狭小地とは
狭小地とは、狭い土地のことを指します。
明確な定義はありませんが、一般的に15~20坪以下の土地を指すことがほとんどです。
狭小地には、四角い形の土地である整形地以外に、台形や三角形などの不整形地が見受けられます。
土地面積の狭さから、通常の土地と比較して活用しにくいのが特徴です。
また、不整形地の場合、整形地より使い勝手が悪く、需要がさらに低くなってしまいます。
なお、狭小地は都市部をはじめ利便性の良い場所に多く存在する傾向にあります。
狭小地が生まれる理由
狭小地が生まれる理由として、主に以下の2つが挙げられます。
- 不動産会社が小分けにして販売
- 相続による分筆
不動産会社が小分けにして販売
不動産会社が土地を売却する際、土地を分割してから販売するケースがあります。
土地を分割せずに売りに出すと、土地が広すぎて使い勝手が悪いうえ、価格が高すぎるため、一般の買い手は購入しないでしょう。
そのため、土地面積が広い土地に関しては小分けにしてから売却したほうが、買い手にとっては手ごろな価格で購入できます。
土地の分割は、不動産会社にとって買い手が見つかりやすく利益を得られやすいといえます。
相続による分筆
相続人同士で土地を分筆した結果、狭小地が生まれてしまうケースもあります。
分筆とは、1つの土地を複数の土地に分かる手続きのことです。
土地を相続する際、土地の活用方法をめぐって、相続人同士で意見が割れることがあります。
土地の分筆は、意見が割れたときの解決方法の1つです。
土地の分筆をする際、分筆前の土地面積が小さい場合は15~20坪程度の狭小地になる可能性があります。
狭小地のメリット4選
狭小地のメリットは以下の4つが挙げられます。
- 利便性が高い
- 購入費・税金が抑えられる
- 活用次第で収益が得られる
- 生活コストが安く抑えられる
利便性が高い
狭小地は、利便性が高いという特徴があります。
狭小地は、都市部や住宅密集地に多く存在するため、最寄り駅まで徒歩5分以内、スーパーマーケットやコンビニも徒歩圏内にあるケースがほとんどです。
通勤や通学、買い物の手間や時間が省けるため、日々の生活が快適になる点で大きなメリットといえるでしょう。
また、ニーズが高い土地のため、家を建てるほかに、駐車場経営や賃貸経営などで収益化も見込めます。
土地が狭いという特徴がありますが、利便性が良く、収益化も見込める土地を安く手に入れられます。
購入費・税金が抑えられる
狭小地は、購入費用や固定資産税・都市計画税が抑えられます。
狭小地は土地面積が小さいため、周辺の土地と比較して安い価格で購入可能です。
また、不整形地の場合、さらに安い価格で購入できる可能性があります。
なお、固定資産税が抑えることも可能です。
固定資産税は以下の計算式は算出されます。
税額を算出する際に用いる「固定資産税評価額」は、土地が小さいほど小さくなります。
そのため、狭小地の固定資産税は周辺の土地と比べて、納税額を少なくすることが可能です。
土地の広さにこだわりがない場合、土地の購入代金と納税額を安く抑えられる点はメリットの1つといえるでしょう。
活用次第で収益が得られる
狭小地は、活用次第では収益を得ることも可能です。
狭小地は土地が狭いため、通常の土地を比較して活用しにくい特徴があります。
しかし、狭くても活用方法次第では、収益を生み出す資産にできる土地です。
具体的な方法については後述しますが、主に駐車場や駐輪場が挙げられます。
実際に活用を検討する際は、活用方法別に特化した専門業者に相談しましょう。
生活コストが安く抑えられる
狭小地に建てた住宅は、生活コストを安く抑えられます。
狭小住宅は、1フロアあたりの大きさが他の住宅と比べて狭くなります。
その分、冷暖房効率が良くなり、光熱費を安くすることが可能です。
また、利便性の高い立地のため、通勤や日々の買い物に車を使う必要はありません。
車を所有しないことで、駐車場代やガソリン代など車の維持費を削減できます。
狭小地の特徴である土地の狭さや利便性の高い立地は、日々の生活コストの節約に大きく貢献します。
狭小地のデメリット3選
狭小地のデメリットとして、以下の3つが主に挙げられます。
- 活用方法が限定される
- 建築費用が高くなりやすい
- 売却しにくい
活用方法が限定される
狭小地は、土地面積の狭さや土地の形状により、活用方法が限定されることがあります。
たとえば、アパートを建てるにしても、戸数が少ない小規模なアパートになります。
したがって、大きな収入を得ることは難しいでしょう。
無理に戸数を増やそうとすると、生活空間が狭くなり、かえって、入居希望者が現れない可能性があります。
上記のように、ある程度の土地の広さが必要な土地活用法は、狭小地では難しいでしょう。
狭小地は、狭い土地であることを考慮した活用を考えなければなりません。
建築費用が高くなりやすい
狭小地に住宅を建てる場合、建築費が高くなることがあります。
狭小住宅を建てる際、居住空間を確保するため、3階建てや地下室を作るなど設計上の工夫が必要です。
通常の住宅を建てる場合と異なり、特殊な設計や施工が必要になることから、建築費が高くなる恐れがあります。
また、土地の狭さが原因で建築資材を置くスペースを確保できないことも建築費の増加原因の1つです。
上記のケースの場合、近隣に資材を置いて、建築現場へ運ぶ必要があります。
作業の手間が生じたことによる人件費増加も、コスト増加の要因です。
狭小地に建物を建てる場合、一般の住宅を建てる場合より割高になるかもしれません。
売却しにくい
狭小地を売却する際、買い手が見つかりにくい特徴があります。
買い手が敬遠する主な要因として、住宅ローンが組みづらいことが挙げられます。
住宅ローンを借り入れする際、購入する不動産の評価の高さが重要です。
狭小地は不動産としての評価が低いため、大きな額のローンを組めない可能性があります。
そのため、狭小地の購入希望者は、購入資金の多くを自己資金で賄わなければなりません。
自己資金が不足している人は、購入をあきらめざるを得ません。
また、狭小地が売却しにくい他の要因として、以下が挙げられます。
- 日当たりが悪い
- 庭が狭い
- 駐車場のスペース確保が難しい
複数の原因が重なっていることにより、狭小地の処分を難しくしています。
狭小地が売れない理由について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
狭小地をはじめ売却が難しい土地の処分は、不動産買取業者に相談・査定してもらうのがおすすめです。
不動産買取業者は、一般の買い手が敬遠するような不動産でも活用・収益化できるノウハウがあるので、価値が低い不動産の買取にも対応しています。
アルバリンクも狭小地のような売却が難しい不動産の査定に対応いたします。
狭小地の売却を検討している方は、ぜひご相談ください。
狭小地の活用方法5選
前述したとおり、狭小地は土地の狭さから活用方法が限定されてしまう特徴があります。
しかし、利便性の高いという立地を生かした活用をすることで、収益化も可能です。
ここでは、狭小地の活用方法を5つ紹介します。
- 駐車場
- 駐輪場
- コインランドリー
- トランクルーム
- テイクアウト店舗
駐車場
駐車場の設置は、狭小地の活用法で代表的な方法の1つです。
駐車場経営は、賃貸経営と比較すると初期投資の金額が少なく済むのが特徴です。
駅に近い、商業施設の近くなど需要が高い場所なら、狭い土地でも収益化が見込めます。
特に、都心部は駐車できる場所に限りがあるため、料金を高く設定しても利用してくれる人は多いでしょう。
ただし、土地の形状によっては、駐車できる台数の確保ができないケースもあります。
駐車場には、コインパーキングと月極駐車場の2種類があります。
コインパーキング経営なら「駐車場管理会社」、月極駐車場なら「不動産会社」に相談しましょう。
駐輪場
駅から近い立地の狭小地である場合、駐輪場も選択肢の1つです。
初期投資が少ないのが特徴で、精算機やロック装置を設置するだけで始められます。
また、土地の形状に影響を受けにくく、駐車場経営が難しい変形地でも問題なく駐輪場経営が可能です。
ただし、駅から300m以上離れている場合は、需要が低下してしまう傾向にあります。
駅から離れた場所にある土地の場合、駐輪場経営は収益化が難しいでしょう。
実際に駐輪場経営を始める場合は、駐輪場管理委託会社に委託すれば、手間なく経営ができます。
コインランドリー
コインランドリー経営も狭小地を有効活用できるビジネスモデルの1つです。
コインランドリーは広い土地を必要とせず、10坪程度の広さがあれば設置可能です。
住宅街や学生街など人口が密集している立地であれば、一定数の利用者が見込め、安定した収益を得られます。
ただし、初期投資に1000万円単位の費用がかかるうえ、競合との差別化が難しい点がデメリットとして挙げられます。
コインランドリー経営を始める際は、フランチャイズ本部の企業に相談するといいでしょう。
本部からの店舗運営に関するサポート体制が整っているため、初心者の方でも長期にわたる安定経営が見込めます。
トランクルーム
都市部においてはトランクルームとして狭小地を活用する方法もあります。
都市部の住宅において、十分なスペースを確保できない人を中心に、物置場所としてトランクルームは需要があります。
また、賃貸経営と違い、日当たりの良い場所など生活環境の良さは求められません。
注意点として、自分自身で経営をする場合、フランチャイズと異なりネームバリューがないため、収益化の難易度が高くなります。
トランクルームの経営を検討する際は、専門業者に相談するとどのように運営すべきか把握できます。
テイクアウト店舗
テイクアウト店舗の出店も狭小地の活用方法としておすすめです。
テイクアウト店舗は、コロナ禍以降、需要が増えており、収益化が見込めるビジネスの1つです。
客席を設ける必要がないため、10坪程度の狭小地でも出店できます。
駅近や住宅が多い場所など人通りが多い場所であれば、高い収益が見込めるでしょう。
なお、テイクアウト店舗の出店を検討する際は、キッチンカーに土地を貸し出す方法がおすすめです。
キッチンカーを駐車できるスペースさえあれば、初期投資をかけずに収益を得られます。
実際に土地を貸し出す際は、キッチンカーへの場所貸しのマッチングサイトを利用しましょう。
登録するだけでスムーズに出店希望者を探せます。
狭小地の4つの処分方法
ここまで狭小地の活用方法を紹介してきました。
しかし、「初期投資の資金が準備できない」「活用が難しい狭小地だった」などの理由で、狭小地を処分せざるを得ない状況の方もいるでしょう。
ここでは、狭小地の処分方法を4つ紹介いたします。
- 不動産仲介業者に売却を依頼
- 隣地所有者に売却する
- 国に引き取ってもらう
- 不動産買取業者に売却する
不動産仲介業者に売却を依頼
狭小地の売却を始める段階なら、まずは不動産会社に仲介を依頼しましょう。
狭小地は都市部に多い傾向にあるため、立地の良さを求めている買い手からの需要は一定数あるでしょう。
とくに、都心部やターミナル駅のような大きな駅の近くなどの場合は、人気が高く売却できる可能性が高いといえます。
また、依頼した不動産会社の売却活動次第では、上記の条件に当てはまらない狭小地でも売れる可能性はあります。
売却活動をしていない人は、複数の業者に相談、仲介を検討してみましょう。
隣地所有者に売却する
狭小地を隣地所有者に売却できないかどうかも検討しましょう。
隣地所有者にとって、狭小地でも隣地を取得することで、活用できる土地が広くなるメリットがあります。
とくに、隣地所有者が狭小地の場合、土地面積が広くなり、増築や駐車場、物置用のスペースなどに有効活用できます。
隣地所有者にとっては、「土地が狭い」という悩みの解消につながるでしょう。
ただし、買い取ってもらえるかどうかは、隣人次第です。
「資金が足りない」「これ以上広い土地は必要ない」と隣人が考えている場合、売却交渉には応じてもらえないでしょう。
隣地所有者への売却は、処分方法の1つとして検討の余地はあります。
国に引き取ってもらう
所有している狭小地が相続した土地の場合、「相続土地国庫帰属制度」を利用して、国に引き取ってもらえます。
「相続土地国庫帰属制度」とは、一定の条件を満たす場合、相続により取得した土地を国に引き取ってもらえる制度です。
単独所有の場合は所有者、共有者がいる場合は共有者全員が共同で申請することで、利用できます。
ただし、すべての土地を引き取ってくれるわけではありません。
「建物が建っている」「土壌が汚染されている」などに該当する場合、申請を却下されます。
所有している土地が引き取り対象かどうか確認したうえで、申請をしましょう。
制度利用の条件を含めて、「相続土地国庫帰属制度」について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
不動産買取業者に売却する
不動産買取業者への売却も、狭小地処分の手段の1つです。
不動産買取業者は、狭小地をはじめ一般の買い手が敬遠しがちな土地でも買い取ってくれるケースがあります。
また、売買取引は不動産業者と直接やり取りするため、会社が提示した金額に納得すれば、1週間~1か月程度で契約成立、土地を手放せます。
狭小地のように活用が難しく需要が限られる土地をすぐに手放したい場合は、不動産買取業者に相談しましょう。
なお、アルバリンクも売れない不動産の買取をしている不動産買取業者の1つです。
他社から断られた土地・建物でも査定・買取をいたしております。
仲介に依頼しても売れなかった、どの不動産会社からも断られた狭小地を所有している方は、一度アルバリンクへご相談ください。
扱いに困っていた不動産を手放すお手伝いをいたします。
まとめ
この記事では、狭小地の概要とメリット・デメリット、活用方法について紹介しました。
一般的に、狭小地は15~20坪以下の小さな土地を指し、都市部に多く存在する傾向にあります。
また、狭小地は利便性が高い反面、処分が難しいというデメリットを抱えています。
もし、所有している狭小地を手放すことを検討している場合、不動産買取業者への相談がおすすめです。
不動産買取業者の中には、狭小地をはじめ需要が小さい土地の買取を積極的にしている業者がいるため、処分できる可能性が高いといえます。
アルバリンクは「需要が小さい土地」でも査定・買取を積極的にしている不動産買取業者の1つです。
他社から断られて、扱いに困っていたお客様の土地を多数買い取ってきた実績があります。
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狭小地の処分を検討する際は、アルバリンクへぜひお問合せください。