不動産一括査定とは
不動産一括査定について、「仕組み」「流れ」「種類」について詳しく解説します。
仕組み
不動産一括査定とは複数の不動産会社に査定依頼を一度に行えるインターネットサービスのことです。
通常不動産を売却する際は、1社1社に査定を依頼しますが、不動産一括査定を利用すれば、一度の入力で複数の不動産会社に査定依頼できます。
不動産一括査定を利用する際は、以下のような内容の入力が必要です。
- 物件の所在地
- 土地の面積(戸建ての場合)
- 建物の面積
- 構造
- 築年数など
不動産を売却する場合は、最低3社に査定依頼することが望ましいといわれています。
不動産の査定価格は、物件の立地に加えて、土地の面積、形状、建物の面積や構造、築年数、周辺環境などで決まりますが、査定の基準は不動産会社によって違うため、査定金額が異なります。
査定金額の平均を知ることによって売却相場を把握しやすいため、複数の不動産会社に査定依頼する必要があるのです。
不動産一括査定を利用すれば、時間と手間をかけずに複数の不動産会社に査定依頼することが可能です。
また、不動産一括査定はインターネットを使用して行うため、パソコンやスマートフォンがあれば、場所を選ぶことなくいつでも査定依頼できます。
不動産一括査定を利用した場合、どこか1社必ず契約しないといけないことはなく、査定金額や対応を確認して依頼をやめることも可能です。
流れ
不動産一括査定を利用する流れは、以下のとおりです。
- 売却予定の物件情報を入力する
- 必要な個人情報を入力する
- 不動産一括査定サイトから複数の不動産会社を提示される
- 机上査定を依頼したい不動産会社を決める
- 複数の不動産会社からの査定結果を待つ
- 机上査定の査定金額をもとに訪問査定を依頼する不動産会社を決める
- 比較検討して売却を依頼する不動産会社を決める
査定結果は机上査定では1~3日ほど、訪問査定では1週間ほどかかります。
訪問査定では立会いが必要になるため、3社ほどに絞って依頼することをおすすめします。
種類
不動産一括査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定
机上査定とは、物件の所在地や面積、築年数などの物件の情報をもとに査定金額を算出する方法で、簡易査定とも呼ばれます。
売却予定の不動産に類似した物件の過去の取引事例などのデータから算出するため、実際に現地を訪問することなく1~3日ほどで査定結果が出ます。
ただし、家の中の状態などはチェックできないため、精度の低い査定方法といえるでしょう。
そのため、机上査定は訪問査定を依頼するための材料と捉えることをおすすめします。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に物件を訪問して、土地や建物の状況を確認したり、周辺環境をチェックしたりして算出する方法です。
物件情報だけでは建物や住宅設備の状況、日当たりや眺望などがわからないため、実際に訪問して机上査定での査定金額から大きく変わるケースもあります。
データから算出した結果に実際の目で確認した情報を加味した上で算出するため、精度の高い査定が可能です。
ただし、机上査定と異なり、訪問査定では当日に1、時間ほどの時間がかかり、査定結果が出るまでは1週間ほどの時間を要します。
不動産の売却を依頼する場合は、訪問査定は必須となります。
不動産一括査定のデメリット6選
不動産一括査定のデメリットは、以下の6つです。
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
しつこく電話がかかってくる可能性がある
不動産一括査定のデメリットとして、不動産会社からしつこく電話がかかってくる可能性があることが挙げられます。
不動産会社は費用を負担して売却依頼を獲得しようとしていますので、媒介契約できるようにしつこく電話してくるのです。
不動産を売却する際に不動産会社に間に入ってもらい、買主を探してもらうために締結する契約のこと
机上査定から訪問査定に進めなかった不動産会社から何度もしつこく電話がある場合は、はっきりと断りましょう。
また、不動産一括査定では個人情報を入力するため、中には個人情報を得るために不動産一括査定サイトを利用している悪質な会社もあります。
個人情報が転売されると査定依頼していない会社からも電話がかかってくることもあるでしょう。
しつこい電話に対しては、不動産一括査定サイトの電話相談窓口で対応してもらえます。
そのため、不動産一括査定サイトを選ぶ場合は電話相談窓口の有無を確認することをおすすめします。
複数の不動産会社との対応が必要である
不動産一括査定を利用すると、複数の不動産会社との対応が必要になることもデメリットです。
不動産一括査定サイトに情報を入力すると、運営会社から複数の不動産会社に情報が提供されます。
机上査定の結果を伝えるためや、一度訪問査定したいと、不動産会社から次々と電話がかかってくることもあるでしょう。
不動産を好条件で売却するためには必要な対応ですが、何度も同じような電話に対応するのは面倒だと感じる人もいるかもしれません。
電話対応をしたくない場合は、入力フォームの備考欄に「電話禁止」と記載しましょう。
ただし、電話の対応は訪問査定を依頼する不動産会社の判断材料となるため、慎重に対応することをおすすめします。
査定金額で売却できるとは限らない
不動産一括査定を利用して算出された査定金額で売却できるとは限りません。
不動産を売却する場合の査定金額は、不動産一括査定サイトに限らず、あくまで査定した金額なので、実際の売却金額とは異なります。
実際の不動産取引では、購入希望者から値下げ交渉をされることも少なくありません。
売主と購入希望者で合意した金額が売却価格となるため、査定金額と変動することもあるでしょう。
そのため、値下げ交渉を前提として売り出し価格を設定することをおすすめします。
信頼できる会社に出会えるとは限らない
不動産一括査定を利用しても信頼できる会社に出会えるとは限らないこともデメリットといえます。
売却予定の不動産の近くにあるため、もともと依頼しようと思っていても不動産会社が選べないこともあります。
利用する不動産一括査定サイトに参画会社として登録されていなければ、いくら依頼したくても選べないのです。
不動産一括査定サイトによっても異なりますが、全然違うエリアの不動産会社ばかり表示されることもあります。
売却予定の不動産の近くに依頼したい不動産会社がある場合は、個別で査定依頼することをおすすめします。
対象外のエリアもある
不動産一括査定では対象外のエリアもあることもデメリットの1つです。
不動産一括査定サイトによっても異なりますが、依頼できるエリアが限られており、対象外になるケースもあるのです。
対象外のエリアになっている可能性が高い場所は、以下のような特徴があります。
- 人口が少ないエリア
- 田舎など地価が下がっているエリア
- 近くに不動産会社が少ないエリア
売却予定の不動産ある地域が対象外のエリアになっていないか確認しましょう。
売却予定の不動産があるエリアを対象としている不動産一括査定サイトを見つけられない場合は、1件1件自力で探す必要があります。
必ず売却を引き受けてくれるとは限らない
不動産一括査定を利用しても必ず売却を引き受けてくれるとは限りません。
対象エリア内の不動産であっても、物件によっては売却が難しいと判断されるケースがあるのです。
たとえば、再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件の場合は査定依頼を断られるケースも少なくありません。
建築基準法の接道義務を満たしておらず、建物を建て替えできない物件のこと
自然死や不慮の事故死以外の死や特殊清掃が必要になる死があった物件のこと
また、不動産の売却方法として、不動産会社に買い取ってもらう買取もありますが、訳あり物件の場合は同様に断られるケースがあります。
不動産一括査定を利用する際の注意点5選
不動産一括査定を利用する際の注意点は、以下の5つです。
それぞれの注意点について解説します。
査定額の根拠を聞く
不動産一括査定を利用する際の注意点として、不動産会社の担当者に査定額の根拠を聞くことが挙げられます。
不動産会社は不動産一括査定を使ってなんとか売却依頼を獲得しようとしますので、中には高い査定金額を提示してくる会社もあります。
高い査定金額なので高く売ってくれそうだと期待して売却依頼すると、購入希望者が現れず、結局3ヶ月後に値下げすることになるでしょう。
査定金額に対する明確な根拠を聞いて納得してから依頼する不動産会社を決めることをおすすめします。
また、複数の不動産会社の査定金額を比較できるため、他の会社よりも極端に査定金額が高い会社には気をつけたほうがいいでしょう。
事前に売却相場を調べておく
不動産一括査定を利用する際は事前に売却相場を調べておくことをおすすめします。
事前に相場が把握できていると、複数の不動産会社から提示される査定金額が妥当かどうか判断できるため、不動産会社選びがスムーズになるでしょう。
査定金額に対する根拠が正しい情報かどうかも判断できるため、高い査定金額に対して過度に期待しなくて済みます。
売却相場は、国土交通省が運用する「不動産情報ライブラリ」か、不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」で調べることが可能です。
実際の過去の成約事例を確認できるため、売却予定の不動産に類似した物件を見つけられれば、売却相場を把握するための精度の高い情報となるでしょう。
また、不動産ポータルサイトには現在販売している物件情報が掲載されており、売却予定の不動産に類似した物件があれば、いまの市況を考慮した物件価格を見ることもできます。
ただし、あくまでも物件の販売価格であるため、実際の成約価格とは異なる可能性があることは覚えておきましょう。
正確な物件情報を提供する
不動産一括査定を利用する際は不動産会社の担当者に正確な物件情報を提供しましょう。
訪問査定では不動産会社の担当者が実際に物件をチェックしますが、いくらプロでも査定する短時間で物件のすべてを把握できません。
そのため、売主が提供する情報によって、査定結果が変わる可能性があるのです。
できるだけ適正な査定金額を提示してもらうためには、以下のような情報を詳細に伝えましょう。
- 築年数やリフォームの有無などの物件情報
- 設備の状態(故障がないかなど)
- 物件のアピールポイント(リフォームの内容、太陽光発電、良好な眺望など)
- 物件の欠点(日当たりが悪い部屋がある、騒音があるなど)
正確な情報を詳細に伝えられれば、より現実的で適正な査定金額を提示してもらえる可能性が高くなります。
所有する不動産の売却が得意な会社に依頼する
不動産一括査定を利用する際は所有する不動産の売却が得意な会社に依頼することも重要です。
たとえば、「一戸建ての売却が得意」「マンションの売却が得意」「賃貸がメイン」「投資物件が得意」など、不動産会社によって特徴が異なります。
また、「都市部が得意」「地元が得意」など不動産会社によって得意なエリアが異なります。
好条件で不動産を売却するためには、売却予定の不動産の物件種別やエリアを得意とする不動産会社に依頼することが大切です。
不動産会社のホームページに得意な物件種別を記載している会社は少ないため、売却実績を確認することをおすすめします。
売却実績が豊富であれば、参考にできる過去の事例があり、専門的な知識も豊富なため、戦略的な売却活動が期待できます。
依頼する不動産会社を選ぶ際は根拠のある査定金額だけでなく、売却予定の不動産に類似した物件の売却実績があるかも判断材料に加えましょう。
担当者との相性も考慮する
不動産一括査定を利用する際は不動産会社の担当者との相性も考慮することも大切です。
不動産売却には3~6ヶ月の期間がかかるため、不動産会社の担当者とのやり取りも多くなります。
スムーズな売却活動を行い、所有する不動産を好条件で売却するためには、不動産会社の担当者との良好な関係性は不可欠といえるでしょう。
そのため、依頼する不動産会社を選ぶ際には担当者との相性も考慮して決めることをおすすめします。
また、相性だけでなく信頼できる担当者かどうか見極めることも重要です。
信頼できる担当者か見極めるポイントは、以下のとおりです。
- 査定金額の根拠を詳しく丁寧に説明してくれる
- 不動産売却に対する知識が豊富である
- 時間や約束はきちんと守る
- 相談しやすく、レスポンスも早い
- メリットだけでなく、デメリットも教えてくれる
信頼できる担当者か見極められるかどうかも不動産売却における成功のカギの1つといえるでしょう。
不動産一括査定サイトの選び方4選
不動産一括査定サイトの選び方は、以下の4つです。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
対応エリアで選ぶ
不動産一括査定サイトを選ぶ際は対応エリアを確認しましょう。
エリアカバー率が高いサイトは、さまざまな市場に対応しているため、より現実的な査定金額の提示が期待できます。
また、全国対応可能など広範囲をカバーしている不動産一括査定サイトであっても、都市部を得意としているサイトと、それぞれの特定エリアに強いサイトなど特徴が異なります。
都市部であれば問題ありませんが、地方の不動産を売却する場合は全国に店舗がある大手不動産会社が登録されている不動産一括査定サイトを選びましょう。
また、対応が大変になりますが、同時に複数の不動産一括査定サイトを利用することも選択肢の1つです。
提携会社の数で選ぶ
不動産一括査定サイトを選ぶ際には、提携している不動産会社の数にも注目しましょう。
提携している不動産会社の数が多いサイトであれば、机上査定による査定結果を多く得られるため、より正確な査定金額の相場が把握できます。
また、地方に物件がある場合や、取引が少ない物件種別の不動産を売却する場合には、より多くの不動産会社があったほうが依頼できる可能性が高くなります。
不動産一括査定サイトに提携している不動産は、サイト内に記載されているので確認しましょう。
提携会社の質で選ぶ
不動産一括査定サイトを選ぶ際には提携している不動産会社の質で選ぶことも大切です。
いくら提携している不動産会社の数が多くても質が悪ければ、売却を依頼しても満足のいく結果が得られない可能性があります。
質の高い不動産会社は、売却実績が豊富で専門的な知識と戦略的な売却活動によって不動産の売却を成功に導いてくれるでしょう。
質の高い不動産会社には、以下のような特徴があります。
- 豊富な売却実績がある
- 顧客対応が丁寧である
- 専門的で具体的な売却戦略を提示してくれる
提携している不動産会社の質を確認するためには、以下のポイントをチェックしましょう。
- 不動産会社のホームページに記載された売却実績
- 利用者の口コミや投稿(SNSなどで)
- 査定金額の根拠
- アフターサポートの有無
近年ではSNSの普及によって、利用した人の口コミや投稿が見られるため、候補の不動産会社の評判をチェックしましょう。
対応している物件の種類で選ぶ
不動産一括査定サイトを選ぶ際には売却依頼できる物件の種類も重要です。
不動産一括査定サイトによっては、売却予定の不動産に対応していない可能性があるからです。
居住用の不動産であれば問題ありませんが、投資用の物件には対応していないサイトが多い傾向にあります。
また、マンション専門の不動産一括査定サイトなど物件種別を限定しているサイトもあります。
売却予定の不動産に対応した不動産一括査定サイトを見つけましょう。
訳あり物件は不動産一括査定では売却が難しい
これまで不動産一括査定サイトについて詳しく解説してきましたが、売却する不動産が再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件の場合は不動産一括査定では売却が難しいでしょう。
再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件は特殊で取り扱いが難しいため、断られるケースがあるからです。
不動産一括査定に限らず、再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件は、不動産会社に売却の査定を依頼しても断られるケースがあります。
そのため、訳あり物件を売却する場合は不動産買取を利用することをおすすめします。
不動産を不動産会社に直接売却する方法のこと
不動産買取では、通常の売却に比べて売却金額が安くなりますが、短期間での現金化が可能です。
ただし、再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件は不動産買取も断られる可能性があるため、訳あり物件専門の買取業者に依頼しましょう。
専門の買取業者であれば、訳あり物件でも再生させるノウハウを持っているため、買い取ってくれるのです。
不動産一括査定はデメリットが多いと感じたらアルバリンクへ査定依頼
不動産一括査定はデメリットが多いと感じた場合や、売却予定の不動産が訳あり物件の場合はアルバリンクへ査定依頼しましょう。
弊社アルバリンクは再建築不可物件や事故物件などを含めた訳あり物件専門の買取業者として、他社では断られるような物件なども多数買い取ってきました。
以下は、弊社が実際に「買取を行った再建築不可物件」の事例です。
【買取した空き家の概要】
物件の所在地 | 大分県 |
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物件種別 | 戸建て |
訳あり事情 | 前面が建築基準法上の道路ではない |
【お客様のお声】
地元の業者には断られましたが、御社の担当さんはすぐに買取金額を算出し、翌週には東京から調査に来るという速さに驚きました。司法書士や、不用品業者の手配も迅速で、何の心配もなく決済を迎えることができました。本当にお任せして良かったです。
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なお、アルバリンクの評判や口コミについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
まとめ
今回は、不動産一括査定のデメリットについて詳しく解説しました。
不動産一括査定を利用する場合は、事前に所有する不動産の売却相場を調べて、どの不動産一括査定サイトを利用するか慎重に検討する必要があります。
また、根拠のある査定金額を提示してくれる不動産会社や信頼できる不動産会社の担当者を見極めることも重要です。
ただし、再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件は、不動産一括査定を利用しても売却を断られる可能性があります。
そのため、訳あり物件専門の不動産買取業者に直接売却することをおすすめします。
専門の不動産買取業者であれば、訳あり物件でも1週間から1ヶ月の短期間で現金化することが可能です。
また、再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件であっても買取業者に売却するため、契約不適合責任を免責して契約できます。
再建築不可物件や事故物件などの訳あり物件は、たとえ不動産会社に依頼して一般の買い手に売却できたとしても、物件の引渡し後に、契約不適合責任を追及される可能性があります。
訳あり物件は把握できていない欠陥や不具合も多いため、契約不適合責任を免責できれば物件の引渡し後も安心です。
なお、弊社アルバリンクも再建築不可物件や事故物件などの訳あり不動産を全国から積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」をはじめとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
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