eMAFF農地ナビとは全国農業会議所が運営するサイトのこと
eMAFF農地ナビとは、農林水産省が管轄する全国農業委員会ネットワーク機構(全国農業会議所)が運営する、全国の農地情報を無料で検索・閲覧できるWebサイトです。
農地ナビの基本特徴は以下のとおりです。
- 利用料金:完全無料(登録不要)
- 対応デバイス:パソコン・スマートフォン・タブレット
- 検索範囲:全国47都道府県の農地情報
eMAFF農地ナビでは、全国の農地情報をリアルタイムで確認できるため、遠方にいても詳細な農地情報の把握が可能です。
農地ナビが整備された法的背景
もともと市区町村と農業委員会が管理していた農地情報ですが、2014年農地法改正により農地台帳記載情報の一部公表が義務化されました。
農地ナビ整備の経緯は以下のとおりです。
- 2014年:農地法改正 → 農地台帳情報の公表義務化
- 全国統一システム「eMAFF農地ナビ」の構築・運用開始
- 全国農業委員会ネットワーク機構(全国農業会議所)が運営管理を担当
全国農業会議所は農林水産大臣指定の一般社団法人として、農業・農業者の代表組織の役割を担っています。
なお、農地を高く売却する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

農地ナビが作られた目的と政策背景
eMAFF農地ナビ整備の背景は農林水産省の「農地集積・集約化推進政策」で、農業の維持・生産力拡大・食料自給率向上が主要目的です。
| 課題 | 現状 | 農地ナビの役割 |
|---|---|---|
| 農家高齢化 | 離農者増加による農業衰退 | 若手・企業への農地集約促進 |
| 耕作放棄地増加 | 相続後非耕作による荒廃農地拡大 | 遊休農地の見える化・有効活用 |
| 食料自給率低下 | 輸入依存による食料安全保障リスク | 国内農業生産基盤の維持・拡大 |
効率的な収穫量向上のためには以下が重要です。
- 耕作放棄地の再生・有効活用
- 意欲的な若年農業者・企業への農地集約
- 大規模化による農業経営の効率化
- 農機具導入・技術革新の推進
以前耕地であった土地で過去1年以上作物を栽培しておらず、今後も再び耕作する考えのない土地のこと
農地ナビは、耕地面積拡大を目指す農家や新規就農者が効率的に適切な農地を発見できるよう、全国農地情報の一元化を実現しています。
農地ナビで取得可能な詳細情報
eMAFF農地ナビで確認できる主要データは以下のとおりです。
| 情報カテゴリ | 具体的内容 | 活用方法 |
|---|---|---|
| 基本農地情報 | 地目(田・畑・樹園地など) 面積(㎡) 所在地(地番詳細) |
農地の基本スペック確認 |
| 所有者意向 | 貸付希望 売却希望 その他(利用意向なし等) |
将来的な取得・利用可能性判断 |
| 遊休農地判定 | 遊休農地該当/非該当 利用状況調査日 農業委員会による調査・措置状況 |
休耕地の再生可能性評価 |
| 遊休農地所有者意向 | 自己保全管理 利用権設定希望 転用意向 |
具体的アプローチ方法決定 |
農地ナビの最大の特徴は、現在の農地状況だけでなく所有者の将来意向まで把握できることです。
これにより、農地取得や賃借の長期計画立案が可能になります。
現在耕作されておらず、引き続き耕作されないと見込まれる農地や農業上の利用の程度が著しく劣っていると認められる農地のこと
現在の農地の情報だけでなく、所有者の今後の意向がわかるため、将来的にも計画が立てやすくなるでしょう。
eMAFF農地ナビでできる3つのこと
eMAFF農地ナビでできることは、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
地番から農地を探せる
農地ナビの地番検索機能では、正確な地番入力により特定農地の詳細情報を瞬時に取得できます。
農地は一般的に広い面積であることが多いため、範囲の特定が困難であることも少なくありません。
従来は法務局で取得できる公図や登記簿謄本を確認しても、住宅地図と照合できず、最終的には所有者へ直接確認が必要になることもありました。
しかし、eMAFF農地ナビを使用すれば、地番から農地を特定することが可能になったため、所有者に直接確認する必要がなくなったのです。
相続などで場所の分からない農地を特定するのにも活用できるため、農業従事者以外の人でも役立つサイトといえます。
地番検索の手順は以下のとおりです。
- 農地ナビトップページで「条件から探す」を選択
- 「所在・地番から検索」タブをクリック
- 都道府県・市区町村・大字・地番を順次入力
- 検索実行で該当農地の詳細情報を表示
地図から農地を絞り込める
eMAFF農地ナビでは、地番だけでなく地図からでも農地を絞り込むことが可能です。
現在所有している農地の周辺を地図で確認できるため、耕地面積の拡大を目指したい人に役立つ機能といえます。
eMAFF農地ナビを使えば、航空写真で拡大できそうな農地を探せるため、農機具を使用する際の動線をイメージしながら検討できます。
「1年以内に借りられる農地が知りたい」「現在も耕作されている農地を借りたい」など細かい条件を絞って探すことも可能です。
地図検索の手順は以下のとおりです。
- 農地ナビのトップページで「地図から探す(住所から探す)」を選択
- 都道府県、市区町村、大字を順に選択して地図を表示
- 表示モードを「衛星写真(航空写真)」「空中写真」「標準地図(地形図)」などから選択
- 地図画面左側の「表示設定」「色分け設定」「絞り込み条件」で表示内容を調整し、色分けされた農地を視覚的に確認
休耕地を探せる
eMAFF農地ナビを使えば、休耕地を探せます。
農地の中で一定期間耕作を休止している土地のこと
休止している期間にもよりますが、休耕地の中には荒れ果てたものも多く見た目では判断できない休耕地も存在するため、eMAFF農地ナビが役立ちます。
また、休耕地は農地法上の農地であるため、農業委員会の許可を得ずに農地を売買することはできません。
農地であるかどうかは土地の客観的事実状態によって決まるとされているため、農地は謄本上の地目ではなく現況で判断する必要があります。
しかし、先述のとおり、見た目では判断できない休耕地もあるため、eMAFF農地ナビが整備される前は、農業委員会への確認が必要でした。
eMAFF農地ナビを使えば、農業委員会へ行かなくても休耕地かどうか分かるようになっているため、便利な機能といえます。
eMAFF農地ナビの使い方
eMAFF農地ナビの使い方を「地図から探す場合」と「条件から探す場合」に分けて紹介します。
地図から探す場合
引用元:eMAFF農地ナビ
地図から探す場合の手順は以下のとおりです。
- トップページ上部のメニューから「住所から探す」をクリック。
- 「都道府県名」が表示されるので選択し、さらに市区町村を指定。
- もしくは、都道府県名の横に表示される「地図」ボタンをクリックして直接地図から選択することも可能。
地図は、衛星写真、空中写真、標準地図に切り替えできるため、見やすい物を選択しましょう。
また、ページの左側に「表示設定」「色分け」「絞り込み」のメニューがあるため、活用すれば効率よく希望の農地が探せます。
条件から探す場合
引用元:eMAFF農地ナビ
条件から探す場合の手順は以下のとおりです。
- トップページ上部のメニューから「条件から探す」をクリック。
- 検索フォームが表示されるので、「所在・地番から検索」または「地目・面積から検索」を選択。
- 入力が完了したら検索ボタンをクリックすれば、条件に合う農地が一覧で表示される。
「所有者の農地に関する意向」「遊休農地かどうか」「遊休農地の所有者等の意向」も細かく選択できるため、条件に合った農地が探せます。
農地ナビシミュレーションとは?
農地ナビシミュレーションは、「地目」や「賃借権などの終期年月日」、「農地中間管理権の状況」などの条件を設定すると、条件を満たす農地のみが色分けされて表示される機能のことです。
農地ナビシミュレーションを使えば、農地情報を視覚的に見れるため、広さや地目など自分の探している条件に合った近くの農地を効率よく見つけられるでしょう。
ただし、スマホやタブレットでは農地ナビシミュレーション機能は使えません。
eMAFF農地ナビを使う際の2つの注意点
eMAFF農地ナビを使う際は、以下の2点に注意しましょう。
それぞれの注意点について詳しく解説します。
農地なのに検索してもヒットしない場合がある
eMAFF農地ナビを使う際は、農地なのに検索してもヒットしない場合があるため注意しましょう。
検索してもヒットしない理由には、以下の点が考えられます。
- 周囲が宅地化されており、検索した農地も休耕地になっている
- すでに転用手続きが完了している
航空写真で農地かわからず、地目も農地でない場合は、サイト上で農地と認識されなかった可能性があります。
また、なぜ転用手続きが行われているか調べる必要があり、場合によっては農業委員会への計画変更手続きが必要になる可能性もあるでしょう。
農地ナビの情報が正しくない場合がある
eMAFF農地ナビでは情報が正しくない場合があります。
情報収集するためには便利なサイトですが、eMAFF農地ナビの反映元である農地台帳の情報が正しくない可能性があるのです。
情報が不安な場合は農業委員会に相談することをおすすめします。
eMAFF農地ナビでよく使われている用語
eMAFF農地ナビを使用するにあたって必要になるため、よく使われている用語を解説します。
農業委員会
農業委員会とは農地法等の法令に基づく事務や農地等の利用における最適化の推進に関する事務を執行するために市区町村に設置された行政委員会のことです。
農地は、先述のとおり、農地法によって勝手に売買や賃借をすることが許されていないため、許可が必要になりますが、許可を与える許可権者が農業委員会です。
農業委員会は主に農地を農地のまま売買または賃借する際の許可を与え、農地を農地以外にするときの許可権者は都道府県知事になります。
農業委員会は以前から「そろそろリタイアして農地を売却したい」「自分では耕作できないから農地を誰かに貸したい」など今後の農家の意向を定期的に調査しており、農地台帳で情報を管理していました。
全国にある農業委員会が作成した農地台帳をまとめて電子化して公開しているのが、eMAFF農地ナビです。
農地中間管理機構
農地中間管理機構とは、農地を効率よく利用するために設置されている組織のことで、農地バンクとも呼ばれています。

参照元:農林水産省|農地中間管理機構
農地を貸したい所有者から借り受け、農地を借りたい人へ貸付を行います。
農地を借りたい人への貸付も行っており、中立な立場で農地の貸し・借りを円滑に進めることが役割です。
eMAFF農地ナビ以外で売りたい場合はアルバリンクへ売却!
eMAFF農地ナビを活用して売却することも可能ですが、できるだけ早く農地を売りたい人はアルバリンクへ売却しましょう。
弊社アルバリンクは田舎にある農地などの訳あり不動産専門の買取業者として、他社では断られるような物件なども多数買い取ってきました。
以下は、弊社が実際に「買取を行った空き家」の事例です。
【買取した空き家の概要】
| 物件の所在地 | 千葉県山武市 |
|---|---|
| 物件種別 | 戸建て |
| 築年数 | 26年 |
| 買取金額 | 150万円 |
放置されていた空き家の売却依頼でした。
10年前に工房として使用していたため、多くの雑貨やアクリル製の残置物が残ったままの状態で、最寄り駅からも徒歩で40分以上の場所だが、何とか処分したいと相談されました。
買取金額に納得いただいたため、そのまま買取に至った次第です。
実際に空き家をはじめ、弊社に物件の買取依頼をしていただいたお客様からは「売れずに困っていたが買い取ってもらえた」「他社から断られたのに買い取ってもらえた」などの感謝の言葉を多数いただいております(下記Google口コミ参照)。
弊社は2011年に創業以来、2020年から2023年までの間で500件以上の空き家を買い取っている業者で、2023年に上場して社会的信用も得ています。
査定依頼をいただいても、無理な営業は行いませんので、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
なお、アルバリンクの評判や口コミについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

まとめ
今回は、農地ナビでできることについて詳しく解説しました。
eMAFF農地ナビを使えば、農地に関する詳細な情報が得られるため、農地の売買に活用できます。
また、相続した場合でも遠方からインターネットを使って農地の情報が確認できるため便利なサイトといえます。
相続した農地を売却したい場合はeMAFF農地ナビを利用して売ることも可能ですが、時間がかかります。
また、農地を売りたい情報は載せられますが、売却できるとは限りません。
相続した農地をできるだけ早く売却したい場合は専門の買取業者に売却しましょう。
専門の買取業者であれば、田舎にある農地でも短期間での現金化が可能です。
なお、弊社アルバリンクも田舎にある農地などの訳あり不動産を全国から積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」をはじめとする各メディアにも取り上げられた実績があります。

田舎にある農地が売却できずにお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
株式会社AlbaLinkは東京証券取引所のTPM市場に上場している不動産会社です。






