孤独死物件が事故物件に該当するかは遺体発見までの早さで決まる
一般的に誰にも看取られずに病気等によって、亡くなることを孤独死といいます。
孤独死が起きた物件が事故物件に該当するかは、遺体発見までの早さで決まります。遺体の発見が遅れて建物に汚損が生じると、買主に心理的抵抗感を生じさせるからです。
もしも不動産が事故物件に該当すると、購入判断に重大な影響を与えるため、売却時に買主に対して過去に孤独死が起きたことを告知する必要があります。もし告知をせずに売却すると、売却後に買主から契約解除や損害賠償を請求されるので絶対に告知しましょう。
下記では、告知義務が生じる基準を明確に定めた国土交通省のガイドラインに沿って、孤独死物件が事故物件に該当するかを解説します。
告知義務
不動産の売買取引において買主の契約判断に重大な影響を与える瑕疵(不具合や欠陥)がある際は、売主が買主に対して説明しなければならない義務
なお、事故物件の告知義務の基準については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
遺体の発見が遅いと事故物件に該当する
遺体の発見までに時間がかかると遺体が腐って、体液などが建物に染み込みます。そうすると建物に汚損が生じるため、事故物件に該当します。
汚損が生じた物件は、買主に対して心理的抵抗感を生じさせるからです。買主にとって心理的抵抗感を生じさせる不動産のことを「心理的瑕疵(かし)物件」と言います。
実際に告知義務の有無を定めたガイドラインには、心理的瑕疵(かし)物件になる基準として以下の3つが明記されています。
- 自殺や殺人が起きた物件
- 遺体発見が遅れて特殊清掃が必要なほど建物に汚損が生じている物件
- 死因が不明遺体が発見された物件
通常の掃除では奇麗にならない汚れを専用の潜在などを使用して取り除く清掃
なお、孤独死の特殊清掃必要については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
上記の表には記載されていない「孤独死物件」は、告知義務がありません。
上記を見るとわかる通り、孤独死の場合、遺体の発見が遅れて建物に汚損が生じてしまうと、告知義務が発生します。亡くなった時期によって、遺体が腐るまでの時間が変わるので注意が必要です。
例えば、夏場は気温が高いので72時間以上放置されると遺体が腐ります。冬場でも死後2週間以上経過すると腐敗が進行するでしょう。また、孤独死の死因が病死ではなく自殺や殺人だった際は、建物に汚損が生じているかに関わらず告知義務が発生します。
なお、心理的瑕疵については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
遺体の発見が早いと事故物件に該当しない
逆に遺体の発見が早くて建物に汚損が生じていない孤独死物件は、事故物件に該当しません。
建物に汚損が生じていない物件は、心理的抵抗感を生じさせないからです。
例えば、連絡が取れないことを不審に思った家族が部屋を訪れて、亡くなった日の翌朝に遺体が発見されることもあります。
異変にすぐ気づける人がいれば、遺体が腐らず建物にも汚損が生じません。
しかし、孤独死が起きた物件は事故物件に該当しているかに関わらず、売却価格は通常物件より安価になるので下記で詳しく解説します。
孤独死物件は通常物件の売却相場より安価にしないと売却できない
前述したように孤独死が起きた物件は、買主に対して心理的抵抗感を生じさせます。
なので孤独死が起きた物件は、通常物件として本来売却できるはずだった価格より安価にしないと売却できません。
最悪の場合は孤独死物件を売却したくても買い手が見つからず、一生売れ残る可能性もあります。
売却できない可能性がある孤独死物件でも、売却できる方法があるので後ほど紹介します。
なお、事故物件の売却相場については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
売却価格の下落率が高いケース
建物に汚損が生じている孤独死物件は、通常物件として本来売却できるはずだった価格より20~30%程度安価にしないと売却できません。
建物に汚損が生じている物件は、買主に対して心理的抵抗感を強く生じさせるからです。
下記の表で、売却価格が20〜30%落ちる物件の条件を記載したのでご覧ください。
項目 | 内容 |
---|---|
立地 | 駅から10分以上・市街地から車で10分以上 |
築年・物件状態 | 築年数が10年以上・汚損が生じている |
特に夏は遺体が腐るのが早いので、遺体の発見が遅れると床材に体液などが染み込み特殊清掃をしないと汚れが取れません。
なので遺体が腐る前に発見しないと、大幅な値下げが必要になるので注意が必要です。
売却価格の下落率が低いケース
建物に汚損が生じていない物件は、通常物件として本来売却できるはずだった価格より10%程度安価にすることで売却できます。
建物に汚損が生じている物件よりも、心理的抵抗感が弱いからです。
孤独死物件を売却できる条件は下記の表に記載したのでご覧ください。
項目 | 内容 |
---|---|
立地 | 駅から10分圏内・市街地から車で10分以内 |
築年・物件状態 | 築年数10年以内・汚損が生じていない |
このような条件であれば、孤独死物件でも購入したいと考えてる人は一定層いるので、10%程度の価格の下落率で売却できます。
前述しましたが事故物件に該当しない孤独死物件は、告知義務がありません。
そのため、買主に対して孤独死が起きた事実が伝えられず、通常物件として売却できると思う人もいるでしょう。
しかし、売却を依頼する不動産会社は、買主と揉めるのを避けるために孤独死が起きたことを伝えます。
なので、本来売却できるはずだった価格より安価にしないと、買い手がつきません。
ここまでは孤独死物件を一般個人に向けて売却する際に、売却価格が安価になるという話をしました。
しかし、売却先は一般個人だけではありません。
下記では、孤独死物件の最適な売却方法について解説します。
孤独死物件を売却するための最適な方法
孤独死物件を売却するためには「仲介業者に依頼して売却先を探す」と「買取業者に直接売却する」の2つの方法があります。
売主と買主の間に入って、不動産売買の価格交渉や契約を成立させる業者
買取業者
不動産を誰にも経由せず売主から直接買い取る業者
遺体の発見の早さや物件の立地によって、最適な売却方法が異なるので下記で詳しく解説します。
なお、仲介と買取の違いは以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
遺体の発見が早くて立地が良い物件は仲介業者に依頼する
遺体の発見が早かったり、立地条件が良かったりする孤独死物件は仲介業者に依頼して、個人の買い手に向けて売却しましょう。
遺体の発見が早いと建物に汚損が生じず、買主の心理的抵抗感が弱くなるからです。
加えて、立地が良ければ過去に孤独死が起きた事実を気にしない人も一定数います。
具体的には、都市部なら最寄り駅まで徒歩10分圏内、地方部なら主要市街地まで車で10分圏内の立地なら一般の個人への売却が見込めます。
ただし、不動産の需要は立地だけでは判断できないため、上記の基準に当てはまっていても、一旦仲介業者に依頼して買手が見つからなければ、買取業者に直接売却の依頼をするのが賢明です。
遺体の発見が遅い物件は買取業者に依頼する
繰り返しになりますが、遺体の発見が遅れて遺体が腐り、建物に汚損が生じることで、買主に対して心理的抵抗感を強く生じさせます。もし遺体の発見が遅れたら、専門の不動産買取業者に直接売却しましょう。
心理的抵抗感が強い物件は、売却先が一般個人になる仲介業者に依頼しても買手がつかないためです。一般個人は心理的抵抗感が強い物件を敬遠するからです。
また、不動産買取業者ならどこでも良いわけではありません。ただの中古物件などを取り扱う不動産買取業者は、事故物件に取り扱いに慣れていません。
なので賃貸や売却に出すのが難しいと判断されて、事故物件の買取相場よりも安値で買取されます。最悪の場合、買取を拒否する不動産買取業者もいるでしょう。
しかし、事故物件専門の買取業者は事故物件の取扱件数が豊富で、売却する算段もついています。そのため、通常物件を取り扱う買取業者より高値での売却が可能になります。
事故物件を買取業者に売却することに関して詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
ちなみに弊社「株式会社AlbaLink」は事故物件専門の買取業者です。年間5000件以上(※)の相談実績があり、できる限り高額で孤独死物件をお買取させていただきます。孤独死物件でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の物件査定に関する相談実績5,555件
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孤独死防止のために大家はセキュリティサービスを導入するべき
上記までは、孤独死物件の売却方法について話をしてきました。
ここからは大家に向けて、入居者の孤独死を未然に防ぐ対策方法を紹介します。
大家は、入居者の孤独死を未然に防ぐことが重要になります。
孤独死が起きた物件は、通常物件として本来売却できるはずだった価格より安価にしないと、売却することが難しくなるからです。
例えば、ヤマト運輸の見守りサービスやALSOKのホームセキュリティサービスを利用することで、入居者の異常にいち早く気づき孤独死を未然に防ぐことができます。
上記のようなサービスを利用することで、孤独死によって売却価格が落ちる心配が減ります。
なお、万が一、孤独死してしまった場合の相続人への家賃の請求については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
まとめ
今回は、孤独死物件の売却について詳しく解説しました。
孤独死が起きた物件は、遺体の発見までの早さによって事故物件に該当するかが変わります。
そして、遺体の発見が遅れると事故物件に該当するので、仲介業者に依頼して売却するのが難しくなります。
なぜなら一般的な買い手は、心理的抵抗感が生じる物件を避ける傾向にあるからです。
また、遺体をすぐに発見できて、事故物件に該当しなくても物件の立地が悪いと買手が中々見つかりません。
そのため物件が売却できずに、管理費用や固定資産税を支払い続ける恐れがあります。
しかし、事故物件専門の買取業者に依頼することで、一般個人に売却することが困難な孤独死物件でも売却することが可能になります。
ちなみに弊社「アルバリンク」は、事故物件を専門に取り扱う買取業者です。
事故物件に該当する孤独死物件でも、積極的に買い取ります。
無料相談や無料査定をしていますので、お気軽にお問い合わせください。