引っ越したいのに家が売れないと起きる問題
引っ越したいのに家が売れないと、様々なリスク、問題を抱えることになります。
1章では、具体的にどんなリスクや問題があるのか細かく解説してきます。
なお、「引っ越したいのに家が売れない4つのパターン」や「引っ越したいのに家が売れないときの対処法」から知りたい方はそちらの章からお読みください。
新居の購入費が工面できない
そもそも売却代金で次の家の購入を検討してるのであれば、今所有している家が売れない限り次の家を購入できません。
今所有している物件を売り出している最中に自身の希望に合った物件が見つかったとしても、購入を即決できないため、他の人に売れてしまうおそれがあります。
また、売出金額(売主が希望する金額)で家が売れるとは限らないので、そうなれば、自分がいくらくらいの金額の家を買えるのかもわかりません。
自分が買える物件の価格帯もハッキリわからないため、物件選びに本腰を入れられず、ストレスになってしまいます。
新居の住宅ローンが下りない
今所有している物件の住宅ローンが残っていれば、新居の住宅ローンが下りないリスクがあります。
住宅ローンが下りない理由としては、返済比率が回らない、ダブルローン(2つのローンの返済)に耐える経済力がない等です。
ちなみに、返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。
自身の資金で新居を購入できればローンが組めなくても問題はありませんが、そこまでの資金力がある方はそう多くないでしょう。
なお、住宅ローンが残っている物件から引っ越したい場合は「ローンが残っている家を売って引っ越す方法」を参考にしてください。
固定資産税・都市計画税を二重で支払うことになる
自身の資金で次の物件を購入できたとしても、物件を2件所有すれば固定資産税・都市計画税を二重で支払うことになります。
たとえ住んでいない物件であっても、所有しているだけで固定資産税・都市計画税は課されるからです。
中古一戸建ての固定資産税は一般的に年間10万円~20万円程度なので2件所有すればその倍となり、所有者の家計を圧迫してしまうでしょう。
賃貸に引っ越す場合もローンと家賃が二重にかかる
今所有している家から引っ越して賃貸に移る場合、住宅ローンを新たに組む必要はありませんが、その代わりに家賃が発生します。
結局、現在所有している家のローンと次の賃貸の家賃の二重払いとなってしまいます。
仮にローンの返済額が月15万、新たな住まいの家賃が月10万とすると、月25万円もの出費になってしまい、キャッシュフローを回すのが難しくなってしまうでしょう。
管理の負担がかかる
買手が決まるまで売出中の物件に住み続けるとしても、物件が売れる前に先に次の住まいに移るとしても、どちらにしろ買手が決まるまでは売主が家の管理をしなければなりません。
家の管理は、主に以下の通りです。
- 換気
- 通水(水道管に水を通す)
- 雨漏りやシロアリ被害がないかどうかの点検
- 室内や外回りの掃除 など
換気をすることで室内の湿気を逃がし、建物が傷みにくくなります。
また、通水は水道管の錆を防ぐため、錆に伴う悪臭の予防になります。
これらの管理を怠ると、たとえ買主が現れても内見の際に好印象を与えられないため、売買契約に至りません。
ですから、売出中の家に現在住んでいるのであれば、内見に備えて常に部屋の中を整え、上記の管理も入念に行っておく必要があります。
また、次の住まいに移る場合は、売出中の家に定期的に訪れて管理を行わなければなりません。
空き家対策については以下の記事をご覧ください。
家を売却するまでの期間は平均2~3カ月!3カ月以上売れ残っているなら注意
首都圏不動産流通市場の動向(2023年)によりますと、レインズ登録からから売買契約に至る日数は、中古戸建住宅であれば83.3日、中古マンションであれば80.1日です。
参照元:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向 2023
売り出し中の物件や貸し出し中の賃貸物件が掲載されているサイト。宅建業者しか閲覧できない。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構によって、不動産情報の標準化・共有化を目的に作られた。
中古戸建住宅も中古マンションも、いずれも2~3カ月以内には売却できるのが一般的だと言えます。
ですから、3カ月以上売れ残っている物件は売出金額や物件の条件など、何かしらに問題があって売れ残っている可能性があります。
物件が売れない原因を突き止め、原因に応じて対策を講じるべきでしょう。
なお、すぐ売れるマンションの特徴については以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
引っ越したいのに家が売れない4つのパターン
物件が3カ月以上売れ残っている原因として、以下4つのパターンが考えられます。
ちなみに、記事後半では「引っ越したいのに家が売れないときの対処法」もご紹介しているので、自身の物件が売れない原因を明らかにしたうえで対策をしましょう。
では、物件が売れ残っている原因から1つずつ解説していきます。
なお、売れない理由については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
売出金額が高すぎる
売出金額が高すぎると、なかなか買手がつきません。
たとえ公開された物件情報を見て好印象を持った買手がいたとしても、予算オーバーであれば内見の問い合わせに繋がらない可能性が高いからです。
もし内見に繋がったとしても「この金額ならもっと築浅の物件を買えるな」「もっと好立地な物件も買えるかもな」と思われてしまえば、購入には至りません。
販売活動を依頼している不動産業者に原因がある
物件を売却する際は、不動産仲介業者に売却活動を依頼して個人の買主を探してもらう方法が一般的でしょう。
不動産仲介業者(以下、仲介業者)とは、物件の所有者から売却の依頼を受けたら一般に広く物件情報を公開し、買主を探す役割を担っています。
仲介業者は、売買契約成立時に物件の売主や買主から仲介手数料をもらうことで利益を上げています。
物件の売主と買主を繋ぐ役割の仲介業者は、物件の売却活動をするうえで非常に重要です。言い換えれば、不動産仲介業者の売却活動に問題があれば、売れる物件も売れなくなってしまいます。
「売却活動に問題がある」とは、具体的に、宣伝が不十分であったり内見の対応が悪かったり、様々な要素があります。以下、1つずつ簡単に説明していきます。
物件情報公開による宣伝効果が不十分
仲介業者は「SUUMO」や「at home」などのポータルサイトやチラシなどに物件情報を公開して買主を募ります。
利用している広告媒体(ポータルサイトなど)や載せている物件情報が少なければ、なかなか買手は現れません。
買主は主にポータルサイトを利用して物件を探すので、自社サイトにしか物件情報を掲載していなければ、多くの買主の目に触れることはありません。
また、マイホームを探している買主は、写真から新生活のイメージをして内見する物件を選ぶので、外観や室内の状態が伝わる画像を載せていなければ内見の問い合わせには繋がらないでしょう。
内見の際の担当者の対応が悪い
仲介業者に売却活動を依頼した場合、担当者が買主の内見に同行してくれます。
その際、担当者の対応が良くなかったり、営業力が弱かったりすれば、買主に購入を決定させることはできません。
まず「担当者の対応が悪いと売れない」というのは、言うまでもありません。
マイホームの購入は多くの人にとって人生に一度あるかないかの大きな出来事です。
一生の思い出となるマイホームの購入ですから、たとえ物件の条件が悪くないとしても、担当者の対応・態度が悪ければ購入を見送る買主も多いでしょう。
また、担当者の営業力が弱い場合も買手がつきにくくなります。
物件のいいところ、地域のいいところをよく把握して、買主の質問に的確に応えられなければ、営業力があるとは言えません。
一方、例えば子連れの買主に「小学校(中学校)まで徒歩〇分以内ですよ!」「近所に評判のいい小児科がありますよ」など、購入後のストーリーを見せるトークができる担当者は、営業力があると言えます。
「囲い込み」されている
仲介業者は、売主や買主から仲介手数料をもらって利益を上げていると前述しました。
仲介業者の中には、買主も自社で見つけて、売主と買主の両者から仲介手数料をもらおうとする仲介業者も存在します。ちなみに、これを「囲い込み」と言います。
少し詳しく解説すると、通常は売主と買主、それぞれに担当の仲介業者がいます。売主と買主は、売買契約成立の際にそれぞれ担当の仲介業者に仲介手数料を支払います。
しかし、「囲い込み」の場合は、売主を担当している仲介業者(売却活動の依頼を受けた仲介業者)が買主も自社で見つけ、売主と買主の両者から仲介手数料を受け取ろうとします。
他の仲介業者からの買主の流入をシャットアウトしているため、当然に買主は見つかりにくくなってしまいます。
囲い込みされているかどうかの確認方法
囲い込みされているかどうか自身で確認したい場合は、売却活動を依頼している仲介業者に他の仲介業者のフリをして電話をしてみましょう。
「○○(ポータルサイト名など)に掲載されているAの物件を内見したいと言っているお客様がいるのですが、可能ですか?」と聞いて、「既に買手が決まっている」などとウソを言われれば、クロである可能性が高いです。囲い込みされている疑いがあります。
ただ、他の仲介業者のフリをして電話をすることが精神的に負担だと感じる方もいるでしょう。
担当の仲介業者に不信感があるなら、わざわざ自身で囲い込みの確認をしたりはせず、いっそ別の仲介業者に依頼してしまうのも1つの方法です。
物件自体にマイホームとしての需要がない
そもそもマイホームとして需要が少ない物件は、売出金額を見直そうと、売却活動を依頼する仲介業者を変えようとなかなか買手が現れません。
多くの買主は、生涯暮らすためのマイホームを探しているからです。
例えば、立地が悪くて通勤や通学、子育てに不便であったり、建物の状態が悪くてリフォームしないと住めなかったりする物件は、永遠に売却できないおそれもあります。
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売却の時期が悪い
不動産には売れやすい時期と売れにくい時期があり、売却する時期が悪ければなかなか買手がつきません。
例えば、新年度前の2~3月あたりは、転勤や進級、進学など、節目に向けて引っ越す人が多いので不動産が売れやすくなります。一方、8月あたりは引っ越す人が少ないので売れにくいのが実情です。
また、偶然に周辺で同じような物件が複数売り出されたときは、ライバルが増えることで一時的に売れにくくなることもあります。
引っ越したいのに家が売れないときの対処法
家が売れないとき、考えられる原因として「売出金額が高すぎる」「不動産仲介業者に問題がある」「物件にマイホームとしての需要がない」「売却の時期が悪い」等が挙げられます。
上記のような原因で家が売れないとき、それぞれの対処法を解説します。
なお、売れない家の対処法については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
売出金額を見直す
周辺の物件より明らかに売出金額が高額な場合は、担当者と相談して金額を見直すべきでしょう。当然ですが、売出金額の最終決定権は売主にあります。
金額を見直す際のポイントは、周辺の不動産の相場を把握して、相場より極端に高額にならないように設定することです。
担当者に周辺の不動産の相場を確認し、売出金額を再設定しましょう。
不動産仲介業者を見直す
売却活動を依頼している仲介業者の担当者がしっくりこない、物件情報の公開など宣伝活動をしっかりやってくれない等の場合は、仲介業者を見直すのも1つの方法です。
前述の通り、仲介業者の宣伝活動や営業力は、買手のつきやすさに大きくかかわるからです。
物件の詳細な情報を公開してくれなければ買主から内見の問い合わせは入りにくくなりますし、内見の問い合わせが入っても担当者の対応が悪ければ購入には至りません。
ですから、例えば田舎にある築古物件を売却したいのであれば、昔からその土地に馴染みがある仲介業者に売却活動を依頼し直すのも手でしょう。
その地域の魅力が最大限に伝わる宣伝活動をして、物件を売却してくれる可能性があります。
ただし、そもそも物件の条件(立地や建物の状態)が悪く、マイホームとしての魅力がない、もしくは低いのであれば、仲介業者を見直したところで買手がつきやすくなるわけではありません。
物件の価値を上げる
築年数が経過していたり家の中が古い場合は、「ホームインスペクション」や「ハウスクリーニング」で物件の価値を上げれば買手がつきやすくなる場合もあります。
ホームインスペクション
ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、専門家の見地から、住宅の劣化状況、不具合の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務です。
ホームインスペクションを受けて物件に問題が見つからなければ、専門家がしっかりと調査して安全性や性能を評価した家であることが証明できます。
購入希望者を安心させることができるので、契約に至りやすくなるでしょう。
ちなみに、ホームインスペクションの調査期間は1週間ほど、費用は5万円ほどなので、時間やお金に余裕があるなら受けてみましょう。
ハウスクリーニング
ハウスクリーニングとは、清掃のために技能が必要な箇所(主に換気扇、壁紙、浴室、トイレなど)を清掃してもらうためのサービスです。
物件を売却したいのであれば、浴室などの水回り、床や壁紙など、最低限ハウスクリーニングをしておくべきでしょう。
ちなみに、ハウスクリーニングの期間は2階建ての家屋全体(3LDK~4LDK)であれば1~2日ほど、費用は10万円前後かかります。
ですが、浴槽のみ、シンクのみなど水回りだけであれば、期間は半日ほど、費用も2万円ほどでできるので、部分的に利用するのも賢い手でしょう。
売却の時期を見直す
もし今すぐ売りたいわけではないのなら(売却期間に余裕があるなら)、売り出す時期を見直すのも1つの方法です。
現状が8月であったり、たまたま周辺物件が多数売り出されている時期であったりする場合は、売却の時期が売れない原因になっている可能性もあるからです。
担当の仲介業者に周辺物件の売り出し状況などを聞いて相談したうえで、売り出す時期の見直しを検討してみましょう。
住み替え計画を見直す
引っ越したいのに家が売れない場合は、住み替え計画を見直してみるのも1つの方法です。
引っ越しの際は「買い先行」という方法もあり、必ずしも先に現在所有している家を売らなければならないわけではありません。
「売却代金を新居の購入資金にしたい!」と考えていたとしても、現状、家のローンが残っていないのであれば、たとえ家が売れる前でも新たな住宅ローンを組んで次の住処を購入できることも大いにあります。
それに、現状の家が売れるのを待っていたら、購入したい家が他の人に売れてしまうかもしれません。
というわけで、現状の家が売れるのを待たずに思い切って次の家を購入する(住み替え計画を見直す)のも1つの方法です。
ただ、現状家のローンが残っているのであれば、新居を購入するために二重でローンを借りる(ダブルローン)か、住み替えローンを使うことになります。
詳しくは「ローンが残っている家を売って引っ越す方法」で説明していますので参考にしてください。
不動産買取業者に直接売却する
そもそもマイホームとして需要がない物件(立地が悪い、建物の状態が悪い等)は、上記でご説明した対処法をとっても買手はつきません。
マイホームとして需要がない物件を売却したいのであれば、仲介業者ではなく、不動産買取業者に相談して直接買い取ってもらうのも賢い方法です。
不動産買取業者なら個人の買主は購入しないような物件も、そのままの状態で買い取ってくれるからです。
買い取れる秘訣は、個人の買主の購入目的が「居住」であるのに対し、買取業者の買取目的は「事業」だからです。
「事業」とは、具体的に、買い取った物件にリフォームなどを施して付加価値を付け、不動産投資家などに再販することを指します(再販せず、自社で活用する場合もあります)。
買取業者はどんな物件も最小限のコストで再販、活用するノウハウを豊富に持ち合わせているので、個人の買主は購入しないような物件もそのまま買取可能なのです。
物件の再販・活用ノウハウ
- 築古物件を賃貸物件として再生するための最低限のリフォーム箇所を知っている
- 最低限のリフォームを施して、投資用不動産として不動産投資家に売却する
- 自殺があった物件を事故物件であることを気にしない買手(生死観が異なる外国人など)に売却する など
リフォームしなければ住めないくらい老朽化していたり、地方の田舎街にあって通勤・通学に不便であったりする場合は、マイホームとしての需要は見込めないので不動産買取業者に直接売却するのが賢明でしょう。
また、自殺や他殺があった事故物件や権利関係が複雑な共有不動産、建築基準法に反していて再建築できない物件も、買取業者であれば積極的に買い取ってくれます。
なお、飛び降り自殺が発生して事故物件となったマンションでも売却は可能です。以下の記事で詳しく売却方法を解説しているので、飛び降り自殺のあったマンションを売却したい方はぜひ参考にしてください。
弊社Albakink(アルバリンク)も、個人の買手がつかない上記のような物件を、そのままの状態で積極的に買い取っています。
売却のためのリフォーム費用など、売主様が負担する必要はないので、お気軽にご相談ください。
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引っ越し前に家が売れなくても絶対にやってはいけないこと
引っ越したいのに家が売れない場合の対処法をご紹介しましたが、一方で、家が売れなくても絶対にやってはいけないことがあります。
5章では、家が売れなくてもやってはいけないことをご紹介します。
リフォームして売り出す
物件が売れないからと言って、建物をリフォームしてはいけません。
リフォームしたところで、物件が売却できるとは限らないからです。リフォームしても売れ残ってしまったら、高額なリフォーム費用がまるまる赤字になってしまいます。
ちなみに、リフォームは、建物全体であれば1,000万円以上かかるケースも少なくありません。
また、もし買主が現れたとしても、買主にとって意義のあるリフォームでなければ売却金額にリフォーム費用を上乗せすることはできません。
そうなれば、どちらにしろリフォーム費用は赤字です。
さらにリフォームには、建物の規模に応じて、およそ1.5カ月~半年の期間がかかります。
すぐに家を売却して引っ越したい方にとっては、リフォームにかかる期間もネックであると言えるでしょう。
解体して売り出す
物件が売れないからと言って、建物を解体してはいけません。
理由は、リフォームと同様、解体して土地として売却できなければ、高額な解体費用がまるまる赤字になってしまうからです。
ちなみに、家屋の解体にはおよそ200万円の費用に加え、1~2カ月の期間も要します。
空き家の解体リスクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
また、解体して更地にしたら、翌年から土地の固定資産税がおよそ6倍に跳ね上がります。
通常、住宅用の家屋が建っている土地は「住宅用地の特例」の適用により固定資産税が1/6になっていますが、家屋を解体して更地になった土地は住宅用地の特例の適用外となるからです。
参照元:土地の保有に係る税制
解体費用に加え、固定資産税も跳ね上がり、物件の所有者の金銭的負担が莫大になってしまうため、安易に建物を解体してはいけません。
賃貸物件として貸し出す
売れないからといって、賃貸物件として活用するのはおすすめできません。
よほど立地が良い物件でなければ、常に空室リスクがつきまとい、家賃収入を黒字にするのはそう簡単ではないからです。
そもそも賃貸物件として活用するためには、最初に数百万円以上かけて物件全体をリフォームしなければなりません。
活用を始めてからも、給湯器などの設備が壊れたらコストをかけて修理しなければなりませんし、その間ずっと入居者がつくとも限りません。空室で家賃収入が得られない期間もあるでしょう。
さらに住宅ローンの残債がある場合は住宅ローンも支払い続けなければなりませんし、固定資産税ももちろん物件の所有者が負担する必要があります。
毎月数万~十数万程度のわずかな家賃収入で、上記のコストを黒字に変えるのは困難であることは明らかです。
事業として本腰を入れて大家業をやろうという覚悟がある方でなければ、安易に賃貸経営を行うべきではありません。
無計画に引っ越して空き家にする
無計画に引っ越して、今所有している家を空き家にしてはいけません。
空き家は、人が住んでいればされるであろう基本的な管理(換気や通水、清掃、点検など)が行われないため、人が住んでいる物件より老朽化が早い傾向があるからです。
老朽化が進行すればどんどん売れにくくなりますし、建物の管理も大変になります。
「住み替え計画を見直す」で説明した通り、買い先行の場合は、いつまでに最低いくらで売りたいか具体的に計画しておきましょう。
また、買い先行で、物件が売れる前に引っ越す場合は、空き家になった家屋の管理を怠らないようにしましょう。
家の瑕疵を隠して売り出す
物件に買手がつかないからと言って、物件の瑕疵を隠して売り出してはいけません。
瑕疵とは、買手の購入意欲を左右する可能性がある物件の欠陥のことです。
例えば、建物が老朽化していて雨漏りがある、シロアリ被害がある等は、もちろん瑕疵に該当します。
不動産の売主には「告知義務」が課せられ、瑕疵を隠して売却するのは告知義務違反に該当するので、瑕疵がある物件を売り出すのであれば、仲介業者(もしくは買取業者)の担当者に必ず伝えてください。
参照元:宅地建物取引業法第47条
物件の欠陥が瑕疵に該当するか明確にわからない場合も、担当者に伝えておくべきです。
もし瑕疵を隠して売却したら、売主は契約不適合責任を問われ、損害賠償や売買契約の解除などを請求されてしまうおそれがあるからです。
ちなみに、売主に契約不適合責任が課されるのは、買手が一般の個人である場合のみです。
買手が宅建業者(不動産買取業者)であれば、基本的に売主の契約不適合責任は一切免除されます。
参照元:宅地建物取引業法第40条
ですから、「建物にどんな瑕疵があるかわからない」という方は、買取業者に直接売却してしまうのも賢い方法です。
もちろん弊社Albakink(アルバリンク)もお客様の契約不適合責任を一切免除していますので、どんな瑕疵を抱えた物件もお任せください。
>>【売主様が責任を負う必要一切ナシ!】買取無料相談はこちらから
なお、契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
買手の条件交渉を安易に了承する
長い期間売れ残っているからと言って、買手の条件交渉を安易に受け入れてはいけません。
長い期間売れ残っていると、足元を見られて、無茶な条件を提示してくる買主もいます。
例えば、物件引き渡し後に破損箇所が見つかったら売主が修繕するよう義務を付け加える、無条件で契約のキャンセルを可能にする、大幅な値切りをしてくる等です。
そんな無茶な条件を飲み込んでしまったら、売却後のトラブルのリスクも高まります。
トラブルのリスクを背負ったうえで売却したり、極端に安価な金額で売却するくらいなら、不動産買取業者に直接買い取ってもらう方が賢明でしょう。
不動産買取業者であれば、どれほど長期間売れ残ってしまった物件も、可能な限り高額な金額で積極的に買い取ります。
もちろん、上記のような売主に不利となる無茶な条件を付けることもありませんのでご安心ください。
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ローンが残っている家を売って引っ越す方法
6章では、ローンが残っている家を売って引っ越す具体的な方法を解説します。
前提として、ローンが残っている家を売却できるかどうかは、オーバーローンであるかアンダーローンであるかで決まります。
オーバーローンとは、現在所有している家を売却しても売却代金で(もしくは、売却代金に自身の資金を合わせても)残債を完済できない状態を指します。
反対に、アンダーローンとは、現在所有している家を売却すれば売却代金で(もしくは、売却代金に自身の資金を合わせて)残債を完済できる状態です。
アンダーローンであれば、残債が残っている物件も売却することができます。
なぜなら、ローンを完済できれば、物件に設定された「抵当権」を外すことができるからです。
住宅ローンを組む際に金融機関が物件に設定する権利。債務者がローンの返済を滞ったときに、債権者(金融機関)は抵当権が設定された物件を競売にかけ、債務を回収することができる。
一方、オーバーローンであれば、ローンを完済しない限り、原則として金融機関は抵当権を外してくれないため、物件を売却することはできません。
抵当権が外れていないということは、債務者がローンの返済を滞ったら、債権者(金融機関)はその物件を競売にかける権利があるということです。
金融機関に競売にかけられるリスク付きの物件なんて、当然ながら誰も購入したがりません。
また、当初借入時に金融機関と抵当権設定契約を結んでいるため、債権者である金融機関が抵当権を付けたまま物件を売却するのを許さないでしょう。
つまり、売却をするためには、何らかの方法で住宅ローンを完済する必要があるということです。以下では、オーバーローンとアンダーローンそれぞれの場合で、住宅ローンを完済する方法を解説していきます。
なお、住宅ローン返済中の売却方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
売却して代金をローンの完済に充てる
アンダーローンであれば、物件の売却代金(+自己資金)でローンを完済し、抵当権を外したうえで物件を買主に引き渡しましょう。
この場合は「売買契約後に抵当権を外して物件を引き渡します」という旨の誓約を買主と交わしたうえで売買契約を結びます。
詳しい手続きは仲介業者の担当者に一任しましょう。
任意売却する
前述の通り、オーバーローンであれば抵当権が外せないので原則として売却できませんが、金融機関に交渉すれば抵当権を外してもらい、売却できるようになります。
ちなみに、この売却方法を「任意売却」といいます。
ただし、任意売却をするには、抵当権を外した後の詳細な返済計画を立てて、銀行に承認されなければなりません。
そもそも買手がつかない(いくらで売れるかわからない)となれば、返済計画を立てるのも容易ではないでしょう。
そこで、一部の不動産買取業者は、任意売却のサポートを行っています。
具体的には、買取業者の担当者が金融機関に交渉し、抵当権を外したうえで物件を買い取ってくれます。
物件の買取金額がすぐにわかるので、抵当権を外した後のローンの返済計画が立てやすいのも嬉しいポイントです。
もちろん、弊社Albakink(アルバリンク)も任意売却の物件を買い取った実績が多数ございます。
売主様が金融機関と交渉する労力を負う必要は一切ありませんので、ぜひお気軽にご相談ください。
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住み替えローンを利用する
オーバーローンの場合は、住み替えローンを使うのも1つの方法です。
住み替えローンとは、現在借りている住宅ローンの残債と、新居を買うための融資をまとめて借りられるローンです。
住み替えローンを利用すれば、売却代金だけでは返済しきれなかった残債と新居購入のローンを合わせて、無理がない金額で1つの金融機関に返済していくことが可能です。
ただし、住み替えローンに対応している金融機関はそう多くありません。
住み替えローンの利用を検討している場合は、事前に金融機関に確認しましょう。
まとめ
引っ越したいのに家が売れないときの対処法をはじめ、売れない理由や平均的な売却期間、住宅ローンが残っている際の売却方法などを解説しました。
家が売れない理由は、売却金額が高すぎる、不動産業者の販売活動が不十分である、そもそも物件にマイホームとしての需要がないなど様々です。
物件の立地や建物の状態が悪く、そもそもマイホームとしての需要がない場合は、売却金額や不動産業者を見直したところで買手はつきません。
マイホームとして需要がない物件は、売れにくい物件に特化した専門の不動産買取業者に直接売却するべきでしょう。
専門の不動産買取業者であれば、マイホームとして需要がない物件も積極的に買い取ってくれるので、新居にスピーディーに引っ越すことも可能です。
弊社Albakink(アルバリンク)も売れにくい物件に特化した専門の不動産買取業者です。日本全国のどんな物件もスピーディーに買い取れます。
地方の田舎街にある物件や老朽化が著しい物件を売却したい方も、ぜひ弊社を頼っていただければと思います。
なお、弊社の無料査定は弊社に売却することを前提としたものではありませんので、既に物件を売り出している方や、まだ売却を検討中の方もお気軽にご依頼ください。