再建築不可物件の要件をカンタン解説
再建築不可物件とは、いま建っている家を解体すると建て替えができない物件のことです。
一般的には、建築基準法上の「接道義務」を満たしていないことが原因で再建築不可物件となっています。
接道義務とは、建築基準法43条で定められている要件の1つです。
道路の幅が4m以上・接道間口が2m以上で、なおかつ接する道路が建築基準法上で定義された道路でなければ、再建築不可物件に該当してしまいます。
再建築不可物件が発生する原因には、法律が制定されたタイミングが関係しています。
建築基準法が1950年にでき、その後、1968年に都市計画法が制定されたため、それより以前に建設された建物が、再建築不可物件として存在しているのです。
このように、当時の法基準には適合していたものの、新しい現行法の基準に適合しない建物のことを「既存不適格物件」とも呼びます。
再建築不可物件でのアパート経営のメリット・デメリット
再建築不可物件でのアパート経営をするメリットとデメリットを順番に解説します。
メリット
まずは、再建築不可物件でアパート経営をするメリットから見ていきましょう。
購入コストが安価
再建築不可物件の1番のメリットはなんといっても、購入価格が安いことでしょう。
どれくらい安くなるかは、物件の状況により異なるため一概に言えませんが、市場価格の半値程度で売り出されることも珍しくありません。
都心部や好立地物件など、通常の金額ではなかなか購入できないような不動産も、再建築不可物件であれば、市場価値が低いため、安く購入しやすいです。
固定資産税が安価
税法上の評価額も再建築ができないことによる減点がされるため、毎年の固定資産税が通常の物件と比べて安価です。
固定資産税は、土地と建物それぞれの評価額に1.4%を乗じた「固定資産税評価額 × 1.4%」の計算式で算出されますが、再建築不可物件は、土地と建物の両方に減点がされ、評価額が安くなります。
また、建物には経年劣化に応じて減価する「経年減価補正率」が設定されています。
家屋の築年数が45年を過ぎると評価額が新築価格の2割まで下がる制度で、再建築不可物件のほとんどが築40〜50年を迎えているため、さらに固定資産税が安くなるのです。
固定資産税の金額は、毎年4〜6月に所有者あてに送付される固定資産税通知で確認できます。
購入前であれば、固定資産税額を場合は購入の相談をしている不動産業者に問い合わせてみましょう。
売却は難しいが賃貸なら可能
再建築不可物件は建て替えができないことから、通常の物件と比べて売却が困難です。
不動産の購入を検討している多くの買い手は、生涯を終えるまでそこに住むことを想定しており、いつ寿命を迎えるかわからない再建築不可物件は選ばれにくいからです。
しかし、賃貸であれば問題なくアパート経営は成立するでしょう。
一生住むわけではない借主にとっては、再建築不可でも通常の物件でも住みやすさに大差は生じないからです。
前述した通り、再建築不可物件は築古物件であるため、内装がきれいに修繕されていれば、問題なく入居は決まるでしょう。
デメリット
次に、再建築不可物件でアパート経営をするデメリットを解説します。
購入時にローン利用が難しい
そもそも法律に違反して建築されている物件を「違反建築物」、建築当初は適法だったのに法改正によって現行上の法律に則さない物件を「既存不適格建築物」と言います。
外的要因で仕方なく法律に適合しなくなった既存不適格建築物であっても、物件購入時にローンの利用は難しいです。
建て替えができない再建築不可物件で担保を設定したところで、資金回収につながらなければ、担保の意味がないからです。
担保評価の低い再建築不可物件には、金融機関も融資を降ろさない傾向にあり、購入時の費用を自己負担しなければならなくなる可能性があります。
災害や老朽化による倒壊時のリスクが高い
再建築不可物件は、一度倒壊したら、基本的に二度と建て替えできません。
倒壊した理由が地震や津波など自然災害によって起きてしまった事故であったとしてもです。
そのため、再建築不可物件に住む人はリフォームしながら、寿命を待つことになります。
リフォームも、建築確認申請が不要な範囲におさめなければならないため、建物の躯体に手を加えるような、根本的なリフォームはできません。
災害や経年劣化によって倒壊した際のリスクが大きいです。
リフォーム代が高額になりがち
再建築不可物件は、道路付け状況が悪いので、作業車などの大型車の侵入が困難なケースがほとんどです。
車が入れない道路は人力で資材の搬入や工事作業を行うため、定期的な修繕費用が高額になりやすいです。
リフォームの範囲や頻度によっては、新築物件と変わらない工事費用になるでしょう。
売却が難しい
先ほども軽く触れましたが、再建築不可物件は一般個人の買主に向けての売却が困難になります。
個人買主は終の棲家を探しており、寿命を迎えたときに建て替えできない不動産を選ばないからです。
また、同じく賃貸オーナーに売却する手もありますが、再建築不可物件は建物の残り寿命が肝心で、築年30年を境に売却がかなり難しくなっていきます。
アパート経営に向いている再建築不可物件の探し方
この章では、賃貸経営に向いている再建不物件の探し方を解説します。
順番にポイントを見ていきましょう。
また、以下のポイントに逆に当てはまらない物件をお持ちであれば、賃貸を継続するのはリスクが大きいため、売却してしまうなどの選択が堅実です。
「自分が手放そうと思っている物件を欲しがる業者はいるのか?」と疑問を抱くかもしれません。詳しくは後述しますが、再建築不可物件のような訳あり物件を取り扱っている専門の買取業者であれば、買い取りはもちろんのこと、高額で売却できる可能性も高いです。
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築年数が浅い
寿命を迎えると建て替えのできなくなる再建築不可物件は、残り寿命が重要です。
築浅であればあるだけ、購入費用を回収できます。
具体的には、築20年未満だと安全です。定期的なメンテナンスを行っておけば、30~40年程度は、賃貸として活用できるでしょう。
立地条件の良い物件
賃貸活用していくとなると、立地条件を当然見なくてはなりません。
住宅需要のある立地なのか、厳選しましょう。
たとえば、都市部であれば駅まで徒歩10分圏内・地方部ならば、市街地まで車で10分圏内に位置するような物件は好立地です。
そのほかにも、商業施設やコンビニなど、生活に便利な施設が近くにあるかなどをチェックしましょう。
セットバック可能な物件
再建築不可物件でも、セットバックできれば将来建て替えできる可能性が高いです。
セットバックとは、接道義務を果たすために、敷地の一部を後退させて前面道路の幅員を広げることです。
現状の土地を見て後退可能かチェックしておきましょう。
セットバックについての詳細は、以下の記事で解説しています。
但し書きによる建築許可が見込める物件
但し書きとは、43条但し書き道路のことで、建築審査会の許可を得ないと建て替えのできない道を指します。
ただし、所有する不動産が幅員4m以上の道と2m以上接しており、なおかつ国土交通省が規定する基準をクリアしていれば、建築審査会の許可は不要になります。
国土交通省が規定する基準は、下記の3つです。
- 敷地の周囲に公園や緑地、広場など広い空地がある。
- 敷地が農道と2m以上接している建物。もしくは敷地と接している道が多くの人が利用する道(幅員4m以上のものに限る)で、その道と2m以上接している。
- 敷地と接している道が避難および通行の安全などの目的を達成するために十分な幅員が設けられている。
43条但し書き道路の詳細と申請手順は、こちらの記事で解説しています。
再建築不可物件のアパート経営の落とし穴
不動産会社の営業担当者は、下記のように再建築不可物件をおすすめするケースがありますが、落とし穴もあります。
再建築不可物件のアパート経営に、どのようなデメリットがあるか詳細を見ていきましょう。
安く仕入れる事ができても保有コストが高い
「購入費用が安価なのですぐに回収できますよ」といったセールストークには注意が必要です。
もちろんそのとおりですが、再建築不可物件は築数十年がすでに経過している築古物件がほとんどです。
入居付けをするには、ある程度のリフォームは必要であり、老朽化が進んでいればリフォームにかかる費用はいっそう高額になります。
ランニングコストが通常物件よりかかってしまうため、保有コストの存在を忘れてはなりません。
仕入れ値だけを見て購入してしまうと、いつまでも収支が合わなくてアパート経営が破綻してしまいます。
「隣地を購入すれば建築可能に」は難しい
営業担当者から、「いざ寿命を迎えたら、隣地所有者に交渉して隣地を買い取れば再建築ができるので、高額で売り出せますよ」と、言われることもあります。
しかし、当然そのような簡単な話ではありません。
隣地を買い取れるのは基本的に、そこの所有者が亡くなるなどした場合に限られます。
亡くなった場合は、相続人に話をもちかけることで売却してもらえる可能性もありますが、そのタイミングで人が亡くなったり、売却の話がもち上がることは限りなくゼロに近いです。
「更地にすれば駐車場にできる」も難しい
「寿命を迎えたら、建て替えできなくても駐車場にすれば収益が得られますよ」と言われる場合もありますが、難しいと言えます。
再建築不可物件は道路付けが悪いため、車両の侵入が難しいケースがほとんどです。
そのような土地が、駐車場として満足に収入を得られるかは怪しいと言えるでしょう。
アパート経営の継続が難しい再建築不可物件は専門の買取業者へ
再建築不可物件は通常の物件よりも保有コストが高く付きがちなので、投資物件として収支が合わなければ、売却してしまうのがおすすめです。
ただ、上記でも解説しましたが、再建築不可物件は一般の買い手へ売却が難しいです。
売却するのであれば、再建築不可物件専門の不動産買取業者に相談しましょう。
そもそも買取業者は、普通の不動産会社のように買い手を見つけるのではなく、事業として買い取った物件を業者が再生して、収益化します。
再建築不可物件を再生するノウハウに長けているため、普通の不動産会社が、買い取りを断ったり、タダ同然の金額でしか買い取れない物件に、適正価格をつけて買取可能です。
業者の公式サイトで買取実績を見れば、再建築不可物件を取り扱っているかがわかります。
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まとめ
今回の記事では、再建築不可物件でアパート経営をするメリットやデメリット、投資向き物件かどうかの見極め方を解説しました。
購入した再建築不可物件を売却するのであれば、弊社をはじめとした訳あり物件に強い専門の買取業者に見積もりを取りましょう。
少しでも好条件で売却するために、目安として3社以上に相見積もりを取ることをおすすめします。
当サイトを運営しております弊社AlbaLink(アルバリンク)は、2011年から不動産業を営み、全国の買い手が付きにくい訳あり物件を買い取ってまいりました。
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