不動産の買取保証に関する基本情報
最初に、不動産の買取保証とはどのようなものなのか、仲介・即時買取との違いや注目される背景も交えながら紹介します。
買取保証とは
不動産の買取保証とは、売却活動を行っても一定期間内に買主が見つからなかった場合に、不動産業者があらかじめ提示した金額で物件を買い取る制度です。
これにより、売却の成約に至らないリスクを軽減できるのがポイントです。
たとえば、3か月以内にマンションの売買が成立しなければ、事前に提示された買取価格で不動産業者が買い取ってくれるため、売主である自分は資金計画や住み替えスケジュールを安心して立てられます。
実際、転勤や相続などで売却時期が限られるケースでは、時間に余裕のない売主にとって心強い制度となっています。
このように、買取保証は売れない不安を解消し、一定の金額で現金化できるのが最大の特徴です。
仲介・買取の違い

不動産の売却方法には、主に以下の3つがありますが、それぞれの違いを理解しておくことが重要です。
| 仲介 |
|
| 即時買取 |
|
| 買取保証 |
|
このように買取保証は、仲介と即時買取の中間に位置するため、現金化までの流れが明確で、仲介の期間中は高値で売却できる可能性があります。
買取保証が注目される背景
近年、不動産の買取保証が注目されている背景には、売却までのスピードと安心感を求める傾向が強いことが挙げられます。
特に、住み替えや転勤、相続などによって売却期限が限られているケースでは、計画的な資金確保が必要です。
たとえば、住宅ローンの返済と新居購入を同時に進める必要があった際、買取保証制度を利用することで、旧宅の売却価格が確定しているため、つなぎ融資の手配や資金計画をスムーズに進められます。
また、住宅市場の価格が変動しやすい今の時代において、不動産売却のリスクを減らしたいという声が高まっていることも要因の一つです。
このように、仲介での売却が成立しなかった場合であっても、「保証があるから大丈夫」という心理的な支えが、買取保証制度の需要を後押ししています。
不動産の買取保証を利用する5つのメリット
買取保証について簡単に解説しましたが、ここからは利用するメリットを紹介します。
それぞれ順を追って解説します。
売却スケジュールや資金計画が立てやすい
不動産の買取保証を利用するメリットの一つとして、売却スケジュールと資金計画を明確に立てられる点が挙げられます。
一定期間で販売活動を実施したものの、売却が成立しなかった場合は、不動産業者が事前に提示した買取価格で不動産を買い取ってくれるため、資金や住み替え計画が確定します。
たとえば、転勤で引っ越しが決まっており、売却と購入のタイミングが合わずに悩んでいても、買取保証を利用したことでスケジュールと予算の見通しが立ち、新居の取得にもスムーズにつなげることが可能です。
このように、買取保証は売却の成否にかかわらず、最終的な金額と時期が明確になることで、売主にとって安心材料となります。
仲介手数料がかからない

買取保証を利用した際に即時買取へ移行すると、通常の仲介取引とは異なり仲介手数料が発生しません。
仲介では売買契約成立時に、以下の仲介手数料がかかります。
| 不動産の売却価格 | 仲介手数料の上限額 |
| 200万円以下 | 売却価格×5%+消費税 |
| 200万円超〜400万円以下 | (売却価格×4%+6万円)+消費税 |
| 400万円超〜 | (売却価格×3%+6万円)+消費税 |
参照元:公益財団法人 全日本不動産協会 埼玉県本部「不動産売買の仲介手数料はいくら必要?計算方法や値引き交渉の可否などを徹底解説!」
ただし、買取となった場合は仲介手数料が発生しないため、その分の費用を抑えることが可能です。
契約不適合責任が免除される
買取保証を利用して不動産業者が買主となる場合、多くのケースで売主は、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を免除されます。
たとえば、築年数の古い一戸建てを所有し、売却後に万が一トラブルが発生しても、不動産業者が直接買い取る形であれば、買取後に想定外の修繕責任を問われる心配がなくなります。
このように、契約不適合責任の免除は、売主にとって精神的な負担を軽減でき、トラブルを未然に防げます。
引き渡しまでトータルサポートしてくれる
買取保証を提供する不動産業者の多くは、売却活動から引き渡しまでを一貫してサポートしてくれます。
トータルサポートがあることで、売主にとって手間を減らすことができ、初めて売却する方にとっても安心して取引を進めることが可能です。
具体的には、買い手探しはもちろん、内覧の対応や契約書類の準備などもトータルで対応してます。
そのため、手続きや法的な注意点を一から学ばなくても、不動産業者のサポートにより、的確な判断と行動ができます。
仲介期間中は市場価格で売れる
買取保証では、仲介期間中に市場価格での販売を試みることが可能です。
これにより、高値での成約するチャンスを確保しつつも、売れなかった場合の保証も得られます。
特に、市場価格の把握が難しい地域や物件に対して効果的です。
このように、買取保証は高く売れる可能性と売れなかったときのリスク回避を両立できる、柔軟な売却方法といえます。
不動産の買取保証を利用する4つのデメリット
不動産の買取保証は、仲介と即時買取の要素を混ぜたメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットも考慮したうえで、買取保証を利用するか検討しましょう。
相場より低い価格で売却になる可能性がある
不動産の買取保証では、一定期間内に仲介で売却できなかった場合、不動産業者が提示する買取価格で物件を買い取ります。
その買取価格は、市場価格よりも低めに設定されるのが一般的であるため、利益が減少する傾向です。
よって、安心して現金化できる反面、「市場価格で売れたかもしれない」という後悔が残るリスクがあります。
あらかじめ、複数の不動産業者から査定を取り、買取価格と相場の差をしっかり把握することが大切です。
不動産業者を途中で変更できない

買取保証を利用する場合、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を結ぶのが基本です。
これらの契約は一般媒介契約と異なり、担当業者の営業力や対応に満足いかない場合であっても、一定期間内は他の不動産業者への変更ができません。
仮に地域に精通した営業担当者でなかった場合、販売力に差が出て売却価格が低くなる可能性も否めません。
このように、契約によって自由度が制限される点は、買取保証のデメリットのひとつです。
契約前に信頼できる不動産業者かどうかを見極め、担当者の実績や過去の成約事例を確認してから依頼しましょう。
積極的に販売活動を行わないリスクがある
買取保証付きの仲介では、不動産業者が最終的に買い取る前提で契約しているため、仲介期間中に積極的な販売活動が行われない傾向です。
特に、成約よりも保証価格での買取を前提とした動きにシフトしてしまうケースがあります。
もしかしたら、営業担当者が積極的ではないために制限物件の魅力が市場に伝わらず、早期成約のチャンスを逃す可能性があります。
このように、買取保証を理由に不動産業者が販売に消極的になることは、売主にとってデメリットです。
契約時に「どのような販売戦略を取るのか」「どの広告媒体に掲載されるのか」など、具体的な活動内容を確認し、透明性のある契約内容を選ぶことが大事です。
保証条件によっては対象外の物件がある
買取保証にはさまざまな条件が設けられており、すべての不動産が対象になるわけではありません。
実際に、建物の立地や築年数、構造や敷地の権利関係などにより、保証の対象外となることがあります。
たとえば、以下のような不動産は買取保証の利用が難しい場合があります。
このように、買取保証の対象となるかどうかは物件によって異なり、買取保証を活用したくてもできないケースがあるのが事実です。
査定の段階で保証対象になるかどうかをしっかり確認し、必要に応じて他の売却方法と比較検討しましょう。
不動産の買取保証が向いている人の特徴
不動産の買取保証のメリットを踏まえると、向いている人の特徴は以下のとおりです。
それぞれ順を追って解説します。
転勤や住み替えなどで期限がある
不動産の買取保証は、売却に明確な期限がある方にとって最適な制度です。
具体的には、住み替えや転勤などがあってスケジュール通りに売却を進めたい方は、買取保証を利用することで売却活動が長引くことを防止できます。
相続や離婚で早く現金化したい
不動産を早く現金化したいというニーズを持つ方にとっても、買取保証はおすすめな選択肢です。
たとえば、相続で取得した土地を早急に処分し、相続税や相続者間の分配に充てたいと考えている場合は有効です。
相続や財産分与などの事情がある場合、買取保証は速やかに現金化でき、安心感を得られます。
そのため、売却に伴う負担を減らし、より前向きに次のステップへ進められるでしょう。
売れない心配をしたくない
売れなかったらどうしようという不安を抱えている方にも、買取保証は向いています。
不動産売却は、いつ売れるか分からない不透明な側面があります。
そのため、以下のような方にも有効といえるでしょう。
- 資金やスケジュールの計画を立てて売却を進めたい方
- 売却できない可能性への備えを重視したい方
- 売れないリスクを最小限に抑えたい方
- 安心して売却を進めたい方
買取保証は、不動産業者が一定額での購入を約束するため、売却確定による安心感は大きなメリットといえます。
不動産の買取保証を依頼する流れ
不動産の買取保証制度を活用するには、あらかじめ以下のようなステップを踏んで、手続きを進める必要があります。
どのような流れで進めるのかを理解しておくことで、スムーズな売却や計画的な資金確保が可能です。
不動産業者を選定する

買取保証を利用する際は、最初に信頼できる不動産業者の選定が欠かせません。業者によっては、その後の売却活動や買取価格に大きく影響します。
具体的には、以下のポイントを押さえて、1つの業者を選ぶことが大事です。
- 買取保証の取り扱い実績があるか
- 地域に詳しくエリア特化型であるか
- 査定価格と買取保証額は妥当か
- 担当者の対応や説明が丁寧であるか
- レインズへの登録や販売活動の内容はどうか
- 第三者による口コミや評判はどうか
- 契約内容は透明性があるか
このように、買取保証を成功させるためにも、上記のポイントを踏まえて業者を選定し、納得のいく会社に依頼しましょう。
その際、悪質な不動産買取業者を選ばないためにも、以下の記事を参考にして、詐欺の手口を確認しましょう。

不動産の査定を依頼する
不動産業者を決定したら、次に行うのが査定の依頼です。
査定では、物件の市場価格や買取価格が提示され、売却活動の方針が定まります。無料で実施されるケースが多く、複数の不動産業者に依頼して比較検討するのが有効です。
こうした査定結果は、業者を選定するうえで売却価格の目安や買取価格を知るための、重要な判断材料となります。
媒介契約を締結する
査定結果に納得したら、不動産業者と媒介契約を締結します。買取保証の場合、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約が基本で、不動産業者が一定期間にわたって物件の販売活動を行います。
媒介契約を締結する際は、以下の内容を確認しましょう。
- 保証価格
- 保証期間
- 仲介手数料の有無
- 仲介期間内の対応
契約は注意深く目を通し、不明点があれば事前にしっかりと確認することで、トラブル防止につながります。
仲介の結果を待つ
媒介契約を結んだ後は、一定期間、不動産業者が仲介として販売活動を行います。
仲介期間中に買い手が見つかれば、通常の売買契約が成立します。その場合、買取保証を使うことなく、市場価格に近い高値で売ることが可能です。
売主としては、内覧対応や価格調整などに柔軟に対応し、不動産業者と密に連携を取ることが、成約率を高めるカギとなります。
売れなければ買取手続きをする
仲介期間内に売却が成立しなかった場合、不動産業者による買取手続きが行われます。
あらかじめ設定された保証価格での買取が行われ、最終的な売買契約が締結されます。
これにより、売れ残るリスクを抱えず、速やかに現金化することが可能です。
このように、買取保証の最終段階では、確定された金額で安心して取引を完了できる点が魅力です。
ただし、不動産業者によって契約不適合責任の免除や手続きの流れなどに違いがあるため、契約時の内容をしっかり理解しましょう。
不動産の買取保証よりも早く手放したいならアルバリンクがおすすめ
不動産の買取保証は、万が一売れなかった場合のリスクを回避するうえで有効な手段です。
加えて、買取保証を利用することで、売却スケジュールが立てやすく、仲介期間中に市場価格での売却も目指せる点も魅力です。
そのため、転勤や住み替え、相続などといった期限や事情がある方には特に向いています。
しかし、保証価格が相場より低くなる可能性や不動産業者の変更ができない、販売活動が不十分になるリスクがある点には注意が必要です。
こうしたリスクを避け、「買取保障よりも素早く手放したい方」や「既に仲介で売れていない方」は、即時買取を選ぶのがおすすめです。
特に、専門の買取業者に依頼することで、速やかに透明性の高い取引ができます。煩雑な手続きや売れ残りの不安もなく、契約不適合責任の免除などのメリットも享受できます。
弊社アルバリンクでは、こうした不動産買取を専門とする実績豊富な業者です。
さらに、事故物件や空き家、再建築不可物件といった一般的な市場では売却が難しい物件も、数多く買い取ってきました。
実際に、フジテレビ「newsイット!」をはじめとしたメディアにも、訳あり物件買取の専門業者として紹介された実績があります。
スピード感ある対応と柔軟な査定で多くの売主に選ばれているので、不動産を早く・確実に手放したいと考えている方は、ぜひアルバリンクへの買取をご検討ください。売れない不安を解消するお手伝いをいたします。
株式会社AlbaLinkは東京証券取引所のTPM市場に上場している不動産会社です。




