軍用地とは米軍基地や自衛隊基地として使用されている土地のこと
軍用地とは米軍基地や自衛隊基地として使用されている土地のことで、主に投資用物件として扱われています。
日本にある軍用地の半数以上は個人や法人が所有しており、軍用地の所有者に賃貸料を支払って国が借地しています。
軍用地のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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軍用地は、ほかの収益物件と違って国が借り手になるため、滞納リスクや空室リスクがありません。
また、2023年度の軍用地賃貸料における国の予算額は1,000億円を超えており、毎年値上がりしていることもメリットです。
しかし、毎月収入がある収益物件と違い、軍用地の借地料は毎年7月に1回だけ振り込まれるだけです。
さらに、軍用地の移設などによって政府に返還されるリスクもあります。
軍用地の相続税評価額における計算方法(原則)
軍用地の相続税評価額については、原則として以下の計算式で算出します。
国税庁は「公用地」の定義として、以下のように定めています。
- アメリカ合衆国の軍隊の用に供されている土地
- 自衛隊の施設の用に供されている土地
- 那覇空港施設の用に供されている土地
- 未買収となっている国道、県道、市町村道で賃貸されている土地及び返還された
陸軍貯油施設のうち通称パイプラインの用に供されていた土地で道路の用に供さ
れている土地
軍用地は公用地に含まれているため、国税庁では公用地と表記しています。
固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳に記載された固定資産税を課税する際に基準となる土地・建物の評価額のことです。
固定資産税評価額は、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に付いている「課税明細書」で確認できます。
また、軍用地が所在する役場で固定資産税評価証明書を取得して確認する方法もあります。
公用地の評価倍率の調べ方
公用地の評価倍率は国税庁が毎年7月に公表しており、ホームページで確認できます。
引用元:国税庁「財産評価基準書」
まず、国税庁の路線価図・評価倍率表のトップページで「沖縄県」または、地図(沖縄県)をクリックします。
次に、「雑種地の評価(公用地用の評価倍率表を含む)」をクリックします。
最後に、公用地用の評価倍率表から該当する軍用地の倍率を見つけます。
たとえば、沖縄市の陸上自衛隊沖縄訓練場で地目が宅地の場合は、令和6年分では倍率は3.5です。
該当する倍率を見つける際の地目は登記簿上の地目で判断するため、管轄する法務局で軍用地の登記事項証明書を取得して地目を確認する必要があります。
土地の相続税評価を行う場合は現況地目で行うことが一般的なため、軍用地での評価方法は違うことを理解しましょう。
軍用地の相続税評価額における計算方法(例外)
軍用地の相続税評価額についての例外は、返還予定がある場合です。
返還予定がある軍用地は、「固定資産税評価額 × 公用地の倍率 × ( 1-40% )」の「40%」の割合が、以下のように返還までの年数によって変わります。
年数 | 割合 |
---|---|
10年以下 | 5% |
10年超15年以下 | 10% |
15年超20年以下 | 20% |
20年超25年以下 | 30% |
25年超30年以下 | 40% |
30年超35年以下 | 50% |
35年超40年以下 | 60% |
40年超45年以下 | 70% |
45年超50年以下 | 80% |
50年超 | 90% |
3000万円の軍用地における相続税評価額のシミュレーション
軍用地の相続税評価額は「固定資産税評価額 × 公用地の倍率 × ( 1-40% )」で算出しますが、現実的には売買価格の40~50%程度まで抑えることが可能だといわれています。
相続税を算出する際の相続財産評価額が通常の土地よりも低いうえ、さらに国の借地権がついているため評価額から約40%マイナスされるためです。
実際に現金と軍用地を相続した場合で、相続税を比較してみましょう。
【現金の場合の相続税額】
【軍用地の場合の相続税額(売買価格の50%と仮定した場合)】
現金を相続するよりも軍用地を相続したほうが、225万円も相続税を節税できます。
軍用地を複数人で相続する場合の分割方法
軍用地を含めた土地の分割方法は、以下の4つです。
それぞれの分割方法について、詳しく解説します。
なお、共有不動産の遺産分割協議書の作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

現物分割
現物分割とは、相続した一筆の土地を分筆して相続人に分ける方法です。
一つの土地を複数の土地に分けて登記をする手続きのこと
重要な権利や義務などを第三者に公示するため、登記簿に記載すること
現物分割はそれぞれの相続人が相続した土地を自由に活用できるようになることがメリットです。
軍用地が分筆できるほどの広さがあり、かつ相続人が少ない場合に適した方法といえます。
代償分割
代償分割とは軍用地を相続人の一人が相続するかわりに、ほかの相続人に代償金を支払う方法です。
たとえば、親の遺産が3,000万円の価値がある軍用地のみで、兄弟2人で分ける場合、兄が軍用地を相続して1,500万円の現金を弟に渡すケースが該当します。
代償分割では土地を単独名義で相続できるため、共有名義になった場合のさまざまなトラブルを避けられます。
ただし、軍用地を相続する相続人に資金力がないと実現できないため、現実的には難しい方法といえるでしょう。
換価分割
換価分割とは軍用地を売却して、得られた代金を相続人で分割する方法です。
軍用地を換価分割すれば、代償分割のように資金は必要なく、遺産を平等に分けられることがメリットです。
ただし、不動産会社に軍用地の売却を依頼しても売れるとは限りません。
そのため、売却が難しい軍用地を相続した場合は、専門の買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)も売却が困難な軍用地を含めた訳あり不動産を積極的に買い取っている業者です。
軍用地を手放したくてお困りの方は、査定のみ、相談のみのお問い合わせでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
共有分割
共有分割とは軍用地を複数の相続人の共有名義にして相続する方法です。
相続人が相続できる遺産の割合は、「法定相続分」として民法の規定によって定められており、法定相続分に従って土地を共有することになります。
共有分割は、ほかの分割方法と比べて、手間がかからず、資金も必要ないことがメリットです。
しかし、売却する場合は、共有者全員の同意が必要となり、共有者が亡くなって相続が発生するたびに共有者の数が増え、権利関係がより複雑になるデメリットがあります。
4つの分割方法の中で一番トラブルが起こりやすい方法のため、ほかの分割方法を選択したほうが無難でしょう。
軍用地の相続に適した分割方法
軍用地を複数人で相続する際は換価分割することをおすすめします。
現物分割はそもそも軍用地が広く相続人が少ない場合にのみ成立する方法で、代償分割では相当の資金力が必要です。
また、共有分割は相続後にトラブルが起こりやすいという大きなデメリットがあります。
軍用地は滞納リスクや空室リスクがなく毎年安定した収入が得られるというメリットがありますが、相続する際の分割方法としてはトラブルがなく平等に分けられる換価分割が適しているといえるでしょう。
相続登記は2024年4月から義務化されている
相続登記とは不動産を相続した際に行う名義変更のことで、2024年4月1日より義務化されました。
相続によって不動産を取得した相続人が3年以内に正当な理由なく相続登記しなかった場合は、10万円以下の過料の適用対象となる可能性があります。
また、相続登記義務化の施行日(2024年4月1日)以前に相続した不動産においても、過去にさかのぼって適用となります。
相続する軍用地が遠方にある場合や、相続手続きが面倒だと感じている人は放置してしまうケースも多く散見されるため、軍用地を相続した場合は早めに手続きしましょう。
なお、相続登記の義務化については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

相続した軍用地を手放したい場合は専門の買取業者に売却!
相続した軍用地を手放したい場合は、専門の買取業者へ売却すること売却することも検討してみてください。
相続人同士の話し合いによって換価分割できない場合でも、自身の共有持分であれば、ほかの相続人の同意がなくても売却できます。
買取業者の中でも共有持分の売却に強い業者であれば、自身で共有者と交渉しなくても売却が可能です。
専門の買取業者は共有持分を買い取った後に、自社で交渉・調整を行い、商品化する前提で買い取るからです。
また、専門の買取業者は各士業と連携をとりながら買取を行うため、共有者とのトラブルを未然に防げるのも安心できるポイントです。
相続した軍用地の共有持分を揉めずに、かつスムーズに売却したい場合は専門の買取業者に売却することをおすすめします。
なお、共有持分の売却に共有者の同意が不要なことについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

仲介業者に相談しても売れない
軍用地の共有持分は単独で売却することが可能ですが、一般の個人や不動産会社が共有持分のみを購入することはほとんどありません。
共有持分を持っていると、ほかの共有者との権利トラブルに巻き込まれるリスクがあるからです。
ほかの共有者であれば買い取ってもらえる可能性がありますが、関係性が良好で資金がある場合に限られるでしょう。
アルバリンクなら短期間で現金化できる!
相続した軍用地を手放したい場合は、一度アルバリンクにご相談ください。
弊社アルバリンクは売却が困難な軍用地でも買い取れるノウハウがあるため、短期間での現金化が可能です。
「独自の再販経路を確保している」や「集客の自動化によって広告費を削減している」などの企業努力によって、売却が困難な軍用地を他社より高く買い取れます。
また、弊社アルバリンクは、どのような共有持分でもトラブルなく買い取れるよう、弁護士などの専門家と連携しながら慎重に買取を行なっています。
実際に、弊社アルバリンクは売却が困難な軍用地などの訳あり不動産専門の買取業者として、他社では断られるような複雑に利権が絡まる共有持分などを多数買い取ってきました。
参照元:株式会社アルバリンク「成約事例」
アルバリンクでは相続関連の手続きや共有者同士のトラブルなど売却に付随する手間もすべて引き受けられます。
相続した軍用地を売却できずに悩んでいる方は、アルバリンクに売却して一刻も早く負担から解放されましょう。
まとめ
今回は、軍用地の相続税評価額について詳しく解説しました。
軍用地は特殊な土地になるため、通常の土地とは違った計算方法で相続税評価額を算出しますが、節税効果が高いといえます。
複数人で軍用地を相続する際は、換価分割して平等に分けるほうがトラブルなくスムーズに手続きできるでしょう。
ただし、ほかの相続人と揉めている場合などは専門の買取業者に売却することをおすすめします。
なお、弊社アルバリンクも売却が困難な軍用地などの訳あり不動産を全国から積極的に買い取っている業者で、「フジテレビ」をはじめとする各メディアにも取り上げられた実績があります。
売れない不動産を所有していて悩んでいる場合はアルバリンクに売却して、早く負担から解放されましょう。