嫌悪施設に該当する可能性がある施設の一覧
嫌悪施設に該当する施設は、要因によって幅広く存在し、以下のように分類されます。
それぞれ詳しく解説します。
生活に支障をきたす可能性がある嫌悪施設
騒音や振動、臭いなど周辺にあると生活に支障をきたす可能性がある嫌悪施設は、以下のとおりです。
- 高速道路等の主要道路、線路など
- 飛行場、航空基地、物流施設など
- ガソリンスタンド、危険物取扱工場、危険物貯蔵施設など
- 工場、火葬場など
上記の嫌悪施設は、環境的瑕疵に該当します。
健康に影響を及ぼす可能性がある嫌悪施設
臭いや煙、有害物質などで健康に影響を及ぼす可能性がある嫌悪施設は、以下のとおりです。
- 下水道処理場、ごみ焼却場など
- 養豚上、養鶏場など
- 発電所、変電所、高圧線鉄塔など
上記の嫌悪施設も、環境的瑕疵に該当します。
風紀や治安が悪化する可能性がある嫌悪施設
存在することによって風紀や治安が悪化する可能性がある嫌悪施設は、以下のとおりです。
- ギャンブル施設、ゲームセンターなど
- ラブホテル、風俗店など
- 居酒屋など深夜まで営業している飲食店
上記の嫌悪施設も、環境的瑕疵に該当します。
心理的瑕疵を感じる可能性がある嫌悪施設
人によっては心理的瑕疵を感じる可能性がある嫌悪施設は、以下のとおりです。
- 墓地、葬儀場など
- 刑務所、拘置所など
- 警察署、消防署など
- 宗教施設など
- 学校、幼稚園、保育園など
上記の嫌悪施設は、心理的瑕疵に加えて環境的瑕疵にも該当します。
嫌悪施設に該当する可能性がある住宅
公的施設ではないものの、存在することによって嫌悪施設に該当する可能性がある住宅は、以下のとおりです。
- 事故や事件が起きた物件の隣室など
- 暴力団事務所など
- ゴミ屋敷、荒れた空き家など
上記の嫌悪施設も、心理的瑕疵に加えて環境的瑕疵にも該当します。
嫌悪施設に対する感じ方は人それぞれ
これまでさまざまな嫌悪施設を解説しましたが、実際に嫌悪施設に対する感じ方は人によって異なります。
周辺に嫌悪施設がある不動産にもメリットはある
嫌悪施設に対する感じ方はさまざまなため、人によってはメリットに感じる人もいます。
実際弊社がおこなった心理的瑕疵物件に対するアンケートでは、いずれかの嫌悪施設は許容できると回答した人が4割を超えました。
引用元:訳あり物件買取プロ|【500人にアンケート調査!許容できる心理的瑕疵物件のレベルランキング】みんなが選ぶダントツの第1位は?
検討している物件の周辺に嫌悪施設があっても、気にならない人であればスムーズに契約が進む可能性があります。
たとえば、墓地が周辺にある不動産のメリットを考えてみましょう。
墓地に隣接していたり、窓から墓地が見えたりといった不動産は、一般的に敬遠されます。
そのため、墓地が周辺にあるだけで売却相場よりも安い販売価格となることがほとんどですが、墓地が気にならない人にとってはお得に購入できるのがメリットです。
また、墓地がなくなって他の建物が建つ可能性は低いため、日当たりや眺望を将来にわたって確保できます。
嫌悪施設は物件の心理的瑕疵と環境的瑕疵に該当する
嫌悪施設とは、一般的に存在自体が周囲の人に不快感や危険感を与えるような施設のことです。
先述したような物件の周囲にある嫌悪施設は、物件の環境的瑕疵や心理的瑕疵に該当することになります。
不動産の取引において物件の周辺環境が不快感や嫌悪感を及ぼすような状況のこと
不動産の取引において心理的な抵抗が生じる恐れのある事象のこと
不動産売買に影響する4つの瑕疵
不動産売買に影響する瑕疵には、環境的瑕疵と心理的瑕疵に加えて、物理的瑕疵と法律的瑕疵があります。
物件の構造や設備に生じる物理的な問題のこと
法律に違反している、または法律によって自由な利用が阻害される恐れがある物件のこと
不動産売買に影響する4つの瑕疵についての具体例は、以下のとおりです。
瑕疵の種類 | 具体的な物件の特徴 |
---|---|
環境的瑕疵 | ・鉄道が近くうるさい物件 ・ゴミ焼却場が近く臭いがする物件など |
心理的瑕疵 | ・殺人事件が起こった物件 ・孤独死や自殺が起こった物件など |
物理的瑕疵 | ・雨漏り被害やシロアリ被害がある物件 ・土壌汚染や地盤沈下がある物件など |
法律的瑕疵 | ・建ぺい率や容積率をオーバーしている物件 ・接道義務を満たしていない物件など |
物件に上記のような瑕疵があると、不動産のマイナス要因となるため、物件が売れない、売却金額が安くなるなどのリスクがあります。
なお、瑕疵物件の売却相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
物件内での事件や事故による人の死は心理的瑕疵に該当
先述のとおり、物件内で事件や事故によって人が死んでしまった場合は、孤独死や自殺も含めて心理的瑕疵に含まれます。
自殺・他殺・災害死など人の死が発生した物件は、事故物件と呼ばれます。
事故物件には告知義務があり、売却する場合は時効がないため、一生売れ残る可能性があるでしょう。
一方、事故物件を賃貸に出す場合は死亡案件が発生してから、おおむね3年間となっています。
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
ただし、借主によっては3年以上経過しても心理的抵抗を感じる人もいるため、トラブルを回避するためにも告知したほうがいいでしょう。
なお、事故物件における不動産取引については、以下の記事で詳しく解説しています。
嫌悪施設には告知義務がある
周辺に嫌悪施設のある不動産を売買する場合、売主には告知義務があります。
不動産売買契約を締結する場合、物件の売却を依頼した不動産会社が重要事項説明書を作成しますが、周辺に嫌悪施設のあることは記載しなければならず、口頭での説明も必要になります。
【重要事項説明書 見本】
不動産売買契約の締結前に物件の情報や取引に関する重要な事項を買主に説明するためにまとめた書類のこと
告知義務を怠った場合は、重要事項説明書を交付した不動産会社は宅建業法の違反となるため、業務停止処分の対象に止まらず、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金といった重い処分が下されます。
また、不動産の売買における告知義務には時効がありません。
そのため、どんな小さな瑕疵であっても詳細に記載する不動産会社がほとんどです。
なお、不動産の告知事項については、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
告知義務に違反すると損害賠償や裁判になることもある
告知義務を怠った場合は、売主も買主から告知義務違反として損害賠償を請求される可能性があります。
トラブルに巻き込まれないためにも、知っている限りの周辺にある嫌悪施設の情報は不動産会社の担当者に伝え、重要事項説明書に記載して説明してもらいましょう。
嫌悪施設を原因とした裁判の判例
実際にあった嫌悪施設が要因となった裁判の判例を紹介します。
不動産仲介業者への訴えは棄却されたものの、同じ不動産取引に対して行われた売主への裁判で、売主への訴えは一部が認められた判例です。
【訴えの内容】
【判決】
【判決理由】
「反社会的勢力の事務所があることを不動産仲介業者が認識していたと認められないこと」と判断された理由は、以下のとおりです。
- 調査を行った執行官が、問題のビルについて外観上特別な建物と思われるものは見あたらなかったとの意見を述べていること
- 土地の引渡しまでに複数回測量や境界立会の作業等をしているが、反社会的勢力の事務所の存在をうかがわせる事情はなかったこと
- 買主が不動産仲介業者に対し、周辺物件の所有者や使用者について、反社会的勢力であるか否かの調査を行うよう要望したとの事実はうかがえないこと
「不動産仲介業者の静かな住環境である旨を記載した広告は問題ない」と判断された理由は、以下のとおりです。
- 土地の駐車場の通路部分に複数回違法駐車が行われたと管理会社認識していたが、警察等に連絡したことはないこと
- 他にビル関係者と近隣とのトラブル等が存在したとの事実はうかがわれないこと
なお、売主も同不動産取引において別件で訴えられており、判決は以下のとおりです。
- 土地の瑕疵とは認められないため、契約解除請求は棄却
- 売主は反社会的勢力の事務所の存在を知ってたため、説明義務違反として売買代金の1割相当額を賠償
1つの不動産取引でも売主と不動産仲介業者は、それぞれの責任を追及されます。
周辺に嫌悪施設がある不動産の売却相場
周辺に嫌悪施設がある不動産の売却価格は相場より下がる
物件の周辺に嫌悪施設があっても気にならない人であれば、売却相場で売れる可能性がありますが、一般的には安い金額になってしまいます。
実際弊社がおこなった心理的瑕疵物件に対するアンケートでは、抵抗感がある人は8割以上です。
引用元:訳あり物件買取プロ|【500人にアンケート調査!許容できる心理的瑕疵物件のレベルランキング】みんなが選ぶダントツの第1位は?
実際に周辺に嫌悪施設のある不動産の売却価格は、周辺に嫌悪施設のない類似物件と比べると1割から5割ほど下がるといわれています。
自殺のあった物件が近くにある物件で値引き幅は2~4割程度、反社会的勢力の事務所が近くにある物件で5割程度です。
ただし、あくまで平均値から算出した金額であるため、実際の売却金額とは異なります。
不動産の売却価格は周辺にある嫌悪施設のほかに、立地や物件の状況などが大きく影響するからです。
なお、瑕疵物件の売却相場については、以下の記事でも詳しく解説しています。
心理的瑕疵を気にしない人もいる
先述のとおり、嫌悪施設の感じ方は人それぞれのため、心理的瑕疵を気にしない人であれば、周辺相場での売却が期待できます。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 生活時間が特別なため気にならない
- 人気エリアなので気にならない
- 住居として使用しないため気にならない
周辺に工場など騒音が気になる施設があっても、帰宅時間が遅い場合は気になりません。
墓地や宗教施設が近くにあっても、人気のエリアであれば欲しい人も多いでしょう。
また、周辺に嫌悪施設がある物件を住宅としてではなく、オフィスとして使用する場合は気にならないこともあります。
ただし、上記の例は少ないため、周辺に嫌悪施設がある不動産の売却は難しいのが実情です。
周辺に嫌悪施設がある不動産の売却方法2選
周辺に嫌悪施設がある不動産の売却方法は、以下の2つです。
それぞれ解説します。
なお、心理的瑕疵物件の売却方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
用途などを対策して売却する
周辺に嫌悪施設がある不動産は、住宅としては売却が難しくても住宅以外の用途としてであれば売れる可能性があります。
どのような嫌悪施設があるかにもよりますが、オフィスや事務所として使用したり、建物を解体して駐車場として使用したりと用途が変われば、売却できる可能性はあるでしょう。
不動産買取業者へ売却する
周辺に嫌悪施設がある物件が売れない場合は、不動産買取業者へ売却することをおすすめします。
個人の買い手が敬遠する周辺に嫌悪施設がある物件でも、訳あり不動産を得意とする買取業者であれば、問題なく買い取ってくれます。
さらに専門の買取業者であれば収益化できるノウハウがあるため、通常の不動産買取業者よりも高い金額で買い取ることが可能です。
なお、弊社アルバリンクも周辺に嫌悪施設がある物件などの訳あり不動産を高く買い取っている業者です。
周辺に嫌悪施設がある物件を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
周辺に嫌悪施設がある不動産の売却はアルバリンクがおすすめ
周辺に嫌悪施設がある不動産を手放したい場合は、アルバリンクに売却しましょう。
弊社アルバリンクは訳あり物件専門の買取業者として、他社では断られるような事故物件なども多数買い取ってきました。
【弊社を利用されたお客様の声】
一人暮らしの母が、家の中で亡くなっていたと連絡を受けました。隣の家の住人が異臭がするので警察に相談した所、中で倒れて亡くなっていたようです。隣の人からは臭いのせいで頭が痛くなると言われ、業者へ特殊清掃を依頼しました。
もう売却しようと思い不動産業者に聞いても、臭いはある程度落ち着ちついているが、床が変色しているため大規模なリフォームが必要だったり、解体してはどうかと言われました。解体費用もリフォーム費用もないのでどうしようと思っていましたが、相談した不動産屋から訳あり物件買取プロを紹介され相談しました。やはり荷物の処分費用やリフォーム費用はかかるとの事でしたが、買い取ってもらえる事に。どこも値段が付けられないと言われていたので、大変助かりました。
上記の方以外にも、多くのお客様から感謝のお言葉をいただいております(下記Googleの口コミ参照)。
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査定依頼をいただいても、無理な営業は行いませんので、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
まとめ
今回は、嫌悪施設に該当する可能性がある施設の一覧について詳しく解説しました。
不動産仲介業者に売却を依頼しても、周辺に嫌悪施設がある場合は売れる物件は限られます。
また、告知義務があるため、すべての瑕疵を詳細に伝えないとトラブルに巻き込まれる可能性があり、損害賠償や裁判になることもあります。
周辺に嫌悪施設がある物件を手放したい場合は、訳あり不動産専門の買取業者に直接売却しましょう。
訳あり不動産専門の買取業者であれば、1週間から1ヶ月の期間で現金化が可能です。
不動産買取業者であれば、滅失登記をしていない土地を直接買い取ってくれるため、短期間で現金化することが可能です。
なお、弊社アルバリンクも周辺に嫌悪施設がある物件をはじめとした訳あり不動産を全国から買い取っている業者で、「フジテレビ」を始めとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
周辺に嫌悪施設がある物件を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。