水路に面している土地は再建築不可物件の可能性あり!
水路に面している土地に建っている家屋は、再建築不可物件の可能性があります。
再建築不可物件は、売ろうと思ってもなかなか売れません。
水路に面した再建築不可物件とはどのような土地なのか、下記4つの観点から考えてみましょう。
- 水路の定義
- 前面道路との間に水路があると接道義務を果たせない
- 水路占用許可を取っている場合は建築可能
- 水路に接する敷地が再建築不可かどうかの確認方法
水路の定義
「水路」とは生活用水路の総称です。
法河川である一級河川・二級河川・準用河川以外の河川は水路に含まれます。
たとえば、田んぼに流れ込んでいる水や建物周辺の側溝、排水が流れる部分など、水路は私たちの暮らしのありとあらゆるところに存在しているのです。
水路には、見ればすぐ判別できる「開渠(かいきょ)」と蓋がついている「暗渠(あんきょ)」の2種類があります。
最近は水路を直接見かける機会があまりないという人も多いかもしれません。
しかし、水路は減っているのではなく、蓋がつけられまるで道路のように見えるものが増えているのです。
町のさまざまなところにあった水路は、形を変えて実はすぐそばに存在しています。下記のような道路が、以前は水路だったケースも多くあります。
- タイル・ブロックが敷きつめられている道
- 不自然な段差がある道
- 細長い歩行者専用通路
- 公園の遊歩道
- 色が半分ずつ異なる道
なお、水路が建築基準法上の「道路」に該当するかどうかの管理は行政が行っています。
行政から水路に指定されている土地に家屋が立っていると、さまざまなデメリットがあることをご存知ですか?
次の章では、建物を立てるうえで水路が抱える問題について解説していきます。
前面道路との間に水路があると接道義務を果たせない
土地と前面道路との間に水路があると、建築基準法で定められている接道義務を果たせません。
接道義務とは「建築基準法で定められた道路に2メートル以上接していない土地には建物を建てられない」という定めです。
建築基準法 43条
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。引用元:建築基準法43条
なお、「建築基準法で定められた道路」とは、基本的に幅4メートル以上のものを指します。
建築基準法 42条
この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
引用元:建築基準法42条
ですので、前面に水路があって、建築基準法上の道路と2m以上接していない道路(接道義務を満たしていない道路)は再建築不可です。
また、水路に面している土地に現在建物があるとしても、もし取り壊したら新たな家を建てられないおそれもあります。
このような物件は「既存不適格物件」といいます。
参照元:建築基準法「第三条 2 項」
既存不適格物件が生まれる背景としては、建築時は当時の法律に則って建てられたにもかかわらず、法改正などを経て、現在の法律に適合しなくなってしまった等が挙げられます。
地震などで建物が倒壊・半壊したり建物の老朽化が進んだりしても、新たに建物を建てられない、また、リフォームをするにも制限を受けてしまう、そんな再建築(既存不適格)物件を好んで購入する方はまずいないでしょう。
ちなみに、暗渠は一般的に道路の一部として扱われるため、暗渠に接している土地には建築可能です。ただし、暗渠は地盤が不安定であり、暗渠に接している土地も決して売れやすい土地とはいえません。
次の章では、水路に接する売れにくい土地を、建築可能にする方法について説明します。
なお、既存不適格物件と、違法建築の違いについては以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
水路占用許可を取っている場合は建築可能
水路に接する土地を建築可能にする方法とは、道路との出入り口に橋を架けることです。
道路と水路が橋で繋がっていれば、接道義務が果たせるようになる場合があります。
水路に幅2メートル以上の橋を架けて道路と繋げると、接道義務を満たした土地になるのです。
しかし、水路は市町村が管轄する土地なので、橋を架けるには市町村から水路の占用許可を得なくてはなりません。
占用許可を得るためには、自治体によっては占用料がかかる場合があります。例えば、八王子市や京都市は1㎡あたり780円です。
参照元:八王子市|水路占用許可のご案内
占用料は地域によって異なるため、占用許可を得ようとお考えの方は水路を管轄する課まで問い合わせてみてください。
水路に接する敷地が再建築不可かどうかの確認方法
水路に接する敷地が再建築不可かどうかは、以下2通りの方法で確認できます。
- 法務局やネットで公図を取得する
- 役所で水路が建築基準法上の道路に含まれるか確認する
法務局やネットで公図を取得する
水路に接する敷地が再建築不可かどうかを手軽に判別できる方法は、法務局やインターネットから公図を取得して確認してみることです。
法務局やネットで公図を取得し「水」と記載されている部分は水路を指しています。
見た目では道路でも、公図で「水」となっている道路は暗渠の可能性が高いでしょう。
役所で水路が建築基準法上の道路に含まれるか確認する
役所で水路が建築基準法上の道路に含まれるかを確認することもできます。
公図を確認するより手間がかかりますが、水路に関する正確な情報を得られる方法です。
ヒアリングの際は、各自治体の道路管理課に次の3点を確認してください。
- 水路占用許可を取っている建物か
- 再建築する際に追加条件はあるか
- 水路専用許可の承継は可能か
いつ・誰が・どのような内容で水路の占用許可を取っているかを聞きましょう。
占用料がかかるかの確認も必要です。
また、今ある建物を取り壊して再建築する場合、建ぺい率や容積率、建物の用途などに制限はあるかを事前に確認してきましょう。
売却を考えているなら、水路占用許可の承継の可否も確認しておくべきです。
水路に面している再建築不可物件は売りづらい
水路に面している再建築不可物件が売りづらいのは、次の3つのデメリットがあるからです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
なお、水路に接する土地を高く売る方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、
参考にしてください。
建て替えができない
前述の通り、接道義務を満たしていない物件は、今建っている家屋等を取り壊したら建て替えができなくなります。
個人が土地を買う場合、長期的に住むケースがほとんどです。人によっては、一生物の買い物だと考えている人もいるでしょう。
一度壊したら二度と家を建てられないかもしれない土地を積極的に買う個人の買主はめったにいません。
水路に面した土地はなかなか買い手がつかず、ニーズがないと価値が低いと見なされるのです。
地盤が軟弱な可能性がある
水路に接している土地は地盤が軟弱な可能性があります。
なぜなら、水路に接している土地の土壌は水分を多く含んでおり、非常に崩れやすいからです。
軟弱地盤では、その上に建つ建物を支えられません。
もし地盤が軟弱な土地に家を建てた場合、地盤沈下のおそれがあります。
また、地震が起きた際は、液状化現象や家屋の傾き、倒壊のおそれもあるでしょう。
水路に面している土地を買ってしまうと、購入時に地盤補強工事をしなくてはなりません。
地質調査費用に加え、工事費は50万円〜100万円は下らないでしょう。
工事しなくては住めないような土地は、価格を下げないと売れませんし、いくら価格を下げても買い手がつきにくいことも少なくありません。
だからといって、水路に接していることを伝えずに売却した場合、軟弱地盤とわかったときに瑕疵担保責任になります。
参照元:WIKIBOOKS|民法第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
売主には、土地または家屋の重大な欠陥を告知する義務があるのです。
参照元:e-Gov法令検索|宅地建物取引業法第47条(業務に関する禁止事項)
浸水や氾濫の危険がある
水路に面している土地は、豪雨などによる水害のリスクがあるため売れにくくなっています。
水路の多くは河川の分流です。
河川が氾濫すると、水路を経由して土地にも被害が出る可能性が高いでしょう。
また、暗渠に面している土地は地盤が崩れやすいため、被害がより大きくなるおそれがあります。
排水路の場合は臭い問題がある
土地と接しているのが排水用の水路の場合、臭害のリスクがあります。
排水路の臭いに加え、虫が湧きやすいことも多くの方を困らせる要因です。
その建物自体は問題ないのに、周辺になんらかの問題がある土地・家屋を環境的瑕疵物件といいます。
周辺の臭いに悩まされるような瑕疵物件を嫌がる人が多いのは、想像に難くないでしょう。
水路に面している再建築不可物件を売却する方法
水路に面している再建築不可が売れにくいのは事実ですが、以下の方法で売却できる可能性があります。
- 水路の占用許可を得て売却
- 専門の不動産買取業者に売却
水路に面した土地でも売れる2つの方法について、詳しくみていきましょう。
水路の占用許可を得て売却
水路の占用許可を得られた場合、再建築不可物件でも売却できるかもしれません。
本記事で説明したとおり、水路に面した土地でも橋を架けられると建築可能な土地になる可能性があるからです。
水路の占用許可の手続きは、まずお住まいの地域の管轄課に連絡し、申請書やさまざまな図面を提出するほか自治体・近隣住民の承諾が必要な場合もあります。
水路の占用許可を自分で取るのは手間がかかりますが、通常の不動産業者だと行政手続きまで対応してくれないケースも少なくありません。
許可が取れたとしても、接道義務を果たせるかは行政の判断によるため、必ずしも建物が建てられるとは限りません。しかも、橋を架けるのは莫大な費用がかかります。
また、売るときにも以下の点に注意が必要です。
- 占用許可を承継しなければならない
- 建てられない建物がある
売却時には、自治体に水路の占用許可を引き継ぐ許可を得なければなりません。
土地を売ってしまってから水路占有許可の引き継ぎ不可だとわかった場合、買主は違法行為をしていることになってしまいます。
自治体や買主とのトラブル防止のためにも、必ず承継の可否について確認しておきましょう。
橋をかけて接道義務を果たしたとしても、すべての種類の建物が建てられるわけではありません。
水路の占用許可が下りても建物の規模・用途などに制限がかかることがあることに注意してください。
専門の不動産買取業者に売却
一般的に水路と接した土地・家屋は売れにくいのが実際のところです。
ですが、水路に面した土地など、再建築不可物件に特化した専門の不動産買取専門業者なら、通常の不動産業者では取り扱ってくれない物件でも積極的に買い取ってくれます。
専門の不動産買取業者は、問題を抱えた物件を商品化するノウハウを豊富に持ち合わせているため、どのような土地・物件でも商品化できるからです。
弊社Albalinkも水路に面した土地を商品化するノウハウを豊富に持ち合わせているので、再建築不可であろうと既存不適格であろうと積極的に買い取れます。
売却のために再建築可能にする(橋を架ける等)手間を売主様が負担する必要は一切ございません。
まだ売却を決めかねている方も、まずは無料相談・無料査定からお気軽にご連絡ください。
>>【再建築不可物件の無料相談はこちら】水路に面した物件も査定&買取いたします!
なお、再建築不可物件の買取については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
まとめ
今回は、水路に面した再建築不可物件が売りづらい理由と、売却できる方法について説明しました。
水路に面した敷地が再建築不可物件かどうかは公図の確認または役所へのヒアリングで判別できるため、気になる方はお住まいの道路管理課に問い合わせてみてください。
もし水路に面した敷地が再建築不可だった場合、建て替えができないだけではなく軟弱地盤や水害のおそれなどさまざまなリスクがあり、なかなか売却しづらいのが現状です。
再建築不可物件を売却したいのであれば、専門の不動産買取業者に直接売却するべきと言えます。
専門の不動産買取業者なら、売りづらい再建築不可物件でも積極的に買い取ってくれるからです。
株式会社AlbaLinkでは、未接道の再建築不可物件でも高額買取した数々の実績を有しています。
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そもそも再建築不可物件か分からないという方のご相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。