家の傾きの許容範囲は買手次第
傾いた家を売却する際に「家が傾いていること」が瑕疵(不具合)と見なされるか、許容されるかは、買手の判断次第となります。どれだけ家が傾いていてもそれが気にならない買手であれば問題なく売却できますし、少しの傾きでも買手が気にすれば瑕疵と見なされます。
とはいえ、家の傾きの評価が全て買手の主観で決まるわけではありません。国も家の傾きに関する基準を設けています。国の基準を知ることで、自身の家の傾きを客観的に評価できるようになり、売却するため対策を取れるようになります。
家の傾きに関する国の基準を知れば売却戦略を立てられる
家が傾いているかどうかの客観的な基準として、国土交通省が定めたガイドラインによって調査を行う既存住宅状況調査があります。
既存住宅状況調査では、柱と床で「1000分の6」以上の傾きがあれば「傾きあり」と判断されます。1000分の6の傾きとは、具体的には以下のような状態です。
- 2.5mの柱で上下約1.5cm以上のずれがある状態
- 一辺5mの部屋で床に3cm以上高さの差が出ている状態
既存住宅状況調査で確かめられた家の傾きが瑕疵にあたるかどうかは、品確法(住宅品質確保促進法)に基づき、国土交通省が定める基準によって以下のように決まります。
3/1000未満の傾き | 瑕疵の可能性が低い |
---|---|
3/1000以上6/1000未満の傾き | 瑕疵の可能性がある |
6/1000以上の傾き | 瑕疵の可能性が高い |
つまり、既存住宅状況調査で「傾きあり」と判断された「1000分の6以上の傾き」については瑕疵と見なされる可能性が高いということです。
そのため、国の基準を知ることで「自分の家は「1000分の6以上」傾いているから修繕してから売却しよう」「自分の家は傾いているが「1000分の6未満」なので、まずはそのまま売ってみよう」といった判断ができるようになります。
なお、所有する家がどれだけ傾いているか確認したい方は「家の傾きの調べ方【個人で調べる方法も紹介】」をご確認ください。家の傾きを調べる方法について解説しています。
国の基準で「瑕疵あり」とされる家は健康被害が出る恐れがある
国の基準で「瑕疵あり」とされる「1000分の6以上」傾いた家に暮らしていると、以下のような健康被害が出る恐れがあります。
- ふらつき
- めまい
- 睡眠障害
このような健康被害が出る恐れがある家には安心して暮らすことはできません。
もしあなた自身も傾いている家に暮らしていて、日々上記のような不快感や症状を感じているのであれば、本格的に健康を害する前に一刻も早く売却することをお勧めします。
弊社Albalinkは訳アリ物件専門の買取業者として、傾いた家の買取実績が豊富にあります。そのため、弊社にご依頼頂けば平均1ヶ月程度でスピーディーに売却できます。まずは下記無料買取フォームからお気軽にお問い合わせください(売却前提ではなく、買取価格が知りたい方も大歓迎です)。
【状況別】傾いた家を売却する4つの方法
傾いた家の売却方法には以下の4つの方法があります。
- 傾いたまま売却する
- 傾きを修繕して売却する
- 更地にして売却する
- 専門の不動産買取業者に売却する
それぞれの方法について、どういった人が向いているかもお伝えしますので、あたなにとってベストな売却方法を見極めてください。また、売却を成功させるための注意点についても解説します。
傾いたまま売却する
傾いた家をそのままの状態で通常の不動産業者(不動産仲介業者)に依頼して、一般の個人へ売却することもできます。
この方法であれば傾きの修繕費など、売却のための費用がかかりません。最近は中古物件を購入し、自分好みにリフォームすることが流行っています。そのため、購入後にリフォームを兼ねて自身で修繕したいといった買手がいれば売却できるかもしれません。
しかし、そうした一般の買手は稀(まれ)なため、いつ売却できるかわかりません。もしかしたら永遠に売却できない恐れもあります。
また、運よく上記のような買手が見つかったとしても、通常の家より価格を下げないと売却できないでしょう。なぜなら購入後に通常の家ならば必要のない傾きの修繕費がかかるためです(どれだけ安くなるかは次項で解説します)。
さらに、傾きがある家は「瑕疵物件」と見なされることが多く、担保価値が低いため、住宅ローンが組めない可能性があります。そのため、代金を一括で支払える経済力のある買手でないと購入できません。
ですから、傾いた家をそのまま一般の個人に売り出す方法は、以下の場合にしかおすすめできません。
- 傾きがわずか(1/6000以下など)で立地が良い場合
- 瑕疵と見なされるレベルの傾きがだが、売却を焦っておらず「いつか売れれば良い」程度の場合
上記以外の場合は、このあと述べる「修繕して売却する」「更地にして売却する」「専門の買取業者へ売却する」のいずれかを選ぶことをお勧めします。
売却価格は50万円~500万円程安くなる
傾いた家をそのまま売却する場合、通常の家より50万円~500万円ほど安くなってしまいます。購入後に買主が費用を負担して、傾きを修繕しなくてはならないためです。
50万円~500万円まで、下落幅に大きな差があるのは、家が傾いている原因によって下記のように修繕費が異なるためです。
価格の下落幅 | 理由 | |
---|---|---|
床だけが傾いている場合 | 50万~100万円程度 | 傾きが床だけの場合は小規模な修繕で済むため |
家全体が傾いている場合 | 300万円程度 | 家全体が傾いている場合は床に加え、壁や梁の修繕も必要となるため |
地盤沈下している場合 | 300万円~500万円 | 地盤沈下を直すためには、一度建物を持ち上げるなど、大規模な修繕工事が必要となるためた |
傾いた家は上記のように修繕費がかかるため、購入希望者から値下げ交渉をされることも少なくありません。そうした場合「傾いた家を売っているのだから、値下げされても仕方ないか」と、つい要望をそのまま受け入れてしまいがちです。
しかし、値下げ交渉をされた場合は、値下げの根拠を明示してもらいましょう。なぜならたとえ傾いていたとしても、その家はあなたの大切な資産であり、適正な価格で売却しないと損をしてしまうからです。
購入希望者に「どこを修繕するのにどれだけ費用がかかるか」といった資料を提示してもらい、その内容が妥当といえるかを、上記の表を参考にジャッジしましょう。
もし不当に値下げされていると感じたら「なぜその修繕にそこまで費用がかかるのか」をさらに突っ込んで確認しましょう。
そんなことを聞いたら、ようやく見つかった購入希望者に逃げられてしまうと感じるかもしれません。しかし、足元を見て不当に値下げをしてくる購入希望者にしぶしぶ売却する必要はありません。
なぜなら、そんな悔しい思いをしなくても、専門の買取業者に依頼すれば、適正価格で買い取ってくれるためです。弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者ですので、あなたの傾いた家でも価値を見出し、できる限り高値で買い取らせていただきます。
一般の個人に売却しようとしたけれど、値下げ要求ばかりで疲れたという方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。まずは査定額を知りたいといった方も大歓迎です。
なお、以下の記事で家の傾きなど瑕疵物件の売却相場について詳しく解説していますので、ご確認ください。
傾いたまま売却する場合は告知義務が発生する
家が傾いていることは、物理的瑕疵にあたり、買手がその家を購入するかどうかの判断に大きな影響を及ぼします。
不動産の物理的な不具合や欠陥のこと。雨漏り壁のひび割れ、家の傾きも物理的瑕疵に該当する
そのため売主は、売却の際に「家が傾いていること」を買手に告知する義務があります。
家が傾いていることを隠して売却すると告知義務違反となり、売主は買主から損害賠償請求をされたり、契約不適合責任に問われることになります。
契約不適合責任とは不動産を売却後に、売買契約書に記載がない不具合が見つかった場合、売主が買主に負う責任のことです。
傾いた家を告知せずに売却し、契約不適合責任に問われると、売主は買主から傾きの修繕や契約解除を迫られる恐れがあります。
告知しない方がスムーズに売却できるかもしれませんが、結局売却後に損害賠償や契約解除というしっぺ返しを食うことになります。ですから傾いた家を売却する際は最初からしっかり告知して売却しましょう。
なお、専門の買取業者に売却する場合は、売主の契約不適合責任は免責されます。専門の買取業者は、不動産のプロであるため、買取前に傾きなど物件の瑕疵を把握することができるためです。
弊社Albalinkも売主の契約不適合責任を免責して買い取ることができます。売却後まで物件の責任を負いたくないという方は、ぜひ弊社の無料買取査定をご利用ください(売却前提の問い合わせでなくとも結構です)。
なお、契約不適合責任については以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
また告知義務や、不動産の瑕疵について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。
傾きを修繕して売却する
家の傾きを修繕してから売却する方法もあります。
駅から近いなど、立地が良ければ、傾きさえ修繕すれば一般の個人に希望価格で売却できる可能性があります。ただし、当然修繕費用がかかります。ですからこの方法は費用をかけても黒字になるだけの高値で家を売却できる見込みがある方にお勧めです。
修繕したらどれくらいの価格で売却できるかは、担当の不動産業者に聞けば教えてもらえます。その金額と修繕費用を比べ、売却金額が修繕費用を上回るようなら修繕して売却を目指しましょう。具体的な修繕費用については、次項でお伝えします。
傾きの原因を突き止めてから修繕する
家の傾きの原因には、以下の3つの原因があり、それぞれ100万円以上の修繕費用がかかります。そのため、修繕費用が無駄にならないよう、傾きの原因を突き止めてから修繕しましょう。
傾きの原因はホームインスペクション(建物の総合的な調査)を受けることで診断してもらえます。費用は5万円ほどです(「傾き以外の劣化も調べるならホームインスペクションを依頼する」参照)。
- 建物自体に問題があって傾いている場合
- 地盤沈下によって傾いている場合
- 擁壁の施工不良によって傾いている場合
たとえば、建物自体に問題があって傾いている場合の修繕費用は、問題の箇所が床だけなのか、壁なども傾いているのかによって変わりますが、だいたい50万円~300万円ほどです。
一方、家がある状態での地盤改良工事は、一度家を持ち上げる必要があるため、500万円ほどかかることもあります。
さらに、家が高台にあり、擁壁の施工不良が原因で家が傾いている場合は、擁壁の修繕費用として1㎡あたり10万円ほどかかります。仮に高さ3メートル、幅5メートルの擁壁だとすると、150万円の修繕費がかかります。
ここまで読んで「原因を突き止めたとしても、修繕費用が高くて修繕できない」と思われた方もいるでしょう。そこで以下では、修繕費に関する自治体の助成金や利用可能な保険について解説します。
地震保険に加入していれば修繕費用が補償される
前述した家の傾きの修繕費を全て自己資金でまかなうのは難しい場合も多いでしょう。
しかし、地震保険に加入していれば保険金で家の傾きを修繕することができます。一般的に地震保険は、家の外壁や家財の被害を補償するものですが、それ以外にも、家の傾きや地盤沈下にも対応しています。
さらに地震保険の保険金は用途に制限が設けられていないため、修繕費に使って余った分は生活費として使うこともできます。
ここまで読んで、「火災保険には加入しているけれど、地震保険には入っていないや…」と思われた方もいるかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。火災保険に入っているのであれば大丈夫です。
なぜなら地震保険は火災保険とセットで加入することが法律で定められているため、火災保険に加入している人は、地震保険にも加入しているはずだからです。
火災保険に加入している人は保険内容を確認し、家の傾きが保険金で修繕できないか検討してみましょう。
地震などによる傾きには自治体から補助金が出る場合がある
家が地震により傾いてしまった場合は、自治体から補助金が出る場合があります。
たとえば2016年に起きた熊本地震の際も「平成28年熊本地震復興基金」として地域再生のための補助金が出ています。
熊本地震復興基金では、以下の工事が補助金支給の対象となり、家の傾きや地盤沈下・擁壁の修繕も含まれています。
- 擁壁、地盤の復旧工事
- 液状化再度災害防止のための住宅建屋下の地盤改良工事(液状化発生区域に限る)
- 住宅基礎の傾斜修復工事(家の傾き修正工事)
補助率は50万円を超える額の2/3、上限は1000万円の工事費の2/3である633.3万円までとなっています。先ほど家の傾きの修繕には50万円~300万円かかるとお伝えしましたが、仮に150万円かかった場合、90万円程度が補助金でまかなえるということです。
上記は熊本地震による被害の補助率であり、実際の補助率はそれぞれの自治体で変わりますが、1つの目安にはなるでしょう。
家が傾いてしまった原因が地震の場合は、補助金が支給されていないか、まずは自治体のホームページなどを確認してみましょう。
修繕後は「既存住宅売買瑕疵保険」と「修繕履歴の開示」で買主の信頼を得る
家の傾きを修繕した後は以下の2つを行うことで買主の信頼を得られ、売却に繋がりやすくなります。
- 「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」に加入する
- 「修繕履歴の開示」を行う
既存住宅売買瑕疵(かし)保険とは、不動産を売却後に発覚した瑕疵を補償する保険です。
売却前に既存住宅売買瑕疵保険に加入すれば、買主にとっては「何か不具合があっても保険で補償される」という安心感があり、購入のハードルが下がります。ただし、加入するには10万円ほど費用がかかります。
修繕履歴の開示とは、物件の修繕内容などを売主に知らせることです。傾きを改善するための適切な修繕を行ったのであれば、その内容を開示することは、買主に安心感を与え、購入してもらえる可能性が上がります。修繕履歴の開示は費用もかからないため、必ず行うようにしましょう。
更地にして売却する
家を解体し、更地にして売却する方法もあります。
「駅や店舗から近い」「住宅地にある」などマイホーム建築に適した立地であれば、更地にして一般の個人に売却できる可能性があります。
さらに、解体してしまえば「いつか倒壊するんじゃないか」「住みにくい」といった家の傾きによる悩みからも解放されます。そのためこの方法は家の立地が良く、家を取り壊すことに抵抗がない方(現在空き家になっているなど)にお勧めです。
ただ、戸建ての解体費用は平均100万円~150万円ほどかかります。また、家の傾きが地盤沈下によるものであれば、地盤改良工事(家がない状態であれば50万円~200万円程度)も必要です。更地にしたところで、地盤沈下している土地は買手が付かない可能性が高いためです。
また、建物を解体してしまうと住宅用地の特例が解除されるため、固定資産税が最大6倍になってしまいます。住宅用地の特例とは住宅用の建物が建つ土地の固定資産税を減額する特例です。
参照元:地方税法第三百四十九条の三の二
そのため、解体後速やかに売却できないと解体費用が赤字になるだけでなく、増額した税金を払い続けていくことになります。
こうしたリスクを負いたくない場合は、解体するよりも家が残った状態で専門の買取業者に売却することをお勧めします。専門の買取業者に売却すれば、売れ残って解体費用が赤字になることも、増額した税金を払うこともありません。
弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者です。ご依頼いただけば、あなたの家が前述したような好立地の場合はきちんとその価値を評価し、傾いていたとしてもできる限り高値で買い取らせていただきます。
ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。売却前提ではなく、買い取り額いくらになるかの確認だけでも構いません。
なお、更地にして売却することのリスクについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ご確認ください。
訳アリ物件専門の不動産買取業者に売却する
傾いた家を売却する方法として、訳アリ物件専門の不動産買取業者に売却する方法もあります。
正直、この売却方法が最もお勧めです。なぜなら、修繕することなく、買手を探す必要もなく、速やかに高値で売却できる方法だからです。
専門の買取業者は、買取後に活用方法に合わせて業者自ら修繕を行うため、売主が費用をかけて修繕を行う必要はありません。また、売主が業者に直接売却を依頼するため、いつ現れるかわからない買手を待つ必要がなく、スピーディーに売却できます。
その代わり、業者選びは重要です。専門の買取業者は、業者ごとにどんな物件を専門に買い取っているかが異なります。傾いた家を売却する際は、「訳アリ物件専門」の買取業者に依頼しましょう。
それ以外(マンションや通常の戸建てなど)の物件を専門に買取っている業者に依頼しても、傾いた家の活用ノウハウがないため、買取を拒否されるか、安く買い叩かれてしまいます。
訳アリ物件専門の買取業者であれば、傾いた家の扱いに慣れており、どのように活用すれば必要最低限のコストで利益を出せるかがわかっております。そのため、スピーディーかつ高値で買い取れます。
また前述したように、訳アリ物件専門の買取業者は契約不適合を免責できますので、売却後は家のことでクレームを入れられたり、面倒な対応を迫られることは一切ありません。
弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者ですので、契約不適合責任を免責した上で買取りを行えます。実際今までも傾いた家など多数の訳アリ物件を買い取っており、お客様から「肩の荷が下りた」「思ったより高値で売れた」といった感謝の言葉を頂いております。
費用も手間もかけず、傾いた家を高値で売却したい場合は、ぜひ弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)
なお、信頼できる専門の買取業者の選び方についてはこちらの記事で解説していますのでご確認ください。
家の傾きの調べ方【個人で調べる方法も紹介】
傾いた家を売却するには傾きがどの程度なのかを把握することが大切です。なぜなら前述したように家の傾きには国の基準があり、傾きの程度によって「瑕疵(不具合)」と見なされるかどうかが決まるためです。
もちろん、最終的にその傾きを瑕疵と捉えるかどうかは買手次第ですが、傾きが国の基準で「瑕疵」と見なされない程度であれば、買手を安心させる材料になります。
家の傾きは自身で調べる方法と業者に依頼する方法があります。自身で行う方法はお手軽で費用もかかりませんが、業者に依頼するより正確性では劣ります。業者に依頼する場合は費用と時間がかかりますが、正確に傾きを調査してもらえます。
まずはざっくりどの程度家が傾いているか知りたい場合は自身で調べてみましょう。一方、売却を前提に正確な傾きが知りたい場合は、最初から業者に依頼すると良いでしょう。
自分で家の傾きを調べる方法
自分で家の傾きを調べる方法として以下の2つがあります。
- 水平器で調べる
- スマホアプリで調べる
水平器は水の傾きで水平を調べる機器で、100円ショップなどに売っています(下図参照)。
家の床を水平器で調べる際は、1部屋だけでなく全ての部屋を調べましょう。家の傾きが一部の床や壁にある場合、1部屋だけ傾いているといったこともあるためです。
また、水平器のスマホアプリもあります。下図のように「家の傾き」でアプリを検索すると、無料の水平器のアプリが複数出てきます。そのいずれかをダウンロードして利用すれば、スマホ1台で家の傾きをある程度調べられます。
水平器を使い、自分で家の傾きを調べた結果、傾きが大きそうであれば業者に依頼し、本格的に調査してもらうことをお勧めします。
業者に家の傾き調査をする方法
業者に依頼すれば、家の傾きを正確に把握できます。家の傾きはハウスメーカーや地元工務店などで調査してもらえます。
業者に依頼する場合の家の傾きの調査方法には以下の4つがあります。
- オートレベル測定器で土地の傾きを測定する
- レーザーレベル測定器で土地の傾きを測定する
- 下げ振りで壁の傾きを測定する
- ホームインスペクションで家を総合的に調査する
上の3つは傾きの調査方法ですが、調査費用については一概にはいえません。なぜなら実際の調査は上記の調査のみを行うわけではなく、付随して様々な調査を行い、費用もそれらをまとめた金額になるためです。ただ、だいたい5万円~15万円の範囲で収まることが多いようです。
なお、4つめのホームインスペクションは傾き以外の家の劣化具合を総合的に調査する方法となります。
それぞれ、以下で詳しく解説します。
オートレベル測定器で土地の傾きを測定する
オートレベル測定器を使用すれば土地の水平さや高さなどが測定できます。
オートレベル測定器とは地面の高さを測定する機器です(下図参照)
家の傾きをオートレベル測定器で調査するには、部屋の四隅にスタッフと呼ばれる物差しを垂直に立て、その目盛りを、三脚に載せて部屋の中央に設置したオートレベル測定器で読み取ります。
目盛りの読み取りは、調査員がオートレベル測定器の望遠鏡を覗き込み、ピントを目盛りに合わせることで読み取ります。四隅のスタッフの目盛りに差異があるかどうかで、部屋の傾きの有無と程度が分かります。
レーザーレベル測定器で土地の傾きを測定する
レーザーレベル測定器での測定も前項のオートレベル測定器での測定方法と基本的に同じです。
ただし、レーザーレベル測定器の場合、下図のように本体からスタッフの目盛りに向けて水平にレーザー光が照射されるため、直感的に目盛りを読み取ることができます。
オートレベル測定器を使うか、レーザーレベル測定器を使うかは、依頼した業者の判断になりますが、費用や正確性に差はないため、依頼者であるあなたが気にする必要はありません。
下げ振りで壁の傾きを測定する
下げ振りとは壁の傾きを調査する方法です。
具体的には機器本体に仕込まれた針などで壁に本体を取り付け、本体から先端に重りがついた糸を吊り下げ、本体の近く(A)と糸の先(B)で壁からの距離がどれだけ変わったかで壁の傾きを調べます(下図参照)。
下げ振りによる調査は災害に遭った家の被害認定のために行われることが多いですが、場合によっては災害に遭っていない家の調査で行われることもあります。
ホームインスペクションで家を総合的に調査する
ホームインスペクションを受ければ家の傾きだけでなく、その他の劣化具合も総合的に調査してもらえます。
ホームインスペクションとは住宅診断士などの専門家により「家の健康診断」のような調査です。具体的には専門家が水まわりや廊下を含めた室内、屋根裏、床下などを調査し、傾きや腐食、雨漏りや水漏れがないかを確認します。
基本の調査費用は5万円~7万円程ですが、壁の内部をファイバースコープのような専門機器で調査するなど、より専門的な調査を行う場合は費用もプラスされます。
宅建業法によりホームインスペクションの調査結果は、売買契約書に記載されます。
そのため、調査の結果、傾きが判明した場合は修繕を行い、修繕履歴とともに買主に提示しましょう。傾きが判明しても、修繕されていることを示せればマイナス要因にはならないからです。ただし、傾きが大きく、修繕費がかさむ場合は、修繕せず専門の買取業者に売却することも検討しましょう。
また、傾きが判明したとしても、国の基準では瑕疵と見なされない程度だった場合は、あえて修繕を行わず「傾きはあるが微々たるものであり、生活に支障がないこと」を買手にアピールするのも手です。
傾きのある家に住むと健康被害が出る恐れがあるとお伝えしましたが、実際にネットで傾きのある家に住んでいる人達の感想を調べると「慣れた」「何も感じなかった」という感想もあります(下図参照)。ですから、あなたの家の傾きが些細なものであればそのまま一般の個人に売却できる可能性はあります。
7年間ほど、かなり傾いた木造借家に住んでました。
契約時にはっきりと傾きを説明され、実際に傾きを実感しました。
ビー玉どころか、キャスター付の椅子が結構な速度で滑っていくような家でした。
住み始めた頃は違和感ありましたが、慣れればどうってことなかったです。引用元:家の傾きは慣れますか?
ホームインスペクションなど、今回紹介した調査により家の傾きを正確に把握できれば「修繕するのか」「そのまま売るのか」といった売却方針を決めることができます。そのためにもまずは傾きを正確に把握することから始めましょう。
傾いた家を放置するリスク
傾いた家を修繕も売却もせずに放置すると、以下の2つのリスクがあります。
- 倒壊し、命を落とす危険がある
- 空き家の場合は特定空き家に指定され行政処分を受ける
それぞれ解説します。
倒壊し、命を落とす危険がある
傾いた家はいずれ倒壊する恐れがあります。傾いている側の柱や壁に過度な負荷がかかり続け、やがて耐え切れなくなる可能性があるからです。また、台風や地震など、外部からの圧力や衝撃によって崩れることもあり得ます。
もしあなたが傾いた家に住んでいる場合、ある日突然倒壊したら命を落としかねません。たとえば夜寝ている間に倒壊してしまったら逃げる暇もないでしょう。
空き家であれば、あなた自身は安全かもしれませんが、倒壊させた責任を取ることになります。たとえば、所有している空き家が倒壊した結果、隣家が全壊し、人が亡くなってしまった場合、2億円を超える損害賠償請求をされる恐れがあります(下記試算参照)。
ただ、この記事をお読みの方は、傾いた家の売却を検討している方が多いでしょうから、「倒壊のリスクはわかっている。だから早く売りたいんだよ」という方もいるでしょう。その感覚は非常に正しいといえます。
とはいえ、傾いた家を一般の個人に売却するのは前述したように時間や費用がかかります。その間に倒壊してしまったら元も子もありません。
ですから、もし早く売却したいと思うのであれば、ぜひ一度、訳アリ物件専門の買取業者である、弊社Albalinkの無料買取査定をご利用ください。まずは買取価格が知りたいという方も大歓迎です。
弊社に売却をご依頼いただけば、平均1ヶ月程度で買い取ることができます。弊社は訳アリ物件専門の買取業者なため、傾いた家の活用ノウハウを豊富に持っており、買い取る判断をスピーディーに下せるためです。
なお、所有している家が倒壊した場合の所有者の責任などについて、以下の記事で詳しく解説していますのでご確認ください。
空き家の場合は特定空き家に指定され行政処分を受ける
傾いている家を所有している方の中には傾いた家を空き家のまま放置している方もいるでしょう。
しかし、放置された空き家は前述したように倒壊の危険などがあるため、自治体から特定空き家に指定され、最終的に行政代執行により解体される恐れがあります。
参照元:建築基準法第8条(維持保全)
行政が義務を果たすべき者の代わりにその義務を遂行すること
今回の例でいえば、空き家を適切に管理するという義務を果たさない所有者に代わり、空き家を解体すること
特定空き家とは、自治体が「保安上・景観上・衛生上問題がある」と判断した家のことで、具体的には以下のような空き家となります。
- 倒壊し、近隣住民や隣家などに被害を与える危険がある空き家
- ゴミなどが不法投棄されており、周囲の景観に悪影響を与えている空き家
- 庭が管理されていないために、害虫などが発生している空き家
行政代執行による解体費用は1000万円以上になることもあり、その費用は全て所有者に請求されます。しかも、行政代執行の費用は税金と同様「強制徴収」が認められているため、たとえ自己破産しても支払い義務から逃れることはできません。
滞納している人の意思にかかわらず、滞納している税金等を強制的に徴収すること
参照元:破産法第253条1項
参照元:行政代執行事例集|埼玉県
解体費用の他にも行政代執行が行われると「50万円の罰金を科される」「固定資産税が最大6倍に増額する」といったペナルティがあります。
傾いたままの空き家を放置している方は特定空き家に指定される前に修繕を行うか、それが難しいのであれば一刻も早く売却することを考えましょう。
なお、行政代執行により空き家が解体されるリスクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
まとめ
今回は傾いた家の売却方法や、傾きの調べ方、傾いた家を放置するリスクなどを解説しました。
傾いた家でも、傾きの程度が軽ければ、そのままの状態で一般の個人に売却できる可能性があります。傾きが大きい場合でも修繕したり、更地にすれば売却できるかもしれません。しかし、いずれの場合も売却するまでには費用や時間がかかります。
たとえば、傾いた家の床や柱を修繕するには300万円程度かかる場合があります。解体するにしても100万円以上の解体費用がかかります。しかも、費用をかけたとしても売却できる保証はなく、もし売却できなければ費用が全て赤字になってしまいます。
さらに、売れないからといって放置すると倒壊や特定空き家への指定といったリスクが待ち構えています。
ですから、傾いた家は訳アリ物件専門の買取業者へ依頼して売却することをお勧めします。専門の買取業者であれば傾いた家でもそのままの状態でスピーディーに買い取れます。専門の買取業者は傾いた家を活用し、利益を生み出すノウハウを持っているためです。
また専門の買取業者に依頼すれば契約不適合責任が免責されるため、売却後は傾いた家の責任から解放され、修繕や管理、納税の負担もなくなります。
弊社Albalinkも訳アリ物件専門の買取業者ですので、契約不適合責任を免責した上で、傾いた家を買い取ることができます。ただ買い取るだけでなく、長年の買取経験を活かし、再販・運用までのコストを抑え、できるだけ高額で買い取らせていただきます。
傾いた家を費用や手間をかけず、なるべく高値で売却したい方は、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください(査定依頼をしたからといって、無理な営業などは行いませんのでご安心ください)。