火事が起きた家はボヤ程度でも売却時に告知義務が発生する
過去に物件で火事が起きた事実は、買主の購入判断に影響を与えるため、売却時に買主へ火事の事実を告知する義務が発生します。
参照元:宅地建物取引業法 35条
火事が起きた物件でも「ぼや程度なら告知しなくても大丈夫でしょ」と思う人もいるかと思います。
しかし、ボヤ程度の火事または、火災の痕跡が残っていない物件でも買主に告知するのが賢明です。火事に対する受け取り方は人それぞれなので、たとえボヤ程度だとしても嫌悪感を抱く人が一定数いるからです。
また、近隣住宅で火災が発生した際も法律の規定には無いですが、同様に心理的抵抗感を与えるため告知義務が生じる恐れがあります。
下記で告知義務を怠るリスクについて解説します。
告知義務を怠ると買主から損害賠償を請求される
上述のとおり、火災の程度にかかわらず売主は買主にその旨を告知する必要があります。
売却時に告知義務を怠ると売主は契約不適合責任を問われ、買主から契約解除や損害賠償を請求される恐れがあるからです。
参照元:民法第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
契約書の内容と売買の目的物に相違があった際に、売主に課される責任のこと
契約不適合責任については、以下の記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
実際に、売主が買主から損害賠償を請求された判例を紹介します。
火事が原因で死者が出た物件を売主が告知せず売却したことが、告知義務違反に該当するとして買主の損害賠償請求が認められた判例
売買契約を結んだ土地で3年7か月前の火事による死亡事故が発生した。しかし、売主は買主にその旨を告知せず売却した。買主は、売主に説明義務違反があったとして損害賠償を請求した。
裁判所は、本件の土地には瑕疵(不具合)があり、売主は買主に告知する義務があったと判断して200万円(売買価格の1割足らず)の損害賠償を認めた。
参照元:東京地裁H22/3/8
上記のように、告知義務を怠ると結果的に数百万円単位のお金を失う恐れがあります。
また、死者が出ていない物件でも、買主から契約解除や損害賠償を請求されることもあるので必ず告知しましょう。
なお、告知事務違反における基準については、以下の記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
話は変わりますが、売買契約してから買主へ引き渡すまでの間に火災が発生した物件は、売主に責任がなくても売主が修復してから引き渡す必要があります。
売買契約を依頼された不動産会社は、契約時に「火災等によって建物が壊れたときは、その損害を売主が負担する」という特約をつけるからです。
もし、修復できないのであれば契約は解除されて、売主は買主に手付金の返金をしなければなりません。
火事がおきた家は市場価格の20~30%程度安価になる
火事になった物件を売却する際は、通常物件として本来売却できるはずだった価格よりおおむね20~30%安価にしないと買い手が見つかりません。
火事が起きた事実は、買主に心理的抵抗感を生じさせるからです。
当然ですが、火事の規模によって価格の下落率も変わります。火事の焼損程度を明確にするために下記をご覧ください。
焼損程度 | 条件 |
---|---|
全焼 | 火事による損害額が、火事直前の建物評価額の70%以上 |
半焼 | 火事による損害額が、火事直前の建物評価額の20%以上 |
一部焼失 | 火事による損害額が、火事直前の建物評価額の20%未満 |
また、焼損程度の中でも全焼かつ火事によって死者が出た物件は、心理的抵抗感が増すので売却価格が通常物件より50%程度安価になることもあります。
しかし、「家の一部のみ焼失」かつ「死者なし」の物件であれば、買主の嫌悪感も弱まるので0~10%程度安価にすることで売却できます。
ここまでは、売却前提で価格の下落率を解説してきましたが、永遠に買い手が見つからない可能性があることを忘れてはいけません。
下記で買い手が見つからない物件でも売却する方法を解説します。
火事が起きた家の最適な売却方法
火事が起きた物件の売却方法は「仲介」と「買取」の2つあります。
仲介とは、売主から物件の売却依頼を受けた不動産会社が、買主を見つけて契約をまとめる方法です。
買取
買取とは、売主から不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
上記の2つはそれぞれメリット・デメリットがあるので、「焼失具合」や「火災による死者の有無」の状況別で、最適な売却方法を解説します。
なお、仲介と買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
建物が一部焼失・死者がでてない物件は仲介業者に依頼する
下記の表に該当している物件は、通常の不動産相場と大差ない金額で売却できる可能性があります。
建物の焼失が一部で死者も出ていなければ、買手が見つかる可能性が高いからです。
項目 | 内容 |
---|---|
焼失具合 | 「建物の一部焼失」 |
死者の有無 | 「なし」 |
とはいえ、仲介業者の売却先は一般個人になります。一般個人は、心理的抵抗感が生じる物件を避ける傾向にあります。
また、売主の中にはすぐに売却して現金化したい人もいると思います。スピード重視の方は下記で解説する買取業者に直接売却することをお勧めします。
更地にして売却するのは推奨しない
建物を解体して、更地にしてから売却するのは推奨しません.。
建物を解体すると数百万円程度の費用がかかります。
ですので、建物を解体せずに売却したほうが、最終的に手元に多くお金が残る可能性があります。
なお、建物を解体せずに売却すべき理由については、以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
建物が全焼・死者がでた物件は買取業者に売却する
下記の表に該当している物件は、専門の不動産買取業者に直接売却するのがおすすめです。
不動産買取業者であれば、購入した物件に最低限の修繕を施して活用するノウハウがあるので、売主が修繕をしたり解体したりせずにそのままでも売却できる見込みがあるからです。
項目 | 内容 |
---|---|
焼失具合 | 「半焼」「全焼」 |
死者の有無 | 「あり」 |
とはいえ、不動産買取業者ならどの会社でも良いわけではありません。何の問題もない一棟物件を専門に取り扱っているような業者に、火事の起きた物件の相談をしたとしてもそもそも取り扱うことができません。
火事が起きた物件は、買取業者の中でも訳アリ物件を専門にしている買取業者に売却しましょう。不動産買取業者の中には、通常物件を取り扱う業者や訳アリ物件を専門にしている業者がいます。
訳アリ物件専門の買取業者は訳アリ物件の買い取り実績が豊富にあるため、買い手が見つからない物件でも売却することができます。
なお、弊社(株式会社Albalink)も、訳アリ物件を専門にしている不動産買取業者です。火事が起きた物件の売却でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
>>【火事の起きた物件でも高額売却!】無料の買取査定を依頼する
また、火事で死者がでた物件の売却については、以下の記事でも詳しく解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
火事が起きた家を高値で売却するためのコツを紹介
この話題に入る前に注意点として、高額売却するために一定期間空けて売却することを推奨する人もいます。
しかし、高値で売却するための明確な期間はなく、期間を空けることで物件の管理費用と固定資産税が売主の負担になるのでやめましょう。
今回は不動産のプロが、「火事が起きた物件」をできる限り高い金額で売却するためのコツを下記で紹介します。
火災保険で物件を修繕してから売却する
火事が起きた物件でも買手をみつけるためには、修繕してから売却することが重要になります。火災保険に加入していれば修繕費用が補助される場合がありますので、保険会社に連絡しましょう。
火災保険とは、火災・自然災害・盗難などによって、建物や家財などに生じた損害を補償する保険のことです。
建物の損害を修繕する費用を火災保険料でまかなうことで、費用を節約できるからです。
また、保険会社によっては、建物のみを補償する会社と建物と家財を補償する会社があるので確認しましょう。
ちなみに専門の不動産買取業者に依頼すれば売主負担で修繕を行わなくても、そのままの状態で売却可能です。当サイトを運営する株式会社AlbaLinkでも積極的に買取を行っているので、気軽にご連絡ください。
>>【火事の起きた物件でも高額売却!】無料で買取査定を依頼する
ホームインスペクションを依頼してから売却する
建物の焼失が浅い物件でも、目に見えていない部分が激しく損傷しているかもしれません。
ですので売主は、ホームインスペクションを依頼してから売却しましょう。
ホームインスペクションとは、住宅の専門家である「住宅診断士」に住宅の不具合や劣化箇所を診断してもらうことです。
買主は火事が起きた家に対して、「建物の損傷が激しいのではないか」などの不安を抱くからです。
そのため、売主は買主から建物損傷を理由に価格交渉をされるリスクがあります。
買主の不安を取り除き安価で売却しなくて済むために、売主は建物の安全性を証明することが重要です。
価格交渉を見越して売却価格を高めに設定する
不動産の売却時に売主は、買主から価格交渉を持ちかけられることが多々あります。
そのため、売主は買主から価格交渉されることを見越して、売却希望価格より高めに設定することが重要になります。
なぜなら、売却希望価格で売りに出すと、買主からの値引き交渉によって想定より安価で売却する恐れがあるからです。
また、買主は「なるべく安く購入したい」と考えています。
ですので、契約が成立する可能性を高めるためにも、売主は買主からの値引き交渉に応じましょう。
高額売却するための買取業者を選ぶ3つのポイント
上記では、火事が起きたのが原因で売却が困難な物件をなるべく高値で売却するテクニックを紹介しました。
下記では、不動産のプロの観点から不動産買取業者の選び方について解説していきます。
訳アリ物件を専門に取り扱う買取業者を選ぶ
火事が起きた物件などの訳アリ物件は取り扱いが難しいため、通常物件専門の買取業者は買取相場より大幅に値下げして買い取ります。
ですので、火事が発生した物件を高額売却するために、訳アリ物件を専門に取り扱う買取業者を選びましょう。
専門の買取業者は訳アリ物件の買取実績が豊富にあり、事業として利益を出すノウハウがあるからです。
そのため、専門業者は通常物件を取り扱う買取業者よりも、強気な価格で買い取ることができます。
なお、火事が起きた物件の買取に強い専門の買取業者について、以下の記事で紹介していますので、ご確認ください。
実際に依頼したお客様からの評判がいい
実際に不動産買取業者を利用した方の評判も確認しましょう。
不動産買取業者が「私たちはこんなに実績があります!」とアピールしても、お客様には良い面しか見せないからです。
結果的に悪徳業者にだまされて、物件を安価で買い取りされないために、口コミを調べるのが重要になります。
弊社はグーグルの口コミで高評価を得ています。是非一度「アルバリンク」で検索してご確認ください。
行政処分が行われていない買取業者を選ぶ
前提ですが、不動産会社は適正に運営をするために法律を守りながら営業しなければいけません。
もし不動産会社が違反をすれば、営業停止などの処分が下されます。
ですので、火事が起きた物件を高額売却するためには、行政処分が行われていない買取業者を選びましょう。
行政処分とは、不動産会社が宅建業を営むうえで、詐欺行為など違法な取引を行ったことによる処分のことです。
行政処分を受けているか否かが、信頼できる業者か判断するための指標になるからです。
あくまで一つの指標なので上記の内容を含めて総合的に判断しましょう。
また、国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」を使って、買取業者が行政処分されているか確認できます。
ちなみに弊社アルバリンクは、訳アリ物件を専門に取り扱う買取業者です。
お客様から、年間5,000件以上(※)の訳アリ物件の問い合わせをいただきます。
※2023年1月1日~2023年10月25日現在の実績:相談/5,555件:買取/600件
ですので、他社では断られる物件でも、適切な評価をして買取させていただきます。
火事が起きた物件の売却で悩まれている方は是非一度ご相談ください。
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まとめ
今回は、火事が起きた家の売却について詳しく解説しました。
火事が起きた物件は、一般の買い手に心理的抵抗感を生じさせるため、売れない可能性があります。
しかし、訳アリ物件を専門にしている不動産買取業者に依頼することで、買手が見つからない物件でも売却することができます。
専門の買取業者ならば、訳アリ物件の買い取り実績が豊富にあるので、物件を正しく評価できるからです。
弊社「アルバリンク」は訳アリ物件専門の不動産買取業者です。
一般の買い手が見つからない物件でも、不動産投資家などのネットワークが豊富なため、買い手を見つけることが可能です。
査定・相談を無料で実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。