相続した実家や家屋が空き家になると、電気・ガス・水道をそのまま契約し続けるべきか、それとも解約するべきか悩む人は少なくありません。
ライフラインの契約を残すと、使わなくても基本料金の支払いは発生しますので、維持費がかかります。
一方でライフラインを解約してしまうと、管理のしやすさに影響します。
今回は相続した実家や家屋が空き家になっている131人を対象に、「相続した空き家の電気・ガス・水道の契約を残したか」について聞きました。
- 調査対象:相続した実家や家屋が空き家になっている人
- 調査期間:2026年7月30日~8月4日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:131人(男性67人/女性64人)
- 回答者の年代:20代 15.3%/30代 26.6%/40代 23.7%/50代 17.6%/60代以上 16.8%
相続した空き家の電気・ガス・水道は「すべて解約した」が48.1%

相続した実家や家屋が空き家になっている131人に「電気・ガス・水道をどうしたか」を聞いたところ、1位は「すべて解約した(48.1%)」で、半数近い人が挙げました。
2位「電気と水道を残した(19.8%)」、3位「電気だけ残した(16.8%)」と答えた人も多くいます。
以下、4位「すべて残した(10.7%)」、5位「水道だけ残した(4.6%)」の結果でした。
空き家になると日常的にライフラインを使うことはなくなるので、すべて解約した人が多くなっています。
一方、掃除など定期的な手入れのときに使うため、空き家でも電気と水道は残しておく人も多くなりました。
空き家のライフラインの中で最も解約されやすいのはガスだとわかります。
1位 すべて解約した
- 近所の空き家にホームレスが住み着き、電気と水道を残していたので普通に生活していたと聞いたから(40代 女性)
- 隣人が庭にある水道を勝手に利用していたのがきっかけで、電気・水道・ガス等はすべて止めた(50代 男性)
- 契約していると基本料金を払う必要があり、もったいないので解約しました(60代以上 男性)
1位は「すべて解約した」でした。
理由としては、「維持費を抑えたい」「空き家のリスクを減らしたい」といった考えがあります。
電気・ガス・水道を契約したままにすると、使用しなくても基本料金が発生するため、長期間になるほど負担がかさむからです。
さらに、ライフラインが使える状態だと、第三者が住み着いたり、盗水や盗電されたりする危険性もあります。
そのため今後利用する予定がない場合には、すべて解約する人も多いとわかりました。
余計な費用やトラブルを避けるための判断です。
2位 電気と水道を残した
- 定期的に掃除や点検に行く際に、電気や水道が必要だったためです。ガスは使用する機会がなく、基本料金だけかかるため解約しました(30代 女性)
- 空き家の「清掃」「換気」「庭の手入れ」の際に掃除機や水道を使うため、電気と水道は残しました。ガスは給湯や調理を行う予定がなく、漏れなど安全面のリスクや基本料金を抑えるために解約しました(40代 女性)
- 風呂には入らないのでガスは解約して、清掃に必要な電気と水道は継続した(50代 男性)
2位は「電気と水道を残した」です。
電気と水道を残した人からは「掃除や庭の手入れに必要」という声が寄せられました。
空き家を定期的に管理するうえで、電気と水道は必要だと考える人も多いのですね。
照明や掃除機を使うなら電気が必要ですし、雑巾洗いや手洗いには水道が欠かせないからです。
一方で調理や入浴に使うガスは必要性が低く、「基本料金がかかること」「ガス漏れすると危険なこと」などから解約する人が多くなっています。
維持費を抑えながらも、いつでも管理できる状態を維持したいという意図が見えます。
3位 電気だけ残した
- 電気だけ残したのは、空気の入れ替えや点検で立ち寄る際に照明が必要だったからです。防犯上、真っ暗な状態を避けたかったという理由もあります(20代 女性)
- 定期的に掃除機をかけるなど、家電を使うことがあるから(30代 女性)
- 電気だけ残した理由は建物の内部を確認する際に明かりが必要だったためです。ガスや水道は使う予定がなく、基本料金が毎月かかることは負担に感じられたため、解約を選びました(60代以上 女性)
「電気だけ残した」が3位となりました。
掃除をするには照明や掃除機を使うので、電気が必要となります。
また防犯機器を動かしている場合にも、電気は必要です。
「掃除に水道を使わない」「トイレを使うほど長居しない」といった状況であれば、電気に比べて水道やガスの必要性は低くなると判断できます。
電気を「最低限のライフライン」と考えている人もいるとわかりました。
4位 すべて残した
- 解約が面倒だから(30代 女性)
- 田舎の家だったので、ライフラインを止めることで、売りに出していることを不用意に知られたくなかったからです(30代 女性)
- 今後どうするか決まっていないため家の整理ができていないし、年に数回宿泊する機会があるから(60代以上 女性)
4位は「すべて残した」でした。
すべてのライフラインを残している人からは「空き家になっているが、たまに泊まる」「解約が面倒」など、さまざまな意見が寄せられました。
空き家を何らかの形で活用し、宿泊しているなら、お風呂に入るためなどにガスも必要になります。
滞在したり宿泊したりするなら、ライフラインを止めないほうが便利です。
また解約自体にも手間がかかりますし、解約した後に再契約するとなると、また手間です。
そのため面倒を避けたいという人もいました。
防犯や近隣への配慮を理由に契約を継続するケースもあります。
5位 水道だけ残した
- もしもの火事に備えて(20代 男性)
- 水道は必要です。電気についてはアンペア数を下げて契約しようとしましたが、工事が必要だとわかって面倒だったので契約解除しました。照明はLEDライトを複数置いて、スマホの充電はモバイルバッテリーです(50代 男性)
- ガスは調理する予定もなく即時解約。電気は訪問時の照明や掃除用に続けていたが、訪問頻度がおち解約することにした。水道は水まきや手洗いなどで使用するし、料金も安いので継続している(60代以上 女性)
「水道だけ残した」が5位です。
水道は、トイレや掃除、植木の管理などに使います。
また火災の消火活動に利用できるという安心感を理由に挙げる人もいました。
地域によっては水道の基本料金が比較的低いこともあり、費用負担が小さいため残しやすい面もあるとわかります。
電気は「充電式のライトや掃除機」「モバイルバッテリー」で持ち運べますが、水を持参するのは大変なことも、水道の契約だけは残す理由と考えられます。
相続した空き家の電気・ガス・水道料金は「月額1,000~3,000円」がボリュームゾーン

「相続した空き家の月額の電気・ガス・水道料金」については、契約を残している場合のボリュームゾーンが「1,000円超3,000円まで(20.5%)」となっています。
契約を残していても頻繁に使うことはないため、実際に人が住んでいる家の光熱費に比べると、金額は少なめです。
ただアンケートでは「誰も住んでいない家で光熱費を払うのはもったいない」という回答も多く見られました。
普段使っていない家の維持費として、年間約10,000円~30,000円のお金が出ていくことには、負担を感じる人も多いと推測できます。
相続した空き家の電気・ガス・水道の手続きや管理で困ったこと1位は「名義変更手続きが大変」

「相続した空き家の電気・ガス・水道の手続きや管理で困ったこと」の1位は「名義変更手続きが大変(28.2%)」でした。
2位「水道凍結が心配(12.2%)」、3位「解約手続きが大変(9.2%)」が続きます。
管理作業よりも、手続き関連に負担を感じる人が多いとわかりました。
空き家を相続した場合には、「ライフラインの契約名義変更」「解約」「料金を支払うための口座の変更」など、必要となる事務手続きがあります。
必要な書類がわかりにくかったり、集めるのに手間がかかったりして、困った人が多くなりました。
また手続きの前に、費用の支払いや契約者を誰にするかといった家族間の調整が必要になるケースもあります。
1位 名義変更手続きが大変
- 亡くなった被相続人の名義から変更する際、必要書類の準備や各ライフライン会社への連絡手続きに手間取ったことです(30代 女性)
- 名義変更に必要な書類が多く、手続きに時間がかかりました(50代 男性)
- 手続きで困ったことは、名義変更の書類が多く準備に時間がかかったことです(60代以上 女性)
1位は「名義変更手続きが大変」でした。
空き家を相続したあとにライフラインを残す場合には、電気・ガス・水道それぞれで名義変更の手続きを行います。
インターネットで名義変更の手続きができることもありますが、電話でしか受け付けてもらえないことも。
また会社によっては、一旦古い契約を終了して、相続人の名義で新しい契約を結び直す形になることもあります。
事業者ごとに手続き方法が異なり、必要書類の準備も手間なので、大変だと感じた人が多くなりました。
2位 水道凍結が心配
- 冬場は水道管の凍結防止対策が必要(40代 女性)
- 給湯器の凍結防止方法がよくわからなかった(50代 女性)
- 水道については、冬場の凍結が心配だった(60代以上 男性)
2位は「水道凍結が心配」です。
冬の寒い日には、水道管の中の水が凍結して、水道管が破損することも。
アンケートでは「水道管が凍結して破損し、20万円ほど請求された」という体験談も寄せられ、大金出費につながるトラブルが起こりうることもうかがえます。
対策としては「保温グッズを使う」「少量の水を出し続ける」「水抜きする」などがあるものの、遠方にある空き家だと、こまめな対策は難しくなります。
そのため不安を感じた人も多くなりました。
3位 解約手続きが大変
- 解約のための書類を探したり確認したりが面倒くさかった(30代 女性)
- 解約手続きをひとつひとつする必要があるため、結構面倒だった(40代 男性)
- 解約手続きのときに、契約者との関係性を厳しく問われた(60代以上 男性)
「解約手続きが大変」が3位となりました。
ライフラインを止めるためには、使用停止や解約の手続きが必要となります。
契約を終わらせるだけですが、手続きするにあたっては、契約内容の確認や必要書類の準備などが必要です。
また契約者本人ではなく相続人が手続きするため、契約者との関係を確認されて手間取ったケースもあるとわかりました。
解約して不要な費用を抑えるには避けて通れない手続きです。
空き家の整理を進めるために必要だと理解しながらも、煩雑さに負担を感じている人が多いとうかがえます。
4位 費用分担で揉めた
- 維持管理費の負担で、親族間で揉めたこと(20代 男性)
- 誰の名義に変更して、どう払っていくかで話し合いが多くなった(30代 女性)
- 費用を誰が払うかで、姉と揉めた。庭の植物や畑はまだ処理していないので、水道はないと困る(40代 女性)
4位は「費用分担で揉めた」でした。
相続した空き家には、兄弟姉妹など複数の相続人がいるケースもあります。
関係者が複数いると、「誰の名義にするのか」や「誰がライフライン料金を支払うのか」で揉めることもあるとわかりました。
残すライフラインを絞ればひと月あたりの金額は少なくなりますが、継続的に負担がかかるため、トータルで見るとまとまった額になるからだと考えられます。
負担が偏ると不公平感を抱く人もいますし、費用負担してまでライフラインを残すべきかで意見が分かれる可能性も。
具体的な手続き以前に発生する人との調整も、大きな負担になることを示しています。
5位 口座変更手続きが大変
- 振込用紙への変更手続きに手間取った(30代 女性)
- 口座変更もそれぞれ別に手続きが必要で、何度も電話したのを覚えています(40代 男性)
- 引き落とし口座の変更手続きで、書類のやり取りに手間取った(60代以上 男性)
「口座変更手続きが大変」が5位です。
亡くなった人の銀行口座などは利用できなくなります。
そのためライフライン料金の引き落とし口座も、変更する必要があります。
電気・ガス・水道それぞれで別々に手続きが必要になることも多く、書類の提出や電話での確認に手間がかかったという人も多くいました。
口座変更を行わないと料金が支払えなくなってしまうので必要な手続きなのですが、時間と労力に困ることも多いとわかります。
まとめ
空き家を相続したあとのライフラインについては「すべて解約した」が約半数を占めました。
一方で、掃除や点検のために電気や水道を残す人も多くなっています。
空き家の利用予定や管理の頻度によって、判断がわかれています。
なおライフラインの名義変更や解約の手続きについては、想像以上に手間や時間がかかって大変だったという人も多くいました。
またライフラインの維持費や管理方法をめぐって、家族間で調整が必要になるケースもあります。
必要なライフラインはどれかを早めに決めて、解約方法や各種変更手続きの窓口についても調べておくことで、余裕をもって対応できると考えられます。
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