空き家を所有している場合には、老朽化を遅らせ、周囲や室内の環境を保つための定期的な手入れが必要となります。
しかし空き家とは別の家で暮らしている人にとって、自宅以外の建物を手入れする負担は大きいもの。
「所有している空き家のことが気になりながらも、なかなか行けない」「管理に通っているけれど、今のペースで十分なのだろうか」と不安な人もいるのではないでしょうか。
今回は空き家を所有している235人に、空き家の管理頻度についてのアンケート調査を実施。
「管理しに行ったときに、具体的にどんな作業をしているか」についても聞いています。
- 調査対象:空き家を所有している人
- 調査期間:2026年9月1日~14日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:235人(女性119人/男性116人)
- 回答者の年代:20代 7.7%/30代 26.4%/40代 34.0%/50代 16.2%/60代以上 15.7%
空き家の管理に行く頻度は「月1回」が30.2%

「空き家の管理に行く頻度」で最も多かった回答は「月1回(30.2%)」で、全体の3割にのぼりました。
2か月に1回~半年に1回程度の頻度で通う「年2~6回(27.7%)」も、多くなっています。
一方で年1回以下の人も、全体の2割以上いました。
- 仕事や家庭の都合で頻繁には行けず、最低限の確認をするために月1回を目安に訪れています(40代 男性)
- 市役所から連絡が入ったタイミングで、年に5回ほど(50代 女性)
- 近くに住んでる親戚に見てもらっており、自分ではほとんど行けてない(30代 女性)
- 2か月に1回くらい。2人兄弟で交代だから(60代以上 女性)
- 電車で2時間離れた場所にあるので、半年に1回程度の間隔で行きます(60代以上 男性)
頻度が少ない理由としては、「空き家が遠い」「仕事や育児が忙しくて時間がない」などが挙がっています。
「昔は月1回だったが、現在は体調が悪くてあまり行けていない」など、体力面で問題を抱えている人もいるとわかりました。
また「所有者である自分はあまり行けていないが、近所の人や親戚に管理を依頼している」「兄弟と交代で管理している」という声も。
回答からは、なかなか空き家の管理に行けなくても、周囲の助けを借りながら管理する方法はあることも読み取れました。
空き家の管理で行っている作業1位は「換気」

空き家の管理で行っている作業の1位は「換気(51.9%)」で半数以上の人がやっています。
2位「庭の手入れ(45.1%)」と答えた人も多くいました。
同率3位「郵便物の確認(38.3%)」「建物の点検(38.3%)」、5位「掃除(28.1%)」が続きます。
換気や庭の手入れなど、「もし空き家に人が住んでいるならば、日常的にやるであろう手入れ」が多く挙がりました。
普段できていないことをしっかりやるというイメージです。
一方で「家財の整理」など、体力や時間がかかる作業については、実施している人は少なくなりました。
1位 換気
- 窓を開けての空気循環(30代 女性)
- 家全体の換気(60代以上 男性)
1位は「換気」でした。
人の住んでいない空き家では、普段は窓や玄関が開けられません。
すると湿気がこもりやすくなり、カビや臭いの原因になってしまいます。
カビの発生などを防ごうと、空き家についたらしっかり換気を行うという人が多くなりました。
家全体で空気の入れ替えができるように、複数の窓や室内の扉も開けて、空気の通り道をつくってあげることが大切です。
2位 庭の手入れ
- 雑草抜き(30代 女性)
- 草刈り。家周りの手入れ(40代 女性)
- 春から夏にかけては、草刈りと木の枝払い(50代 男性)
2位は「庭の手入れ」でした。
庭や外構部がある空き家の場合には、人の手が入らないことで、庭木の枝や雑草が伸び放題になってしまうことがあります。
枝が敷地から出てしまうと、隣人や空き家周辺の道路を通行する人に迷惑をかけてしまう可能性も。
近隣トラブルの原因になりかねないため、きちんと手入れすることが大切です。
とくに春から夏など植物の成長が旺盛になる季節には、十分気にかけておく必要があります。
ただ夏場の作業や高所での作業は、危険もともないます。
どうしても自分では無理と思ったら、業者に依頼するなども選択肢のひとつです。
3位 郵便物の確認
- 郵便受けに溜まったチラシや郵便物の整理(30代 女性)
- ポスト内の郵便物を持ち帰って捨てる(50代 女性)
「郵便物の確認」が3位です。
空き家になったあとも、空き家に郵便物が届き続けたり、チラシが投かんされたりすることはあります。
郵便ポストに郵便物が溜まっていると見た目が悪いですし、「管理されていない空き家」「防犯面で不安」という印象を与えかねません。
そのため郵便物の確認や整理を行っている人も多くいました。
こまめに郵便物を確認しておくことで、対応が必要になるような重要な郵便物が来たときにも、気づきやすくなります。
同率3位 建物の点検
- 建物の劣化具合の点検(30代 女性)
- 屋根・外壁のひび割れ、雨漏りなど建物のチェック(40代 女性)
- 建物に雨漏りや破損がないかの目視点検です(50代 男性)
同率3位は「建物の点検」でした。
空き家になって換気や掃除の頻度が落ちた建物は、老朽化が進みやすいと言われています。
外壁のひび割れや雨漏りに気づかないと、見えない部分に傷みが出て、耐震性・耐久性が落ちてしまうことも心配されます。
そのため空き家に行ったときには、建物や設備に傷みがないかをチェックしている人も多くいました。
屋根をチェックするのは素人では危険で難しいですが、外壁や雨どいであれば目視で外側から確認できます。
また室内の天井や壁、床もチェック可能です。
5位 掃除
- 畳や床の掃除(30代 男性)
- 家周辺の掃除(40代 男性)
- 室内の清掃(40代 女性)
5位に入ったのは「掃除」でした。
室内や家周辺の掃除を行っている人も多くいます。
掃除を怠ってしまうとカビや害虫、臭いなどの発生につながってしまうからです。
家の外側が汚れたままだと見た目も悪く、周辺の景観が悪化することから、近所からのクレームにつながる可能性も考えられます。
6位 家財の整理
- 家具捨て(40代 男性)
- 明らかにゴミと思われるものの処分(50代 女性)
- 荷物の整理(60代以上 男性)
「家財の整理」が6位です。
空き家に家具家電や衣類、日用品などの家財が残っており、空き家に行くときには荷物を整理しているという人もいました。
いらない荷物を処分しておくことで、掃除や点検はしやすくなります。
また将来的に売ったり貸したりする場合にも、家財が少ないと対応しやすいというメリットもあります。
ただし荷物の大きさや量によっては、かなりの重労働です。
自分や家族だけで対応できないときには、専門の業者を頼る方法もあります。
7位 通水
- 水道の蛇口を少しひねって通水作業をしています(30代 女性)
- 水道の通水をします(50代 男性)
7位は「通水」でした。
長期間水を流していない場合、排水口や排水トラップに溜まっている「封水」が蒸発してしまうこともあります。
すると封水によってガードされていた悪臭や害虫が、室内に入ってしまう可能性が高まります。
また長期間蛇口を回さないと、水回り設備に何か問題が起こっていても、気づきにくくなってしまうことも。
そのため空き家に行くたびに、水を流している人もいました。
今後の空き家管理は「頻度を減らしたい」「行くのをやめたい」が合わせて47.7%

「今後、空き家管理の頻度をどうしたいか」という問いについては、「今の頻度を維持したい(37.0%)」と回答した人が最も多くなりました。
ただ「行くのをやめたい(売却・解体・手放したい)(34.5%)」「頻度を減らしたい(13.2%)」を合わせると、47.7%となっています。
大きく「現状維持(37.0%)」「今よりも頻度を減らしたい・やめたい(47.7%)」「今よりも頻度を高めたい(15.3%)」にわけると、「減らしたい・やめたい」の層が多い結果です。
とくに「頻度を減らしたい」よりも「行くのをやめたい」と回答した人が圧倒的に多いことから、完全に管理の負担を手放したい人が多いとわかりました。
空き家の管理頻度を維持したい理由は「現状で問題がない」

空き家の管理頻度を維持したい87人に理由を聞いたところ、1位は「現状で問題がない(46.0%)」でした。
2位「増やすと負担になる(24.1%)」、3位は「トラブルを防ぐため(6.9%)」の結果となっています。
- 月1回の頻度を3年ほど行っていますが、とくに大きな問題が起きたこともなく、維持できている(20代 男性)
- 頻度は半年に1回。自分の負担は、これ以上は増やしたくないから(30代 女性)
- 頻度は週1回。今以上に増やすのは難しいし、今以上に減らすと管理不足でトラブルが起きそう(30代 女性)
- 3か月に1度行っている。雑草で近隣の家に迷惑をかけたくないので、定期的に草むしりをするしかないから(30代 女性)
- 空き家には月に1回ほど様子を見に行っています。現在の頻度で建物の状態を保てていると感じているため、今のペースを続けたいと思っています。遠方のため頻繁に通うことが難しいので、無理のない範囲で維持するのが現実的だと考えています(60代以上 男性)
全体としては、大きな問題などが起こっておらず、頻度を高める必要を感じていない人が多いとわかります。
また頻度を高めると負担が重くなってしまうため、「現状では今の頻度が精いっぱいなので、負担を今以上に増やしたくない」という声もありました。
一方で減らしたくもない理由としては「トラブルを防ぎたいから」が挙げられています。
空き家の管理頻度を増やしたい理由は「トラブルを防ぎたい」

空き家の管理頻度を増やしたい理由の1位は「トラブルを防ぎたい(19.4%)」です。
以下、2位「家財を片づけたい(13.9%)」、3位「活用予定がある(11.1%)」となりました。
- 現在の管理頻度は月に2回。雑草などは日があくとすぐ伸びてしまい、除去が大変になってしまう。部屋の換気もマメにしないと、カビなどが発生してしまいそう(30代 女性)
- 2か月に1回行っている。もっと中を片づけたい(40代 男性)
- 年2回行っている。老後に居住予定なので、できる限り維持するため(40代 女性)
- 頻度は月に2回程度。いずれは誰かに住んで欲しいと思うので、手入れをきちんとしておきたいと思います(40代 女性)
- 換気や庭の手入れをしない期間が長いと、建物の傷みや害虫が心配だからです。現在は半年に1回程度ですが、できれば3か月に1回は状態を確認したいです(60代以上 男性)
現在の管理頻度では不十分だと思っていて、もっと頻繁に管理に行きたいと考えている人もいます。
理由としては「トラブルを防ぎたい」「家財整理など、やりたいことがある」などが挙げられました。
また将来的に空き家に住むなどの活用予定がある場合にも、資産として大切に考える気持ちから、より手入れを行いたいという気持ちになります。
空き家の管理頻度を減らしたい理由は「手間がかかる」

空き家の管理頻度を減らしたい理由として最も多かった回答は、「手間がかかる(29.0%)」で、3割近くの人が挙げています。
以下3位までは、2位「空き家が遠い(22.6%)」、同率3位「費用がかかる(19.4%)」「体力的に厳しい(19.4%)」となりました。
- 3か月に1回行っている。交通の便が悪い場所にあり、行くのが大変だから(30代 女性)
- 月に2回行っている。めんどくさくなってきたから。「誰か管理してくれないかな?」と感じることがある(40代 女性)
- 週に1回管理している。自分で手入れする限界を超えるくらい庭木があるので、業者に頼んで剪定してもらったりして、行く頻度を減らしたい(40代 女性)
- 月に1~2回程度の頻度で管理に通っていますが、自宅から空き家までの距離があり、移動の手間や費用がかかります。また体力的にも毎月の清掃や草むしりをひとりでするのが難しくなってきたからです(40代 男性)
- 現在は月に1~2回くらいだが、移動の交通費がバカにならない(60代以上 男性)
空き家の管理に、手間や費用、労力などがかかるため、管理の頻度を減らしたいと考えている人が多くいます。
とくに空き家が遠方にあったり管理を担う人が高齢になって体力が落ちてきたりすると、負担は大きく感じられると推測できます。
なお「自分ではできないから、業者に頼みたい」など、外注しながらの空き家管理を模索している人もいるとわかりました。
空き家の管理に行くのをやめたい理由も「手間がかかる」

空き家の管理に行くのをやめたい(売却・解体・手放したい)理由の1位も「手間がかかる(28.4%)」でした。
2位「空き家が遠い(25.9%)」、3位「費用がかかる(22.2%)」が、20%以上で続きます。
同率4位は「管理する時間がない(13.6%)」「活用予定がない(13.6%)」でした。
- 管理頻度は月に1回。手間がかかるし、いつまで自分で管理できるかどうかわからないから(40代 女性)
- 何か問題を見つけたら、それはそれで面倒が増えるから(50代 女性)
- 頻度は月に1回。遠方への移動にかかる時間や交通費の負担が大きく、体力面でも自分で手入れを続けて維持することに限界を感じている(50代 男性)
- 管理費や固定資産税などもったいないから、少しでも早く売却したい(40代 男性)
- もう住むことはなく、維持する必要がないため(30代 女性)
上位3位までは「空き家の管理頻度を減らしたい理由」と同じ結果となっていて、空き家管理が負担になるので、やめたいという考えが読み取れます。
とくに「将来的に自分や親戚が住む」「賃貸化を考えている」といった活用予定がないと、手間や費用をかけて維持する目的が見えにくくなりますね。
住む予定もないのにしんどい思いをするくらいなら、手放して負担から解放されたいと考える人も多いと推測できます。
まとめ
今回のアンケート調査では、空き家所有者が空き家に行く頻度は「月1回」が最多でした。
ただ空き家が遠方にあったり自身が年齢を重ねてきたりすると、頻度が落ちてしまうこともあります。
空き家まで行くことがまず大変だったり、庭の手入れや掃除が重労働に感じられたりするからです。
そのため「管理頻度を減らしたい」「管理をやめたい(空き家を処分したい)」という人も多くいました。
一方アンケートでは、「兄弟姉妹と交代で管理している」「近所の人にお金を払って、管理の代行をお願いしている」という声も。
周りの力を借りながら、無理のない範囲で管理頻度を高くしたり維持したりする工夫もできるとわかりました。
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