軍用地とは米軍基地や自衛隊施設として使用されている土地のこと
あまり聞いたことがない「軍用地」という言葉ですが、米軍基地や自衛隊施設として使用されている土地のことをいいます。
軍用地の半数以上は個人や法人が所有するものを国が借地している状態で、国が軍用地の所有者に賃貸料を支払っています。
2023年度の軍用地賃貸料における国の予算額は1,000億円を超えており、毎年値上がりしています。
そのため、軍用地は国が管理する投資物件として近年注目されています。
年間借地料
借地料は国が軍用地の所有者に支払う1年間分の土地使用料のことです。
毎年、国と沖縄県軍用地地主連合会との間で交渉が行われ、軍用地賃貸料における予算が決定され、翌年分の借地料が決まります。
軍用地における借地料は、現在のところ毎年約1%ずつ値上がりしています。
また、以前は毎年7月頃に前金払いがあり、1月頃に値上がりした差額分が振り込まれていましたが、2023年度から1回の振込に変更になりました。
売買価格
軍用地の売買価格は、通常の土地の場合(坪単価×坪)とは異なり、以下の計算式で算出されます。
たとえば、年間借地料が50万円で、倍率52倍の場合の計算式は、以下のとおりです。
倍率は国や不動産会社が決めるものではなく、施設や立地等条件などによって変動します。
一般的に軍用地の返還見込みが少ない地域では高く、返還が予定されている地域では低くなる傾向にあります。
軍事とは関係のない土地もある
軍用地は米軍施設内の土地や自衛隊施設として使われている土地が多いですが、中には那覇空港用地など軍事とはまったく関係のない軍用地もあります。
しかし、軍事とはまったく関係のない軍用地は少ないため、相続で所有することになった場合で軍用地に抵抗がある人も少なくありません。
米軍施設内の土地や自衛隊施設として使われている軍用地を相続して、抵抗がある人は売却することをおすすめします。
軍用地の3つの売却方法
軍用地の売却方法は、以下の3つです。
それぞれの売却方法を解説します。
なお、仲介と買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

仲介会社に依頼する
軍用地の代表的な売却方法は、仲介会社に依頼することです。
通常の土地と同様に、仲介会社に一般の市場から買い手を探してもらう方法です。
通常の土地とは違って軍用地は主に投資用として扱われるため、購入希望者は少ない傾向にありますが、高額での売却が期待できます。
ただし、売却する時期が悪かったり、売却金額が相場と合っていなかったりする場合は1年以上売れないことも少なくありません。
売却を急いでおらず、かつ高値で売りたい場合に適した方法といえるでしょう。
県や市に売却する
沖縄においては県や市が軍用地の買取を行っています。
県では道路用地確保のために普天間飛行場内の土地の買い取りをしており、宜野湾市は公有地(学校用地、道路)を確保するためにインダストリアル・コリドー地区の土地も買い取っています。
宜野湾市における令和6年度の土地の買取単価は、以下のとおりです。
普天間飛行場 | インダストリアル・コリドー地区 | |
---|---|---|
宅地 | 82,800円/㎡ (軍用地料の約40.47倍) |
84,600円/㎡ (軍用地料の約41.74倍) |
宅地見込地 | 72,100円/㎡ (軍用地料の約40.48倍) |
71,300円/㎡ (軍用地料の約40.79倍) |
県または市に土地を売却した場合は、土地の売却で得た所得に関して最大5,000万円まで特別控除されるメリットがあります。
ただし、仲介会社に売却を依頼する場合に比べて安い売却金額になるため、税の控除を最大限活用したい人向けでしょう。
買取業者に売却する
買取業者に買い取ってもらうことも軍用地の売却方法の1つです。
買取とは不動産会社に直接売却することで、提示された金額に納得すればすぐに契約が成立します。
そのため、軍用地を買取業者に売却する場合は1週間から1ヶ月で現金化することが可能です。
ただし、仲介会社に売却を依頼する場合と比べて7割程度の売却金額になります。
また、軍用地は国に貸している特殊な土地で通常の不動産とは違うため、軍用地を扱える専門の買取業者を選ぶ必要があります。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)も売却が困難な軍用地を含めた訳あり不動産を積極的に買い取っている業者です。
軍用地を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
軍用地を売却する際の3つの注意点
軍用地を売却する際は、以下の3点に注意しましょう。
それぞれの注意点について解説します。
運用コストや将来の収益性を十分に説明する
軍用地を売却する際は、運用コストや将来の収益性などを十分に説明することが重要です。
軍用地は投資用として検討する人が多いため、以下の内容を伝えると安心されます。
- 固定資産税などのコスト
- 借地料
- 契約更新の見込み など
上記の内容をしっかり伝えていないと、最終的に契約に至らないなど売却活動に関してマイナスになってしまうこともあるでしょう。
軍用地の売却をスムーズに進めるためには、借地料の推移や契約更新時期の目安などわかりやすく開示することをおすすめします。
軍用地特有のルールを把握する
軍用地を売却する際は、軍用地特有のルールを把握しておきましょう。
相続によって軍用地を所有することになった場合は、軍用地のことを理解せずに売却する人も少なくありません。
しかし、軍用地の売買においては通常の土地とは違ったルールや契約内容が存在します。
具体的なルールとしては、軍用地における賃貸借契約の更新サイクルや借地料の改定時期などがあります。
借地料や契約更新時期などのことを理解せずに売却を進めると取引自体ストップしてしまう可能性があるでしょう。
また、軍用地を売却する際は借地料や契約更新に関する資料が必要です。
売却手続きをスムーズに進めるためにも、事前に必要書類は準備しておきましょう。
適正価格で売却する
軍用地は売却相場に合った適正価格で売却することも大切なポイントです。
軍用地に限ったことではありませんが、類似物件の事例や市場を考慮せずに売り出し価格を設定すると売れ残るリスクが高まります。
とくに軍用地は投資用として検討されることが多いため、収益性に関しては厳しくみられる傾向にあります。
軍用地を売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して売却相場を把握することが重要です。
複数の査定額がわかれば、売却相場を把握できるため、適正な売り出し価格を設定しやすくなるでしょう。
軍用地の売却に必要な書類
軍用地の取引方法は基本的には通常の土地の場合と同様ですが、必要書類が異なります。
軍用地の売却における必要書類は、以下のとおりです。
- 登記簿謄本
- 公図
- 印鑑証明書
- 賃貸借契約書 など
通常の土地取引に必要な書類に加えて、借地料の支払い証明、契約更新のスケジュールなどの書類が必要です。
また、新しい所有者は軍用地が所在する市町村の地主会に加入することになり、毎年の借地料は地主会から振込されます。
軍用地を所有するメリット・デメリット
軍用地は通常の土地と違い、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
軍用地のメリットは、以下のとおりです。
- 手間がかからず、安定した収入が得られる
- 借地料の値上がりが期待できる
- 相続税対策としても有効である
軍用地は収益物件などのように管理する手間やコストがかからず、安定した収入を得られることが最大のメリットです。
国が借りているため、収益物件のような空室リスクや家賃滞納リスクもありません。
また、軍用地は通常の土地と比べて「相続財産評価額」の評価が低いため、相続に有利で固定資産税も安いメリットもあります。
相続税評価額とは相続税を計算するときの財産価値の基準のことで、実勢価格の8割程度の額になるように決められています。
さらに国の借地権がついているため評価額から約40%マイナスされるため、相続税対策としても有効です。
デメリット
一方、軍用地には、以下のようなデメリットもあります。
- 毎月収入が入ってこない
- 場所によっては返還されてしまうかもしれない
軍用地における借地料は現在年1回の振込となっているため、収益物件のように毎月収入が入ってきません。
また、軍用地の移設などによって政府に返還される可能性があることも軍用地特有のデメリットです。
現在返還される可能性が低いといわれている軍用地であっても、将来どうなるかはわかりません。
軍用地を手放したい場合は専門の買取業者に売却!
軍用地をできるだけ早く手放したい場合は、専門の買取業者へ売却すること売却することも検討してみてください。
軍用地を専門の買取業者に売却するメリットは、以下のとおりです。
- 仲介手数料がかからない
- 契約不適合責任を免除して契約できる
専門の買取業者に直接売却するため、仲介手数料がかかりません。
売買の取引が成立したときに不動産会社に支払う報酬のこと
また、専門の買取業者に直接売却するため、契約不適合責任を免責して契約できます。
契約書に記載のない欠陥や不具合に対して売主が負う責任のこと
軍用地においては実際の土地を見ることができないため、万が一把握できていない欠陥が発覚した場合でも安心です。
アルバリンクなら短期間で現金化できる!
軍用地をできるだけ早く手放したい場合は、一度アルバリンクにご相談ください。
弊社アルバリンクは売却が困難な軍用地でも買い取れるノウハウがあるため、短期間での現金化が可能です。
「独自の再販経路を確保している」や「集客の自動化によって広告費を削減している」などの企業努力によって、売却が困難な軍用地を他社より高く買い取れます。
実際に、弊社アルバリンクは売却が困難な軍用地などの訳あり不動産専門の買取業者として、他社では断られるような物件なども多数買い取ってきました。
参照元:株式会社アルバリンク「成約事例」
所有する軍用地が売れずに悩んでいる方は、アルバリンクに売却して一刻も早く負担から解放されましょう。
まとめ
今回は、軍用地の売却方法について詳しく解説しました。
軍用地はメリットが多い投資用物件ですが、所在するエリアによっては返還されるリスクが高いものも在します。
相続で遠方にある軍用地を所有することになった場合や軍用地を所有すること自体抵抗がある場合は、手放したい人も多いでしょう。
「できるだけ早く手放したい」「軍事に関わる軍用地は抵抗がある」という人は、専門の買取業者に売却することをおすすめします。
なお、弊社アルバリンクも売却が困難な軍用地などの訳あり不動産を全国から積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」をはじめとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
売れない不動産を所有していて悩んでいる場合はアルバリンクに売却して、早く負担から解放されましょう。