売れないマンションの所有権を放棄することはできない!
マンションは「売れないから」という理由で所有権を放棄することはできません。
売れないマンションが放棄可能なのは、相続のタイミングで相続放棄をすることです。
しかし、すでに相続で受け継いでしまった方も多いでしょう。
次章からは、売れないマンションをすでに相続している前提で解説をしていきます。
まずは、マンションの権利の種類について見ていきましょう。
マンションを放棄することは、区分所有権と敷地権を手放すということ
不動産は登記簿において所有権者を記録しています。
そのため、物理的にマンションを放棄したとしても法律上は区分所有権・敷地権を所有している状態になるのです。
区分所有権・敷地権については、次に解説します。
区分所有権とは
区分所有権とは、マンションの専有部に区分されて設定される所有権のことです。
専有部とは、図のように住居の内側部分を指します。
例えば、室内の各部屋や天井・壁などは専用部であり、所有権者がある一部屋に住んだりリフォームしたりを自由に行える権利とも言えます。
敷地利用権とは
敷地利用権とは、マンションの専有面積で按分された土地を利用する権利のことです。
戸建住宅とは異なり、マンションの土地は各部屋の所有者全員で土地を共有している扱いになります。
一体登記されており、区分所有権と敷地利用権を処分するには、原則セットでなければならないと区分所有法第22条で定められています。
譲渡・相続など法令の範囲内でなければ所有権の放棄はできない
所有者は自由に使用・収益・処分ができますが、法令の範囲内でなければならないと民法206条により定められています。
(所有権の内容)
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
法令の範囲内とは、所有権にまつわる法律行為として認められる売買・譲渡・贈与、相続などの行為に基づく所有権の移転のみです。
こうした範囲を設定されている背景には、第239条第2項の「所有者のない不動産は、国庫に帰属する。」という条文が関係しています。
すべての人が「売れないからやっぱり放棄する」など選択できてしまうと、全国の資産価値のない不動産を国が管理しなくてはならなくなります。
こうした無法地帯の発生を防ぐために、法令の範囲内でなければ所有権の放棄はできないと制限されているのです。
中には「一方的に登記をしてしまえばいいのでは」と考える方もいますが、登記は登記権利者(買主)と登記義務者(売主)の共同申請が原則です。
つまり、国の協力・合意が得られなければ所有権の放棄はできません。
国庫に帰属させることは、相続人不存在の場合しかできない
前述した国庫への帰属は相続人不存在の場合のみ可能です。
相続人不存在とは、亡くなった人の財産を相続する人が存在しないことです。
相続人が存命ではなかったり、相続人が居ても全員が相続放棄したりすれば、「所有者のない不動産」となるので、最終的に国庫に帰属されます。
新設された相続土地国庫帰属法はマンション対象外
相続土地国庫帰属制度とは、相続もしくは遺贈によって土地を取得した人が、一定の負担金を支払うことを条件に土地の所有権を国庫に帰属させられる制度です。
ただし、国庫帰属を認められる土地には条件があり、マンションは対象外となります。
平たく言うと、国への引き渡しが認められる土地は、管理の手間がかからず処分しやすい更地に限定されているのです。
相続土地国庫帰属法の詳細・引き取れる条件の土地などについては以下の記事で解説しております。
なぜマンションが売れない・買い手がつかないのか
マンションの売却方法として代表的なのは、不動産仲介業者に依頼することです。
仲介業者とは、売買契約締結までに必要な販促活動などのサポートをする業者のことで、依頼すると平均3〜6ヶ月程度の期間で売却できます。
しかし、依頼開始から6ヶ月を経過しても買主が見つからない場合は、なんらかの「売れない理由」を疑ったほうが良いでしょう。
この章では、マンションがなぜ売れないのか理由を解説します。
- 築年数が古い・状態が悪い
- 立地状況が良くない
- 告知事項がある
- 売出し金額が高い
- 相談している不動産屋が宣伝を怠っている
築年数が古い・状態が悪い
マンションが売れない原因の1つに、築年数の古さが挙げられます。
目安として、築25年を過ぎているのであれば、売却は厳しいです。
下記のグラフは、中古マンションの築年帯別平均価格の推移を表したものです。
このグラフからわかるのは、マンションは新築時をピークに下落が始まり、築11年から20年にかけてのゾーンで一時的に下落が穏やかになることです。
下落が落ち着く理由としては、築11年から20年あたりが新築当初の面影が残っていながら価格が手頃であることが挙げられるでしょう。
しかし、築20年を過ぎると再び下落していくゾーンに入ります。
つまり、築20年あたりまでが売却に適したタイミングであり、それ以降は修繕費などの懸念が生じるため、買い手がつきにくくなると考えられます。
立地状況が良くない
立地状況は住みやすさに直結するため、立地が良くなければ買い手は見つかりにくいです。
代表的な悪立地の条件は下記のとおりです。
- 都市部で駅までのアクセスに徒歩10分以上かかる
- 地方部で市街地までのアクセスに車で15分以上かかる
下記アンケート調査からもわかるとおり、買主の多くは立地条件を重視して不動産選びをする傾向にあります。
そのほかにも、ターゲットによっては下記のような周辺施設の充実度も立地の良し悪しの判断に含まれます。
- スーパーやコンビニが遠い
- 公園が遠い
- 病院が遠い
- 街灯が少ない
- 飲食店が少ない
- 日当たりが悪い
こうした周辺環境も住みにくいと評価されやすいため、売却が難しい傾向にあります。
告知事項がある(事故物件)
自殺や他殺、災害など人の死によって心理的瑕疵を抱えた物件を「事故物件」と言います。
瑕疵を抱えた物件は、瑕疵の種類や度合いにもよりますが、基本的には値下げなどをしても売却が厳しいのが現状です。
きずや欠点、欠陥などがあり、本来あるべき機能・性能・要件が備わっていない状態
では、「瑕疵の存在を伝えなければ良いのでは」と考えがちですが、不動産取引においては瑕疵の内容について告知義務があります。
告知義務とは簡単に言うと「それを知っていれば契約しなかった」と買主が思うような内容は契約前に伝えなければならない義務のことです。
不動産の売買においては告知義務の時効がありません。つまり、事故物件は一生瑕疵を抱え続けたまま売却活動を続けることになります。
参照元:国土交通省|宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
売出し金額が高い
マンションの売出し金額が周辺より高ければ、売れにくい要因となります。
なぜなら、マンションの買い手は、周辺相場や過去の制約事例などをインターネットで閲覧でき、相場より高い・安いの判断ができるからです。
条件の類似したマンションがいくらで売り出されているか、どのような設備が導入されているのかなどをリサーチした上で、価格設定する必要があります。
相談している不動産屋(仲介業者)が宣伝を怠っている
基本的にマンションの売却活動は仲介業者が担っています。
仲介業者が売買成功に向けて販促活動をしていなければ、そもそも内覧希望の問い合わせも入りません。
内覧の予約も入らず、値下げばかり提案してくるようであれば、相談する不動産会社を変更したほうが良いでしょう。
業者の営業努力を約束する契約である「専任媒介契約」の期間は、3ヶ月が上限であると宅地建物取引業法によって定められています。
売却活動が良好でなければ、3ヶ月を目処に依頼する業者の変更を検討しましょう。
売れないマンションでも手放す方法
この章では、売れないマンションを手放す方法を3つご紹介します。
- 修繕して一般の個人に売り出す
- 親戚や知人に無償で譲渡する
- そのままの状態で専門の不動産買取業者に売却する
修繕して一般の個人に売り出す
マンションにリフォームを施して、仲介業者に売却活動を依頼する方法です。
修繕してから売り出すことで家の中の古臭さを払拭できるので印象が良くなり、高値での売却が狙いやすくなります。
一方でデメリットは、お金をかけても売れるとは限らない上に、かかった費用を売出し価格に上乗せできない可能性が高い点です。
リスクを背負ってでも高く売りたい方向けの方法と言えます。
親戚や知人に無償で譲渡する
マンションを親戚・知人に無償で譲渡するのも1つの選択肢です。
所有権を他者に移転できるので、物理的・法的にマンションを手放すことができます。
無償譲渡のメリットは、貰い手が見つかりやすい点です。
同じマンション内であれば、子どもや祖父母を住ませるなどのニーズも生まれやすいでしょう。
反対にデメリットは、売却益が得られないことです。
また、法的な書類の作成や登記費用の支払いが発生するため、実質完全な無料ではありません。
自身が「お金にならなくても処分したい」と考えていて、なおかつ知人も「マンションの取得費を支払ってでも欲しい」といった状態であれば、無償譲渡の提案をおすすめします。
そのままの状態で専門の不動産買取業者に売却する
そのままの状態で、専門の不動産買取業者に直接マンションを買い取ってもらう方法です。
前述した仲介業者が売買契約までのサポートが業務だったのに対して、買取業者は業者が買主となって直接マンションを買い取ってもらえます。
メリットは、売却期間がスピーディーな点です。
仲介業者は平均3〜6ヶ月、長ければ1年以上かかるのに対して、買取業者は平均1週間〜1ヶ月程度、マンションによっては数日で売却できます。
デメリットは、市場価格の6〜8割の価格での売却になる点です。
買取業者は買い取った不動産の再販を目的にしているため、再販コストが差し引かれるためです。
マンション売却に手間をかけたくない・一刻も早く売却したい方には買取業者への売却をおすすめします。
弊社AlbaLink(アルバリンク)もスピード買取に自信のある買取業者です。
査定結果も即日でお答えできますので、ぜひ査定フォームをご利用ください。
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売れないマンションでも最高額での売却が見込める不動産買取業者の選び方
売れないマンションの売却価格は、相談する不動産会社によって大きく異なります。
立地状況や建物の状態がよければ平均的に高値で売却しやすいですが、売れにくい事情を抱えた不動産の場合、業者の活用ノウハウの有無によって査定価格に雲泥の差が生じるからです。
この章では、売れないマンションの高額売却を見込める買取業者の選び方を解説します。
- 業者の買取実績を確認する
- 複数の買取業者の相見積もりを依頼する
- 信頼できる担当者を見極める
業者の買取実績を確認する
業者の買取実績を公式ホームページで確認しましょう。
前述したように、売れない事情を抱えたマンションは相談する業者によって買取金額に差が生じます。
自身のマンションと似た条件の不動産の買取実績が豊富であれば、業者側に活用ノウハウが蓄積されているため、高値の売却が見込めます。
複数の買取業者の相見積もりを依頼する
複数の買取業者に相見積もりを取って、査定価格を比較しましょう。
同じ不動産でも、業者によって提示する金額は異なります。目安として3社以上は相見積もりを取り、高く買い取ってもらえそうな業者をピックアップしておきましょう。
信頼できる担当者を見極める
業者のピックアップを終えたら、査定価格の根拠を担当者に聞いてみましょう。
不動産会社の中には、査定価格の時点では高額だったのに契約直前で大幅な値下げをするケースがあるからです。
こうした手口にかからないためにも、事前に「なぜこの価格になったのか?」を聞いておくことが重要です。
信頼できる担当者であれば、過去の取引事例や再販コストなど、査定価格が決まった根拠を納得できるまで説明してくれるはずです。
弊社も、売主様の納得感をもって売却できるよう、査定価格の根拠を丁寧に説明させていただいております。
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売れないからと言ってマンションを放置するリスク
売れないマンションを抱え続けると、管理するモチベーションも下がってしまいがちです。
この章では、管理も処分もせず放置するリスクについて解説します。
- 固定資産税がかかり続ける
- 老朽化が更に進行し売りづらくなる
- 将来の相続時、子供や孫に迷惑をかける恐れがある
固定資産税がかかり続ける
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有していれば納付が必要になります。
当然ですが、人が住んでいても住んでいなくても、課せられる固定資産税額は一緒です。
地域や不動産によって異なりますが、マンションの固定資産税は約10〜12万円程度です。
老朽化が更に進行し売りづらくなる
老朽化が進行すれば、リフォームの範囲も広くなるので更に売れにくくなってしまいます。
基本的にリフォーム費用は高額になりがちです。
フルリフォームをするのであれば1坪あたり10〜70万円程度の費用が必要です。
古い家を購入した後にかかるコストに不安を抱く購入希望者が多いため、古くなればなるほど売却が厳しくなります。
将来の相続時、子供や孫に迷惑をかける恐れがある
将来の相続時に売れないマンションを残してしまうと、子供や孫に税負担などを残してしまいます。
相続人は住まない家に対して、管理費・固定資産税を払い続ける必要があるからです。
これでは資産を残すどころか、もっているだけでマイナスになる「負動産」を押し付けることになりかねません。
明らかに資産価値のないマンションは、相続発生前に処分しておくことをおすすめします。
Albalinkは売れない不動産も買い取れる
前項までは、売れないマンションは早期に手放したほうがよく、専門の買取業者に依頼するのが望ましいとお伝えしました。
そこでこの章では、弊社Albalinkを例にとり、実際の訳あり不動産の買取事例を紹介します。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、他社では断られるような戸建て・マンションも数多く買い取ってきました。
たとえば下記のように「20年以上放置されて老朽化が進んだ家」や「不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷」を買い取った実績もあります。
【20年以上放置された家の買取事例】 【不用品で室内があふれてしまっているゴミ屋敷の買取事例】
引用元:Albalinkの空き家買取事例
20年以上放置された家については780万円で買取らせていただき、所有者には「雨漏りもするような家だったが、思ったより高い金額で買い取ってもらえた」と、金額についても満足していただけました。
また、不用品で室内が溢れてしまっているゴミ屋敷の所有者は、他の不動産業者から「不用品の回収だけで100万円近くかかる」と言われ、途方に暮れていたそうです。
それだけに「(弊社に)そのまま買い取ってもらえてとても助かりました」と言っていただけました。
上記の方々だけでなく、弊社に戸建てやマンションの売却をしていただいたお客様からは「肩の荷が下りた」「色々不安だったがスムーズに売却できた」といった感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)
また、弊社はお客様からの評価が高いだけでなく、不動産買取業者としては数少ない上場企業でもあり、社会的信用も得ています。
信頼できる買取業者に安心してマンションを売却したい方はぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。
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まとめ
今回の記事では、マンションをもっとも好条件で手放す方法や所有し続けるリスクについて解説しました。
マンションを売れないまま放置していると、下記のようなリスクがあるため、早期売却をするのが賢明です。
- 固定資産税がかかり続ける
- 老朽化が更に進行し売りづらくなる
- 将来の相続時、子供や孫に迷惑をかける恐れがある
「マンションをすぐに手放したい。でもどうせなら高く売りたい」とお考えの方は、ぜひ弊社AlbaLink(アルバリンク)までご連絡ください。
弊社では売主様の納得感を重視し、少しでもあなたのマンションを高く買い取れるよう、全力のサポートを心がけております。
過去にも市場で売れなかった不動産を数多く買い取っており、フジテレビの「イット」でも特集された実績がございます。
もちろん相談だけでも大歓迎ですので、ぜひ一度無料相談をご利用ください。