共有不動産を現金化する方法
共有不動産を現金化する方法には以下の4つがあります。
ご存知かもしれませんが、共有不動産全体は共有者1人の意思では売却することも活用することもできません。売却には他の共有者の同意が必要です。
参照元:e-Gov法令検索|民法第251条
ただ、共有者の合意を得なくても持分を売却できる唯一の方法があります。「第三者に自身の共有持分を売却する」方法です。
「他の共有者と疎遠である」「仲違いしていて話し合える関係性ではない」といった方は、自身の持分のみを第三者に売却する方法を検討するとよいでしょう。
では、4つの方法をそれぞれ易しく解説します。
共有者全員と合意して不動産全体を売却する
共有者全員と合意して不動産全体を売却すれば、共有不動産を現金化できます。
不動産売却後はもともとの持分割合に応じて、売却代金を共有者同士で分配(換価分割)するのが一般的です。
例えば、以下のように共有していた不動産が3,000万円で売れたとしましょう。
【不動産の持分割合の例】
共有者 | 持分割合 |
---|---|
母 | 1/2 |
長男 | 1/4 |
長女 | 1/4 |
それならば、売却代金の3,000万円は、母に1,500万円、長男と長女にそれぞれ750万円ずつで分配します。
この方法のメリットは、不動産全体を売り出すので、通常の不動産(所有権が1本化されている不動産)と同程度の金額で売却できることです。
ただし、当然ではありますが、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要です。
共有者と仲違いしていたり、共有者の中に売却に反対する者がいれば、不動産全体を売却することはできません。
なお、共有不動産全体を売却する流れについては以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
他の共有者に自身の共有持分を売却する
他の共有者に自身の持分を売却すれば、持分を現金化できるうえ、共有関係から脱却できます。
例えば、以下の表の通り共有している不動産の持分を、長女が長男に売却したとしましょう。
【不動産の持分割合の例】
共有者 | 持分割合 |
---|---|
母 | 1/2 |
長男 | 1/4 |
長女 | 1/4 |
そうすると、長女は長男から持分に応じた金銭を受け取れますし、共有関係からも脱却できます(ちなみに、長男の持分は1/2に増えます)。
この方法は、共有者の誰かが「他の共有者の持分を買い取りたい」と考えていて、なおかつ買い取れる経済力がある場合にのみ有効です。
反対に、他の共有者があなたの持分を買い取る意向がなかったり、買い取る経済力がなかったりすれば、持分を他の共有者に売却するのは当然難しいでしょう。
以下の記事では、あなたの共有持分を他の共有者へ譲渡する際の注意点をまとめています。併せてご参照ください。
共有持分をすべて買取り名義を一本化してから不動産を売却する
共有者の1人が他の共有者の持分を全て買い取り、単独名義にしてから売却する方法もあります。
名義を一本化してから売却すれば、通常の不動産として売り出せるので、共有名義の不動産より売却しやすくなります。
ただ、名義を1本化して売却するには、共有者全員が不動産の売却に合意している必要があります。
また、あなたが他の共有者の持分を全て買い取れるほどの経済力を持ち合わせていなければ、名義の1本化はできません。
第三者に自身の共有持分を売却する
自身の持分のみを第三者に売却して現金化する方法もあります。自身の持分だけなら、他の共有者の同意がなくても自由に売却可能です。
例えば、以下のように共有している不動産であれば、長女が自身の持分(1/4のみ)を第三者に売却します。
【不動産の持分割合の例】
共有者 | 持分割合 |
---|---|
母 | 1/2 |
長男 | 1/4 |
長女 | 1/4 |
長女に代わって、買主(第三者)が新たな共有者として加わるということです。
ただ、他人の共有持分を欲しがる個人の買主は基本的には存在しません。
そもそも個人の買主が不動産を購入する理由は、マイホームを取得するためです。
にもかかわらず、他人の共有持分を購入してしまえば、物件に自由に住むことはできません。
もし住めたとしても、他の共有者(設例でいうところの、母と長男)に家賃請求されたら支払わなければなりません。持分割合に応じて管理費を支払う必要もあります。
参照元:e-Gov法令検索|民法第253条
その他にも、共有不動産は共有者1人の意思で勝手に売却や活用ができない、相続によってどんどん共有者が増える等、いくつも問題があります。
そのため、わざわざ他人の共有持分を購入したがる個人の買主なんていないのです。
では、一体誰が持分を買い取るのかというと「共有持分に特化した不動産買取業者」です。
専門の不動産買取業者は、持分買取後に他の共有者と交渉し、他の共有持分を買い取ったり、売却に向けて一緒に話を進めることが可能です。共有者との円滑な交渉スキルや共有不動産の知識を豊富に持ち合わせているので、持分のみでも問題なく買い取りできます。
その他にも、持分のみを売却すると、以下2つの大きなメリットがあります。
他の共有者と一切関わらずに共有持分を現金化できる
自身の持分のみを売却&現金化すれば、他の共有者と一切かかわることなく共有関係から脱却できます。
真っ当な買取業者であれば、あなたが共有関係から離脱するまで他の共有者と連絡を取ることはありません。内密に、共有関係から脱却することが可能です。
なお、悪徳な買取業者は、あなたが共有関係から完全に脱却する前に他の共有者と交渉を始める等、トラブルをより大きくするおそれがあるので注意しましょう。
共有持分の買取業者の選び方は「共有持分の売却を安心して任せられる買取業者の選び方」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ちなみに、弊社AlbaLink(アルバリンク)も共有持分のみをそのまま買い取ることが可能です。
他の共有者と仲違いしている、疎遠である、なかなか売却の合意が得られない…そんなときはぜひ我々にお任せください。共有トラブルに悩んでいる場合も、解決に向けてサポートいたします。
共有持分のみの無料査定は365日受け付けております。
スピーディーに共有持分を現金化できる
専門の買取業者は持分のみでも1週間前後で買い取れます。スピーディーに買い取れる秘訣は、買主が現れるのを待つ必要がないからです。
一般の不動産業者は、売主から不動産売却の依頼を受けたら、一般に広く不動産情報を公開して買主を募集しますが、買取業者は自らが直接買主となります。
ですから、買主が現れるのを待つ必要はありません。
買取業者が提示した金額に売主様が納得さえできれば、すぐに売買契約成立となります。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、日本全国の不動産をスピーディーに買取可能です。
「固定資産税を払いたくないから、なるべく早く持分を手放したい」
「共有者との関係にもううんざり…はやく共有関係から抜け出したい!」
このような方はぜひ我々を頼ってください。
もちろん、「まずは話だけ聞いてみたい」という方のお問い合わせも大歓迎です。
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共有持分をトラブルなく売却できる買取業者の選び方
共有持分を売却する際の、買取業者の選び方を解説します。
複数社に査定を依頼する
買取業者選びの際は、共有持分の買取実績が豊富な複数の業者(3社以上)に査定を依頼しましょう。
査定金額や担当者の対応を比較して、より信頼できる買取業者と取引するためです。
注意していただきたいのは、1番高額な査定金額を提示してきた買取業者に飛びつかないことです。
複数社に査定を依頼したら、1番信頼できそうな買取業者(担当者)に1番高額な査定金額を提示して、相談&交渉しましょう。
高額な査定金額を提示してきた買取業者が契約直前になって金額を下げてくるトラブルも起こり得るので、担当者が信頼できるか否かをきちんと見極めることが重要です。
1番信頼できそうな担当者に、1番高額な査定金額を提示して、この金額で買い取ってもらえないか交渉してみましょう。
「X社の査定金額が1番高額だったけど、A社のあなたが1番信頼できるから、あなたと契約したい。なんとかこの金額にならないか」と言われれば、担当者も悪い気はしません。
信頼できる営業担当者ならあなたの希望する金額に近づくよう、努めてくれるでしょう。
査定額の根拠が明確かどうか
信頼できる買取業者(担当者)の特徴は「査定金額の根拠が明確である」ことです。
周辺物件の取引価格など、具体的な数字を用いて納得できる根拠を提示してくれる担当者は信頼できると言えます。
反対に、根拠を曖昧にして詳しい説明をしてくれない担当者は信頼できるとは言えないでしょう。
なぜこのような買取価格になるのか担当者に直接訊いて、信頼できるか否かをしっかり見極める必要があります。
弁護士などの士業提携が豊富かどうか
共有持分の買取は、弁護士などの士業と提携している買取業者に依頼しましょう。
前述の通り、共有不動産を活用するには共有者の同意が必要です。
弁護士と提携していない買取業者は「他の共有者にスムーズに同意を得られないかもしれない(そうすれば買い取った不動産を活用して利益を上げられない)」と考え、共有持分の買取に積極的ではありません。
一方、弁護士と提携している買取業者は、他の共有者との交渉もスムーズに、コストをかけずに行える自信があります。
ですから、通常の共有持分はもちろん、共有者同士で既にトラブルが起きている共有持分も積極的に買い取ってくれます。
実際に、弁護士と提携している買取業者の方が高額で持分を買い取ってくれるケースも少なくありません。
士業と提携しているか否かは、担当者に直接訊くこともできますし、買取業者のHPで確認することもできます。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、共有持分を得意とする弁護士と長年に渡り提携しています。
どんな問題を抱えた共有持分も積極的に買い取りますので、お気軽にご相談ください。
なお、以下の記事では共有持分を高額で買い取ってくれる専門の買取業者をご紹介しています。共有持分を相場より高値で買い取ってもらうテクニックにも言及しているので、ぜひ参考にしてください。
共有持分を現金化までの流れを解説
共有持分を現金化するまでの流れを解説します。
なお、以下の記事では共有持分を売却する流れに加えて、売却時に起こり得るトラブル、売却にかかる費用を詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
他の共有者と相談して売却方法を決める
他の共有者との協議が可能なら、共有者同士で相談して不動産を現金化する方法を決めます。
話し合いの結果、他の共有者があなたの持分を買い取ってくれるのであれば、他の共有者に自身の持分を売却してしまいましょう。
また、共有者全員が不動産の売却に同意したのであれば、全員で協力して個人の買主に不動産を売却できます。
もし他の共有者と仲違いしていたり疎遠になったりして話し合いができないのであれば、買取業者に自身の持分のみを直接売却するのがベストです。
>>【共有者と話し合う必要ナシ!】持分のみの買取ならAlbaLinkへ
売却をサポートしてくれる専門家に相談する
共有不動産を売却する方法を決めたら、売却をサポートしてくれる専門家に相談しましょう。
他の共有者があなたの持分を買い取ってくれるのであれば、不動産鑑定士に共有不動産の客観的な価値を明確にしてもらい、取引金額を決めます。
適正な金額で取引すれば、共有者間で後々トラブルになったり、税負担が増えたりする事態を避けられるからです。
一方、共有者全員で協力して共有不動産全体を売却するのであれば、不動産仲介業者に売却活動を依頼しましょう。
不動産全体であれば、通常の(名義人が1人の)不動産と同様に、一般の個人に売却できる可能性もあります。
なお、売却金額は、仲介業者の担当者からアドバイスをもらいながら、最終的には売主が決定します。
売買契約を締結して登記する
売主と買主の間で実際に取引する金額が決まったら、売買契約を締結して決済と登記を行います。
不動産仲介業者に売却活動を依頼した場合は、仲介業者の担当者が契約や決済を全面的にサポートしてくれます。担当者の指示を仰ぎましょう。
一方、共有者にあなたの持分を買い取ってもらう場合は、売買契約書の作成や決済、登記を、個別で司法書士に依頼するべきでしょう。
売買契約書などを個人で行うことも可能ではありますが、専門家に依頼した方が間違いがなく、確実です。
ちなみに依頼費用は10万円前後です。
確定申告を忘れずに行う
共有名義に限らず、不動産を売却して利益が出たら忘れずに確定申告を行いましょう。
確定申告は、売却した翌年の2月16日~3月15日に、自身の所在地を管轄する税務署で行います。
参照元:国税庁|所得税の確定申告
個人で行うこともできますが、ミス等なく確実に行いたいのであれば、司法書士や税理士に依頼するのが賢明です。
不動産所得の計算方法や確定申告について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
まとめ
共有不動産を売却する方法などを解説しました。
共有不動産は、共有者1人の意思では売却も活用もできません。
にもかかわらず、共有者と疎遠であったり共有者と仲違いしていれば、売却や活用のための話し合いもできません。
共有不動産は売却も活用もできないまま固定資産税を垂れ流す、負の財産になってしまうでしょう。
共有者と顔を合わせることなく共有関係から脱却できる唯一の方法は「買取業者に自身の持分のみを売却する」です。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、共有持分に特化した専門の買取業者です。
既に共有者間の問題を抱えている持分や、築古物件の持分など、何でもお任せください。
もちろん「まずは相談だけしたい」という方のお問い合わせも、お待ちしております。