空き家売却の際に片付けしておくべき2つの理由
空き家を売却する際、片付けを済ませておいたほうが好条件で売れやすくなるメリットがあります。
空き家売却の際に片付けしておくべき理由は以下の2つです。
- 内覧者の心象が良くなる
- 査定価格が上がる
なお、家の中の物を処分せずにお得に売る方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はお読みください。
片付けが具体的にどのようなメリットをもたらすのか、詳しく見ていきましょう。
内覧者の心象が良くなる
空き家の売却時は、残置物の片付けをしたほうが内覧者の心象が良くなります。
残置物とは、以前に住んでいた人が残した私物です。売却する物件の中に仏壇や古い家具が残っていると前の住人の生活感が伝わってしまい、内覧者にマイナスな印象を与えます。
また、残置物が大量に残っていると日の光を遮るため、自然で明るい印象の物件写真が難しく、内見そのものが決まりにくくなる傾向にあります。
空き家の片付けを済ませておくと、物件本来の魅力が伝わりやすく、内覧・成約につながりやすくなるメリットがあるのです。
査定価格が上がる
空き家を片付けておくべき理由として、査定価格が上がる点も挙げられます。
残置物がある物件を査定する場合、不動産会社は「不用品の処分費用」を差し引いて査定価格を算出します。この際、不動産会社によっては、自分で業者を手配するよりも多くの費用を上乗せされる可能性があるので注意が必要です。
できる限り、自分で残置物を処分しておいたほうが査定価格も上がるため、高額売却が実現しやすくなります。
次章で、空き家の片付け方法と費用についてご紹介します。
空き家売却にともなう片付けの方法と費用
空き家を片付ける方法は、大きく分けて以下の2つです。
- 不用品処分
- 遺品整理
それぞれの特徴を理解し、自身の状況に合う方法を選択しましょう。
不用品処分
空き家を片付ける方法の1つ目は「不用品処分」です。
空き家に残っている残置物を「不用品」として処分することで効率的に片付けを進められます。
不用品処分の方法は2通り
不用品処分の方法は以下の2通りがあります。
- 自分で処分する
- 不用品回収業者に処分を依頼する
不用品処分にかかる作業負担と費用を比較して、適切な方法を選択しましょう。
自分で処分する
まずは、不用品を自分で処分する方法です。
不用品を自分で捨てる方法は以下のとおりです。
- ゴミ収集に出す
- 近隣のゴミ捨て場に出す方法。「可燃ゴミの日」「缶の日」など、収集スケジュールに合わせる必要があるが、無料、もしくはゴミ袋代で処分できる
- 行政のゴミ処理場に持ち込む
- 各自治体のクリーンセンターやゴミ処理施設に出す方法。10kgあたり100円~200円など、従量制を採用している地域が多い
- リサイクルショップに売却する
- 近隣のリサイクルショップに売却する方法。買取価格は割安になるが、状態が良いものは値段をつけて買い取ってもらえる
- オークションやフリマアプリで売却する
- ネットオークション・フリマアプリで出品して売却する方法。リサイクルショップよりも高値で売却できるものの、購入希望者が現れない限り処分ができない
このように、自分で不用品を処分する場合、大きく分けると破棄する・売却するのどちらかになります。
空き家の不用品処分を自分で行う場合、以下の手順に進めると効率的です。
- いつまでに片付けるか・ゴミ収集日にいつ出すかなど、スケジュールを決める
- 親族とスケジュールを共有して分担を決める
- 通帳・貴金属・有価証券どの貴重品のみピックアップして一箇所に集める
- 出入り口への動線を確保したまま、一部屋ずつ順番に片付ける
- スケジュールに沿って片付けを進めて、処分・売却をする
このように、あらかじめスケジュールを組んで親族間で共有しておくことで、片付けの先延ばしを防げます。
不用品を自分で処分する最大のメリットは費用がほぼ不要な点です。売却のツールによっては価格設定を自分で行えるので、不用品が高値で売れる可能性もあります。
ただし、行政の収集スケジュールに合わせたり、売却を待ったり、片付けが長期になりがちな点がデメリットです。
「費用を抑えたい」が第一優先の場合、不用品を自分で処分する方法が適しています。
なお、スピーディーに空き家を片付けて売却したいなら、次章の不用品回収業者に売却するのがおすすめです。
不用品回収業者に処分を依頼する
不用品の処分を不用品回収業者に依頼する方法です。
不用品回収業者とは、リサイクルの可不可にかかわらず顧客の不用品全般を回収してもらえる業者を指します。
不用品回収業者に依頼する相場費用は、以下のとおりです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
人件費 | 3,000円〜5,000円(1時間) |
車両費 | 5,000円〜2万円 |
処分費 | 自治体・廃棄物により異なる |
このように、多くの不用品回収業者は、人件費・車輌費・処分費のトータルで費用が決まります。
このほか、不用品回収業者によって、「基本料金 + 1品目ごとの回収」「従量制でトラックに詰める分だけ回収」の2種類の回収方法を設けている場合もあります。
不用品回収業者はスムーズに片付けが完結できる点がメリットです。電話一本で希望の日時を伝えれば、あとは重たい家財も丸ごと処分してもらえるので、片付ける手間を省略できます。
ただし、不用品回収業者は可燃・不燃などの分別はしてもらえますが、回収物を「ゴミ」として扱います。そのため、残したい遺品や金銭的に価値があるものも破棄される可能性がある点は注意が必要です。
貴重品のピックアップを終えていて、なおかつ費用をかけても問題ない場合は、不用品回収業者に片付けを依頼しましょう。
遺品整理
空き家を片付ける方法の2つ目は「遺品整理」です。
故人が生前のこした遺言書・遺族の気持ちを配慮しながら、専門家に丁寧に片付けてもらうことで、後悔なく片付けが遂行できます。
遺品整理の方法は2通り
遺品整理の方法は以下の2通りがあります。
- 自分で整理する
- 遺品整理業者にサポートを依頼する
それぞれの方法にどのようなメリット・デメリットがあるのか把握した上で、最適な選択をしましょう。
自分で整理する
自分で遺品整理をする方法です。
大まかな流れは不用品回収と同様です。後々のトラブルを回避するため、遺品整理する旨を親族に共有してから着手し、作業終了日を決めておきましょう。
遺品整理するために必要な道具は以下のとおりです。
- 段ボール・ゴミ袋
- ガムテープ
- カッター・はさみ
- マジックペン
とくに遺品整理で時間がかかりがちなのが、写真や思い出の品です。一度処分するともう戻ってこないため、廃棄するのに躊躇する場合は「一旦残す」と判断しましょう。
遺品を自分で整理するメリットは、費用を抑えられる点です。また、自分のペースで遺品に手をかけられるので、作業の過程で気持ちの整理もつきやすくなります。
反対にデメリットは、時間がかかりやすい点です。仕分けの段階で残すか捨てるかで判断しながら作業を進めるのは精神的負担が重くなりがちです。
空き家の売却を急いでおらず、なおかつ思い出と向き合いたい場合、自分で遺品整理する方法が適しています。
遺品整理業者にサポートを依頼する
残したい遺品があるのであれば、遺品整理業者にサポートを依頼しましょう。
遺品整理業者とは、故人が残した品々のすべてを遺品とみなし、遺族に代わってそれらを丁寧に整理する業者です。作業前にミーティングを行い、遺族の想いや作業の注意点を共有して着手するため、仕分けをきめ細やかに進めてもらえます。
遺品整理業者に依頼する費用は間取り別で設定されていることが多く、おおむね以下のとおりです。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1k・1LDK | 3万円~20万円 |
2DK・2LDK | 10万円~30万円 |
3DK・3LDK | 15万円~50万円 |
4LDK以上 | 20万円〜60万円 |
業者によっては、買取品の査定・貴重品の捜索・供養など、仕分け・処分以外のサービスを提供している場合もあります。
精度が高い仕分けをスピーディーに行ってもらえるのが、遺品整理業者に依頼する大きなメリットでしょう。
反対にデメリットは、自分で遺品整理したり、不用品回収業者に依頼したりするケースよりも、費用が割高である点です。
専門家のサポートの元、後悔ない遺品整理をしたい方は、遺品整理業者に依頼する方法が適しています。
遺品整理の費用を比較
30坪の家で、不用品回収と遺品整理を業者に依頼する際の費用相場は以下のとおりです。
不用品回収 | 遺品整理 |
---|---|
20万円以内 | 20万円〜60万円 |
なお、残置物の量・業者の料金設定によって金額は大きく異なります。
次章で詳しく解説しますが、空き家の片付けを自分で行うには時間がかかります。空き家の売却を急ぐ場合は、業者に片付けを依頼したほうが良いでしょう。
空き家売却時の片付けにかかる期間は3ヶ月~1年以上
空き家の片付けにかかる時間は、おおむね3ヶ月~1年以上と言われています。
東洋経済オンラインの「片付け・処分を実際に経験した人540人」を対象にしたアンケート調査では、片付けの所要時間は以下のような結果となりました。
このように、おおむね半数近くが3ヶ月以上を要しており、1年以上の長期にわたる人も2割近くと、やや多めです。
実家の片付けに時間がかかる理由は、「どこに何があるかわからず、手探りで作業を始めた」「思い出の品を見つけて感傷に浸ってしまった」などです。
業者に片付けを依頼した場合、数時間〜2日程度で作業が終わります。空き家の売却にスピード感を重視する方は、業者への依頼を一つの選択肢に加えましょう。
空き家売却時の片付けにおける2つの注意点
「自分で行う」「業者に依頼する」のどちらを選択する場合も、空き家の片付けがトラブルにならないよう対策が必要です。
空き家売却時の片付けにおける2つの注意点は以下のとおりです。
- 「処分・買取・残す」の3つに分類しておく
- 親族とよく話し合いながら片付けを行う
注意点を念頭に置き、後々空き家の片付けがきっかけに起こりえるトラブルを回避しましょう。
「処分・買取・残す」の3つに分類しておく
空き家の残置物は「処分・買取・残す」の3つに分類しておきましょう。
どこに何があるかわからない状態でも「処分・買取・残す」の3つのカテゴリーに分類しておけば、作業は迷いなく進めやすいからです。
残置物を「処分・買取・残す」に分類した一例は以下のとおりです。
- 処分
- 「金銭的な価値がある」「思い入れがある」「重要書類である」のいずれにも該当しないもの
- 買取
- 貴金属・美術品・骨とう品・宝石・家具・家電・衣類・パソコン
- 残す
- 現金・通帳・クレジットカード・有価証券・身分証明書・パスポート・印鑑・健康保険証・年金手帳・契約書類・手紙・写真・思い出の品
このように、片付けを本格的に始める前にカテゴリー分けをしておくと、物の所在が手探り状態でもスムーズに作業を進めやすくなります。
なお、処分するか迷ったものは「一旦残す」という選択をとることで後悔しない片付けを遂行しやすくなります。
親族とよく話し合いながら片付けを行う
後々トラブルを起こさないためにも、親族と話し合いながら片付けを行いましょう。
空き家の片付けで起こりやすい親族間トラブルとして、以下の5つが挙げられます。
- 遺品整理・不用品処分の作業負担が特定の親族にかたよっている
- 不用品と思って処分したものが、親族にとって価値のあるものだった
- 遺品を勝手に形見分けして、故人と生前譲る約束をしていた親族が怒る
- 金銭的な価値があるものを隠したと疑われる
- 業者に依頼したときの費用分担に不公平感を抱かれる
上記のトラブルは、空き家の片付けを始める前に、親族と話し合いを行っていない場合に起こりがちです。
片付けを始める前に、親族と取り決めやスケジュールを共有して、メモを残しておくことで、親族間トラブルを回避しやすくなります。
空き家を売却する2つの方法
ここまでは、空き家を片付ける方法や注意点について解説しました。
次に空き家を売却する2つの方法を紹介します。
前提として、不動産の売却には仲介・買取の2つがあり、両者には下記のような違いがあります。
- 仲介業者
- 売主と買主の間に入って売買契約を手伝う業者。居住用の家を探す人に向けて広告・宣伝を行う。売り出し前に売主負担で残置物の撤去やリフォームが必要になるが、購入希望者が多ければ高値で売れる
- 買取業者
- 売主の物件を直接買い取る業者。買い取った不動産に付加価値をつけて投資家などに再販する目的で買い取る。現況買取であるため、残置物やリフォームの必要はないが、売却価格は仲介に比べて低い
上記のように、片付けに対してのスタンス次第で、空き家売却が仲介・買取のどちらに適しているかが決まります。
仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しているので興味がある方はお読みください。
この章では、空き家を売却する以下2つの方法を解説します。
- 片付けし切れるなら仲介業者に依頼する
- 片付けし切れないなら買取業者に依頼する
片付けし切れるなら仲介業者に依頼する
空き家を片付けし切れるなら、仲介業者に売却を依頼しましょう。
仲介業者はあくまで売主・買主のマッチングをサポートする業者であるため、原則残置物の処分は行いません。
居住用の家を探す一般の買主に向けて、仲介業者が販促活動を行うため、売主が売却活動前に片付けを済ませて「すぐに住める状態」にしておく必要があります。
そのため、これまで挙げてきた不用品回収・遺品整理の費用負担はありますが、購入希望者が多く募れたら高値で売れる可能性があります。
売主が空き家を片付けし切れるのであれば、仲介に依頼するのも一つの手段です。
片付けし切れないなら買取業者に依頼する
空き家を片付けし切れないなら、買取業者に売却しましょう。
買取業者なら、空き家の片付けに手間・費用をかけずそのままの状態で売却できます。
なぜなら、買取業者は不動産を買い取った後に業者側で、不用品回収と適切なリフォーム等を合わせて行うからです。
実際に、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、劣悪な空き家も買取・再生する買取業者として、フジテレビの「イット」で紹介されています。
くわえて、弊社は訳あり不動産の買取実績が多く、遺品整理業者など各種専門家との連携があるため、コストを抑えられる分、買取価格に還元しやすいのが特徴です。
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空き家売却にかかる4つの税金
空き家が売却できたとしても、売却価格のすべてが手元に入るわけではありません。
売主は売却価格のうち、いくらかを各種手続きの費用や税金として支払う必要があります。
この章では、空き家売却にかかる以下4つの税金について紹介します。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 譲渡所得税
仲介手数料
前述した2つの売却方法で、仲介を選んだ場合、仲介手数料が必要です。
仲介手数料とは、仲介業者を介して成約が決まった際に、売主・買主の両方が支払う手数料です。
仲介手数料の上限額は、不動産価格別で以下3つに分類されます。
売買代金 | 仲介手数料(税抜) |
---|---|
200万円以下 | 5% + 消費税 |
200万円以上400万円以下 | 4% + 2万円 + 消費税 |
400万円以上 | 3% + 6万円 + 消費税 |
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
不動産売買は400万円以上の取引が一般的であるため、多くは「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」が適用されます。
2,000万円の不動産なら、72万6,000円が仲介手数料です。不動産業者によって支払い方法は異なりますが、売買契約時・引き渡し時の2回に分けて50%ずつ現金で支払うのが一般的です。
なお、仲介手数料は成功報酬であるため、売買が成立していなければ支払いは必要ありません。
印紙税
印紙税とは、経済取引に関する特定の文書を作成した際に支払う税金です。
不動産売買契約書は課税対象の文書であるため、以下の印紙税が発生します。
たとえば、空き家の売却価格が2,000万円であれば、印紙税は1万円必要です。
印紙税は売買契約締結時に、税額分の収入印紙を契約書に添付して、印鑑・署名のどちらかで消印すれば納付が完了します。
登記費用
登録費用は、不動産登記の手続きをする際に発生する税金です。
空き家を売却する際に所有者が売主から買主に変わるため、法務局で「所有権移転登記」をする必要があります。
登記費用は、国税庁が定める以下の税率に基づいて「固定資産税評価額 × 税率」で算出します。
たとえば、空き家の固定資産税評価額が「土地1,000万円」「建物1,000万円」なら、以下の金額が登録免許税として必要です。
土地の評価額 × 1.5%より、
1,000万円 × 1.5% = 15万円(土地の登録免許税額)
建物の評価額 × 2%より、
1,000万円 × 2% = 20万円(建物の登録免許税額)
上記の計算例では、空き家の売却にかかる登録免許税は、合計で35万円となります。
所有権移転登記は自分で手続きも行えますが、一般的には不動産の引き渡しのタイミングで司法書士に依頼するのが一般的です。
登記手続きを司法書士に依頼する際の報酬の相場は、おおむね6万円〜10万円程度です。
よって、「登録免許税 + 司法書士報酬」で、登記費用の合計額は、41万円〜45万円程度となります。
なお、登録免許税の支払いは一般的には買主が行います。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産を売却した際の売却益の部分に対して課せられる税金です。
譲渡所得税の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 – 取得費 – 譲渡費用
譲渡所得 × 税率
売却価格から取得費・譲渡費用を差し引いた金額を「譲渡所得」として、所有期間に応じた税率を乗じた数値が譲渡所得税となります。
取得費・譲渡費用の詳細は国税庁のホームページで確認できますが、主に仲介手数料や設備費用など、売却に至るまでに負担してきた経費を指します。
譲渡所得がわかった後は、空き家の所有期間に応じて、以下の税率を乗じます。
譲渡所得の区分 | 所有期間 | 税率 |
---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以内 | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年以上 | 20.315% |
相続物件の所有期間の起算日は「故人が取得した日」を採用するため、ほとんどの空き家は長期譲渡所得の20.315%が適用されます。
空き家の売却価格2,000万円・取得費1,000万円・譲渡費用200万円で長期譲渡所得の場合、以下の計算式となります。
譲渡所得 = 売却価格 – 取得費 – 譲渡費用より、
2,000万円 – 1,000万円 – 200万円 = 800万円(譲渡所得)
譲渡所得 × 税率より、
800万円 × 20.315% = 162万5,200円
上記の計算例では、162万5,200円が譲渡所得税額となります。
なお、譲渡所得税の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しているので参考になさってください。
譲渡所得税は、空き家を売却した翌年の確定申告(毎年2月16日〜3月15日)で納付となります。
空き家が売れない場合の4つの対策
空き家を片付けても売却活動を始めたものの、スムーズに売却が決まらないケースもあります。
空き家が売却できるかどうかは、立地条件・劣化状況・市場の動向など、片付け以外にもさまざまな要素が関係するからです。
この章では、空き家が売れない場合の以下4つの対策について解説します。
- 相続放棄する
- 自治体に寄付する
- 空き家バンクに登録する
- 活用する
相続放棄する
空き家を相続する前なら、相続放棄するのも一つの手段です。
相続放棄とは、故人の財産を受け継ぐ権利や義務を一切受け継がないことです。
家庭裁判所に「相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」に申述書を提出して受理されれば、相続人の立場から解放されます。
相続放棄をすれば、そもそも空き家を受け継がないので、片付けの手間・費用も発生しません。
ただし、相続放棄は「特定の財産だけ受け継げない」という選択ができないため、プラスの財産も受け取れなくなります。
「故人の借金が明らかに多い」「親族との話し合いから離脱したい」などの場合、相続放棄が適しています。
自治体に寄付する
自治体に空き家を寄付する方法もあります。
自治体が空き家を調査した結果、「利用価値がある」と判断された場合に、自治体への寄付が認められます。
寄付する先が行政機関であるため、譲渡におけるトラブルが起こりにくいメリットがあります。
ただし、自治体への寄付が受け入れられるのは非常に稀なケースです。うかつに空き家・空き地の寄付を受け入れてしまうと、自治体の大事な税収である固定資産税が翌年から徴収できなくなるためです。
自治体への寄付における事例や手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
空き家の利用価値が高く、なおかつ譲渡に伴うトラブルを回避したい方におすすめできる方法です。
空き家バンクに登録する
空き家バンクに登録して買主を募る方法です。
空き家バンクとは、各自治体が運営する空き家情報サイトです。
空き家バンクの利用者は「空き家を探している人」に限定されているため、条件が合えば買主が見つかる可能性があります。
ただし、空き家バンクの役割はあくまで情報発信であるため、実際の契約における交渉や手続きは自分で行う必要があります。
有料サービスを活用すれば、不動産業者の紹介はしてもらえますが、所有者自身が業者を選べないため、担当者との相性の不一致が起こりがちです。
空き家の売却でトラブルを回避したい方には、空き家バンクは向かない方法と言えます。
なお、空き家バンクについては、下記の記事で詳しく解説しています。
活用する
空き家のもっとも簡単な活用法として、第三者に賃貸として貸すことが挙げられます。
空き家に、生活に支障をきたすような故障がない限り、そのままの状態で貸せるので、初期費用はほぼゼロで始められるでしょう。
入居付けがうまくいけば、安定した家賃収入が入るため、固定資産税の支払いにおける金銭的負担を払拭できます。
ただし、空き家の入居者が見つからない場合、維持費だけをいつまでも支払い続けなければなりません。
近隣・知人に空き家を借りたい人がいる場合、おすすめできる方法と言えます。
まとめ
空き家の片付け方がわからない場合、不用品処分・遺品整理の業者に依頼すれば、数時間〜2日程度で片付けてもらえます。
ただし、所有者が片付け費用を多くかけてしまうと、売却活動で売れなかった際に赤字となってしまうので、依頼は慎重に決める必要があります。
売れ残りの不安がある場合には、確実に売却できる前提で査定額を出してもらえる「買取業者」への売却がおすすめです。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、空き家に強い買取業者です。日本全国の空き家を数多く買い取ってきた実績があり、口コミでも多くの高評価をいただいております。
弊社のスタッフができる限り、売主様の希望に沿った売却が叶うよう全力で対応いたします。
無料査定は365日受付中ですので、お気軽にご相談ください。もちろん、査定のみの問い合わせも大歓迎です。