底地の買取相場の計算方法
底地の買取相場をご説明します。
前提として、底地の買取相場は、売却する相手によって異なります。
底地の買取相場が最も高額になるのは、買い手が借地人であるときです。売却する相手が借地人であれば、底地の買取相場は更地価格のおよそ50%になります。
土地を貸し付けていない状態で(通常の土地として)売れるであろう価格
もし、何らかの理由で借地人に売却するのが困難であれば、不動産買取業者に売却する方法もあります。売却先が不動産買取業者の場合、底地の買取相場は更地価格のおよそ10%~15%になります。
なぜこのような買取相場になるのか解説する前に、「更地価格の求め方」を簡単にご説明します。
更地価格の算出方法
更地価格とは、該当の底地が「貸し付けられていない通常の土地」だと仮定したときに売却できる金額の目安です。
更地価格は、国税庁が公開している路線価(相続税評価額)から求められます。
参照元:路線価図・評価倍率表
路線価(相続税評価額)は、道路に面した土地の1㎡あたりの評価額を指し、主に税金を計算するときに用いられます。
税金を計算する際に用いる数字ではありますが、路線価に0.8を乗じれば、おおよその更地価格を算出できます。
たとえば1㎡あたり34万円の土地の更地価格は、1㎡あたり27.2万円です。
路線価図の見方
路線価図の見方を簡単にご説明します。
路線価図の道路上に記されている数字は、土地1㎡あたりの相続税評価額を1,000円単位で表記したものです。数字の隣のアルファベットは借地権割合を示しています。
たとえば「380C」と記載された土地であれば、評価額は1㎡あたり38万円、借地権割合は70%とわかります。
底地の評価額は買取相場ではない
よく勘違いする方がいますが、土地評価額は買取相場(売却できる金額の目安)ではありません。
底地の土地評価額には、借地人がその土地に対して所有している権利の割合が30~90%の間で定められているので、更地価格から借地権割合を引いて求められます。
具体的には以下の計算式で算出します。
たとえば更地価格が2,000万円、借地権割合が60%の底地の評価額は以下のとおりです。
土地評価額の更に詳しい計算方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
借地人に買い取ってもらうなら更地価格の50%
一般的に、底地を第三者に売却すると、売却金額は更地価格の10%程度にしかなりませんが、借地人であれば50%前後で買い取ってくれます。
仮に、更地価格が2,000万円の底地を不動産投資家などの第三者に売却したら200~250万円になってしまいますが、買主が借地人であれば1,000万円で売却できます。
というのも、底地を買い取った借地人は、土地の完全所有権を手に入れることになり、住宅を建てるなど土地を自由に活用できるようになるからです。
対して、第三者が底地のみを買い取っても、土地を自由に活用することはできません。
底地購入のメリットが圧倒的に大きいのは、底地権のみを買い取る第三者より、底地権と合わせて土地の完全な所有権を手に入れられる借地人です。
そのため、第三者より借地人に底地を売る方が、買取相場は高額になります。ちなみに、このような限定的な状況で成立する相場を、不動産業界では「限定価格」と言います。
借地人に底地を売る最大のメリットは限定価格が成立することですが、借地人との仲が良好でなければ売買は成立しません。また、借地人との買取交渉の際にトラブルが起きるおそれもあります。
不動産買取業者に売却するなら更地価格の10~15%
不動産買取業者(第三者)に買い取ってもらう際の相場は、更地価格の10~15%です。
仮に更地価格が2,000万の底地なら、200万~250万で買い取ってもらえます。
借地人に売却するより金額は安価になりますが、借地人が地代を滞納している等、借地人とのトラブルを抱えているなら、専門の買取業者に買い取ってもらうべきです。
専門の買取業者に依頼すれば、もう借地人と話し合う必要はありません。権利関係もそのままの状態で、底地のみを売却していただけます。
弊社AlbaLinkも、底地などの特殊な不動産を専門に買い取っています。
スピード買取も行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
もちろん「まずは相談だけしたい」「話だけ聞きたい」という方も、大歓迎です。
なお、売却相手別の底地の価格相場は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
3種類の借地権と買取相場の関係
借地権には「普通借地権」と「定期借地権」「使用貸借」の3種類があります。
借地権の種類によって買取相場が異なるので、1つずつ簡単に説明します。
普通借地権
普通借地権とは、契約の更新ができる借地権を指します。
普通借地権で貸し付けている土地(底地)の買取相場は、前述の通り、借地人に売却するなら更地価格のおよそ50%、第三者に売却するなら10%程度です。
理由を一言で言うと、普通借地権で土地を貸し付けているのであれば、地主の意思で土地の完全な所有権を取り戻せないからです。
普通借地権の存続期間は一般的に30年ですが、借地借家法により借地人の権利が強く保護されているため、30年以降の契約の更新も、基本的に地主は拒否できません。
底地所有者(地主)の土地に対する自由度が低いのは当然のことですが、土地を自由に使えるようになるのがいつになるか、全く見当がつかないのが「普通借地権」です。
そのため、普通借地権の底地の買取相場は、前述の通り、通常の土地よりかなり安価になります。
定期借地権
定期借地権とは、契約の更新ができない借地権を指します(借地人が継続して土地を使い続けたい場合は、地主の合意のもと、再契約しなければなりません)。
定期借地権で貸し付けている土地(底地)の買取相場は、契約期間の残存期間が短いほど高額になります。
理由は、定期借地権の契約期間が満了したら、底地所有者は土地の完全な所有権を手に入れられるからです。
なお、契約期間が満了し、土地の完全な所有権が返ってきてから売却すれば、通常の土地と同様の価格で売り出せます。
定期借地権の契約満了時期が迫っているなら、契約を解除してから通常の土地と同様に売り出すのも賢い方法でしょう。
使用貸借
使用貸借とは、無償で土地を貸している状態を指します。
使用貸借で土地を貸し付けている場合、地主はいつでも賃借人に退去を命じることができます。
使用貸借で貸し付けている土地を売却したいのであれば、借地人を退去させてから、通常の土地と同様の価格で売り出しましょう。
借地権についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
底地を手放す方法5選
底地を手放す方法を5つご紹介します。基本的には、どの方法も借地人との交渉が必須です。
ただ唯一「専門の買取業者に売却する」方法なら、借地人との交渉が一切必要ありません。
借地人との仲がこじれている、話し合うのが億劫などと感じる方は、ぜひ一度我々にご相談ください。
弊社は底地の買取実績を豊富に持ち合わせております。どんな事情を抱えた底地もお任せください。
では、底地の売却方法を1つずつ説明します。
底地を借地人に売却する
前述のように、底地をもっとも高く売却できる相手は借地人です。
底地の売却を検討する際は、まずは借地人に買取を打診してみましょう。
借地人も底地を購入することで土地の所有権を取得できるため、地主の許可を得ることなく自由に土地を活用できるメリットがあります。
場合によっては借地人も底地の購入を考えていて、スムーズに話がまとまるかもしれません。
しかし、借地人に購入の意思がなければ売買が成立しない点には注意が必要です。
当然ながら、無理矢理買い取ってもらうことはできないので、借地人に買取の意思と買い取れる経済力がなければ、実現しない方法です。
借地権を買い取って完全所有権の土地にしてから売却する
借地人に底地を売るのではなく、逆に借地権を買い取ってから売却する方法もおすすめです。
借地権を買い取れば完全所有権の土地となるため、購入者も土地活用の制限を受けることがありません。市場相場価格での売却が可能です。
しかしこの方法も、借地人に売却する意思がなければ成立しません。また借地権を買い取る相応の資金が必要な点もデメリットです。
底地と借地を同時売却する
同時売却とは、簡単にいうと地主が所有する土地と借地人が所有する借地権のセット販売のことです。
底地と借地権をまとめて売却することで土地活用の制限がなくなるため、相場での売却が可能です。立地条件によっては早期売却も期待できるでしょう。
同時売却をおこなうには地主と借地人両者の同意が必須であり、売却した利益の案分についても事前に取り決めておかなければなりません。
利益の分け方を決める際によく引き合いに出されるのが借地権割合ですが、原則として税金の算定以外には用いられないため、地主と借地人の両者が話し合って決める必要があります。
その調整に時間がかかってしまう点がデメリットとして挙げられます。
その土地のうち、借地権者がどのくらいの権利を所有しているかを表わしたもの。30~90%と地域によって異なる。
より詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
底地と借地の一部を等価交換してから売却する
底地と借地の等価交換とは、底地の一部と借地権の一部を、地主と借地人で価値が等しくなるように交換することを指します。
底地と借地の一部を交換することで、借地権と底地権が設定されていた1つの土地を分割し、借地人と地主、それぞれの完全所有権の土地にできます。
たとえば借地権割合が60%、底地割合が40%の土地の場合、借地人は借地権の40%を地主に返還、地主は底地権の60%を借地人に譲渡することで、それぞれ60%、40%の割合で完全所有権の土地を取得できます。
従前よりも所有する土地の面積が狭くなってしまいますが、底地より完全所有権の土地の方が高く売れるため、底地のままで売るより賢明です。
ちなみに、以下の要件を満たしていれば「固定資産の交換の特例」により譲渡所得税も発生しません。
- 交換する資産がいずれも固定資産
- 交換によって取得する資産はいずれも同じ種類のもの(借地権は土地に含まれる)
- 1年以上所有した資産を交換
- 交換によって取得した資産を交換前と同じ用途で使用すること
- 譲渡する資産と取得する資産の時価の差額が高いほうの資産の時価の20%以内
参照元:国税庁「No.3502 土地建物の交換をしたときの特例」
専門の買取業者に直接売却する
上記で紹介した4つの方法は、全て借地人との交渉が必須です。
しかし、底地を専門の買取業者に直接売却してしまえば、借地人との交渉は一切必要ありません。
専門の買取業者が底地を買い取れる理由を一言で言うと、買取業者の買取目的は、居住用ではなく事業用だからです。
自身の居住用の土地を探している一般の買主は、マイホームを建てる等、自由に活用できない底地なんて欲しがりません。
対して、買取業者は、自由に活用できない底地であっても、事業用として活用(収益化)できると判断した土地なら問題なく買い取れます。
なお、専門の買取業者は、買取後の底地を収益化するノウハウを豊富に持っており、借地人との交渉も買取後にスムーズに行えます。
「借地人との仲が悪く交渉できる状態ではない」「契約書を紛失していて借地人と何から話し合えばいいかわからない」
そんな方は、ぜひ我々不動産のプロを頼ってください。弊社AlbaLinkは、底地の買取実績も豊富にございます。ぜひお気軽にご相談ください。
底地の売却方法については以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
底地を高く売るために押さえておきたいポイント
ここまで、底地を高く売るための5つの方法について解説してきましたが、売却の際に押さえておきたいポイントが4つあります。
底地を少しでも高値で売却するためにも、これらのポイントを踏まえたうえで売却活動に臨むことをおすすめします。
借地人に買い取ってもらう
「借地人に買い取ってもらうなら更地価格の50%」で解説しましたが、底地を最も高額で買い取ってくれるのは借地人です。
底地を買い取れば、借地人は土地の完全な所有権を手に入れられます。底地を買い取るメリットが圧倒的に大きいのが借地人です。
しかし、借地人に底地を買い取れる経済力や、購入の意思がなければ、借地人に底地を売ることはできません。
借地人に話を持ちかけるときは、タイミングに注意してみましょう。
借地人の経済力を変えることはできませんが、適切なタイミングで話を持ち掛ければ、借地人の購入の意思を引き出せるかもれません。
借地人に話を持ち掛けるタイミング
- 借地契約を更新するとき
- 借地人が亡くなり、借地権が相続されたとき など
また、このようなタイミングでスムーズに話を持ちかけられるように、普段から借地人と良好な関係を築いておくべきと言えるでしょう。
底地に強い専門の買取業者に買い取ってもらう
借地人に底地を買い取ってもらうのが困難であれば、底地などの訳あり物件を専門とする買取業者に直接買い取ってもらいましょう。
底地専門の買取業者であれば、購入した底地を再販や運用して利益を上げるノウハウを持っているため、たとえ売却しづらい底地であっても一般の不動産業者より高く評価してもらえます。
ただし買取額は不動産業者によって異なります。複数の業者に査定を依頼すれば、底地をより高く売却できるでしょう。
まずは弊社の無料査定を利用し、他社の買取金額と比較してみてください。
なお、以下の記事では底地の買取に特化している専門の買取業者を25社ご紹介しています。
底地を売却するにあたり、どの買取業者へ依頼したらよいのかが分からない方は、ぜひ参考にしてください。
賃貸借契約書を用意する
借地人と借地契約を交わす際は、賃貸借契約書を作成するのが一般的です。しかし場合によっては、契約時に作成した契約書を、紛失しているケースもあるかもしれません。
基本的に底地は、賃貸借契約書がなくても底地の売却は可能です。ただし、賃貸借契約書には地代や更新料などの金銭面に関する取り決めや契約期間などがこと細かに記載されています。
底地を買い取ったあとに借地人とのトラブルを防ぐためには欠かせないツールであり、賃貸借契約書がない場合は査定価格が下がってしまう点には気をつけましょう。
もし売却前に賃貸借契約書を紛失していることに気がついた場合は、新たな契約書を作成し、いま一度借地人と諸条件について確認しておくことをおすすめします。
複数人いる借地人の一部と底地・借地の売買をしない
複数の借地人に土地を貸し付けている場合、一部の借地人に底地を買い取ってもらったり、一部の借地人から借地を買い取ったりしないでください。
土地の権利関係がより一層複雑になり、さらに売れにくい土地になってしまうからです。
例えば、Aさん・Bさん・Cさん・Dさんの4人に、以下の図のように土地を貸し付けているとしましょう。
4人に底地の買取を交渉した結果、仮にBさんとCさんのみが交渉を受け入れてくれたとしても、2人だけに底地を売却してはいけません。
BさんとCさんのみに底地を売却したら、土地の権利関係は以下のようになり、より一層複雑になってしまいます。
今後AさんとDさんとの借地契約が終了し、土地の完全な所有権が地主に返ってきたとしても、Aさんに貸し付けていた土地は公道に接していないので、再建築不可です。
また、Dさんに貸し付けていた土地は、狭小地となってしまいます。そのため、通常の土地より売れにくくなってしまいます。
このような事態を避けるため、複数人の借地人に底地を売却したいのであれば、一度不動産のプロに相談してください。
弊社AlbaLinkは、底地・借地等の権利関係が複雑な土地の取り扱いに特化しています。底地のみの買取はもちろん、借地人との交渉のアドバイスをすることも可能です。
無料相談窓口を設けておりますので、お気軽にご相談ください。
底地の売却額が更地よりも安い理由
底地を売却しようとしても、更地価格の10%ほどとなってしまうことが一般的です。なぜ底地の売却額は安いのか。その背景には以下の理由があります。
- 底地を購入しても土地を自由に活用できない
- 借地人から得られる地代収入が少なく収益性が低い
- 借地人との間に地代トラブルが起こる可能性がある
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
底地を購入しても土地を自由に活用できない
底地を利用できるのは、土地を借りている借地人のみです。たとえ第三者が底地を購入したとしても、その土地に家を建てるなどの活用はできないのです。
借地人との契約も基本的には解除できません。借地借家法では、普通借地契約の存続期間を30年と定めています。
(借地権の存続期間)
第三条 借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
借地権の契約期間が満了したとしても、借地人が利用する建物がある限り契約は自動更新されます。
(借地契約の更新請求等)
第五条 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。
地主と借地人がともに同意すれば途中解約は可能ですが、基本的に地主側からは解約できないといっても過言ではありません。
一般の第三者にとって底地を購入するメリットはほぼないといえるでしょう。そのため底地を売りに出したとしても売却は難しく、売れたとしても更地価格と比べてかなり安価になってしまうのです。
借地人から得られる地代収入が少なく収益性が低い
底地は購入しても自由に活用できませんが、借地人から継続的に地代収入や更新料、建て替えや増築時の承諾料などを得られます。
賃貸経営と比べると建物の維持管理費がかからず、固定資産税や都市計画税といった税金のみのコストで運用可能な点はメリットです。
地代収入はそこまで高いわけではありません。
目安は固定資産税・都市計画税の3~5倍程度ですが、地代は借地契約時に定められるものであり、底地を購入した際にもそれは引き継がれます。ともすれば地代が周辺相場よりも大幅に安くなっている可能性もあります。
ただし地代を値上げするには「周辺の地代が上がっている」「固定資産税が上がった」などの根拠が必要です。また、借地人の承諾がなければ地代は上げられません。
(地代等増減請求権)
第十一条 地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
また、更新料は更地価格の3~5%が相場ですが、法律で支払い義務が定められているわけではないので、契約書に更新料について明記されていない場合は請求できません。
建て替え・増築承諾料の相場も更地価格の3~4%ほどですが、そこまで頻繁におこなわれるものではないため、こちらの収入もそこまで期待はできないでしょう。
底地を所有することで地代などの収入を得られたとしても、固定資産税などの支出を差し引くとわずかな金額のみしか残らないため、必然と買取価格も安くなってしまう傾向にあるのです。
借地人との間に地代トラブルが起こる可能性がある
権利関係が複雑な底地はさまざまなトラブルが発生しやすい土地でもあります。
たとえば「借地人が地代を支払ってくれずに困っている」地主の方もいるでしょう。
あまりにも滞納が続くようであれば裁判で借地契約を解除できますが、かなりの手間と時間を要します。
また、契約更新時の更新料の支払いを巡ってトラブルが起こるケースがあります。
更新料の相場は更地価格の3~5%程度が相場ですが、借地人のなかには高額な更新料の支払いを拒否する方もいるでしょう。
基本的に更新料の支払いについては法律で明確に定められているわけではないので、契約書に明記されていない限り、借地人は地主に更新料を支払う必要はありません。
更新料に関するトラブルを未然に防ぎたい場合は、借地契約書に特約としてしっかりと記載しておく必要があります。
また、借地人が複数いる場合はトラブルの解決に向けて一人ひとりと話し合わなければならない点もデメリットのひとつです。
借地人との間にトラブルに起こる可能性がある点も、底地の売却価格が安い理由のひとつです。
底地の売却時にトラブルが起こらないようにする方法について知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
買取業者に底地を売却する流れ
底地を売却する流れを簡単にご説明します。
不動産業者に査定を依頼する
まずは、複数の不動産業者に底地の査定を依頼して、適切な売却金額を把握しましょう。
複数社に査定を依頼するのは、前述の通り、業者によって査定金額が異なるからです。
底地・借地等、権利関係が複雑な土地の取り扱いに慣れている不動産業者の方が、査定金額は高額になります。
弊社も、底地や借地などの訳あり不動産の取り扱いに長けています。
弊社に売却していただく際の買取金額はもちろん、借地人に売却する際の目安の金額もお出しできます。
お気軽にお問い合わせください。
>>【底地のみで高額売却・トラブル解消!】無料で買取査定を依頼する
買取を交渉/依頼する
査定金額を把握したら、次は借地人、もしくは買取業者に底地の買取をお願いしましょう。
借地人に買取を交渉するときは買取金額の目安を決めておく
借地人に底地の買取を交渉するときは、複数社の査定金額を加味して、売却したい金額の目安を決めておきましょう。
「最低でもこれくらいの金額で買い取ってほしい」「この金額より値切られるなら借地人には売らない」等と、自分の中で決めておけば、金額の交渉がしやすくなります。
ただし、初回の買取交渉ですぐに決断を迫ったり、高圧的になったりしてはいけません。
底地を買い取ってほしい旨と希望の買取金額を伝えたうえで「考えてみてくださいね」と、相手に考える時間を与えるのが円満な取引のコツと言えます。
買取業者に売却するなら1番信頼できる担当者に売却する
買取業者に直接底地を売却するなら、査定を依頼した複数社うち、1番信頼できそうな担当者に買い取ってもらいましょう。
1番高額な査定金額を提示してくれた担当者に売却したくなりますが、買取直前に金額を下げてくる等、悪徳な担当者や買取業者が存在するのも事実です。
そのため、1番信頼できそうな担当者に、他社でもらった1番高額な査定金額を見せて交渉するのがベストです。
「他社でこのような査定金額をもらったけど、あなたの方が信頼できるのであなたと契約したい。どうにかこの金額に近づけることはできませんか?」
このように言われれば、悪く思う担当者はいません。
本当に信頼できる担当者なら、1番高額な査定金額に近づくよう、できる限り努力してくれるはずです。どうしても不可能であれば、理由を正直に話してくれるでしょう。
売買契約を結ぶ
買取の交渉や依頼が済んだら、いよいよ売買契約を結びます。
借地人に売るときはプロに間を取り持ってもらう
借地人が底地の買取に合意したら、売主である地主が売買契約書を作成し、売買契約を結びます。
【不動産売買契約書の見本】
ただし、底地の売買契約書には、通常の土地の契約書とは異なる条項を記載する必要がある等、複雑な点がいくつかあります。
地主と借地人の個人間で契約を結ぶのが不安であれば、身近な不動産仲介業者に間を取り持ってもらえないか相談してみましょう。
わからないことは契約前に質問する
買取業者に直接売却するのであれば、契約書などの書類の手続きも、全て担当者が行ってくれます。
基本的に、担当者の指示に従えば間違いありませんが、疑問点や不明点があれば契約前に遠慮なく質問してください。
特に契約不適合責任が免責されるか否かは、契約前に口頭でキチンと確認しておく必要があります。
売却した不動産に、契約書に記載のない不具合や契約書と相違があったとき、売主が負わなければならない責任。
一般的に、買主が宅建業者(不動産買取業者)であれば、売主の契約不適合責任は免責されます。
もし免責されていなければ、売主は、売却後に損害賠償や売買契約解消を求められるおそれがあるので注意してください。
なお、契約不適合責任について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
底地売却時にかかる費用一覧
底地売却時にかかる費用はおもに以下の2種類です。
- 仲介手数料
- 印紙税
仲介手数料
不動産会社の仲介を通じて底地を売却した場合は、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要があります。
仲介手数料の上限金額は、宅地建物取引業法によって以下のように定められています。
売買金額 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売買金額の5%+消費税 |
200万円超~400万円以下 | 売買金額の4%+消費税 |
400万円超 | 売買金額の3%+消費税 |
参照元:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」
売買金額を上記の式にそれぞれ当てはめて計算するのは少し複雑ですが、売買金額400万円以上の場合は次の速算式を利用すれば一度に算出が可能です。
たとえば底地の売却価格が1,000万円だったときの仲介手数料は以下のとおりです。
仲介手数料は現金での支払いが原則のため注意が必要です。
なお、買取業者に底地を買い取ってもらう場合、仲介手数料はかかりません。
印紙税
印紙税は売買契約書に貼る印紙代のことで、売買金額によって以下のように税額が定められています。
売買金額 | 印紙税額 |
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 |
10万円超50万円以下 | 400円 |
50万円超100万円以下 | 1,000円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 |
10億円超50億円以下 | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
参照元:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
底地売却後に納めるべき税金
底地を売却した際に利益(譲渡所得)が発生したら、その金額に応じて譲渡所得税を納める必要があります。
譲渡所得の求め方は次のとおりです。
譲渡所得を算出するにあたり、底地の購入費や売却時にかかった仲介手数料、印紙税などを差し引くことが可能です。売却金額からこれらの費用を引いたときにマイナスであれば、譲渡所得税を納める必要はありません。
プラスのときは、底地を売却した翌年に確定申告をおこない、以下の計算式で求めた譲渡所得税を納めます。
課税譲渡所得金額×税率
長期譲渡所得の場合は所得税15%、住民税5%
短期譲渡所得の場合は所得税30%、住民税9%
参照元:国税庁「土地や建物を売ったとき」
確定申告の期間は、毎年2月中旬から3月中旬までです。確定申告をし忘れたときは罰金を科されるため、底地を売却して利益が発生した場合は忘れずにおこないましょう。
不動産売却時に発生する税金は以下の記事でも詳しく解説しています。
併せて参考にしてください。
まとめ
底地を最も高く売る方法は、借地人に購入を打診して、買い取ってもらうことです。
売却先が借地人であれば、更地価格のおよそ50%での売却が見込めます。
しかし、借地との関係が良好でなければ購入の話を持ち掛けることはできませんし、購入を打診する際にトラブルになるおそれもあります。
その場合は、専門の買取業者に底地のみをそのまま売却するのが賢明です。
底地・借地等、権利関係が複雑な不動産の取扱いに特化した買取業者であれば、底地をそのまま買い取ってくれます。
借地人に買い取ってもらうより買取相場は安価になってしまいますが、借地人と一切関わらずに、トラブルのリスクなく底地を手放せます。
弊社AlbaLinkも、底地・借地の取扱いに特化した買取業者です。借地人との権利関係が複雑な土地も、お気軽にご相談ください。
豊富な買取実績を活かし、できる限り高値で買取、お客様が納得できるお取引をさせていただきます。