少子高齢化や人口減少が進むなか、地方創生や空き家活用に取り組む企業の存在に、注目が集まっています。
今回は全国の男女185人を対象に「地方創生・空き家活用に積極的だと思う上場企業」についてアンケート調査を実施しました。
「地方創生・空き家活用に積極的な企業に対して抱くイメージ」「取り組みによって期待される効果」についても聞いています。
- 調査対象:全国の男女
- 調査期間:2026年2月3日~17日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:185人(男性108人/女性77人)
- 回答者の年代:20代 12.4%/30代 37.9%/40代 20.0%/50代 20.0%/60代以上 9.7%
地方創生や空き家活用に積極的だと思う上場企業1位は「株式会社LIFULL」

全国の男女185人に「地方創生や空き家活用に積極的だと思う上場企業」を聞いたところ、1位は「株式会社LIFULL(16.8%)」、2位は「株式会社カチタス(11.9%)」でした。
以下、同率3位「株式会社パソナグループ(5.4%)」「積水ハウス株式会社(5.4%)」、同率5位「三井不動産株式会社(4.9%)」「大和ハウス工業株式会社(4.9%)」という結果でした。
「株式会社LIFULL」「株式会社カチタス」をはじめ、不動産関連の企業が多く挙げられています。
不動産をメインの事業としない企業で5位以内にランクインしたのは、株式会社パソナグループのみです。
また全体としてCMなども流していて知名度が高く、全国規模で事業を展開する大企業が中心となっています。
1位 株式会社LIFULL
- 全国の自治体と協力して「空き家バンク」を構築しているとニュースでよく見かけるからです。単に家を紹介するだけでなく、放置された空き家をどう活用するかという問題にITの力で取り組んでいるイメージがあります。社長自身も地方創生に熱心な印象があり、業界でもとくに力を入れている企業だと思って選びました(30代 男性)
- 多数のメディアで紹介されているイメージが強いから(40代 男性)
- 空き家バンクの運営支援や、自治体と連携した空き家の利活用プロジェクトを積極的に行っている印象が強いからです。空き家の情報を見える化して、移住希望者や事業者とつなぐ仕組みづくりに取り組んでいて、地方の課題をビジネスとして解決しようとしている姿勢が伝わってきます(50代 女性)
1位は「株式会社LIFULL」です。
LIFULLは不動産情報サイトを運営している企業で、保有する不動産情報を活かして地方創生や空き家活用に取り組んでいます。
地方創生や空き家活用に積極的と評価されているポイントとしては、「自治体と連携した空き家バンクの構築」などが挙げられました。
またCM放映やメディアでの紹介など露出が多く、「よく見かける」「紹介されている」という認知の積み重ねが信頼感を高めている様子もうかがえます。
2位 株式会社カチタス
- CMでよく流れているため、空き家活用を積極的に行っているイメージがある。また全国展開し、空き家をリフォームして販売しているため(30代 女性)
- 中古住宅の買い取り・再販で大手。地方の空き家をリフォームして、手頃な価格で再生させるビジネスモデルを確立しているから(40代 男性)
- CMで見たことと、近所でカチタスのリフォームした家が売られていたこと(50代 女性)
2位に入ったのは「株式会社カチタス」でした。
カチタスは「空き家を仕入れてリフォームし、新しい価値を付加して再販する」というビジネスモデルを展開している企業です。
地方でも中古住宅や空き家を買い取り、リフォームして手頃な価格で販売する取り組みが、空き家活用として認識されています。
知ったきっかけとして多かったのは、「テレビCM」「近所でカチタス関わった住宅を実際に見かけた」などです。
目にする機会が多いことでも、地方創生や空き家活用に積極的というイメージの強化につながっていると考えられます。
3位 株式会社パソナグループ
- 地方に商業施設を作るなど、人が集まるような事業をしている印象があるから。またテレワークも推奨していて、地方で暮らしながら働く手助けをしていると思うから(30代 女性)
- 淡路島を拠点に、「農業体験」「移住促進」「地域雇用の創出」など多面的な取り組みを行っている。企業の一部機能を地域に移すことで、地域経済に直接貢献している点が非常に印象的です。地域と企業が共に成長するモデルを示している点で、個人的に魅力的だと感じます(30代 女性)
- 本社を淡路島に移したことは、地方創生の象徴的事例になったと思うから(40代 男性)
「株式会社パソナグループ」が3位です。
パソナグループは、人材派遣や転職エージェントといったサービスを運営する、人材関連の企業です。
本社機能の一部を地方である淡路島に移転させ、淡路島の活性化に取り組んでいることが有名で、地域経済に直接貢献している地方創生の好例だと評価されていました。
直接的に建築や空き家活用などの事業を行っていなくても、人の流れと働く場を地域につくり、地方創生に貢献できるという例です。
同率3位 積水ハウス株式会社
- 道の駅を旅行の目的地にするといった、地域活性化の取り組みをされているからです。「保育園留学」とも連携させ、取り組み全体を拡大している点が印象的です(30代 女性)
- 地方創生でホテルを展開しているから(40代 女性)
- 住宅の建て替えだけでなく、「既存住宅の活用」や「地域全体の暮らしを考えた事業」の印象が強いからです。地方自治体と連携しているニュースも目にします(60代以上 男性)
もうひとつの3位は「積水ハウス株式会社」でした。
積水ハウスは住宅事情のほかにも、地方創生を目指した事業に取り組んでいます。
例えば、道の駅に観光客を集め地域の魅力を再発見してもらう「Trip Base 道の駅プロジェクト」などが挙げられました。
上記のような取り組みがニュースなどで取り上げられることで、「地方創生・空き家活用に積極的な企業」というイメージにつながっています。
5位 三井不動産株式会社
- 「地方都市や観光地での再開発」「歴史的建築物や既存ストックを活用した施設づくり」をたくさんしているから(20代 男性)
- 地方都市での再開発や地域活性化に関する取り組みを積極的に行っている印象があり、空き家や遊休不動産の活用を通じて地域に新しい価値を生み出していると感じたためです(30代 男性)
- 地方での再開発や古い建物のリノベーション事業を積極的に行っている印象があり、「地方創生」や「空き家活用」に力を入れていると感じる(40代 女性)
5位は「三井不動産株式会社」でした。
三井不動産は住宅だけではなく、オフィスビル、大型商業施設、ホテルといった大型の不動産も扱う会社です。
大規模な街づくりや再開発に関わっていることも多く、地方都市での取り組みもあることから、地方創生に積極的というイメージをもたれています。
空き家単体をどうにかするというよりも、周辺エリアを含めて新しい価値を生み出す点が評価されているパターンです。
同率5位 大和ハウス工業株式会社
- 大和ハウスは巨大な物流倉庫を所有し、雇用を生み出しているから。ドラッグストアやアパートなども、大和ハウスが施工しているのをよく見かけるから。またリフォーム事業に力を入れ、空き家活用に積極的に取り組んでいると思う(30代 男性)
- インターネットを利用していて、よく広告が流れるので(40代 男性)
- 地方での住宅開発や空き家の再利用に積極的だからです(50代 男性)
「大和ハウス工業株式会社」も同率5位でした。
大和ハウス工業の空き家活用事業としては、「空き家の管理事業」「空き家の活用ビジネス」などがあります。
また一つひとつの空き家に関するビジネスだけでなく、地方自治体と連携して、魅力的な街づくりにも取り組んでいます。
地方自治体と協力して大規模な物流施設や商業施設づくりに取り組んでいることもあり、雇用も創出していると評価されていました。
地方創生や空き家活用に取り組む企業に抱くイメージは「社会貢献意識が高い」

「地方創生や空き家活用に取り組む企業に対して抱くイメージ」を聞いたところ、1位は「社会貢献意識が高い(45.9%)」でした。
以下、2位「将来性がある(18.4%)」、3位「応援したい(17.3%)」、4位「信頼できる(10.8%)」、5位「役に立つ(9.2%)」という結果でした。
- 社会貢献度が高く、ありがたいなと感じる。その企業がしている他の取り組みやビジネスにも興味が湧く(20代 女性)
- 短期利益だけでなく、長期的な社会価値を考えている信頼できる企業だと感じます。ブランドイメージも良く、応援したくなります(30代 女性)
- 非常に社会貢献度が高く、将来性のある企業だと感じます。単に利益を追求するだけでなく、日本の構造的な課題解決にビジネスの力で挑んでいる姿勢には、一消費者としても投資家としても強い信頼を覚えます(30代 男性)
- 短期的な利益だけでなく、長期的な社会価値を重視している印象があります。社会貢献度が高く、信頼できる企業として応援したくなります(50代 男性)
- 活用されていない資産に付加価値をつけて、再生することで価値を生み出しているので、世の中に役立っている企業だと思う(60代以上 男性)
地方創生や空き家活用に取り組む企業に対しては、ポジティブな印象をもつ人が多くなっています。
地方が直面する人口減や、治安悪化につながりかねない空き家問題に取り組むことで、「社会貢献意識が高い」「社会にとって役立つ」という評価を受けやすくなります。
利益だけを追うのではなく、社会問題に向き合っている企業姿勢が高く評価されるのですね。
社会貢献度が高いと、「応援したい」「信頼できる」といった気持ちにもなり、地方創生への取り組みが企業の価値やブランドイメージの向上につながっていることが読み取れます。
企業が地方創生や空き家活用に取り組むことで期待する効果は「地域経済が活性化する」

「企業が地方創生や空き家活用に取り組むことで期待する効果」の1位は「地域経済が活性化する(63.2%)」でした。
2位「人口偏在が是正される(30.3%)」、3位「住環境が良くなる(23.8%)」が続きます。
企業による地方創生や空き家活用に対しては、経済と暮らしやすさの面で効果が期待されているとわかります。
とくに「地域経済が活性化する」は全体の6割以上の人が挙げており、企業の参入によって人の流れや消費が生まれ、地域全体が元気になることへの期待が大きくなりました。
雇用が生まれ、地域経済が元気になって地方でも快適に暮らせるようになれば、「仕事や利便性を求めて都会に出る」といった行動が少なくなり、過疎化に歯止めがかかることも期待されています。
経済の活性化だけでなく、安心して暮らせる地域づくりまで含めて、企業の取り組みに期待が寄せられています。
1位 地域経済が活性化する
- 空き家の有効活用が進み、地域に人の流れや新しい雇用が生まれることで、地方が活性化していくことを期待します(20代 女性)
- 有名な企業の看板のおかげで、参加してくれる企業や集客の数は桁違いに増えると思うし、結果として雇用や活気が生まれると思う(30代 男性)
- 地方に雇用が生まれるし、観光客が増えて活性化している(50代 男性)
1位は「地域経済が活性化する」でした。
地方では人口が減り、空き家が増えています。
そのため地方の空き家を再生して「移住者用の住宅」「人が集まる拠点」「事業の場」として活用し、来訪者や移住者が増えることを望む人が多数。
人が増えれば、地域にお金が落ちると期待できるからです。
地方創生の一環で新しい街づくりや再開発を行うことにも、「雇用の創出」「消費の増加」「観光客の増加」などの経済的な効果が見込めます。
ただ「一時的には活性化するだろうけど、持続しなさそう」という厳しい声も見られました。
単発の施設整備や空き家販売にとどまらず、人を定着させる仕組みが重要だと考えられます。
2位 人口偏在が是正される
- 地方の人口減少に少しでも歯止めをかける影響はあるかと思いました(30代 女性)
- 東京一極集中はとても問題だと思うので、ある程度分散して中核都市が発展してほしい(40代 男性)
- 過疎化問題の解決や、地方に移住する人が増えていきそうです(50代 女性)
2位は「人口偏在が是正される」でした。
地方では過疎化が進み「限界集落」なども生まれる一方で、東京をはじめとする都市部には人口が集中しています。
地方では教育や仕事の選択肢が限られてしまうことから、地方が好きでも都市部に出ざるを得ないケースも。
地方が過疎化し活力を失うことはもちろん、人口が集中する東京での「過剰な混雑」「災害時の混乱」「住宅価格の上昇」なども問題視されることがあります。
しかし企業が地方で拠点づくりや空き家活用を進め、地方でも暮らせる環境が整えば、地方に人が残ったり、都市部から地方に人が流入する可能性は高まります。
3位 住環境が良くなる
- 豊かな自然環境と便利なサービスが共存する、多世代にとって暮らしやすく幸福度の高い社会が実現することです(20代 女性)
- 空き家を活用して子育て世代向けの住まいやコミュニティスペースを整備したり、教育や遊びの場を提供したりすることで、将来の地域の担い手が育つ環境をつくってほしいと期待します(30代 女性)
- 地域の治安向上につながると思います(50代 男性)
3位は「住環境が良くなる」でした。
企業が地方創生や空き家活用に取り組むことで、地方の住環境が良くなると考えている人もいます。
具体的には「治安の向上」「近隣住民との交流が活発化する」「子育てしやすくなる」といった効果が期待されていました。
場所によりますが、地方にはもともと「自然が豊か」「静か」「のんびり過ごしやすい」といった魅力はあります。
教育、医療、交通、雇用、治安といった面で快適に暮らせる環境が整うことで、居住地としての魅力はさらに高まると考えられます。
4位 空き家がなくなる
- 放置されていた空き家が解消されること(30代 女性)
- 無駄な空き家が減り、町全体に清潔な雰囲気が出ることを期待します(50代 女性)
- 全国で問題になっている空き家の増加を抑止することにつながることを期待する(50代 男性)
4位は「空き家がなくなる」です。
放置された空き家が増え続けると、地域の景観や印象が悪くなってしまったり、治安面や防災面での不安につながったりします。
そのため不安や不快感のもととなる空き家がなくなること自体を期待する人もいました。
全国的に空き家の増加が問題になっている今、企業の取り組みには、問題の拡大を食い止める効果が期待されているのですね。
ただ空き家所有者が企業の提供するサービスを利用するためには、費用などのハードルがあります。
自治体の補助金制度で空き家解体・活用を促進するなど、企業だけに頼らない工夫も必要だと考えられます。
5位 住宅を購入しやすくなる
- 空き家の活用により、住居費の高騰を抑える効果を期待します(40代 男性)
- 中古住宅がリフォームされた状態で安く手に入ることにより、住宅購入しやすくなる(50代 男性)
- 空き家活用を活用して、住宅難民が少しでも減ればいい(60代以上 男性)
5位は「住宅を購入しやすくなる」でした。
この項目がランクインした背景としては、住宅価格の高騰や住まい探しの難しさといった悩みがあると考えられます。
企業が空き家を買い取ってリフォームし、手の届きやすい価格で住宅として再流通させることで、購入者の住居費負担は軽くなります。
持ち家が欲しいけれども資金面で困難という人にとっては、空き家活用には、悩みを解決してくれる可能性があるのですね。
ただ中古物件には「耐震性は大丈夫かな」「住んでから問題が見つかるかも」といった不安を抱く人も。
品質管理や保証の制度があれば、より安心して購入できると考えられます。
地方創生や空き家活用に取り組む企業の商品を選びたい人は82.1%

「地方創生や空き家活用に取り組む企業の商品を選びたい」と回答した人は、「ぜひ選びたい(28.6%)」「どちらかといえば選びたい(53.5%)」を合わせて82.1%でした。
「地方創生や空き家活用に取り組む企業に対して抱くイメージランキング」では、地方創生や空き家活用に取り組む企業は「社会貢献度が高い」「応援したい」といった好意的なイメージをもたれていました。
ポジティブなイメージが、購買意欲に結び付いているかたちです。
実際に選ぶかどうかは、「価格」「仕様がニーズに合うか」「住んでいる場所で、商品・サービスを利用できるか」といった制約に左右されます。
ただ企業の社会的な取り組みで得られるポジティブな評価は、購買意欲の向上につながります。
まとめ
地方創生や空き家活用に積極的な企業としては、「空き家の流通」や「再開発も含めた街づくり」に強みをもつ不動産関連企業が多く挙げられました。
地方の過疎化や空き家増加が大きな問題として認識されている今、地方創生や空き家活用に積極的な企業に対しては「社会貢献している」「信頼できる」といった好意的な評価が集まっています。
今回の調査において、弊社(株式会社アルバリンク)は誠に残念ながら今回は選外という結果に。
正直に申し上げて、非常に悔しい思いでいっぱいです。
今後は「地方創生・空き家活用といえばアルバリンク」と真っ先に名前が挙がるよう、空き家問題の解決に一層邁進し、次回の調査では必ずランクインできるようサービスの向上に努めてまいります。
株式会社AlbaLinkは東京証券取引所のTPM市場に上場している不動産会社です。




