物件の買取・再販に成功させてきた弊社だからこそ、どのようなトラブル物件でも高額売却できるのです。
上記の方々だけでなく、弊社に買取依頼をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心して自宅を売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
>>【騒音トラブルを抱えている自宅を高額売却!】無料で買取査定を依頼
まとめ
費用をかけずに試せる騒音の対処法は複数ありますが、どれも確実な効果を保証するものではありません。
騒音トラブルが解決できないようであれば、自宅を売却してその資金をもとに引越しするのも一つの手段です。
対処法で騒音トラブルが改善されなかった場合の最終手段として、選択肢に加えておきましょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国の瑕疵物件を積極的に買い取っている不動産買取業者です。
売れにくい事情を抱えた物件の買取実績が多い弊社であれば、騒音トラブルを抱えた物件でも適正価格で売却できます。
騒音で日々ストレスを感じている自宅を売却して、心の負担を取り除きましょう。