不動産の共有名義・共有持分とは
共有名義とは、共有するために出資した金額や相続割合で不動産の所有権を登記すること、もしくはその割合で共有している状態を指します。
つまり、ひとつの不動産に対して複数の所有者がいるということです。
共有持分とは
共有持分とは、共有者ごとの所有権割合で、持分2分の1や1/2など分数で表すのが一般的です。ちなみに、不動産登記はこの分数を用いて共有名義ごとに所有権の割合を法務局に登録します。なお、それぞれの所有権の割合のことを「持分割合」と呼びます。
マンションが共有名義の不動産となるケース
マンションが共有名義になる3つのケースとは下記のとおりです。
夫婦で協力してマンションを購入した
ご夫婦ともに安定的な収入があるとして銀行の借入審査を通過すれば、お二人それぞれが借主となって住宅ローンを組み、借入金を合算してマンションを共同購入することができます。
親子でマンションを共同購入した
2世帯同居としてマンションを購入する場合は親子ペアローン、親の定年退職や銀行が設定する完済年齢まで年数があまりない場合は親子リレーローンによって、親子でマンションを共同購入することができます。
マンションを親族間で相続した
被相続人がマンションを所有したまま亡くなり、遺言や遺産分割協議の合意で単独相続の指示がない場合には、被相続人のマンションを複数の相続人で共同所有することになります。
共有名義のマンションを持ち続けるメリット・デメリット
マンションを複数人で共同所有することは、メリットとデメリットのどちらもあります。
メリット
マンションを複数人で共同所有する2つのメリットは下記のとおりです。
共有者のそれぞれが住宅ローン控除を受けられる
住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を、新築物件は13年間(中古物件は10年間)のあいだ、所得税(引ききれない分はさらに住民税)から控除してくれる制度です。
参照元:国土交通省「住宅ローン減税」
ペアローンですと、ローンの借主2人ともにこの住宅ローン減税が適用されるので、ひとりで住宅ローンを組むよりも、多くの場合で世帯の控除額が大きくお得になります。
売却する場合に譲渡所得控除が増やせる
マンションを売却した時の売却益(売買価格から購入金額と販売経費を引いたもの)に対して課税される不動産譲渡所得税を計算する際に、課税対象金額から3,000万円を特別控除してくれる制度があります。
参照元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
言い換えれば、マンション売却の利益が3,000万円を超えないと税金はかからないという制度なのですが、これも借入者が2人いればそのおのおのに対して適用されるのです。
デメリット
マンションを複数人で共同所有する7つのデメリットは下記のとおりです。
・ 共有者全員の同意がないと抵当権が設定できない
・ 共有持分の過半数の同意がないと賃貸が出来ない
・ 共有持分の過半数の同意がないとリフォーム出来ない
・ 相続発生で権利関係が複雑に
・ 持分割合に応じて維持費の負担が必要
・ 離婚時の財産分与が複雑
共有者全員の同意がないと全体売却できない
共有マンション全体を一括で売却するのは共有物の処分行為といって、共有者全員が所有権を失う大変な行為です。
そのため、共有者全員の同意がなければ勝手に物件を売却することは許されません。
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。引用元:e-Gov法令検索「民法第251条」
もしも、一部の共有者が単独で勝手に不動産売買契約を締結し売買代金の授受を終えたとしても、マンションの実質的な所有は所有権移転登記を完了させなければ、誰に対してもその権利を主張できません。
この所有権移転登記は、所有権を失う者が登記申請書に実印を押印して印鑑証明書を添付しなければならず、共有マンションなら共有者全員の実印押印と印鑑証明書を揃える必要があるのです。
ですから、いずれにしても共有マンションの全体売却は、共有者全員の同意を得ないと手続きは完了しないのです。
共有者全員の同意がないと抵当権が設定できない
マンションを担保にお金を借りるには、そのマンションに抵当権という権利を設定します。
住宅ローンを組んでマイホームを購入する場合には、もれなくこの抵当権が設定されています。
抵当権が設定されていても、所有者は何の制限もなくそのマンションを使用できますが、もしもローンの返済ができなくなったら、債権者はそのマンションを差し押さえて競売にかけ、現金化してローンの残金返済に充てます。
つまり、抵当権を設定するというのは、最悪の場合には所有権を失う危険性を作り出す行為でもあるので、処分行為とされ共有者全員の同意を要件としているのです。
さらにいえば、マンションはローンを全額返済して抵当権を解除しなければ売却できないに等しいため、いつでも自由に売却できる自由度が下がります。
この状態は、流動性(市場性、換価性)が下がるといい、マンションの価値を下げる要因のひとつに数えられます。
共有持分の過半数の同意がないと賃貸が出来ない
マンションの賃貸は、家賃をもらってマンションを専用使用させる契約であり、所有権を失うリスクはまずありません。
しかし、所有者は賃貸しているあいだずっとそのマンションを使うことができなくなります。
しかも、一般的には居住用の部屋を借りる契約では、契約期間が更新できるものがほとんどであるため、いつになったら所有者本人が使用できるのか分からない状態です。
所有するマンションが使用できず不便になるので、共有マンションの賃貸は管理行為とされ、共有者の過半数の同意を要件としています。
参照元:e-Gov法令検索「民法第252条」
ちなみに、3年以内の建物の賃貸には過半数の同意を要するとされますが、居住目的の賃貸借契約は期間が3年を超えることは珍しくなく、いちど賃貸借契約を締結すれば長期間使用できないことがほぼ明確なので、全員の同意が要件とする意見が優勢です。
共有持分の過半数の同意がないとリフォーム出来ない
マンションのリフォームは現状を維持し価値を守るので保存行為と呼ばれ、この保存行為は過半数の同意で足ります。
しかし、リフォーム費用を共有持分割合に応じて按分した金額をおのおのが負担しなければならず、同意に加われずに事後報告と費用の請求をされた共有者は良い気がしません。
ですから、過半数の要件で足りるとはいえ、共有者同士の関係悪化を防ぐためにも事前に全員に同意を取るべきでしょう。
ここで注意しておきたいのは、共有者の同意要件でいう過半数とは、共有人数の半数以上ではなく持分割合の過半数です。
ですから、人数では半数以上でも持分割合が半数を超える状態に届かないことがありますのでご注意ください。
相続発生で権利関係が複雑に
被相続人が死亡するとその子供が財産を相続します。さらにその子供が死亡すると次の孫の世代へと相続がすすみます。
相続ごとに正しく登記されていればよいのですが、相続登記をせず放置された状態でどんどん相続が重なり子や孫の世代へと相続人が増えていくことを数次相続といいます。
また、祖父が亡くなったときには既に父が亡くなっているような場合に、父が祖父から受けるべき相続財産を、既に亡くなっている父に代わって孫が相続するのが代襲相続です。
これらの数次相続や代襲相続、また養子縁組や意図しない相続人の出現によって相続関係がさらに複雑になる可能性があります。
なお、2024年4月1日より相続登記が義務化されています。不動産の相続後3年以内に相続登記をおこなわないと罰則が課されるため注意が必要です。
参照元:東京法務局「相続登記が義務化されます(令和6年4月1日制度開始)」
共有名義不動産を相続するデメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
持分割合に応じて維持費の負担が必要
不動産を維持するためには、分譲マンションならエレベーターなど共用部分の「管理費」「修繕積立金」、その部屋を賃貸するなら「修繕費」や「入居者斡旋料」がかかります。
さらに管理会社へ払う手数料のほか「郵送費」「振込手数料」がかかり、「交通費」や「固定資産税」などの負担が必要になります。
共有マンションでは持分割合に応じて、これら費用を各人が負担するのが通常のルールです。
参照元:e-Gov法令検索「民法第253条」
しかし、中には経済状況が思わしくなく、いったん別の共有者が立て替えて払ったものの、なかなか回収できないということもあるようです。
離婚時の財産分与が複雑
離婚による財産分与の原則は、婚姻期間に得た財産は片方しか収入がなかったとしても2人で協力して築いたものとして折半して分割します。
また、その金額は別居した時点の時価で評価しますので、評価時期や評価額に意見の相違が生まれることが多いのです。
持分が半分ずつではない場合に売却金を折半する場合や、単独で所有してマンションに住み続ける方が、そこを出ていく方から持分を買取る場合にも、双方が納得する精算金額の決定は難しくなります。
離婚時に共有名義不動産をどう分割すべきか悩んでいる方は以下の記事も併せてご確認ください。
共有名義マンションの持分を売却する4つの方法
共有名義マンションの持分を売却する4つ方法は下記のとおりです。
これらの4つの場合について、更に詳しく解説していきます。
なお、共有名義不動産の売却方法は以下の記事でも詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
A. 共有者全員が協力してマンション全体を売却
共有者の全員がマンション全体を一括売却することに同意しているなら、不動産売買契約や所有権移転登記を皆で協力することぐらいで、とくに単独所有の場合との違いはありません。
不動産会社との折衝や金額交渉など、売却活動の窓口になる代表者を決めておけばよいでしょう。
そして、不動産会社を通じて売却した金額から必要経費を差し引いたお金は共有持分割合に応じて分配し、登記を済ませれば完了です。
B. 他共有者の持分を買取り後に単独名義で売却
共有者のひとりが他の共有者からすべての共有持分を買取って自己の単独名義にすれば、その後は単独の意思だけで売却ができます。
いくらで買取るのか金額を決めるのが難しいのと、すべての共有持分を買取れるだけの資金力がないと実現しない方法です。
とくに金額については、身内だからといってあまりにも格安で譲り受けるのは問題です。
なぜなら、時価よりもかなり格安で共有持分を買取った場合には、時価と買取金額のとの差額分を、共有持分の売主から贈与されたものとみなして、贈与税の課税対象になる可能性があるからです。
せっかくの親切心も課税されてしまっては厚意が無駄になりますので、身内であっても時価から離れすぎない金額で買取るようにしましょう。
C. 自分の持分を他共有者に売却
こちらは、先ほどのBとは逆で、自分の共有持分を他の共有者に売却して共有関係から抜け出る方法です。
金額設定さえ間違わなければ、お金を受け取って登記の協力をすれば終わります。
D. 自分の持分を第三者(専門業者など)に売却
もしも、共有を解消するために他の共有者と話したくても、連絡がつかない、連絡先を知らない、交流も手がかりもない場合にはどうすればよいのでしょうか。
所在不明共有者へは、共有マンションを管轄する地方裁判所へ申し立てて通知します。
その後、この申立に異議がある者を少なくとも3か月間募り、その期間が経過したら申立に異議がなかったとみなし、裁判所が決めた所在不明共有者の共有持分の買取相当額を裁判所へ供託します。
しかし、裁判手続きは手間も時間もかかりまったく実用的ではありませんので、もしもそのような場合なら、迷わず専門の買取業者に依頼しましょう。
自分の持分のみなら、ほかの共有者の同意がなくてもいつでも売却できます。
専門の買取業者には共有持分を活用するノウハウがあるので、あなたの共有持分をスピーディーに現金化することが可能です。また不動産仲介業者とは違い、仲介手数料がかからない点もポイントです。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は共有持分の買取を専門としている不動産会社です。全国を対象に共有持分を積極的に買い取っておりますので、共有持分を売却して共有名義から抜け出したいとお考えの方は、ぜひ弊社の無料査定をご利用ください。
>>【マンションの共有持分を高額売却!】無料の買取査定を依頼する
共有持分の相場や相場以上に高く売るテクニックは以下の記事でも詳しく解説しています。
また、共有持分を売却するにあたってどの買取業者に依頼したらよいのかが分からない方は、以下の記事をご参照ください。
共有名義のマンション売却フロー
共有名義のマンション売却フローは下記の6つです。
共有者と話し合い
どうしても自分がそのマンションを単独で所有して、そこに住みたいなどの特定の目的が無いようなら、次の順番で話し合っていくのが良いでしょう。
まずは、他の共有者の持分を全て買取って単独所有になってから一括売却を狙います。理由は、親族割引で時価より少しでも安く買えればラッキーだからです。
それがダメな場合は、全体を共同で売却して、得たお金を持分割合で分ける案でいきます。
もしも相手がマンションを欲しがっているなら、自分の持分を相場金額で売りましょう。
これらの施策がすべて不調なら、今後は良好な共有関係を保つのは無理と判断して、共有持分を買取ってくれる専門業者へ売却し、楽に現金化してしまいましょう。
不動産会社に相談
自分1人の持分を他者に売却するだけなら個人間売買なので司法書士が間に入ってでも出来ますが、もしも心配なら不動産会社へ相談して仲介を頼みましょう。
初めから全員協力のもとで売却できるなら、普通の不動産会社へ相談すれば大丈夫です。
共有持分の個人間売買なら司法書士、マンション全体の売却なら不動産会社に相談すればいいのですが、条件ごとに相談先を分けるのが面倒なら、最初から不動産会社へ相談するのが安心です。
ただし、自分の共有持分だけを売却するのなら、弊社のような共有持分の買取専門業者へ話を持ち込むのが解決へのいちばんの近道になります。
査定
共有者全員が協力してマンション全体を売却、または他の共有者の持分を自分が買取って単独名義にしたのち売却なら、買主を探す必要があります。
普通の不動産会社へ最後の売却までを見据えた価格の査定を依頼しましょう。
売買契約
マンション全体を共同で売る場合も、持分を共有者間で売り買いする場合も、買取業者へ売却する場合も、不動産売買契約書を締結します。
なお、個人間で不動産売買契約を交わす際には契約内容を巡るトラブルが起こりやすいため注意が必要です。トラブルを避けたいなら、不動産会社を間に挟み、しっかりと不動産売買契約書を作成したうえで売買契約に臨むことをおすすめします。
決済
売買代金が精算できたら、あとは所有権移転登記の協力をします。
売却にかかる税金
マンションの売却益には不動産譲渡所得税がかかります。
目安としては、売買した年の1月1日時点でマンションの保有期間が5年以下なら短期譲渡所得税(税率は売却益の約40%)、5年を超えるなら長期譲渡所得税(約20%)となります。
参照元:国税庁「土地や建物を売ったとき」
しかし、今は売却益から3,000万円を特別に控除してくれますので、利益が3,000万円を超えなければ課税されないことになり、実質的には課税されないケースがほとんどです。
なお、共有者全員の同意を得てマンション全体を売却した場合の確定申告は代表者ではなく、共有者がそれぞれおこなう必要があります。各共有者が得る売却益は持分割合に応じて異なり、納めるべき税額も変わってくるためです。
共有名義マンションの売却時必要書類
マンション売却の売買契約締結時に必要なものは、契約書に貼付する収入印紙代くらいです。
契約書に押印する印鑑は認印でも構いませんが、登記申請書の印鑑と合わせることで書類の信憑性が増しますので、不動産売買契約書も実印を押印するのが一般的とされています。
必要書類と準備するもの
マンション売却の売主側の登記申請に必要な書類は下記の表のとおりです。取得までに時間のかかる書類もあるので、事前に把握しておきましょう。
住民票 | 発行後3か月以内 | 登記名義と現住所が異なる場合 |
実印 | 売主は実印を押印するのが要件 | |
印鑑証明書 | 発行後3か月以内 | 実印の印影と売却意思を証明するもの |
権利証 | 登記識別情報 | 所有者と対象物件を証明するもの |
評価証明書 | 発行後3か月以内 | 登録免許税を計算する根拠 |
委任状 | 司法書士に一任する依頼書 | |
現金 | 登記印紙と固定資産税と管理費修繕積立金の精算 |
この必要書類は、登記申請が近づいてきた時期に司法書士から案内がきます。
住宅設備のパンフレットや保証書を持っているなら全てご用意ください。
遠方に共有名義人がいる場合は委任状で対応
地方の実家を兄弟で相続した場合など遠方に共有名義人がいるときは、不動産売買契約締結はもちろん登記申請手続きも委任状で依頼することができます。
しかし、実印の押印や印鑑証明書の添付は遠方に住んでいても省略できませんのでご注意ください。
共有名義マンションを売却する際の注意点【夫婦・親子・親族パターン別】
ここからは、共有名義のマンション売却に関して特に重要なポイントを解説していきます。
離婚時にオーバーローンだと財産分与が難しい
オーバーローンとは、売却金から経費を差し引いた残額では住宅ローンが完済できないために、抵当権が消せない状態のことで、その逆はアンダーローンといいます。
抵当権が消せないと、次の買主の抵当権が付けられない(住宅ローンが組めない)ので購入できないことになります。
ですから親・兄弟や親戚からどうにか資金援助を受けるなどして、何としてでも住宅ローンを完済できるように動くしかありません。
離婚に伴う財産分与のために現金化したくても、オーバーローンはむしろお金を投入しないといけないので大変です。
オーバーローンの物件はお金を集めるしかないので、共有持分買取の専門業者でも買取が難しい事案です。
親子で名義を一本化する場合は「みなし贈与」に注意
親と子の共有名義で、親の持分を子が買取り名義を一本化する場合に、良かれと思って親が格安で子供へ共有持分を譲ることがあります。
しかし、相場の価格と格安売買価格の差額分が、親から子へと生前贈与されたものとみなし、贈与税が課税されることがありますので注意が必要です。
参照元:国税庁「相続税法第9条の「みなし贈与」について-資本取引等を巡る課税関係を中心として-」
その共有マンションを最終的に売却するつもりなら、このタイミングで全部売却してしまっても良いでしょう。
なお、後々の証拠としても必要なので、親子間であっても必ず不動産売買契約書や領収書を交わし、書類は大切に保管しておいてください。
売却金額やお金の分配で意見が割れる
売却することが決まったら、売買価格や費用は不動産会社、登記費用は司法書士、税額や確定申告は税理士などの専門家に確認してください。
また、希望手取り金額から最低売買価格を割り出しておくなど、途中に金額で揉めないように事前にいろいろと想定して準備しましょう。
マンションの売却は、多くの共有者が介在すると話がなかなかまとまりませんので、交渉窓口をひとり決めてその者に一任するのが、スムーズに売却するコツです。
とりあえず、自分の共有持分の価格を急いで知りたい場合には、当社のような共有持分の買取専門業者が周りに知られることなく迅速に価格を無料査定しますので、ぜひお気軽にご利用ください。
共有名義マンションを高く売る方法
最後に、共有名義のマンションを少しでも高く売るための秘策をお伝えします。
全体売却で高く売る方法3選
共有名義マンションの全体売却で高く売る3つの方法とは下記のとおりです。
依頼前に相場を確認する
今はインターネット上で日本全国の物件を探すことができます。
また、過去の取引事例や路線価など、参考にできそうなデータもインターネット上には数多くありますので、不動産の専門知識がなくてもある程度正確な相場と簡単な根拠まで知ることができます。
自分なりに金額の目星と根拠を持っておけば、不動産会社各社の査定金額に対して自分の意見を持って、根拠のある予測が立てられるようになるのでおすすめです。
金額より会社と営業マンで選ぶ
不動産会社が出す査定金額の中には信用できないものが存在する可能性があります。
所有者は少しでも高く売れてほしいので、高額査定を見ると物件を正当に評価されたように感じて嬉しくなり、その不動産会社を信用したくなるものです。
しかし、不動産会社の中にはそんな所有者に上手に取り入って売却を任せてもらおうと、相場を無視した高額な査定金額を付ける業者もいます。
必ず、過去の取引事例や競合物件との比較、それと時期的な取引状況を勘案した確かな根拠のある査定を信じましょう。
売り始めは少々高額で出してもよいのですが、販売期間が長くなると売れ残っているイメージが付いてよくありません。
状況次第で柔軟に戦略を変えていけるように、信頼できる担当者を見つけてコミュニケーションは綿密に取るようにしましょう。
他の部屋が売り出されていないタイミングを狙う
同じ時期にいくつも同マンションや同エリアに競合物件があると、どうしても競争原理から価格の値下げ競争になりがちです。
その逆で、エリアで物件が枯渇している状態で物件が新登場すると一気に注目度が上がり成約スピードが早まります。
そんな売却のベストタイミングを逃さないように、自らインターネットで市場調査をするとともに、市況の情報提供をしてくれる不動産会社のパイプをいくつか持っておくと良いでしょう。
持分売却で高く売る方法3選
共有名義マンションの持分売却で高く売る3つの方法とは下記のとおりです。
実際に住んでいる共有者の有無を明確にして売る
もしも、共有者がその共有マンションに住んでいるなら、その者に家賃負担があるのかどうかや、そのマンションを今後どうしたいのかなどによって、その方に対する対応や手間の度合いが変わります。
その方はマンションから退去してもいいのか、または共有持分を売った以降は賃貸で住み続けたいのかなど、その方の意向が見える情報があれば有用です。
ただし、持分の過半数をもってしても占有者に強制的な明け渡しを迫ることはできませんので、そんな状況にあるなら査定額は低めになるでしょう。
共有するマンションの各共有者の持分を明確にして売る
共有者も買取業者も、目指すのは単独所有での高額売却ですし、そのためには共有者の人数や各持分が明確に分かっていることは重要です。
各共有者の持分を明確にしておけば下記のような具体的な対策が立てられます。
・ 誰から先に交渉するのがスムーズなのか
・ 各共有者は売却費用をいくら負担するのか
・ 各共有者の手取り額はいくらになるのか
・ どうすれば高額で売却できるのか
共有者の連絡先を明確にして売る
共有者の中に連絡先が分からず連絡が取れない方がひとりでもいると、買取や共有解消の話し合いは進展しません。
その場合には、地方裁判所で公告し不明者に対して呼びかける裁判手続きが要ります。
期間も手間もかかり、また肝心の買取価格は買取業者ではなく地方裁判所が決めますので、買取業者としては不明者がひとりでもいれば査定を低くせざるを得ないのです。
ですから、すべての共有者とすぐに話が付けられる状態が最も高額で売却しやすくなります。
まとめ
共同購入や相続などで共有になったマンションは、一見すると控除が増えたり維持費が按分できたりしますが、何をするにも足並みを揃えなければならず、デメリットの多さは圧倒的です。
また、共有の継続や相続の放置は、次世代へ面倒を先送りする悪手であることも本文で解説したとおりです。
共有状態を解消するにはいくつかの方法がありますが、マンション全体を売却する方向で検討してダメなら買取専門業者へ相談することをおすすめします。
専門の買取業者なら共有持分をスピーディーに買い取ってくれるので、速やかに共有状態から抜け出せるようになります。
弊社AlbaLink(アルバリンク)でも共有持分を積極的に買い取っております。弊社なら専門の買取業者ならではのノウハウやスキームで共有状態を迅速に解消するお手伝いをすることが可能なので、共有名義のマンションでお悩み事があればぜひ弊社へお気軽にご相談ください。