「高圧線の下にある土地=高圧線下地」は通常より価値が下がる
高圧線の下にある土地のことを「高圧線下地」と言いますが、通常の土地よりも価値が下がってしまいます。
そもそも「高圧線」とは、鉄塔から鉄塔を結ぶ送電線のことを言い、電気事業法では電圧によって以下の3種類に分けられています。
低圧 | 直流:750ボルト以下 交流:600ボルト以下 |
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高圧 | 直流:750ボルト超~7000ボルト以下 交流:600ボルト超~7000ボルト以下 |
特別高圧 | 直流・交流:7000ボルト超 |
上記のうち、「高圧線」と「特別高圧線」の下の土地が「高圧線下地」に該当し、一定の建築制限がかかることから、基本的に土地の価値が下がります。(※建築制限については、後述します。)
ただし、高圧線下地の価値は下がりますが、土地の所有者には利用が制約されることへの対価として電気事業者から補償金が支払われているケースがあります。
補償金を受け取っているか忘れてしまった場合は「電力会社と交わした契約書」か「登記簿謄本」で確認してみてください。
では、あなたの土地がどのような「高圧線下地」に該当しているのか、その確認方法を次の章で解説していきます。
高圧線下地であるか確認する6つの方法
あなたの土地が高圧線下地に該当しているかどうかは、以下の6つの方法で確認できます。
登記簿謄本(全部事項証明) | 土地の全部事項証明書の「乙区」で確認可能。「地役権設定」についても同時に確認できる。 |
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公図 | 鉄塔部分の土地や高圧線下の土地が分筆されている場合に、高圧線の存在を確認できる。 |
住宅地図(又は路線価図) | 高圧線の鉄塔の印があるかどうかで確認できる。鉄塔と鉄塔の間にある場合には、高圧線下である可能性が高い。 |
地役権設定契約書 | 電力会社等と交わした契約書。補償金についても同時に確認できる。 |
現地調査 | 実際に空を見上げて確認。高圧線鉄塔まで行けば、鉄塔番号、送電線名称、管理者の連絡先も確認できる。 |
電力会社 | 高圧線管理者である電力会社に問い合わせると確認できる。 |
【登記簿謄本の見本】
ご自身での確認が難しい場合は、高圧線下地のような特殊な土地に強い不動産会社に相談すれば、すぐに調べてくれますので活用してみて下さい。
なお、弊社は高圧線下地のような特殊物件を専門に扱う買取業者ですので、高圧線下地の確認方法も含めて売却の相談をしたい場合は、気軽にお問い合わせください。
高圧線下の土地の「価格」に影響する3つの要因
前述したとおり、高圧線下の土地の「価格」は、通常の土地よりも下がります。
具体的には、以下3つの要因が影響するからです。
- 建物が建てられない
- 建築制限がかかる
- 嫌悪施設である
それぞれ詳しく解説していきます。
建物が建てられない
高圧線下地に「建物が建てられない」という制限がかかっていると価格が下がります。
電圧が「17万ボルト以上」の場合は、高圧線の直下を含む側方3mの範囲に建物を建てることはできません。
使用電圧が17万Vを超えるとき
水平離隔距離 3 m(第2次接近状態といいます)以内には建造物の敷地として利用できないことになっています。つまり、高圧線の直下を含む側方 3 mの範囲に建物を建てることはできません。
価格については、様々な条件を加味するので一概には言えませんが、一般的に通常の土地の「5割」程度に下がると言われています。
建築制限がかかる
建物が建てられる高圧線下地でも、「建築制限」がかかっていれば価格は下がります。
電圧が「17万ボルト以下」場合は、送電線から直線距離3m以上の距離を離隔すれば建物の建造が可能です。
使用電圧が17万V以下の場合
送電線からの離隔距離、すなわち直線距離3m以上の距離を離隔すれば建物の建造が可能です。
簡単に言うと、送電線の最も低い位置から3m離れなければ、建物が建てられません。
例えば、送電線の一番低い位置が地上から10mだった場合、単純計算で7mまでの建物しか建てられないとうことです。
価格については、様々な条件を加味するので一概には言えませんが、一般的に通常の土地の「3割」程度に下がると言われています。
嫌悪施設である
高圧線は、「嫌悪施設」に該当するため、買手の受け取り方次第では価格が下がります。
環境的瑕疵の一つで、物件そのものではなく、その周りの環境に存在する欠陥のこと。
環境的瑕疵に該当する内容は、契約を締結する前に売主が買主に告知する義務があります。
なぜなら、近くの高圧線により以下のような瑕疵がある物件は、人が住むには良い環境とは言えないため、購入を敬遠される傾向にあるからです。
- 送電線があることによる心理的不快感
- 強風時の風切り音による騒音
- 眺望阻害や危険感(電線が多いなど)
- 威圧感や圧迫感(大型鉄塔が近くにあるなど)
- テレビやラジオへの電波障害
- 電磁波による健康被害
ただ、嫌悪する基準は人それぞれなので、どのくらい価格が下がるのかを見極めるのは難しいです。
嫌悪施設の種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
高圧線下の土地の「価格の決まり方」
高圧線下地の価格は下がるとお伝えしましたが、実は高圧線下地の価格の決め方に明確な規定はありません。
実際は、査定する業者によって価格が変わります。
しかし、業者が査定する際に「目安」とする基準は存在し、具体的には以下の基準が利用されます。
財務省通達による基準 | 国有財産を線下敷地として、電気事業者等へ使用許可する場合の基準。原則として「30%」とし、10~50%の範囲において変更可能。 |
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相続税財産評価基本通達 | 高圧線による地役権設定等を前提として下記の割合により計算。 1)建築制限ある場合は「30%」 2)建物が建てられない場合は「50%」 |
電気事業者の減価率の一例 | 1)宅地若しくは宅地化が予想される地域 17万ボルト以下:土地価格の「25%」を上限 17万ボルト以下:土地価格の「50%」を上限 2)林地等の当面開発の見込みがない地域 17万ボルト以下:土地価格の「1/6」を上限 17万ボルト以下:土地価格の「1/3」を上限 |
収用委員会の裁決例 | 土地価格に対して「15~35%」 |
このように、高圧線下地の価格の決め方に決まりはないので、査定業者が「どの基準を採用しているか」よって価格は変わりますし、何なら「査定する業者の方針」によっても変わってきます。
ですから、正確な価格を知りたい場合は、高圧線下地のような特殊な土地を専門に扱う不動産会社へ査定を依頼してみてください。
なお、弊社は高圧線下地のような特殊物件を専門に扱う買取業者ですので、高圧線下地の価格を知りたい場合は、気軽にお問い合わせください。
高圧線下の土地を売却しやすくする3つの方法
高圧線下の土地を売却しやすくする方法は、主に以下の3つです。
- 更地にする
- 隣地所有者や共有者に買い取ってもらう
- 価格にこだわらない
一応、上記のように売却しやすくする方法はありますが、どれも現実的ではなく、実現するのは難しいです。
その理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
更地にする
高圧線下地に建物が建っている場合、「建物を取り壊して更地(土地だけ)にすると売れやすくなる」と言われています。
土地活用の幅を広げれば、購入対象者が増えるといった理屈からです。
しかし、安易に更地にするのはおすすめしません。
建物を取り壊すことは逆に土地の自由度を失うことになりかねないからです。
例えば、建物が建っていれば、リフォームやリノベーションを行うという選択肢が増えます。
もしかしたら、更地より新築同然に蘇った家の方が需要があるかもしれません。
でも、取り壊してしまえば二度と建物が建てられなかったり、同じ規模の建物が建てられなくなることで、選択の幅が狭まってしまいます。
どのような活用方法が良いかは、土地によっても変わりますし、あなたへアドバイスする業者によっても変わります。
更地にするかしないかの判断は、高圧線下地を専門に扱う不動産会社のアドバイスを参考にするべきです。
更地にするメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
隣地所有者や共有者に売却する
高圧線下地を「隣地所有者」や「共有者」に買い取ってもらうのも一つの手です。
隣地所有者も同じ「高圧線下地に住んでいる人」なので、抵抗なく買ってくれる可能性があります。
また、高圧線下地の持分を共有して持っているなら、その共有者も高圧線に対して抵抗はないはずですから、持分をすべて共有者に売却することを提案できるでしょう。
ただ、すでに高圧線下地を所有している人が「他にも土地が欲しい」と思うことは稀です。
仮に欲しい人が現れても、一般の仲介業者が間に入ることになりますが、高圧線下地のような特殊物件に慣れていないので、最悪の場合はトラブルに発展する可能性もゼロではありません。
このように、隣地所有者や共有者に買い取ってもらう方法は、実現が難しいのが現状です。
すでに、「土地を広げたいので譲ってほしい」など購入したいという話が上がっているならぜひ売却しておきたいですが、そういった話がないならと無理に売却の話を持ち掛けない方が無難です。
安い価格で売却する
「価格は安くてもいい!」と割り切れるなら、高圧線下地でもすぐに売れる可能性はあります。
極端な話、タダ同然の価格なら、高圧線下地でもさすがに買いたい人はいるからです。
しかし、あなた自身がそれで納得できるでしょうか?
前述したとおり、高圧線下地は「査定する業者」によって価格が変わってきます。
つまり、高圧線下地を専門に扱う業者に相談すれば、高額で売却できる可能性があります。
その可能性を捨ててまで、価格を妥協する必要はありません。
よって、高圧線下地を良い条件で売却したいなら、一度「専門の不動産会社」に相談や査定を依頼することをおすすめします。
実際にどんな業者を選べばいいかは、次の章で詳しく解説します。
高圧線下の土地を高く売るなら「専門の買取業者」へ相談を!
高圧線下地を売るなら、そのような特殊土地を専門に扱う「買取業者」へ相談することおすすめします。
「専門の買取業者」であれば、高圧線下地を「商品化=収益化」する能力に長けているので、査定額が高くなりやすく、高額で手放すことができます。
対して、「仲介業者」に売却を依頼すると、買主は一般消費者になるので、前述したとおり「高圧線下地=嫌悪施設」であることで買主に敬遠され、そもそも売れません。
「一般の買取業者」に依頼しても、商品化ノウハウがなくて収益化ができないので、査定額が低くなりがちです。(もしくは、買取を断られます)
つまり、あなたの高圧線下地を「できる限り高く手放したい」なら、売却の相談先は「専門の買取業者」の一択なのです。
もし、「今すぐ高圧線下地を手放したい」と思っているなら、そのような土地を専門に扱う買取業者に査定を依頼してみてください。
なお、弊社AlbaLinkは高圧線下地のような特殊物件を専門に扱う買取業者です。
2011年の創業以来、年間5,000件の相談件数、年間600件以上の買取実績(※)があります。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
査定も無料で、スピーディーに買取可能です。
迅速で丁寧な対応を心がけています。
おかげさまで、お客さまから「他社では相手にされなかったけど、アルバリンクでようやく売れて安心した」というようなありがたいお言葉を数多くいただいています。
高圧線下地をできる限り高く売りたい場合は、まずは弊社へ一度ご相談ください。
仲介・買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は、「高圧線下の土地」について、「価格の決まり方」や「価格に影響する3つの要因」などを詳しく解説しました。
基本的に、高圧線下地は、「建築制限」がかかったり「嫌悪施設」に該当するなどの理由で、通常の土地よりも「価格」が下がります。
ただ、「どのくらい価格が下がるのか」については明確な基準がなく、査定する業者に価格が変わります。
よって、高圧線下地を高額で売却したいなら、「高圧線下地のような特殊物件」に強い専門業者に査定を依頼することをおすすめします。
専門の買取業者は、仲介業者や一般の買取業者と違い、高圧線下地を上手く「商品化(収益化)」するノウハウを持っています。あなたの土地を高く買い取っても利益を出せるので、査定額が高くなりやすいです。
ちなみに、当サイトを運営している「株式会社AlbaLink(アルバリンク)」は、高圧線下地のような特殊物件に強い専門の買取業者です。
弊社は2011年に創業して以降、数多くの再建築不可物件を買い取りしており、
年間相談件数5000件、年間買取件数600件の買取実績(※)があり、他の業者が断るような物件でも、数多く買い取りしてきました。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
おかげさまで、
- 他社からは全く相手にされなかったが、アルバリンクだけは迅速で丁寧な対応をしてくれた。
など、お客さまよりありがたいお言葉を数多くいただいております。
10年以上の買い取り経験をもとに、あらゆる可能性を模索しながら、あなたや物件と誠実に向き合うことをお約束いたします。
弊社は日本全国で買い取り対応を行っておりますので、お気軽にご相談ください。