誰も継がない実家は所有しているだけでリスクを負う
「誰も継がないとはいっても、すぐには実家を手放しづらい」「とりあえず相続して所有しておこう」
相続のタイミングでこう考える方もいるかと思います。
しかし、誰も継がない実家を、明確な利用予定もなく所有してはなりません。
相続をすることで、維持費やリスクの負担が永久に発生し続けるからです。
この章では、どのような負担がかかるのかを解説します。
誰も住まない実家を相続してはいけない理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:住まない実家は相続してはいけない5つの理由!売却方法も解説
利用していなくても維持費がかかる
誰も住んでいない実家であっても、使用している・していないに関わらず、所有者には維持費の負担がかかります。
詳細はこれからお伝えしますが、所有者は誰も使わない実家のために、たった数年で数十万円から数百万円以上もの費用を支払うことになります。
空き家にかかる維持費については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:空き家の年間維持費は26万円!来年からゼロにする早ワザ売却術!
固定資産税
固定資産税とは、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課される税金のことです。
誰も住んでいない実家でも、所有者は毎年固定資産税を支払わなくてはなりません。
固定資産税の金額は、不動産の立地や土地の面積、建物の構造や状態等によっても異なりますが、一戸建ての平均額は10万〜15万円くらいが目安です。
仮に、3年所有したとすると30万〜45万円・10年所有すれば100万円〜150万円を負担することになります。
正確な固定資産税額は、毎年4月〜6月頃に所有者に送付される「固定資産税納税通知書」で確認ができます。
【固定資産税納税通知書の見本】
ちなみに、故人の名義のままにしておけば固定資産税を支払わずに済むと考える相続人もいますが、それは誤りです。
相続登記がされていなくても、相続人全員の連帯債務として支払う義務があるため、固定資産税の納付は請求されます。
参照元:e-Gov法令検索「地方税法第10条の2第1項(連帯納税義務)」
定期的な管理費用
実家を適切に維持するには、月に1回を目安に定期的に、換気や通水、草むしりなど管理を行わなくてはなりません。

日常的に人の出入りがない建物は湿気や埃が溜まり、劣化が進みやすいので、定期的に家屋の清掃・換気をする必要があるからです。
さらに、実家の管理作業時に水道や電気を利用するので、基本料金がかかります。
そのほか、遠方から実家に管理しに行くのであれば往復の交通費が必要になり、業者に委託するのであれば、平均で月額5,000〜10,000程度の委託費用がかかります。
このように、誰も使っていない実家を維持するためだけに、所有者はたった3年所有するだけでも18万〜36万円の管理費用を負担しなければなりません。
空き家の適切な管理方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:空き家の適切な管理方法と自分で空き家管理をするデメリットまとめ
火災保険や地震保険などの保険料
誰も住んでいない家だとしても、火災や災害等に備えて火災保険や地震保険に加入しておくことをおすすめします。
もし所有している空き家が火元になって周辺住宅に被害を与えた場合は、民法709条により損害賠償を負わなければなりません。
こちらの条文は失火責任法で失火者は基本的には責任を負わない、といった内容になっていますが、例外として過失がある場合はこの限りではないと記載されています。
つまり、失火の原因が所有者の空き家の放置・管理不全であると裁判所に判断された場合は損害賠償の対象となります。
空き家は漏電や放火など、火災が起こりやすい条件が揃ってしまうため、人が住んでいる家より加入の必要性が高いのです。
しかし、人の居住している家よりも、誰も住んでいない空き家の方が、保険料が割高になる傾向にあります。
前述した通り、誰も住まなくなった家は人の目が行き届かず、居住者のいる家よりも火災や災害等の危険性が高まり、その分保険会社が背負うリスクが大きくなるからです。
補償内容や保険会社等によって異なりますが、戸建ての空き家にかける火災保険の費用相場は、1年間で10,000円〜60,000円ほどです。
とくに用途もない実家のために、たった数年で数十万円にも及ぶ保険料を支払わなければなりません。
空き家の火災保険については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:空き家の火災保険の加入率は?加入しないリスクと空き家処分方法も解説
放置すれば自治体から「特定空き家」に指定されるおそれがある
誰も住まない実家を適切に管理できず、近隣住民や通行人に明らかに危険を及ぼす状態になっていると自治体から判断されると、「特定空き家」に指定されてしまいます。

特定空き家とは、放置されることによって倒壊の危険や景観を害すなど、近隣住民にとって迷惑になると行政に判断された空き家のことです。
全国的に増加傾向だった有害な空き家を減らす対策として、2015年に空家等対策の推進に関する特別措置法という法律が制定されました。
特定空き家に指定されると、次の流れで自治体から家屋の適正な管理に向けた指導を受けます。
- 空き家の調査
- 特定空き家に認定
- 助言・指導
- 勧告
- 命令
- 行政代執行
最初は、空き家の管理状況を改善するよう助言や指導が行われますが、従わなければ下記のような厳罰を所有者は受けることになります。
空き家に行政代執行が行われるまでの流れについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:行政代執行により空き家が取り壊される最恐のリスクと最強の回避法5選
固定資産税が増額する
特定空き家に指定された後、自治体からの適正管理に向けた指示(勧告)に従わなければ、住宅用地の特例の適用から除外され、固定資産税の納税額が増額します。
住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の税負担を軽減してもらえる優遇措置のことです。
特例が適用されていれば、敷地の面積が、住宅1戸につき200㎡までの部分には固定資産税が1/6・200㎡を超える部分には3/1まで抑えることができます。

住宅用地の特例が適用されているときの固定資産税が15万円だったとすれば、特例の適用から除外されると単純計算で90万円になります。
実家の管理を怠ったばかりに所有者は、たった1年で100万円に近い固定資産税を支払わなければなりません。
50万円以下の罰金が科される
勧告を受けてもなお、所有者が適切な管理を行わなければ、法的効力を持つ「命令」が自治体より下されます。
自治体からの命令に従わない所有者には、50万円以下の罰金が科されてしまいます。
実家を強制的に解体され、解体費用請の全額を請求される
所有者が自治体からの命令にも従わなければ、最終的に自治体が行政代執行を実行し、実家を強制的に解体されます。
行政代執行とは、自治体が所有者に代わって家屋の解体等の適切な処置をとることです。
家屋の解体にかかった工事費用は、行政代執行法第5条・6条により、すべて所有者に請求されます。
ここでの注意したいのは、所有者が費用を支払うけれど業者は指定できない、という点です。
自治体から指定を受けた解体業者が解体作業をおこなうので、自分で業者選定するときより費用が高額になるおそれがあります。
30坪の木造戸建住宅を解体する費用相場は90万〜150万円なので、行政の解体費用はこれより高額になる可能性が高いということになります。
もし支払えなかった場合、所有者の現金や預貯金、不動産、自動車といった資産を差し押さえるなど、行政は強制的な徴収が可能です。
ちなみに、所有者が自己破産しようと、行政代執行にかかった費用の支払いが免除されることはありません。
執行費用は、国税を滞納したときと同様に「強制徴収」が認められています。
そのため、自己破産しても支払いを免除されることはありません。
誰も継がない実家を安易に所有してしまうと、不動産を失うばかりか、数百万円もの大金を所有者は支払わなければならなくなります。
近隣住民等に危害を与え損害賠償を請求されるおそれがある
前述した「特定空き家」に指定されなくても、管理不足の実家が原因で近隣住民や通行人に危害を与えれば、実家の所有者は被害者や遺族から損害賠償を請求されるおそれがあります。

不動産を適切に管理するのは所有者の責任です。それを怠ったために起きた事故等の責任の所在は所有者にあると、民法第717条にも明文されています。
たとえば、公益財団法人日本住宅総合センターの、試算を前提とした被害モデルの損害額は下記のとおりです。
- 老朽化した空き家が倒壊した
- 倒壊した空き家が原因で隣接する家屋が全壊し住民が死亡した
- 約2億円もの損害賠償を所有者は請求されるおそれがある
資料にある「死亡逸失利益」とは、収入や年金など、被害者が将来得られるはずだった利益を死亡によって失ったことによる損害のことです。
適切な管理をすることなく実家を所有してしまえば、大きすぎる代償を所有者は払うことになりかねません。
最悪の場合、人命を奪うことにすらなりかねないのです。
空き家倒壊のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:倒壊しそうな空き家を放置すると損害賠償責任も!あなたに最適な対処法も紹介
たとえ誰も継がない実家でも「相続放棄」は慎重に検討すべき
ここまで、誰も継がない実家を所有するさまざまなリスクについて解説してきました。
「そんなにリスクだらけなら実家を継ぎたくない」と思った方もいるのではないでしょうか。
まだ相続していない方は、「相続放棄」を選択することも可能です。
ただし、誰も継がない実家だとしても、慎重にするべきと言えます。
相続放棄とは、相続人という立場そのものを放棄することです。
つまり、プラスの財産もマイナスの財産も含め、亡くなった人のすべての遺産を一切相続しないことを指します。
プラスの財産、マイナスの財産とは、それぞれ下記のようなものが該当します。
【プラスの財産】
- 現金
- 預貯金
- 有価証券
- 不動産
- 貴金属
【マイナスの財産】
- 借金
- 保証債務
- 未払いの税金
- 葬儀費用
相続放棄は、故人が亡くなった翌日から3ヶ月以内に家庭裁判所に手続きを行う必要があります。
この章では、相続放棄を慎重に検討すべき理由と、相続放棄するか否かの判断基準を解説していきます。
相続放棄の概要と相談先については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:実家の相続放棄を決めるのはまだ早い!意外と知らない3つのリスク
相続放棄以外の選択肢も含めて検討したい方は、親の家を手放す方法も確認しておきましょう。
関連記事:親の家を相続したくないときの対処法4選!売却方法や相続放棄を徹底解説
相続放棄は慎重に検討すべき理由
まず、相続放棄を慎重に検討すべき3つの理由を順番に解説します。
全ての財産を相続できなくなる
相続放棄するとなると、誰も継がない実家に限らず、すべての全財産を相続できなくなります。

先ほどもお伝えした通り、「相続放棄」は相続人であること自体を放棄することになるからです。民法939条にも、下記のように明記されています。
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。引用元:e-Gov法令検索|民法
たとえば、「実家はいらないけど、現金は相続したい」など、特定の財産のみを抜き出して相続することはできません。
そのため、もし他に相続したい財産があるのであれば、相続放棄は利用できなくなります。
現に占有している場合は相続放棄しても管理責任は残る
相続放棄したとしても、実家に住むなど、現に占有している場合は放棄した財産の管理責任が残ります。
他の相続人による財産の管理が開始するまでの期間は、現に占有している者が自身の財産と同様の注意を払って管理を続けなければならないと民法940条で定められているからです。
相続放棄後でも、誰も住んでいない実家を他の相続人が適切に管理できていなければ、相続放棄した人が代わりに対応するよう、自治体から求められる可能性もあります。
実家の管理責任から完全に解放されるには、「相続財産清算人選任の申立て」をおこなわなければなりません。
詳細は次の見出しで解説いたします。
相続財産清算人の選任には費用がかかる
相続放棄によって実家の管理責任から解放されるためには、相続放棄した人が家庭裁判所に申し立てを行い、「相続財産清算人」を選任してもらう必要があります。
相続財産清算人とは、相続人の代わりに財産を管理する人のことです。

相続人がいない、あるいは相続人はいるが全員相続放棄した、といったケースで任命が必要になります。
具体的には、下記のような業務を相続人の代わりに行います。
- 不動産の相続登記
- 預金の払い戻し
- 預金口座の解約
- 家財の処分
- 債務の弁済
相続財産清算人は、家庭裁判所によって任命されます。
一般的に選任されることが多いのは、弁護士や司法書士など、公平な判断が下せる専門家です。
選任された相続財産清算人が実家の管理を開始できる状態になれば、相続放棄した人は管理責任から完全に解放されます。
ただし、相続財産清算人の選任には、申立てた人が50万〜100万円もの予納金を家庭裁判所に支払わなければなりません。
予納金とは、相続財産清算人の報酬と財産管理の業務を進めるのに必要な予算のことです。
基本的に予納金は相続財産から差し引かれますが、もし足りなければ申し立てた人が残りを負担する必要があります。
相続放棄するか否かは全相続財産総額を調べてから判断する
先ほどお伝えした通り、相続放棄をすると相続財産のすべてを放棄することになります。
そのため、相続放棄を検討するのであれば、必ず相続したい財産が明確にある等でなければ、まずは故人の全相続財産の総額の調査が必要です。
これを相続財産調査と言います。
相続財産調査の内容は、たとえば。故人の口座残高の調査や、金融機関への返済がどれだけ残っているのか、どのような不動産を持っているのか、などを調べます。
相続財産調査は自身でおこなうことも可能ですが、弁護士や司法書士など、専門家に依頼するのが一般的です。
相続発生から3ヶ月以内という短期間に、正確に財産調査をおこない、相続放棄の申告を行う必要があるからです。
専門家に相続財産調査を依頼するのであれば、費用は20万〜50万円程度かかりますが、調査にかかる期間はおよそ1ヶ月で完了します。
相続したい財産がある又は全相続財産総額がプラスなら相続放棄すべきではない
相続財産調査の結果、どうしても相続したい財産がある場合や、財産の総額がプラスになる場合は、相続放棄をするべきではありません。
前述した通り、相続放棄をするとすべての財産を相続できなくなるからです。
「実家は相続したくないけど、現金は相続したい」「総額はプラスではないものの、どうしても自動車は欲しい」など、欲しい財産がある場合は、一旦相続して実家だけを売却しましょう。
一旦相続してから実家を売却すれば、所有者は欲しい財産を相続しつつ、誰も継がない実家を現金化できます。
現金化できれば、相続人全員で売却額を分配することもできるのです。

ここまで聞くと、「誰も継ぎたくないような家を売却できるの?」と、疑問に思うかもしれませんが、可能です。
誰も継がないような実家でも売却できる方法は、次の相続放棄が有効なケースの解説の後にお伝えします。
相続したい財産もなく全相続財産総額がマイナスなら相続放棄も有効
相続財産調査の結果、とくに相続したい財産もなく、全財産の総額がマイナスになるのであれば、相続放棄は有効です。
相続放棄をすれば、誰も継がない実家だけでなく、負債も受け継がずに済むからです。
ただし、前述した通り、相続放棄しても、誰も住まない実家などの財産管理責任はすぐにはなくなりません。
実家の管理責任から1日でも早く解放されるためにも、一旦相続してから実家を売却することをおすすめします。
誰も継がない実家は相続後に専門の買取業者に直接売却するのがベスト!
「誰も継がないけれど、実家をこのまま放置しておくのは不安……」
「相続放棄は手続きが面倒……」
「他に相続したい財産があるから、相続放棄はできない……」
など、さまざまな事情を抱えている方がいるでしょう。
結論からお伝えすると、誰も継がないような家でも、まずは専門の不動産買取業者に相談してみるのがおすすめです。
一般の不動産会社では取り扱いが難しいとされる物件でも、専門の買取業者であれば、前向きに引き取りを検討してもらえるからです。
この章では、不動産の2種類の売却方法・不動産買取業者に依頼するメリットを解説します。
2種類の不動産会社「仲介業者」「買取業者」とではシステムが違う
前提として、不動産の売却方法には2種類あります。

売却方法のシステムがそれぞれ異なるので、簡単に解説します。
仲介とは、売主と買主の間に入り、売買契約を結ぶまでの過程を手伝う業者のことです。
仲介業者は、見つけた買主と売主の売買契約が成立したときに両者からもらえる仲介手数料を利益としています。
一方で買取は、売主の不動産を、業者自身が買主となって直接買い取る業者です。
現状のまま引き取った不動産にリフォーム等を施して商品化し、自社で運用や再販をすることで利益を得ています。
誰も継がない実家は、維持費や片付けの負担を考えると、早く手軽に手放せる買取が向いているといえます。
仲介と買取の違いは、下記の記事にて詳しく解説しておりますので、ご覧ください。
関連記事:仲介と買取の違いをサクッと理解しよう!【どちらが最適か教えます】
誰も継がない実家を専門の不動産買取業者に依頼して売却するメリット
先ほどお伝えしたように、買取業者は買い取った不動産を商品化して事業をおこなうことが目的です。
買取業者のなかでも、需要の少ない不動産に強い専門の買取業者であれば、誰も継がないような実家でも、引き取りを前向きに検討してもらえます。

専門の買取業者には需要が少ない不動産を数多く再生してきた経験から、活用のノウハウを蓄積しています。
そのため、一般的な不動産会社が取り扱いを断るような物件でも、活用方法を見いだして引き取りを検討できるケースがあるのです。
ここからは、専門の買取業者に相談すると、どのようなメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。
リフォームや家財の片付け等は一切不要
家を売却するには、部屋にある大量の荷物や家財をすべて片付けて、きれいな状態にしなくてはいけません。
しかし、専門の買取業者に依頼すれば、売主自身でリフォームや家財の片付け等を一切おこなうことなく、そのままの状態で引き取ってもらえます。
なぜかというと、リフォーム業者や清掃業者等をまとめて手配できるからです。
買取業者は以下のような不動産でも、そのまま引き取ります。
- 築年数がかなり経過していて、そのままでは住めない
- お仏壇や位牌等が残っていて、どうしたらいいかわからない
- 物置やゴミ屋敷になっていて手が付けられない
弊社アルバリンクでも、片付けから引き取りまでワンストップで対応しています。
誰も継がない実家をスムーズに手放したい場合は、弊社までご相談ください。
1週間から1ヶ月程度で決済・引き渡しまで完了できる
専門の買取業者に依頼すれば、誰も継がないような実家でも、1週間から1ヶ月程度で引き取ってもらえます。
なぜスピーディーに引き取れるのかというと、買取業者自身が取引相手になるからです。
専門の買取業者は、物件を活用できるかどうかを自社で判断できるため、査定から引き取り条件のご提示までをスピーディーに進められます。
このように、手放すまでの流れがスムーズなので、所有者が維持費を払い続ける期間を短く抑えられます。
また、詳細は後述しますが、相続した実家を売却した際にかかる税金を抑えられる特例もあります。
特例を利用するには期限があるため、税金面で損をしないためにも、早めに買取業者へ相談しておくと安心です。
売主の負う契約不適合責任の一切が免責される
一般的に、不動産を売却する際には、売主は契約不適合責任を負います。
契約不適合責任とは、不動産引き渡し後に売買契約書に記載のない欠陥が見つかった場合に、売主に課される責任のことです。

具体的には、買主が住み始めてから雨漏りやシロアリ被害が発見されるなどのケースが契約不適合責任にあたります。
契約不適合があると、不動産取引が完了した後でも損害賠償や売買契約の解除を請求されるおそれがあります。
また、築年数のある程度経過した中古住宅は、ほとんど欠陥を抱えている可能性が高いです。
一般的に、新築から10〜20年あたりで外壁や内装の劣化が顕著にあらわれますが、実家であれば、さらに年数が経過していると予想できます。
対して、専門の買取業者は、売買契約時に特約を設けて、売主の負う契約不適合責任の一切を免責できます。
専門の買取業者に依頼すれば、どのような欠陥が潜んでいるのか売主自身ですら把握できていない実家も、安心して手放せるのです。
失敗しない!誰も継がない実家をスムーズに買い取れる専門買取業者の選び方
前章でお伝えしたとおり、誰も継がない実家を手放すのであれば、専門の不動産買取業者に相談するのがおすすめです。
では、誰も継がない実家でも安心して任せられる、専門の買取業者を選ぶ方法について解説します。
買手から需要の少ない不動産の買取実績が豊富な業者を選ぶ
需要の少ない不動産の引き取り実績が豊富な業者であれば、0円でも貰い手が付かないような物件でも、引き取りを前向きに検討してもらえます。
実績が豊富な専門の業者は、需要の低い不動産を活用するノウハウや、再販先のネットワークを持ち合わせているからです。
一方で、 需要の低い不動産の取扱い実績が少ない業者は、活用の見通しを十分に立てられず、引き取りに消極的になりがちです。
スムーズに手放すためにも、まずは買取業者の公式サイトで対応事例や実績を確認し、実家と類似した物件を多く取り扱っている業者に依頼しましょう。
依頼前に口コミ・評判を調べておく
買取業者を選ぶ際は、実際に利用した人の口コミにも目を通しておくことも大切です。
業者の公式サイトでは、自社へ依頼するメリットが強調されがちですが、口コミには利用者の率直な感想が寄せられています。
対応の丁寧さや取引の進め方を把握するためにも、Googleマップなどで事前に利用者の声を確認しておきましょう。
弊社アルバリンクは、Google口コミで平均4.79件(※2025年1月1日~2025年12月31日の集計)の高評価をいただいております。
安心して任せられる業者をお探しの方は、ぜひ一度弊社アルバリンクにお問い合わせください。
>>【信頼できる業者に相談したい方へ】実家の無料相談はこちら
査定価格の根拠を各業者の担当者に聞く
問い合わせた買取業者から査定結果を受け取ったら、担当者に査定の根拠を確認しましょう。
なかには、悪質な業者が紛れ込んでいる恐れがあるからです。
需要の少ない物件は、提示された査定額が「本来の価値より不当に低く見積もられたもの」なのか、「再販までのコストを踏まえた結果、やむを得ず低くなったもの」なのかを見極める必要があります。
査定結果が妥当かどうかを確認するためにも、査定結果を提示されたら、その根拠を必ず聞いておきましょう。
信頼できる買取業者であれば、過去の対応事例や、商品化までにかかる想定コストなど、査定額の算出に用いたデータを示してもらえます。
弊社アルバリンクでも、査定結果の根拠は積極的にお伝えしております。
買取業者である弊社は、まず「買取」が可能かどうかを検討します。
ただ、建物の状態や立地などを踏まえ、再販に大きなコストが見込まれる物件については、無償または有償でのお引き取りとなるケースもございます。
その際は、「何に、どれだけの費用がかかるのか」を具体的にご提示し、契約前に分かりやすくご説明いたします。
今後の選択肢を検討する判断材料として、まずは査定を受けてご実家の評価を確認してみてください。
>>【専門家による精度の高い査定】実家の手放し方を無料で相談
弊社Albalinkの相続物件の解決事例
ここまで、誰も継がない実家は専門の買取業者に相談するのがおすすめだとお伝えしてきました。
そこでこの章では、弊社アルバリンクを例に、実際に相続物件のご相談をお受けした対応事例を紹介します。
弊社は訳アリ物件を専門に扱う買取業者として、他社では断られてしまうような不動産のご相談にも数多く対応してきました。
たとえば以下は、遠方にある実家の扱いにお困りだったお客様からいただいた声です。
母が相続した遠方の家の処分に困り、テレビで紹介されていたアルバリンクさんに問い合わせのメールをしました。
メールをして、1時間もしないうちに横浜支店の須田さんから連絡がきて、その後スピーディーな査定をしていただきました。
かなり遠方のその家は、伝統的建造物の保存地区に指定されていて、壊したり建築するにも制限があります。
また、古く、室内にも物がそのままの状態です。
地元不動産に売却を依頼しましたが全く買い手がつかないような難しい物件です。
とにかく、「手数料がかかっても処分できれば」という状況でした。
あのような家でも、引き取っていただけることにびっくりでした。
担当の須田さんは、大変丁寧で誠実で、いろいろとすばやく対応していただきました。
(中略)
問い合わせてから契約までスムーズに行うことができ須田さんには大変感謝しております。ありがとうございました
このように、他では引き取り手が見つからなかった物件でも、手放す道を一緒に探せる場合があります。
また、弊社は不動産買取業者としては数少ない上場企業であり、安心してお任せいただける体制を整えています。
安心してお任せいただける業者をお求めの方は、どうぞお気軽にアルバリンクまでお問い合わせください。
>>【実家を安心してスムーズに手放す】無料相談・無料査定はこちら
誰も継がない実家を代表者が一旦相続してから売却すればみんなで売却額を分け合える
お伝えしてきた通り、誰も継がない実家であっても相続放棄せず、一旦相続してから手放すのがおすすめです。
ただし、故人の名義のままでは実家を手放すことはできません。
亡くなった方の名義のままでは、所有者として契約や名義変更の手続きを進められないためです。
誰も継がない実家を手放す際は、遺産分割協議で代表者を決め、その代表者の名義で相続登記をしてから手続きを進めます。
遺産分割協議とは、相続人同士の中で、どの財産をどう分けるかについて話し合う会議のことです。
相続登記というのは、不動産の所有者が亡くなった際に、登記名義を亡くなった人から相続人へ名義変更を行なうことを言います。

まずは相続人同士で遺産分割協議を行い、登記上の所有者となる代表者を決めます。
その際は、「手放す際にかかる費用は〇人で均等に負担する」といった取り決めを遺産分割協議書に記載し、相続人全員で署名・押印しておきましょう。
書面に残しておけば、あとから「聞いていない」「話が違う」といった行き違いが起きても、取り決めの内容を証明できます。
相続登記を済ませれば、代表者が法的に実家の所有者として認められ、手放す手続きを進められるようになります。
なお、遺産分割協議や相続登記は不備があるとやり直しになることもあるため、司法書士などの専門家に相談しながら進めると安心です。
遺産分割協議書の作成方法・注意点については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:共有不動産の遺産分割協議書の作成方法と注意点【司法書士が徹底解説】
誰も継がない実家の売却にかかる税金
誰も継がない実家を売却するにはいくつか税金がかかりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
| 税金名 | 概要 |
|---|---|
| 登録免許税 | 登記の手続きの際にかかる税金。固定資産税評価額×2.0% |
| 印紙税 | 商業取引における文書に対してかかる税金。不動産が10万〜1,000万円の売却価格であれば、印紙税は、200円〜5,000円 |
| 課税所得税 | 不動産を売却した際の利益の部分にかかる税金。取得費が不明な1,000万円の不動産であれば、135万円程度 |
不動産売却にかかる税金は、下記の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
関連記事:不動産売却の税金はいくら?かからないケースや節税できる特例も紹介
誰も継がない実家を売却するなら特例を使って売却後にかかる税金を節税しよう
誰も継がない実家を売却する際に利用できる特例が適用されれば、売却後にかかる税金を節税できます。
適用条件についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
譲渡所得より、最大3,000万円を控除してもらえる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」という制度があります。
要件を満たせば、3,000万円未満の利益に対して、譲渡所得税はかかりません。
特例が適用となる要件は、下記のとおりです。
- 相続開始日から3年後の年末までに売却していること
- 建物と土地の両方相続していること
- マンションなど、区分所有建物ではないこと
- 昭和56年5月31日以前に建築されていること
- 被相続人が亡くなる直前まで居住していたこと
- 同じ被相続人(亡くなった方)の相続ですでに空き家特例を利用していないこと
- 買主が特別な関係の人以外の第三者であること
- 売却価格が1億円以下であること
- 耐震基準を満たしている、もしくは更地であること
- 相続から売却まで誰も居住・利用していないこと
実際に適用されたと仮定して、計算式を見ていきましょう。
まず、下記の計算式で譲渡所得を算出します。
それぞれの項目の詳細は以下のとおりです。
- 譲渡所得…不動産の売却益
- 売却金額…今回の売却金額
- 取得費…購入したときの費用と諸経費
- 譲渡費用…今回の売却でかかった諸経費
土地の取得費は購入価格そのままですが、建物は計算式が異なります。建物は経年劣化を加味して「減価償却費」として購入価格から差し引きます。
減価償却費の計算式は以下のとおりです。
経過年数は所有期間を指し、償却率とは、れんが造が0.018、木造住宅は0.031といったように建物の構造ごとに定められている数値のことです。
では、売却金額が4000万円で、譲渡費用100万円・土地の購入価格3,000万円・建物の購入価格2,000万円の、木造住宅を40年間所有していたと仮定して計算します。
建物の購入金額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数より、
建物の減価償却費 = 2,000万円 × 0.9 × 0.031 × 40年=2,232万円
次に、土地と建物の取得費を合わせて、トータルの取得費を算出します。
取得費 = 3,000万円 +(2,000万円 – 2,232万円) = 2,768万円
次に、譲渡所得を以下のように求めます。
売却金額-取得費-譲渡費用より、
譲渡所得 = 4,000万円 – 2,768万円 – 100万円 = 1,132万円
譲渡所得税 = (譲渡所得 – 特別控除) × 税率より、
税率は、5年以上所有している不動産は20.315%であるため、
1,132万円 – 3,000万円 × 20,315% = 0円
このように、空き家特例が適用されれば、譲渡所得税は0円となります。
もし、特例の適用がなければ譲渡所得にそのまま税率がかかるので、約230万円の納付が必要となります。
先ほどお伝えした通り、空き家特例の適用条件の1つは「相続開始日から3年後の年末までに売却していること」です。
節税の観点から、実家を売却するのであれば3年以内がおすすめです。
空き家特例の申請方法なども知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:【チェックシート】空き家の3,000万円特別控除とは?要件や必要書類を紹介
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは、相続税を支払って取得した不動産などの財産を、一定期間内に売却した際に、相続税額の一部を取得費に加算できる特例です。

特例を適用できれば、譲渡所得にかかる税金を減額できます。
取得費加算の特例を受けるための要件は以下のとおりです。
- 相続や遺贈により財産を取得した人であること
- 相続財産を取得した人が相続税を納めていること
- 相続開始日から3年以内に実家を売却していること
国税庁のホームページより、自分が要件を満たしているかどうかを調べられるチェックシートがあるため、確認しましょう。
参照元:国税庁「相続財産を譲渡した場合の相続税額の取得費加算の特例チェックシート」
取得費に加算できる相続税の求め方は、以下のとおりです。
相続税額が310万円・実家の売却金額が4000万円・全相続財産の課税価格が6,000万円と仮定して計算すると、
このように、譲渡所得の計算の取得金額に206万円をプラスできる計算になります。
取得費加算の特例と併用できる特例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:相続した空き家の取得費加算の特例が丸わかり!併用できる特例も解説!
まとめ
今回の記事では、誰も継がない実家を持ち続けるリスクや、負担を抑えてスムーズに手放す方法について解説しました。
本文でもお伝えした通り、相続財産が明らかにマイナスでない限りは、一旦相続したうえで実家を手放すのがおすすめです。
誰も継がない実家は、持ち続けるほど管理の手間や維持費がかさんでいきます。
納得のいく形で手放すためにも、専門の買取業者に相談し、まずは実家の状況を知るところから始めてみてください。
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