共有持分とは
共有持分とは、不動産などの所有権を有する物件を複数人で所有しているとき、それぞれがその不動産について持っている所有権の割合のことです。
たとえば、共働きの夫婦が頭金や住宅ローンなど、半分ずつ出資すれば共有持分は2分の1ずつになります。
相続で子ども3人が親から1つの建物を相続した場合は、共有持分は3分の1ずつになるということです。
また、1つの物件に対して共有者が複数いますので、持分があることで「できること」「できないこと」といった制約を設けています。
共有持分を売却する際の注意点は?
本来、所有者は不動産を自由に売却したり、人に貸したりできるものです。
しかし、複数の共有者がいる不動産では、売却しようとするときに共有者の間で意見が割れることもあり、持分を持っていることで制限が生まれてしまいます。
共有持分のある不動産で共有者間での意見が対立した場合、どのように意思決定すればいいでしょうか?
民法では、共有物の取り扱いに関する意思決定について、以下のような3つのルールを定めています。
1. 全員の同意が必要
【変更行為】
「各共有者は他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない」
・共有物の売却
・共有物の建て替え
・共有物の増改築
・担保権の設定
・売買契約の解除
などが該当します。
共有者としては、他の共有者に無断で自分の持分がある共有物件を、売却されるようなことがあっては困りますよね。
2. 過半数の同意が必要
【管理行為】
「共有物の管理に関する事項は、前条(251条)の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する」
と民法第252条に示されています。
例えば、4名の方が4分の1ずつ物を共有している場合は、そのうち3名の同意が必要になることです。
・賃貸借契約の締結
・賃貸借契約の解除
・賃料の変更
例えば、「外壁塗装」や「温水洗浄便座の設置」など、共有物件を「利用、改良する行為」に当たる場合は、過半数の同意が必要です。
3. 単独で可能
【保存行為】
「保存行為は、他の共有者がすることができる」
と、民法第252条ただし書きに示されています。
共有者の同意は不要で、単独で行えるということです。
・不法占拠に対する明け渡し請求
・法定相続による相続登記
札幌市で共有持分を売却するには?
札幌市で共有持分のある不動産を売却する場合、物件全体の売却には共有者全員の同意が必要になりますが、自身の持分だけを売却する場合には必要ありません。
1. 共有持分の買主を探すのは困難
一般的に、不動産を購入したいと考えて物件を探している人は、
・物件を賃貸にして、家賃収入を得たい
共有持分の一部だけを購入しても、このような利用価値を得ることができないので、一般の個人の方への売却は難しくなってしまうのです。
もし、早く処分したいということであれば、共有持分専門の買取業者に依頼することをおすすめします。
2. 共有持分の買取相場はどのくらい?
札幌市内で共有者のいる不動産を所有し、自分の共有持ち分のみ買取してもらおうと考えた時、気になるのが「どのくらいの金額で買取をしてもらえるのか?」ということではないでしょうか?
一般的に、共有持分の買取相場は、通常の不動産価格から50%くらいまで下がってしまうと言われています。
仮に、持分が3分の1の共有不動産があり、相場が3,000万円だったとします。
自分の持分の金額は1,000万円ですが、その半値の500万円が買取価格になるということです。
共有持分の買取価格がここまで下がってしまうのは、
・買取業者の再販時にかかる手間や費用の確保
買取相場を知ることで、自身の持分相場を把握できますし、依頼した業者から安く買いたたかれてしまうことを防ぐこともできます。
「共有不動産全体の価格×持分割合×1/2」
と覚えておくとよいでしょう。
公式サイト:https://wakearipro.com
札幌市の共有持分物件はどこで売却できる?
では実際に、札幌市内で所有している共有持分の不動産をどうしたら売却できるでしょうか?
1. 地元の不動産業者に依頼する
札幌市内の地元に密着した不動産会社は、長い間ずっと同じ場所で営業してきているので、地域の事を知り尽くしています。
地元の方から信頼を得られ「そこで探さなければいけない理由」がある顧客を抱えているケースもあります。
折り合いさえつけば、買い手を見つけられるかもしれません。
しかし、地元の不動産業者が買取する場合は、買取後の交渉などに慣れていないケースも考えられます。
時間や費用を要してしまうため、必要以上に金額を低く出されてしまうかもしれません。
2. ネットで不動産査定を依頼する
インターネットの普及により、スマホ一つで、簡単に売却の依頼ができるようになりました。
専用サイト『不動産一括査定サイト』を活用し、「立地条件」「部屋のコンディション」などを所定のフォームに入力すれば、簡単に査定額がわかります。
複数の業者を選択できるので、少しでも高い買取価格を付けてくれる不動産業者を探し出せるのが特徴です。
不動産一括査定サイトは複数のメディアがありますが、共有持分の売却など特殊な事情がある不動産は、見積もりを出すことに消極的になる場合が多いので注意が必要です。
3. 専門の買取業者に依頼をする
共有持分を売却する際、一番オーソドックスなのが、共有持分専門の買取業者に買い取ってもらうことです。
共有者同士でなかなか話し合いが進まないと、面倒なことを先延ばしにしがちになります。
そのままの状態で共有持分を放置してしまったら、固定資産税や都市計画税など固定費も支払い続けなければなりません。
専門の業社に買い取ってもらうメリットとして
・素早く現金化できる
・専門知識が豊富なため、トラブルを回避できる
・話し合いや揉め事から解放される
まとめ
共有持分のある不動産を売却する際の注意点は、
・共有持分の売却は共有者の同意は必要ないが、価格が低くなってしまう