都市計画税がかからない地域はどこ?
都市計画税がかからない地域は、市街化調整区域と都市計画区域外の地域になります。
引用元:増田登記測量事務所|開発許可
都市計画税は、市街化を進める都市計画事業や土地区画事業の費用に充てられる税金です。
そのため、市街化を抑制すべき市街化調整区域と都市的な活動が展開される可能性がない都市計画区域外には、都市計画税は課税されないのです。
詳しくは、「都市計画税とは」をご覧ください。
市街化調整区域
市街化調整区域とは、都市計画区域における市街化を抑制すべき区域のことです。
市街化調整区域には、人が住むための住宅などの建物の建設を原則禁止しているエリアのため、都市計画税の目的とは異なるのです。
そのため、市街化調整区域内にある建物などの不動産には、原則都市計画税がかかりません。
都市計画区域以外の地域
都市計画区域以外の地域は、都市計画制度の射程外のエリアとなっているため、市街化調整区域と同様に都市計画税は課税されません。
参照元:都市計画税【総務省】
また、都市計画区域以外の地域には、準都市計画区域と呼ばれるエリアも存在します。
準都市計画区域とは、将来において都市としての整備、開発が見込まれる場合に、環境を保全するために設ける地域のことです。
準都市計画区域は、将来市街化される可能性はありますが、市街化を進めるエリアにはまだなっていないため、都市計画税がかかりません。
【都道府県別】都市計画税がかからない地域は?
基本的には、市街化区域では都市計画税がかかりますが、都市計画税が課税されない地域もあります。
市街化区域については、後ほど詳しく解説します。
この章では、都市計画税がかからない地域をいくつか紹介します。
【東京都】都市計画税 かからない地域
以前は東京都の市街化区域の中で、狛江市と青梅市は都市計画税が非課税でした。
参照元:都市計画税徴収市区町村の属性把握
ただ、令和6年現在ではどちらの市も都市計画税が課税されるようになっています。
しかし、狛江市については償却資産(土地・家屋以外の事業用の機械や構築物)については非課税のままです。
また、青梅市につていも、東日本大震災で被害を受けた家屋については都市計画税を軽減するとしています。
上記に当てはまる方は、一度市役所に問い合わせてみましょう。
【千葉県】都市計画税 かからない地域
千葉県では、浦安市が都市計画税が課税されない地域です。
浦安市は千葉県より千葉県浦安市 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針が決定されています。
参照元:浦安市|浦安の都市計画
本来であれば、地方税法の規定を満たしているため、徴収されるべき地域といえます。
固定資産税、都市計画税などの地方税について定めた法律
地方税法の規定では、「都市計画事業や土地区画整理事業の費用に充てるために、市街化区域にある土地や家屋の所有者に都市計画税を課すことができる」となっているのです。
しかし、実際には浦安市では都市計画税が徴収されていません。
浦安市が都市計画税を課税しない理由については公表されていませんが、都市計画税を徴収しなくても他の自治体よりも税収が多いことが考えられます。
浦安市には、東京ディズニーランド&東京ディズニーシーがあり、運営しているのは、浦安市ではなく株式会社オリエンタルランドですが、東京ディズニーランドなどのおかげで税収がアップしていることが影響している可能性があります。
【愛知県】都市計画税 かからない地域
愛知県では、弥富市や愛西市、蟹江町などで都市計画税がかかりません。
しかし、2023年12月に蟹江町は、2025年4月から都市計画税を導入する方針を明らかにしました。
財政事情が苦しいため、1993年度までで廃止していた都市計画税を復活させ、道路や公園などの都市基盤整備に充てられます。
市町村によって、それぞれ財政事情は異なりますが、今後は蟹江町などのように財政難で都市計画税を復活させるところが増えてくるかもしれません。
【その他】都市計画税 かからない地域
県庁所在地であっても、以下の地域では都市計画税がかかりません。
- 青森県青森市
- 秋田県秋田市
- 香川県高松市
- 愛媛県松山市
- 高知県高知市
- 沖縄県沖縄市
香川県では以前は、市街化区域・市街化調整区域の線引きがされていましたが、2004年から県内全域が非線引き地域になっています。
そのため、県庁所在地であっても都市計画税を徴収されないのです。
非線引き地域については、後ほど詳しく解説します。
沖縄県と高知県には都市計画税がない
沖縄県と高知県では、すべての市町村で都市計画税がかかりません。
公益社団法人 日本都市計画学会の研究によると、沖縄県と高知県では少なくとも昭和44年から都市計画税を一度も徴収していません。
市町村が都市計画税を徴収しない理由は大きく以下の2つがあります。
- 市街化区域内でも都市計画事業の実施に差がある
- 同じ市街化区域内でも都市計画における事業が異なり、不公平感を生むため
- 都市計画税を課税するか議論していない
- そもそも都市計画税の趣旨を理解しておらず、徴収されていない
参照元:公益社団法人 日本都市計画学会|都市計画税の課税実態と人口減少期の都市計画事業を考慮した課税手法に関する研究
仮に沖縄県と高知県で都市計画税が徴収され、都市計画事業に使われていたら、街並みが変わっていたかもしれません。
都市計画税とは
都市計画税とは、市街化区域内に不動産を所有している人に対して課税される税金のことで、市町村などの自治体が都市計画事業や土地区画整理事業を行うための費用に充てられます。
参照元:総務省|都市計画税
都市計画税は原則として、毎年1月1日時点で市街化区域内に土地や建物などの不動産を所有している人に課せられ、固定資産税と同様に4期に分けて納めることが一般的です。
都市計画税の対象になる地域
都市計画税がかかる地域は、以下の2つのエリアです。
- 市街化区域
- 非線引き区域
それぞれ詳しく解説します。
市街化区域
市街化区域とは、都市計画法で指定されている都市計画区域のひとつで、すでに市街地になっている区域と、おおむね10年以内に優先的、計画的に市街地として整備を図るべき区域のことです。
2022年の国土交通省の調査によると、市街化区域は年々少しづつ増加しており、日本の国土全体の約3.8%ほどになっています。
市街化区域は、都市計画法で指定されている都市計画区域のひとつで、一般的に都道府県で指定されます。
非線引き区域
非線引き地域とは、都市計画区域内において、市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない区域のことです。
都市計画区域内では、市街化区域と市街化調整区域に分けられますが、都市部ではない地方の場合は、市街化区域を定めていないところもあります。
地方の都市では、自然が多く存在しているため、明確に線引きすることが難しいのです。
市街化区域と市街化調整区域の判断が難しいため、一旦保留とし、非線引き区域となります。
ただし、非線引き地域は将来的には都市開発を進める地域となります。
都市計画税の計算方法
都市計画税は以下の計算式で算出できます。
参照元:総務省|都市計画税の計算方法
固定資産税評価額とは、固定資産税の基準となる評価額のことで、固定資産税評価基準に基づいて各市町村が算定します。
固定資産税評価額は、土地の場合は公示価格の70%程度、建物の場合は新築時の建築費用の50〜70%程度が目安といわれています。
公示価格とは、適正な地価を算出するために国土交通省が公表している土地の価格のことで、土地の売買や資産を評価する際の目安として活用されます。
税率については、市町村の条例で決めることが可能ですが、0.3%が上限とされています。
また、住宅として使用する土地であれば、「住宅用地の課税標準の特例措置」が適用され、以下の図のように減額されます。
住宅用地における固定資産税や都市計画税の軽減措置のこと
参照元:国土交通省|土地の保有に係る税制
実際に都市計画税がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。
【土地の固定資産税評価額2,000万円、建物の固定資産税評価額1,000万円、税率0.3%、土地の広さ175㎡の場合】
土地の都市計画税=2,000万円×0.3%×1/3=20,000円
建物の都市計画税=1,000万円×0.3%=30,000円
都市計画税=50,000円
上記の場合の都市計画税は、合計で50,000円になります。
都市計画税の対象かどうかの調べ方
所有する不動産が都市計画税の対象になっているかの調べ方は、以下の2種類があります。
- インターネットで確認する
- 自治体によっては都市計画情報を公開しているため、「地域名×都市計画」などで検索する
- 自治体で確認する
- 市街化区域に該当するかは、都市計画課などの自治体の担当部署でも確認できる
都市計画税の平均的な納税額
都市計画税の平均的な納税額は、30,000~70,000円といわれています。
東京都主税局の調査によると、2017年の東京23区における固定資産税と都市計画税の平均的な合計負担額は、土地は約1,400円/㎡、建物では約980円/㎡でした。
参照元:東京都主税局|東京都特別区と他都市との固定資産税負担等の実態比較調査 報告書(平成29年3月)
固定資産税は固定資産税評価額×1.4%で算出できるため、都市計画税の税率を0.3%とすると、土地は約247円/㎡、建物は約173円/㎡となります。
たとえば、一般的な住宅として土地面積175㎡、建物延床面積100㎡の住宅だと仮定すると、
土地の都市計画税=247円×175㎡=43,225円
建物の都市計画税=173円×100㎡=17,500円
都市計画税=60,725円
東京23区における一般的な住宅の都市計画税は約6万円になります。
都市計画税を支払いたくないなら「売却」が最適!
相続などで所有することになった不動産は、活用していなくても、持っているだけで都市計画税がかかります。
今後も活用する予定がなければ、売却することをおすすめします。
活用していない不動産でも売却すれば、まとまった資金を得ることが可能です。
都市計画税を払う前に売却するべき
都市計画税は、毎年1月1日時点での所有者にかかる税金です。
そのため、都市計画税が課税される1月1日より前に売却しましょう。
たとえば、今年の12月に売却すれば今年度までの都市計画税は支払う必要がありますが、来年度の税金はかかりません。
年を越えてしまうと来年度の都市計画税も課税されてしまうため、早めの売却が必要といえます。
都市計画税がかかる不動産の2つの売却方法
不動産の売却方法として、以下の2つが挙げられます。
- 築浅で立地が良いなら仲介業者に売却を依頼する
- 築古で立地が悪いなら専門の買取業者に売却する
所有する不動産の特徴によって、適した売却方法が異なるため、それぞれ詳しく解説します。
なお、仲介と買取の違いについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
築浅で立地が良いなら仲介業者に売却を依頼する
所有する不動産の立地が良く、築年数も20年以内であれば、仲介業者に売却を依頼しましょう。
売却相場に近い金額で売れる可能性が高いため、おすすめの売却方法といえます。
仲介業者に売却を依頼する場合は、一般の市場から買い手を探します。
そのため、一般の買い手が購入したいと考える条件の物件であることが必要なのです。
一般の買い手は、中古物件を選ぶ際に、できるだけ費用をかけずに、すぐに住める住宅を好む傾向にあります。
実際に弊社が行ったアンケート調査(下図参照)によると、「家の購入で優先したこと」について、約7割の人が立地を優先しています。
さらに、築年数に関してもこだわっており、弊社が別で行ったアンケート調査(下図参照)では、築20年以内を希望している人が、8割を超えている結果となりました。
つまり、築20年以内の好立地にある不動産は、一般の買い手が求める条件に合致するのです。
たとえば、築年数が19年で最寄りの駅まで徒歩8分の住宅であれば、売却相場で売れる可能性が高いといえるでしょう。
所有する不動産が築浅で、立地も良ければ、仲介業者に査定を依頼しましょう。
築古で立地が悪いなら専門の買取業者に売却する
一方、築年数が古く、立地も悪ければ、専門の買取業者に売却することをおすすめします。
たとえば、築年数が30年、最寄り駅まで車で10分かかるような不動産であれば、仲介業者に売却を依頼してもなかなか売れないでしょう。
専門の買取業者であれば、一般の買い手が敬遠する不動産であっても、問題なく買い取ってくれます。
専門の買取業者は、築年数が古い物件であっても、最低限のコストで再生させて再販して、利益を上げる不動産会社です。
築年数が古く、立地が悪い物件であっても、付加価値をつけて再生させるノウハウを持っているため、高値での買取が可能なのです。
また、専門の買取業者に売却すれば、契約不適合責任を免責できます。
契約不適合責任とは、欠陥や不具合に対して買主に負う責任のことです。
参照元:e-Gov法令検索|民法第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
仮に仲介業者に依頼して売却できたとしても、契約書に記載していない欠陥や不具合が発見された場合は、損害賠償請求されたり、最悪のケースでは契約解除されたりといった可能性があるのです。
しかし、専門の買取業者であれば、契約不適合責任を免責して契約することが可能です。
不動産のプロである専門の買取業者は、現地確認で欠陥や不具合を見抜けるため、契約不適合責任を免責できるのです。
そのため、築年数が古い住宅であっても、契約不適合責任を免責したうえで契約できるため、物件の引渡し後も安心できるでしょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)は、築年数が古い住宅であっても契約不適合責任を免責して積極的に買い取っている買取業者です。
売れにくい不動産を専門に取り扱っている弊社は、仲介業者に売却を依頼しても売れない住宅をスピーディーに、高額で買い取っています。
その結果、多くのお客様から感謝のお言葉をいただいております(下記Googleの口コミ参照)。
また、弊社はお客様から高い評価をいただいているだけでなく、「上場している不動産買取業者」として、社会的信用も得られていると自負しています。
査定依頼をいただいても、無理な営業は行いませんので、ぜひ一度弊社の無料買取査定をご利用ください。
まとめ
今回は、都市計画税がかからない地域について詳しく解説しました。
市街化区域であっても、地域によっては、都市計画税がかからないエリアがありますが、基本的には、課税される地域が多いでしょう。
相続などで所有することになった不動産を活用する予定がないのであれば、無駄な税金を納めなくて済むため、売却しましょう。
ただし、所有する不動産が築年数が古く、立地も悪い住宅の場合は、仲介業者に売却を依頼しても売れません。
一般の買い手が敬遠するような物件であれば、専門の買取業者に売却することをおすすめします。
都市計画税は毎年1月1日時点に所有している人に課税されるため、早めに専門の買取業者に相談しましょう。
弊社AlbaLink(アルバリンク)では、全国の売れにくい不動産を積極的に買い取っています。
実際に空き家などの訳アリ物件を専門に買い取る業者として、フジテレビの「イット」をはじめとする各メディアにも取り上げられています。
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